動物の愛護及び管理に関する法律 第44条
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- 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。
- 2.愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
- 3.愛護動物を遺棄した者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
- 4.前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
- 一牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
- 二前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 動物の愛護及び管理に関する法律第44条は、日本の動物の愛護及び管理に関する法律に含まれる条文です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第44条の条文原文は「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第44条は第六章 罰則に置かれています。
- 動物の愛護及び管理に関する法律の公布日は昭和48年10月1日です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第44条の前の条は動物の愛護及び管理に関する法律第43条です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第44条の次の条は動物の愛護及び管理に関する法律第44条の2です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第44条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第44条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC1000000105 - 本サイト収録
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第44条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/348AC1000000105/44
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点動物愛護管理法44条は、愛護動物をみだりに殺傷すると5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金、虐待・遺棄は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金と定める。
Q · 飼い主のいない野良猫を殺しても、罪になるの?
なる。猫は飼い主の有無を問わず愛護動物
動物の愛護及び管理に関する法律44条4項1号は、牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひるの11種を、飼い主の有無に関係なく「愛護動物」と定めています。そのため野良猫をみだりに殺したり傷つけたりすれば、同条1項により5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金の対象になります。毒餌やエアガンによる加害も同じです。本条の罪は非親告罪なので、目撃した第三者も警察に告発できます。
解説
条文が守る「愛護動物」は二段構えになっている。第一段は牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひるの11種で、飼い主がいるかどうかを問わない。つまり公園の野良猫も、飼い猫と同じく本条の保護対象である。第二段は、人が占有している(実際に飼っている、管理している)哺乳類・鳥類・爬虫類で、ハムスター、インコ、トカゲがここに入る。そのうえで本条は罪を三つに分けている。殺す・傷つける行為は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金。虐待は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。遺棄も同じく1年以下または100万円以下である。ここで見落とされやすいのが第2項の中身だ。殴る蹴るだけが虐待ではない。餌や水をやめて衰弱させること、病気やけがを放置すること、糞尿が積もった部屋で飼い続けること、これらもすべて条文に書かれた「虐待」である。悪意がなく「手が回らなかった」だけの多頭飼育崩壊も、この条文の射程に入りうる。また、本条の罪は告訴がなくても捜査できる(非親告罪)。被害を受けた飼い主でなくても、虐待を目撃した近所の人が警察に告発できる
法的な位置づけ
動物の愛護及び管理に関する法律第44条は、愛護動物に対する殺傷罪・虐待罪・遺棄罪を定める罰則規定である。愛護動物とは、牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひるの11種と、人が占有する哺乳類・鳥類・爬虫類をいう。虐待には給餌・給水の停止や不衛生な施設での飼養も含まれる。
よくある質問 AI による整理
Q1動物虐待罪とは何ですか?
動物愛護管理法44条2項が定める罪で、暴行だけでなく、餌や水を与えず衰弱させること、病気の放置、糞尿の堆積した施設での飼養なども含みます。1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
Q2ペットを山や公園に捨てたら何罪になりますか?
動物愛護管理法44条3項の遺棄罪にあたり、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象です。「自然に返した」という善意の動機でも成立しえます。
Q3動物虐待の罰金はいくらですか?
殺傷は500万円以下の罰金(又は5年以下の拘禁刑)、虐待・遺棄は100万円以下の罰金(又は1年以下の拘禁刑)です。令和元年改正で大幅に引き上げられました。
Q4動物虐待はどこに通報すればいいですか?
犯罪としては警察に、飼養状況の改善指導は保健所や都道府県等の動物愛護センターに相談します。証拠写真と日時を添えて並行して届けるのが効果的です。
Q5多頭飼育崩壊は犯罪になりますか?
なりえます。過密飼育による衰弱、排せつ物の堆積した施設での飼養、病気の放置は44条2項に明記された虐待類型です。悪意がなくても構成要件に当てはまれば対象になります。
Q6金魚や昆虫を殺したら動物愛護法違反ですか?
違反になりません。魚類・昆虫・両生類は44条4項の愛護動物に含まれないためです。ただし他人の所有物であれば、刑法261条の器物損壊罪が問題になりえます。
Q7動物虐待の時効は何年ですか?
公訴時効は、殺傷罪が5年、虐待罪・遺棄罪が3年です(刑事訴訟法250条2項)。犯罪行為が終わった時から起算します。
Q8他人の飼い犬を殺したら何罪になりますか?
動物愛護管理法44条1項の殺傷罪に加え、他人の所有物を損壊したとして刑法261条の器物損壊罪も成立しうります。民事では飼い主から損害賠償を請求されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1庭を荒らす野良猫を追い払いたいんですが、どこまでならセーフですか?
猫を傷つけない忌避剤、柵、超音波装置による追い払いは問題ない。毒餌、罠で捕まえて殴る、エアガンで撃つ、といった行為は第1項・第2項の対象になりうる。本条の「みだりに」は正当な理由がないことを意味するが、被害を受けていることだけでは殺傷の正当な理由にならない。実務のポイント:自治体の多くは、地域猫活動(不妊去勢と管理された給餌)への助成や相談窓口を設けている。被害者側が自治体を巻き込んで不妊去勢を進めると、数年で頭数そのものが減る
Q2虐待を通報したら、相手に自分だとバレませんか?
警察や保健所は、通報者の情報を相手に伝えないのが原則である。ただし、告発人として証言を求められる段階になれば、関与が明らかになることもある。実務のポイント:近所の目が気になるなら、まず動物保護団体や弁護士を通じて情報を伝える方法がある。団体が独自に調査し、自ら告発人になる例も少なくない。証拠の写真は、撮影場所が特定されにくい角度で、日時が分かる形で残しておくのがよい
Q3飼えなくなったペットを保健所に連れて行くのは「遺棄」になりますか?
遺棄にはならない。遺棄とは、保護を受けられない状態に動物を置き去りにすることを指す。ただし、本法35条により、都道府県等は終生飼養の原則に反する引取りを拒否できるので、窓口で断られることがある。実務のポイント:断られたからといって、保健所の前や公園に置いて帰ると、その時点で第3項の遺棄が成立する。民間の譲渡会や保護団体への相談は、飼えなくなると分かった時点で、早めに始めておくべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分のペットなのだから、どう扱おうと自分の勝手」という考えは、問いの立て方からして間違っている。本条は所有者を守るための規定ではなく、動物そのものを守るための規定である。飼い主本人が殺せば第1項、世話を放棄すれば第2項、捨てれば第3項が適用され、所有権は免罪符にならない
- 動物虐待の罰則が強化されたことは知っていても、その重さまでは知られていない。殺傷罪の上限は令和元年(2019年)改正で5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金に引き上げられ、他人の物を壊す器物損壊罪(刑法261条、3年以下)より重い。他人の飼い犬を殺せば、両方の罪に問われる可能性がある
- 飼い主から見れば「忙しくて掃除や通院が後回しになっただけ」でも、法律から見れば「排せつ物の堆積した施設での飼養」「疾病の適切な保護をしないこと」という虐待の構成要件にそのまま当てはまる。この見え方のズレが、多頭飼育崩壊で刑事責任を問われる飼い主を生んでいる
- 金魚、メダカ、カブトムシ、カエルは愛護動物ではない。魚類・昆虫・両生類は第4項のどちらの号にも入らないので、本条の罪は成立しない(他人の所有物なら器物損壊罪の問題は残る)。逆に、飼っているヘビやカメ(爬虫類)は保護対象になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の性質 | 動物愛護管理法44条:刑事罰(殺傷・虐待・遺棄) | 動物愛護管理法25条:都道府県知事等による勧告・命令・立入検査(行政措置) 刑法261条:器物損壊罪(財産犯) |
| 保護の対象 | 愛護動物(11種+人が占有する哺乳類・鳥類・爬虫類) | 多頭飼育等で周辺の生活環境が損なわれ、又は虐待のおそれがある事態 他人の所有物(動物を含む) |
| 飼い主自身の行為 | 処罰対象になる(所有権は免罪符にならない) | 飼い主が勧告・命令の名宛人になる 自己の所有物は原則対象外 |
| 法定刑・効果 | 殺傷:5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金/虐待・遺棄:1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 勧告・命令(命令違反には別途罰則) 3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金若しくは科料 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は虐待致死等の重い類型を刑事罰、飼育放棄(棄養)などを主に行政罰(罰鍰)で処理する二層構造。日本は遺棄も刑事罰とする点で異なる
韓国は2022年の全部改正で虐待行為の禁止類型と罰則を再編。遺棄は日本と異なり過料(行政罰)中心の扱いとされる点に注意(要確認)
ドイツは「合理的な理由なく」脊椎動物を殺す行為や残酷な虐待を3年以下の自由刑とする。保護対象を脊椎動物全般とする点で日本より広い
フランスは家畜・飼育動物への重大な虐待と遺棄を刑法典で処罰し、2021年法で刑を加重。刑法典に置く点が日本の特別法方式と異なる
米国は動物虐待の規律が基本的に州法で、連邦法は州際通商等に関わる類型に限られる。州ごとに重罪(felony)扱いの範囲が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 近所の駐車場で、毒入りの餌を食べたらしい野良猫が何匹も死んでいる。「誰の猫でもないから警察は動かない」と思っていないだろうか。猫は飼い主の有無に関係なく愛護動物なので、殺した者には第1項が適用されうる。死骸の写真と発見場所・日時の記録が、捜査を動かす最初の材料になる
- 転勤が決まったあなたは、新居がペット不可だと分かり、飼い猫を「外で生きていける」と考えて実家の近くの山に放した。これは第3項の遺棄にあたり、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象である。保護団体や譲渡会につなぐ道はあった
- 隣の家から数か月前より強烈な臭いがして、窓越しに痩せた犬が十数匹見える。もし通報して何も起きなかったら、どうする? 糞尿の堆積や過密飼育による衰弱は第2項に明記された虐待類型であり、警察への告発と、保健所・動物愛護センターへの相談を並行して進められる
- 退去立会いの日まであと3日。前の入居者が置き去りにしたウサギがケージの中で衰弱しているのを、管理会社のあなたが見つけた。置き去りは遺棄にあたりうる。まず保護し、写真と状況を記録してから警察に連絡する
- しつけのつもりで愛犬を叩く様子を、あなたが SNS に動画投稿した。「外傷が生ずるおそれのある暴行」は第2項の虐待にあたりうる。その動画が拡散すれば、そのまま証拠として警察に届けられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 飼い動物が殺傷された場合も、虐待を目撃した場合も、まず日時入りの写真・動画、場所、臭いや鳴き声の記録を残す2. 生きている動物は動物病院で受診させ、診断書をもらう(獣医師の通報義務、本法41条の2) 3. 警察には書面の告発状で届ける。本条の罪は非親告罪なので、第三者でも告発できる4. 保健所・動物愛護センターにも並行して相談する5. 自分の飼い動物が被害を受けたなら、民法709条で治療費・慰謝料を請求できる
訴えられた側:1. 「みだりに」(正当な理由なく)にあたるかが最大の争点である。農作物被害の防除、獣医療行為、正当な食用目的など、正当な理由があればそれを示す資料を揃える2. 多頭飼育で疑われた場合は、すぐに頭数を減らし、譲渡や不妊去勢の計画を立てて実行した記録を残す。改善の事実は処分の判断にも量刑にも影響する3. 取調べの前に弁護士に相談し、不用意な供述調書への署名を避ける
時効(請求できる期限):公訴時効は、第1項(殺傷罪、長期5年)が5年、第2項・第3項(虐待・遺棄、長期1年)が3年(刑事訴訟法250条2項)。いずれも犯罪行為が終わった時から起算する。飼い主による民事の損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(民法724条)
学説
社会的法益説(伝統的通説):本条の保護法益を、動物を愛護する気風という社会の良俗に求める見解。動物は権利主体ではないという民法上の位置づけと整合する一方、飼い主自身の加害を処罰する根拠の説明がやや間接的になる。
動物の生命・身体保護を重視する見解:法2条の「命あるもの」という基本原則や令和元年改正による法定刑引上げを根拠に、動物そのものの生命・身体の保護を正面から法益に据える見解。器物損壊罪より重い法定刑の説明になじむ。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正、令和2年(2020年)6月1日施行 殺傷罪の法定刑を2年以下の懲役または200万円以下の罰金から、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に引き上げた。虐待・遺棄罪には懲役刑(1年以下)を新たに加え、罰金上限を100万円とした。あわせて虐待の具体例を条文に書き加えた(改正内容の細部は要確認)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 刑法等の一部改正にともない、「懲役」を「拘禁刑」に改めた
改正の年表
- 1.昭和48年(1973年) 新設:「動物の保護及び管理に関する法律」として議員立法で制定され、保護動物の虐待等に対する罰則が設けられた
- 2.平成11年(1999年) 改正:法律名を「動物の愛護及び管理に関する法律」に改め、愛護動物の殺傷等に対する罰則を強化した(細部は要確認)
- 3.令和元年(2019年) 改正:殺傷罪を5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に引上げ、虐待・遺棄罪に1年以下の懲役を新設し罰金上限を100万円とした。虐待の具体例を条文に明記。令和2年6月1日施行
- 4.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴い「懲役」を「拘禁刑」に改めた。令和7年(2025年)6月1日施行
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第2条命ある存在として扱う基本原則
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第7条所有者の適正飼養・終生飼養の責務
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第25条多頭飼育等への勧告・命令・立入検査
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第41条の2獣医師の虐待通報義務
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第35条都道府県等による犬猫の引取りと拒否
- 刑法 第261条他人の飼育動物殺傷は器物損壊も成立しうる
- 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 第8条占有されない野生鳥獣の捕獲規制
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