受講中の講座ブックマーク無料で登録

動物の愛護及び管理に関する法律 第41条の2(獣医師による通報)

クイックジャンプ

獣医師は、その業務を行うに当たり、みだりに殺されたと思われる動物の死体又はみだりに傷つけられ、若しくは虐待を受けたと思われる動物を発見したときは、遅滞なく、都道府県知事その他の関係機関に通報しなければならない。

この条文の基本情報

獣医師による通報とは何ですか?

定義獣医師による通報とは、動物の愛護及び管理に関する法律第41条の2に定められた規定で、「獣医師は、その業務を行うに当たり、みだりに殺されたと思われる動物の死体又はみだりに傷つけられ、若しくは虐待を受けたと思われる動物を発見したときは、遅滞なく、都道…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 動物の愛護及び管理に関する法律第41条の2(獣医師による通報)は、日本の動物の愛護及び管理に関する法律に含まれる条文です。
  2. 動物の愛護及び管理に関する法律第41条の2の条文原文は「獣医師は、その業務を行うに当たり、みだりに殺されたと思われる動物の死体又はみだりに傷つけられ、若しくは虐待を受けたと思われる動物を発見したときは、遅滞なく、都道…」で始まります。
  3. 動物の愛護及び管理に関する法律第41条の2は第五章 雑則に置かれています。
  4. 動物の愛護及び管理に関する法律の公布日は昭和48年10月1日です。
  5. 動物の愛護及び管理に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 動物の愛護及び管理に関する法律第41条の2の前の条は動物の愛護及び管理に関する法律第41条です。
  7. 動物の愛護及び管理に関する法律第41条の2の次の条は動物の愛護及び管理に関する法律第41条の3です。
  8. 動物の愛護及び管理に関する法律第41条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第41条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC1000000105
  • 本サイト収録動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第41条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/348AC1000000105/41_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点動物愛護管理法41条の2は、獣医師が業務中に虐待等を受けたと思われる動物や死体を発見したとき、遅滞なく都道府県知事等へ通報する義務を定める。罰則はない。

Q · 獣医さんは、虐待かもしれないペットを見つけたら通報しないといけないの?

疑いの段階で通報する法的義務がある(罰則なし)

動物愛護管理法41条の2により、獣医師は業務中に虐待等を受けたと思われる動物や、みだりに殺されたと思われる動物の死体を発見したとき、遅滞なく都道府県知事その他の関係機関へ通報しなければなりません。2019年改正で努力義務から義務に強化されましたが、通報しなかったことへの罰則はありません。法令に基づく通報のため、飼い主の同意なく情報提供できます(個人情報保護法27条1項1号)。

解説

動物病院の診察台は、ペットを治す場所であると同時に、虐待が最初に見つかる現場でもある。動物愛護管理法41条の2は、獣医師が業務中に「みだりに殺された、傷つけられた、虐待を受けたと思われる」動物やその死体を見つけた場合、遅滞なく都道府県知事などの関係機関へ通報するよう義務づけている。押さえるべき点は三つある。第一に、要件は「思われる」であり、虐待と確定している必要はない。疑いの段階で通報してよく、むしろ通報すべきである。第二に、虐待には殴る蹴るだけでなく、病気やけがを放置すること、餌や水を与えないこと(ネグレクト)も含まれる(44条2項)。第三に、獣医師が飼い主の情報を伝えても、法令に基づく提供なので、個人情報保護法上の本人同意は要らない。飼い主の立場なら、診察室で獣医師が何を見ているのかを知ることになる。獣医師の立場なら、迷ったときに通報してよいという法律上の根拠を手にすることになる。

法的な位置づけ

動物愛護管理法41条の2は獣医師の通報義務を定める規定であり、獣医師が業務上、みだりに殺されたと思われる動物の死体又はみだりに傷つけられ若しくは虐待を受けたと思われる動物を発見した場合に、遅滞なく都道府県知事その他の関係機関へ通報すべき義務を課す。疑いの段階での通報を予定し、違反に対する罰則は置かれていない。

手順

  1. 1.診察時の所見を客観的に記録する 外傷の部位・数・大きさ、骨折の治癒段階、体重や栄養状態、飼い主の説明内容を時系列でカルテに記録する。「虐待犯」などの評価語は書かず、事実だけを残す
  2. 2.画像・検査データを保存する 外傷の写真、レントゲン画像、血液検査結果などを撮影日時とともに保存する。死体の場合は外表所見の写真と、可能であれば剖検所見も残す
  3. 3.通報先を選んで遅滞なく通報する ネグレクトや飼育環境の問題が中心なら動物愛護管理センター等の自治体窓口、殺傷など犯罪性が高ければ警察へ連絡する。迷う場合は両方に伝える
  4. 4.通報記録を院内に残す 通報日時、通報先、担当者名、伝えた内容を記録しておく。後日の照会や行政・警察からの追加依頼に備え、記録と画像を一緒に保管する

よくある質問 AI による整理

Q1動物虐待とはどこからが虐待ですか?

殴る・蹴るなどの暴行だけでなく、餌や水を与えない、病気やけがを放置する、排せつ物が堆積した不衛生な場所で飼うことも虐待にあたります(動物愛護管理法44条2項)。

Q2ペットのネグレクトとは何ですか?

飼い主が必要な世話をしないことです。給餌・給水の停止、疾病や負傷の放置、過密飼育による衰弱などが典型で、悪意がなくても虐待として処罰対象になりえます。

Q3動物虐待の罰則はどのくらいですか?

愛護動物の殺傷は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、虐待・遺棄は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(動物愛護管理法44条)。

Q4動物虐待を見つけたらどこに通報すればいい?

都道府県・政令市の動物愛護管理センターや保健所、または警察です。殺傷など犯罪性が高い場合は警察、飼育環境の問題なら自治体窓口が目安になります。

Q5獣医師の通報義務はいつからですか?

2013年9月施行の改正で努力義務として導入され、2019年改正により義務化されました。義務化規定は2020年6月1日から施行されています。

Q6獣医師以外の一般人も動物虐待を通報できますか?

できます。本条の義務を負うのは獣医師ですが、一般の人も自治体や警察に相談・通報できます。写真や日時の記録を添えると対応が進みやすくなります。

Q7動物の死体も通報の対象になりますか?

なります。本条は「みだりに殺されたと思われる動物の死体」を明記しています。毒餌や矢などによる不審死では、獣医師の所見が捜査の手がかりになります。

Q8通報されたペットは取り上げられますか?

通報だけで直ちに取り上げられるわけではありません。まず自治体の聞き取りや指導が行われることが多く、状況により勧告・命令(25条)や刑事手続に進みます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1獣医が通報しなかったら、罰則はあるんですか?

本条には罰則規定がなく、通報しなかったことを理由に直接処罰されることはない。2019年改正で努力義務から義務になったが、強制力は罰則ではなく職業倫理と社会的評価に委ねられている。実務のポイント:罰則がないことは「通報しなくてよい」という意味ではない。後に虐待死事件が発覚し、過去の受診記録に明らかな外傷が残っていれば、その獣医師への社会的評価や獣医師会の倫理上の問題として跳ね返ってくる

Q2飼い主に黙って通報したら、個人情報の漏えいで訴えられませんか?

本条に基づく通報は「法令に基づく場合」にあたるため、個人情報保護法27条1項1号により、本人の同意なしで第三者に提供できる。疑いの段階で善意に基づいて行った通報が違法とされる可能性は低い。実務のポイント:トラブルを避けるには、通報内容を客観的な所見(傷の部位、数、治癒段階、体重など)に限定し、「この人は虐待犯だ」という評価を書かないことである。事実と評価を分けるだけで、反撃される余地は大きく減る

Q3通報先は警察と自治体、どっちがいいんですか?

条文は「都道府県知事その他の関係機関」としており、動物愛護管理センターなど自治体の窓口と警察のどちらも対象になる。殺傷が疑われ犯罪性が高い場合は警察、飼育環境の改善が必要なネグレクトであれば自治体、と使い分けるのが実務的である。実務のポイント:本法には都道府県等と警察の連携に関する規定も置かれている。迷ったときは両方に伝えたほうが、たらい回しになりにくい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「通報は虐待の確証をつかんでからでないと、名誉毀損や守秘義務違反になる」と考える獣医師は多い。しかし条文の要件は「思われる」であり、確証は求められていない。法令に基づく情報提供は、個人情報保護法27条1項1号により本人の同意なしで行える。確証を集めるのは通報を受けた行政や警察の役割である
  • 虐待とは殴る、蹴る、傷つけることだと思われがちだが、それは半分にすぎない。44条2項は、餌や水を与えないこと、病気やけがを適切に保護しないこと、排せつ物が堆積した不衛生な環境で飼うことなども虐待として処罰する。治療費を惜しんで受診を先延ばしにする「普通の飼い主」も、条文の射程に入りうる
  • 通報されたら即逮捕・即没収だと身構える人は多いが、実際の流れはそう単純ではない。都道府県等が受理した後は、多くの場合まず聞き取りや指導、飼養環境の確認から始まる。刑事事件になるかどうかは警察と検察の判断による。通報は処罰そのものではなく、外部の目が入るきっかけにすぎない(運用は自治体によって異なる)
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象41条の2:獣医師による虐待等の疑いの通報44条:殺傷・虐待・遺棄をした者への刑罰
25条:不適切な飼養に対する都道府県知事の勧告・命令
名あて人業務中の獣医師愛護動物を殺傷・虐待・遺棄した者
動物の飼養・保管により周辺環境を損ない、又は虐待のおそれを生じさせている者
要件の程度「思われる」で足り、確証不要構成要件該当行為の立証が必要(刑事手続)
知事が事態を認めることが前提
違反時の効果罰則なし(職業倫理・社会的評価に委ねる)拘禁刑または罰金
命令違反には罰則あり

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
動物保護法

台湾も動物への虐待・傷害を禁止し、行政への通報・検挙の仕組みを設けている。獣医師個人に限った通報義務の有無は個別確認が必要

韓国
동물보호법

韓国も動物虐待を禁止し、虐待を知った者による通報制度を置く。行政による保護措置と結びつく点は日本と類似する

ドイツ
Tierschutzgesetz(TierSchG)

ドイツは動物保護法で正当な理由のない殺害や虐待を処罰する。獣医師の通報を明文で義務づける日本型の規定とは構造が異なる

アメリカ
各州の獣医師通報制度

米国では州ごとに、獣医師に虐待の通報を義務づける州、通報を許容し免責を与える州などが分かれる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 夜間救急に運ばれてきた子猫に、新旧の骨折痕が複数ある。飼い主は「階段から落ちた」の一点張りである。転落一回で説明できない治癒段階の異なる骨折は、通報を考える典型的なサインになる
  • あなたの愛犬の皮膚病が悪化しているのに、仕事が忙しく半年間病院に連れて行かなかった。ようやく受診したとき、獣医師の表情が曇る。疾病の放置はネグレクトとして虐待にあたりうる。悪意がなくても、通報の対象から外れるとは限らない
  • もし勤務医のあなたが通報を進言し、院長が「常連さんだからやめておけ」と止めたらどうなる? 義務を負うのは「獣医師」個人であり、病院の経営判断で消えるものではない。ただし、通報しなかったこと自体への罰則は本条にない
  • 近所の猫が不自然な外傷で死んでいるのが見つかり、遺体が動物病院に持ち込まれた。死体も通報の対象である。同じ地域で毒餌や矢の事件が続いているなら、一件の通報が警察の捜査をつなぐ
  • 多頭飼育の家から運ばれてきた一匹が極度の栄養失調だった。家にはまだ数十匹いる。通報が一日遅れれば、その分だけ残りの動物の衰弱が進む

取るべき行動

被害を受けた側:1. 自分のペットが他人に傷つけられた疑いがあるなら、すぐに受診し、獣医師に診断書と写真を残してもらう2. 獣医師に「虐待の疑いがあるので所見を記録してほしい」と明確に伝える3. 都道府県や政令市の動物愛護管理センターに相談し、悪質なら警察に被害届を出す。殺傷であれば44条1項の対象になる4. 加害者が特定できれば、民法709条に基づき治療費などの損害賠償も別途請求できる

訴えられた側:1. 通報されたこと自体は処罰ではない。行政の聞き取りでは、飼育状況、受診歴、食事記録などを具体的に示す2. 病気の放置を疑われた場合は、受診が遅れた事情と現在の治療計画を書面で説明する3. 指導に従って飼養環境を改善し、その経過を写真で記録する4. 警察から事情聴取の連絡が来たら、供述前に弁護士へ相談する。故意の有無や行為の態様が成否を左右する

時効(請求できる期限):本条の通報は「遅滞なく」行うことが求められ、具体的な日数の定めはない。通報の基礎となる44条の罪の公訴時効は、殺傷罪(5年以下の拘禁刑)が5年、虐待・遺棄罪(1年以下の拘禁刑)が3年である(刑事訴訟法250条2項。最新の改正状況をご確認ください)。民事の損害賠償は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)

改正沿革 AI による整理

  • 平成24年(2012年)改正 新設。獣医師が虐待等を受けたと思われる動物を発見したときに通報するよう努める、努力義務として導入された(平成25年9月施行)
  • 令和元年(2019年)改正 「通報するよう努めなければならない」から「通報しなければならない」に改め、通報を義務化した(令和2年6月1日施行)。罰則は設けられていない

改正の年表

  1. 1.平成24年(2012年) 新設:獣医師が虐待等を受けたと思われる動物を発見したときに通報するよう努めるとする努力義務規定として新設(平成25年9月施行)
  2. 2.令和元年(2019年) 改正:「通報するよう努めなければならない」を「通報しなければならない」に改め、通報を義務化(令和2年6月1日施行)。罰則は設けられていない

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

動物の愛護及び管理に関する法律の全文を見る所属する編章節を開く:第五章 雑則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›