大気汚染防止法 第2条(定義等)
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- この法律において「ばい煙」とは、次の各号に掲げる物質をいう。
- 一燃料その他の物の燃焼に伴い発生するいおう酸化物
- 二燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん
- 三物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、カドミウム、塩素、弗化水素、鉛その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質(第一号に掲げるものを除く。)で政令で定めるもの
- 2.この法律において「ばい煙発生施設」とは、工場又は事業場に設置される施設でばい煙を発生し、及び排出するもののうち、その施設から排出されるばい煙が大気の汚染の原因となるもので政令で定めるものをいう。
- 3.この法律において「ばい煙処理施設」とは、ばい煙発生施設において発生するばい煙を処理するための施設及びこれに附属する施設をいう。
- 4.この法律において「揮発性有機化合物」とは、大気中に排出され、又は飛散した時に気体である有機化合物(浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成の原因とならない物質として政令で定める物質を除く。)をいう。
- 5.この法律において「揮発性有機化合物排出施設」とは、工場又は事業場に設置される施設で揮発性有機化合物を排出するもののうち、その施設から排出される揮発性有機化合物が大気の汚染の原因となるものであつて、揮発性有機化合物の排出量が多いためにその規制を行うことが特に必要なものとして政令で定めるものをいう。
- 6.前項の政令は、事業者が自主的に行う揮発性有機化合物の排出及び飛散の抑制のための取組が促進されるよう十分配慮して定めるものとする。
- 7.この法律において「粉じん」とは、物の破砕、選別その他の機械的処理又は堆積に伴い発生し、又は飛散する物質をいう。
- 8.この法律において「特定粉じん」とは、粉じんのうち、石綿その他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質で政令で定めるものをいい、「一般粉じん」とは、特定粉じん以外の粉じんをいう。
- 9.この法律において「一般粉じん発生施設」とは、工場又は事業場に設置される施設で一般粉じんを発生し、及び排出し、又は飛散させるもののうち、その施設から排出され、又は飛散する一般粉じんが大気の汚染の原因となるもので政令で定めるものをいう。
- 10.この法律において「特定粉じん発生施設」とは、工場又は事業場に設置される施設で特定粉じんを発生し、及び排出し、又は飛散させるもののうち、その施設から排出され、又は飛散する特定粉じんが大気の汚染の原因となるもので政令で定めるものをいう。
- 11.この法律において「特定粉じん排出等作業」とは、吹付け石綿その他の特定粉じんを発生し、又は飛散させる原因となる建築材料で政令で定めるもの(以下「特定建築材料」という。)が使用されている建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)を解体し、改造し、又は補修する作業のうち、その作業の場所から排出され、又は飛散する特定粉じんが大気の汚染の原因となるもので政令で定めるものをいう。
- 12.この法律において「特定工事」とは、特定粉じん排出等作業を伴う建設工事をいう。
- 13.この法律において「水銀等」とは、水銀及びその化合物をいう。
- 14.この法律において「水銀排出施設」とは、工場又は事業場に設置される施設で水銀等を大気中に排出するもののうち、条約の規定に基づきその規制を行うことが必要なものとして政令で定めるものをいう。
- 15.この法律において「排出口」とは、ばい煙発生施設において発生するばい煙、揮発性有機化合物排出施設に係る揮発性有機化合物又は水銀排出施設に係る水銀等を大気中に排出するために設けられた煙突その他の施設の開口部をいう。
- 16.この法律において「有害大気汚染物質」とは、継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある物質で大気の汚染の原因となるもの(ばい煙(第一項第一号及び第三号に掲げるものに限る。)、特定粉じん及び水銀等を除く。)をいう。
- 17.この法律において「自動車排出ガス」とは、自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車のうち環境省令で定めるもの及び同条第三項に規定する原動機付自転車のうち環境省令で定めるものをいう。以下同じ。)の運行に伴い発生する一酸化炭素、炭化水素、鉛その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質で政令で定めるものをいう。
この条文の基本情報
定義等とは何ですか?
定義定義等とは、大気汚染防止法第2条に定められた規定で、「この法律において「ばい煙」とは、次の各号に掲げる物質をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 大気汚染防止法第2条(定義等)は、日本の大気汚染防止法に含まれる条文です。
- 大気汚染防止法第2条の条文原文は「この法律において「ばい煙」とは、次の各号に掲げる物質をいう。」で始まります。
- 大気汚染防止法第2条は第一章 総則に置かれています。
- 大気汚染防止法の公布日は昭和43年6月10日です。
- 大気汚染防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 大気汚染防止法第2条の前の条は大気汚染防止法第1条です。
- 大気汚染防止法第2条の次の条は大気汚染防止法第3条です。
- 大気汚染防止法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000097 - 本サイト収録
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000097/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点大気汚染防止法第2条は、ばい煙・揮発性有機化合物・粉じん・水銀等など17の用語を定義する規定。規制対象の具体的な物質や施設の範囲は、多くを政令に委ねている。
Q · うちの工場やリフォーム工事が大気汚染防止法の規制対象かどうかは、どうやって分かるの?
施行令の別表で施設の種類と規模を照合して判断する
大気汚染防止法第2条は、ばい煙発生施設、揮発性有機化合物排出施設、一般粉じん発生施設、水銀排出施設、特定粉じん排出等作業などを定義していますが、具体的な対象の多くを政令に委ねています。そのため、目に見える煙が出ているかどうかではなく、大気汚染防止法施行令の別表に施設の種類と規模が該当するかで判断します。石綿を含む建材がある建物の解体・改修は、特定粉じん排出等作業として別途の規制を受けます。
解説
条文には「窒素酸化物」という言葉が一度も出てこない。それでも、工場のボイラーが出す NOx はれっきとした「ばい煙」として規制されている。仕組みは第1項第3号の「政令で定めるもの」という一句にある。本条は17の定義を並べているが、その多くが「政令で定める」で終わる。つまり、あなたの工場、あなたの店、あなたが頼んだリフォーム工事が規制の対象になるかどうかは、法律の本文ではなく施行令の別表で決まる。特に見落とされやすいのが第11項の「特定建築材料」である。令和2年(2020年)改正で、スレート屋根やビニル床タイルのような石綿を含む成形板まで対象が広がった。あわせて、小さな改修工事でも事前調査が義務になった。定義を読み飛ばしていると、自分が規制対象だと気付いたときには、もう届出期限を過ぎていることになる。
法的な位置づけ
大気汚染防止法第2条は、同法の適用範囲を画する定義規定である。ばい煙、ばい煙発生施設、揮発性有機化合物、粉じん、特定粉じん、特定粉じん排出等作業、水銀等、有害大気汚染物質、自動車排出ガスなど17項にわたる用語を定め、具体的な物質・施設・作業の範囲の多くを政令に委任している。
よくある質問 AI による整理
Q1ばい煙とは何ですか?
大気汚染防止法第2条第1項が定める、燃焼に伴う硫黄酸化物、燃焼や電気の熱源使用に伴うばいじん、政令で定める有害物質(窒素酸化物など)の総称です。
Q2ばい煙発生施設 届出 必要?
施行令の別表に掲げる種類・規模の施設なら、設置前に都道府県等への届出が必要です(第6条)。受理後60日間は原則として設置工事ができません(第10条)。
Q3特定建築材料とは?
吹付け石綿その他、特定粉じんを発生・飛散させる原因となる建築材料で政令で定めるものです(第2条第11項)。令和2年改正で石綿含有成形板なども対象になりました。
Q4アスベスト 事前調査 誰がやる?
解体・改修工事の元請業者が行う義務を負います。一定の工事では有資格者による調査が必要で、結果は発注者へ書面で説明します。
Q5揮発性有機化合物(VOC)の規制対象は?
大気中で気体となる有機化合物のうち、浮遊粒子状物質やオキシダントの原因とならない政令指定物質を除いたものです。排出量の多い施設が政令で規制対象になります。
Q6粉じんとばい煙はどう区別する?
燃焼・合成・分解などに伴うものがばい煙、破砕・選別などの機械的処理や堆積に伴うものが粉じんです。どちらに当たるかで適用される基準が変わります。
Q7有害大気汚染物質とは?
継続的に摂取されると健康を損なうおそれがある大気汚染の原因物質です。ただし、一定のばい煙、特定粉じん、水銀等は定義から除かれています(第2条第16項)。
Q8水銀排出施設 規制 いつから?
水俣条約を担保する平成27年(2015年)改正で導入され、平成30年(2018年)に施行されました。対象施設は政令で定められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家のリフォームくらいで、本当に石綿の調査って要るんですか?
要る。令和2年(2020年)改正で、元請業者は工事の規模に関係なく、解体・改修の前に石綿の有無を調査し、結果を発注者に書面で説明しなければならなくなった(第18条の15)。一定規模以上の工事は行政への報告も必要である。実務のポイント:見積もりに調査費が入っていない業者には注意。現場掲示と調査記録の写しを求めれば、調査が実際に行われたかを確認できる
Q2工場の近くに住んでいて喘息になりました。その工場が規制対象かどうかで、何が変わるんですか?
大きく変わる。事業活動に伴って健康被害物質が排出され、人の生命・身体を害した場合、事業者は故意や過失がなくても賠償責任を負う(第25条)。対象となる物質の範囲は、本条のばい煙・粉じんの定義が土台になる。実務のポイント:それでも因果関係の立証は被害者側に重くのしかかる。自治体の常時監視データと、事業者に課された測定記録(第16条)を、早い段階で押さえておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「うちの工場は煙を出していないから関係ない」という発想は、問いの立て方からずれている。規制対象かどうかは、目に見える煙で決まるのではない。政令の別表に施設の種類と規模が載っているかどうかで決まる。無色透明の窒素酸化物や揮発性有機化合物を出す施設も、規模の基準を超えれば対象になる
- 吹付け石綿が危険なことは多くの人が知っている。しかし令和2年(2020年)改正で、石綿を含む建材はすべて特定建築材料になり、スレートや床タイルのような成形板まで網に入ったことは、あまり知られていない。しかも解体や改修の前の事前調査は、石綿があるかどうかに関係なく、すべての工事で元請業者の義務である。調査記録には保存義務もある。「うちは吹付けじゃないから大丈夫」では済まない
- あなたから見れば、焼却炉の煙も石材を砕く粉も、同じ「汚れた空気」である。しかし法律はこの二つを分ける。燃焼・合成・分解に伴うものは「ばい煙」、破砕・選別などの機械的処理や堆積に伴うものは「粉じん」になる。ばい煙には数値の排出基準がかかり、一般粉じんには施設の構造・使用・管理の基準がかかる。どちらに分類されるかを取り違えると、打つべき対策も、相手を追及するための根拠条文も、まるごと外れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 第2条:規制対象となる用語の定義(それ自体に義務はない) | 第3条:ばい煙の排出基準の設定 第18条の15:解体等工事の事前調査・説明義務 |
| 誰に効くか | すべての規制の入口として、対象の物質・施設・作業を画する | ばい煙発生施設を設置する事業者 解体・改修工事の元請業者 |
| 実務上の確認ポイント | 施行令の別表で施設の種類・規模、建材の種類が該当するか | 排出口での数値基準を満たしているか 着工前に調査し、発注者へ書面で説明したか |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も冒頭に用語定義条文を置き、具体的な対象物質や公私場所の範囲は中央主管機関の公告・規則に委ねる構造で日本と近い
韓国も定義条文で大気汚染物質・排出施設等を定め、具体的物質は環境部令に委任する
ドイツは「有害な環境影響」「排出」「施設」など上位概念で定義し、具体的な規制は施行令(BImSchV)とTA Luftで行う
米国は連邦法で定義を置き、有害大気汚染物質のリストはEPAの規則で追加・見直しする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣の工場の煙突から、夜だけ異臭のする煙が出ていたらどうなる? 最初に確かめるべきは、その設備が第2項の「ばい煙発生施設」として届出されているかどうかである。届出の記録は都道府県や政令市の環境部局が持っており、問い合わせや情報公開請求で確認できる。臭いそのものは悪臭防止法の問題なので、どちらの網で攻めるかを分けて考える
- あなたは町の工務店で、築40年の木造住宅の屋根改修を請け負った。着工まであと10日。スレートに石綿が含まれていれば、その屋根材は特定建築材料にあたる。まず有資格者に事前調査をさせ、発注者に書面で結果を説明する。請負金額が100万円以上(税込)なら、結果を行政へ報告する必要もある。調査を飛ばして着工した場合、責任を問われるのは施主ではなく、元請であるあなたである
- カフェの開業で業務用ボイラーを導入する。伝熱面積が10平方メートル以上、またはバーナーの燃焼能力が重油換算で1時間50リットル以上なら、ばい煙発生施設にあたる。その場合は届出が受理されてから60日間、設置工事に入れない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 煙や粉じんの発生源となる施設や工事を特定し、日時・写真・動画・体調の変化を記録する2. 都道府県や政令市の環境部局に、その施設の届出状況や解体工事の届出の有無を問い合わせ、報告の徴収や立入検査(第26条)を求める3. 健康被害が出た場合は医師の診断書を確保する。事業活動に伴う健康被害物質の排出には無過失責任(第25条)がある。民法709条とあわせて請求の構成を検討する4. 当事者同士で話がつかない場合は、都道府県の公害審査会や公害等調整委員会による調停も選択肢になる
訴えられた側:1. 施行令の別表と照らし合わせ、自社の設備が種類と規模の基準に該当するかを棚卸しする2. 未届の設備が見つかったら、隠さずに速やかに自治体へ相談する。発覚してからの対応より、自主申告のほうが行政の心証ははるかに良い3. 解体や改修を請け負うときは、事前調査、発注者への書面説明、記録の保存、現場への掲示をセットで運用する4. 事業を承継したり施設を譲り受けたりしたときは、承継の届出を期限内に済ませる
時効(請求できる期限):本条は定義規定であり、特定の時効はない。ただし実務上の期限は重い。ばい煙発生施設などは、届出が受理されてから60日を経過するまで設置できない(第10条)。特定粉じん排出等作業は、作業開始の14日前までに届け出なければならない。健康被害の損害賠償請求は、民法724条・724条の2の枠組みが基本となる(生命・身体の侵害は、損害と加害者を知った時から5年、行為の時から20年)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 昭和43年(1968年)制定 ばい煙の排出の規制等に関する法律に代わって制定され、ばい煙・ばい煙発生施設の定義を置いた
- 平成元年(1989年)改正 特定粉じん(石綿)と特定粉じん発生施設の概念を導入した
- 平成8年(1996年)改正 有害大気汚染物質と、建築物の解体等に伴う特定粉じん排出等作業の定義を導入した
- 平成16年(2004年)改正 揮発性有機化合物(VOC)と排出施設の定義、自主的取組への配慮規定(第6項)を導入した
- 平成27年(2015年)改正 水俣条約の担保として、水銀等・水銀排出施設の定義を導入した(平成30年(2018年)施行)
- 令和2年(2020年)改正 石綿を含む建材全般を規制対象とする方向へ拡大し、事前調査などの義務を強化した(段階施行)
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:ばい煙の排出の規制等に関する法律に代わって制定され、ばい煙・ばい煙発生施設の定義を置いた
- 2.平成元年(1989年) 改正:特定粉じん(石綿)と特定粉じん発生施設の概念を導入した
- 3.平成8年(1996年) 改正:有害大気汚染物質と、建築物の解体等に伴う特定粉じん排出等作業の定義を導入した
- 4.平成16年(2004年) 改正:揮発性有機化合物(VOC)と排出施設の定義、事業者の自主的取組への配慮規定(第6項)を導入した
- 5.平成27年(2015年) 改正:水俣条約の担保として水銀等・水銀排出施設の定義を導入した(平成30年(2018年)施行)
- 6.令和2年(2020年) 改正:石綿を含む建材全般を規制対象とする方向へ拡大し、事前調査などの義務を強化した(段階施行)
- 大気汚染防止法 第3条ばい煙の排出基準の設定
- 大気汚染防止法 第6条ばい煙発生施設の設置届出義務
- 大気汚染防止法 第10条届出受理後60日の設置制限
- 大気汚染防止法 第18条の15解体等工事の事前調査・説明義務(現行効力を要確認)
- 大気汚染防止法 第25条健康被害に対する事業者の無過失責任
- 民法 第709条過失責任の一般原則、第25条はその特則
- 道路運送車両法 第2条自動車・原付の定義を第17項が借用
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