大気汚染防止法 第14条(改善命令等)
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- 都道府県知事は、ばい煙排出者が、そのばい煙量又はばい煙濃度が排出口において排出基準に適合しないばい煙を継続して排出するおそれがあると認めるときは、その者に対し、期限を定めて当該ばい煙発生施設の構造若しくは使用の方法若しくは当該ばい煙発生施設に係るばい煙の処理の方法の改善を命じ、又は当該ばい煙発生施設の使用の一時停止を命ずることができる。
- 2.第十三条第二項の規定は、前項の規定による命令について準用する。
- 3.都道府県知事は、総量規制基準に適合しない指定ばい煙が継続して排出されるおそれがあると認めるときは、当該指定ばい煙に係る特定工場等の設置者に対し、期限を定めて、当該特定工場等における指定ばい煙の処理の方法の改善、使用燃料の変更その他必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
- 4.前項の規定は、第二条第二項の政令の改正、第五条の二第一項の地域を定める政令の改正又は同項の都道府県知事が定める規模の変更により新たに特定工場等となつた工場又は事業場については、当該工場又は事業場が特定工場等となつた日から六月間は、適用しない。
この条文の基本情報
改善命令等とは何ですか?
定義改善命令等とは、大気汚染防止法第14条に定められた規定で、「都道府県知事は、ばい煙排出者が、そのばい煙量又はばい煙濃度が排出口において排出基準に適合しないばい煙を継続して排出するおそれがあると認めるときは、その者に対し、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 大気汚染防止法第14条(改善命令等)は、日本の大気汚染防止法に含まれる条文です。
- 大気汚染防止法第14条の条文原文は「都道府県知事は、ばい煙排出者が、そのばい煙量又はばい煙濃度が排出口において排出基準に適合しないばい煙を継続して排出するおそれがあると認めるときは、その者に対し、…」で始まります。
- 大気汚染防止法第14条は第二章 ばい煙の排出の規制等に置かれています。
- 大気汚染防止法の公布日は昭和43年6月10日です。
- 大気汚染防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 大気汚染防止法第14条の前の条は大気汚染防止法第13条の2です。
- 大気汚染防止法第14条の次の条は大気汚染防止法第15条です。
- 大気汚染防止法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000097 - 本サイト収録
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000097/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点大気汚染防止法14条は、排出基準を超えるばい煙を継続して出すおそれがある事業者に対し、都道府県知事が期限付きで施設の改善又は使用の一時停止を命じられると定める。
Q · 工場の煙が基準を超えていたら、役所は操業を止めさせられるの?
超過が続くおそれがあれば、知事は改善や使用停止を命じられる
大気汚染防止法14条1項により、都道府県知事は、排出口で排出基準に適合しないばい煙を継続して排出するおそれがあると認めるとき、期限を定めて施設の構造・使用方法・処理方法の改善を命じ、又は施設の使用の一時停止を命じることができます。一回だけの偶発的な超過では命令は出にくいものの、基準超過そのものは13条1項違反として命令なしでも処罰されうる点に注意が必要です。命令違反には33条の刑罰があります。
解説
工場の煙突から基準超えの煙が一度出ただけでは、知事は操業を止められない。本条が働く条件は「継続して排出するおそれ」であり、過去の違反を罰するためではなく、この先も続きそうな汚染を止めるための仕組みである。だから命令の中身も「直せ」になる。施設の構造、使い方、排ガス処理の方法を期限付きで改善させ、それで足りなければ施設の使用の一時停止まで命じられる(改善命令:役所が事業者に直接出す具体的な命令で、従わなければ刑罰につながる)。見落とされやすいのは、命令が出ていなくても、基準超えの排出そのものが第13条違反として直接処罰されうる点である(いわゆる直罰)。つまり事業者にとって改善命令は最初の警告ではない。すでに抱えている刑事リスクの上に重なる二枚目の札である。一方、地域全体の排出量に上限をかける総量規制基準(第3項)は、命令を経て初めて刑罰と結びつく。煙に悩む住民でも工場の担当者でも、今どの札が切られているかを見分けることが最初の一手になる。
法的な位置づけ
大気汚染防止法第14条は、ばい煙の排出基準及び総量規制基準の実効性を確保するための行政命令の根拠規定である。都道府県知事は、基準に適合しないばい煙が継続して排出されるおそれを認めた場合、期限付きの改善命令又は施設使用の一時停止命令を発することができ、命令違反には刑罰が科される。
よくある質問 AI による整理
Q1ばい煙発生施設とは何ですか?
ボイラー、ディーゼル機関、廃棄物焼却炉など、ばい煙を出す施設のうち政令で種類と規模が定められたものです。会社の規模ではなく設備単位で判断されます。
Q2大気汚染防止法の改善命令は誰が出しますか?
原則として都道府県知事です。政令で定める市では、第31条による権限の委任により市長が命令を出します。
Q3改善命令の期限はどれくらいですか?
法律に一律の日数はなく、命令ごとに知事が期限を定めます。設備工事の必要性など、改善内容に応じて設定されます。
Q4使用の一時停止命令はどんなときに出ますか?
改善命令だけでは基準超過の継続を止められないと判断される場合の手段です。1項は改善と使用停止を選択的に規定しています。
Q5総量規制基準とは何ですか?
政令で指定された地域で、工場全体から出る硫黄酸化物や窒素酸化物の総量に上限をかける基準です。一定規模以上の特定工場等に適用されます。
Q6改善命令に不服があるときはどうすればいいですか?
審査請求(処分を知った日の翌日から3か月)や取消訴訟(6か月)で争えます。ただし申立てだけでは命令の効力は原則止まりません。
Q7ばい煙の排出基準違反の罰則は?
排出基準違反自体が13条1項違反として直罰の対象になりえます(33条の2)。改善命令違反は33条で1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
Q8新しくばい煙発生施設になった場合の猶予は?
14条2項が13条2項を準用し、原則6か月(政令で定める施設は1年)は1項の命令の前提となる規制が適用されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1近所の工場の煙がひどいんだけど、役所に言えば止めてもらえるの?
知事(政令市では市長)が、排出基準を超えるばい煙が今後も出続けるおそれがあると認めれば、改善命令や使用の一時停止命令を出せます(第14条1項)。判断の決め手は、排出口で測った数値です。実務のポイント:立入検査の結果や行政指導の記録は、情報公開請求で入手できることが多いです。行政がすでに何を把握しているかを先に確かめてから動くと、苦情が「証拠付きの要請」に変わります
Q2改善命令を無視したら、実際どうなるんですか?
命令違反は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(第33条)。両罰規定(第36条)により、法人にも罰金が科されます(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:命令違反は刑事告発につながる典型的なルートです。捜査が入ると、それまでの基準超過や測定記録まで掘り起こされ、現場の担当者個人が被疑者になることもあります
Q3測定でたまたま一回超えただけでも、命令って出るの?
命令の要件は「継続して排出するおそれ」なので、一回だけの偶発的な超過なら命令は出にくいです。ただし原因が設備の構造にあれば、一回でも認定されえます。また、第13条1項の直罰は一回の超過でも成立しえます。実務のポイント:超過が出たときに一番危ないのは、記録を書き換える誘惑です。測定記録の虚偽記載には独立した罰則があります(第35条、最新の改正状況をご確認ください)
Q4総量規制って、うちの工場にも関係ある?
政令で指定された地域にあり、知事が定める規模以上の工場や事業場(特定工場等)が対象です。総量規制基準を超えただけでは直接の罰則はなく、第3項の命令に違反して初めて刑罰につながります。実務のポイント:規模要件は知事の告示で変わることがあります。新たに対象になると猶予は6か月だけなので(第4項)、告示を早くつかめるかどうかで対応コストが大きく変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 「改善命令が出るまでは処罰されない」と思われがちだが、実際は逆である。排出口で排出基準を超えるばい煙を出すこと自体が第13条1項違反で、命令がなくても処罰されうる(第33条の2、最新の改正状況をご確認ください)。改善命令は刑事リスクの前段ではなく、並んで走るもう一本の線である
- 「うちは中小企業だから関係ない」という問いの立て方がそもそも間違っている。規制対象は会社の規模ではなく、政令で定められた「ばい煙発生施設」という設備単位で決まる。ホテルや病院のボイラー、自家発電用のディーゼル機関も、政令の規模要件を満たせば本条の対象になる
- 住民から見れば「黒い煙が出ている=違法」である。しかし法律が見るのは排出口で測った量と濃度の数値だけだ。見た目がひどくても基準内なら本条の命令は出にくく、臭いは悪臭防止法という別の法律の問題になる。この食い違いを知らずに苦情を出し続けると、行政との話がいつまでもかみ合わない
- 使用の一時停止命令が怖いことは誰でも知っている。だが、停止中の売上減少や取引先への違約金を行政が補償してくれる仕組みはない。命令を受けた事実を公表する運用をとる自治体もあり、取引先の監査で問題にされる実務上の傷は、停止期間が終わってからも長く残る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 14条:基準不適合の継続おそれに対する改善命令・使用一時停止命令 | 13条:排出口での排出基準遵守義務 13条の2:総量規制基準の遵守義務 |
| 刑罰との結びつき | 命令違反で33条の刑罰(1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金) | 違反自体が直罰の対象(33条の2) 基準違反だけでは直罰なし、14条3項の命令を経て刑罰へ |
| 発動の要件 | 知事が「継続して排出するおそれ」を認定 | 排出口で基準超過の事実があれば成立しうる 特定工場等の指定ばい煙の総量が基準を超えること |
| 新規該当時の猶予 | 2項で13条2項準用(原則6か月)、4項で総量命令は6か月適用なし | 13条2項:原則6か月、政令指定施設は1年 特定工場等となった日から一定期間の猶予あり(14条4項と連動) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も固定污染源の排放標準違反に対し、主管機関が限期改善を命じ、改善しない場合に停工・停業を命じる段階的構造をとる。
韓国は改善命令と操業停止命令を別条で規定し、改善命令不履行を操業停止の前提とする段階構造が明確。
ドイツは許可施設への事後命令と操業禁止・停止を規定し、許可制と一体で運用される点が日本の届出制と異なる。
米国は EPA や州が compliance order、行政制裁金、民事・刑事訴追を選択でき、行政制裁金の比重が日本より大きい。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県の立入検査で煙道の窒素酸化物濃度が基準を超え、翌月の再測定でもまた超えていた。次に届くのは何か? 行政指導の「指導票」で済む段階は終わりかけている。改善命令は不利益処分なので、その前に弁明の機会の通知(行政手続法13条)が届く。そのとき出す改善計画が具体的かどうかで、命令の内容と期限が変わりうる
- 近所のごみ焼却施設から煙が流れてきて、毎朝ベランダの手すりが黒く汚れている。市役所に電話しても返ってくるのは「指導中です」だけ。電話を十回かけるより、日時・写真・風向き・家族の体調を記録した書面で、行政手続法36条の3の「処分等の求め」を出したほうが、行政は調査と判断を記録に残さざるを得なくなる
- 燃料費を削るため、硫黄分の多い安い重油に切り替えた。帳簿上は年数百万円の節約になる。だが総量規制地域の特定工場なら、第3項は「使用燃料の変更」を名指しで命じられる条文である
- 改善命令の期限まで残り30日。ところが集じん装置の納品は2か月先と業者から言われた。黙って期限を越えれば、命令違反として刑罰の対象になる(第33条)。工程表と発注書を添えて今週中に県へ相談しなければ、選べる手がなくなっていく
- 政令の改正で自社工場が新たに総量規制の特定工場等になった。第4項の猶予は該当日から6か月しかない。燃料転換や脱硝設備の工事は半年では終わらないことが多く、告示を見た日から逆算しないと猶予はすぐ消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 煙や煤の日時、写真と動画、風向き、家族の体調を記録する2. 都道府県(政令市なら市。第31条による権限の委任)の環境部局に書面で相談し、立入検査(第26条)を求める3. 改善が見られなければ、行政手続法36条の3の処分等の求めを出す4. 健康被害が出ている場合は、大気汚染防止法25条の無過失責任(健康被害物質に限る)や、公害紛争処理制度の調停も検討する
訴えられた側:1. 測定記録(第16条)を確保する。改ざんは絶対にしない。数字をいじるほうがはるかに重い2. 弁明の機会では、原因分析、工程表、発注書をそろえて出す3. 命令に不服なら審査請求や取消訴訟ができる。ただし、申し立てても命令の効力は原則として止まらない(執行不停止) 4. 期限内に終わらないと分かった時点で、すぐ行政に相談する
時効(請求できる期限):改善や停止は、命令で定められた期限に従う。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)。新たにばい煙発生施設となった施設には、第2項が準用する第13条2項により原則6か月(政令で定める施設は1年)の猶予がある。新たに特定工場等になった工場への総量規制の命令は、第4項により6か月間適用されない
学説
判例・通説(規制権限の裁量と限界):本条は「命ずることができる」と規定し、命令の発動は知事の裁量に委ねられる。ただし、健康被害の危険が明白な状況で権限を行使しないことが著しく不合理な場合には、国家賠償法上違法となりうると解されている。
改正沿革 AI による整理
- 昭和49年(1974年)ごろ 総量規制制度の導入に伴い、総量規制基準に関する命令(第3項)と新規該当工場への猶予(第4項)が加えられたとみられるが、改正年と改正内容は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:大気汚染防止法の制定とともに、ばい煙排出基準違反に対する改善命令等の規定が設けられた。
- 2.昭和49年(1974年) 改正:総量規制制度の導入に伴い、総量規制基準に関する命令(第3項)と新規該当工場への猶予(第4項)が加えられたとみられる。改正内容の詳細は原典での確認が必要。
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