動物の愛護及び管理に関する法律 第2条(基本原則)
クイックジャンプ
- 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
- 2.何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。
この条文の基本情報
基本原則とは何ですか?
定義基本原則とは、動物の愛護及び管理に関する法律第2条に定められた規定で、「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 動物の愛護及び管理に関する法律第2条(基本原則)は、日本の動物の愛護及び管理に関する法律に含まれる条文です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第2条の条文原文は「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮…」で始まります。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第2条は第一章 総則に置かれています。
- 動物の愛護及び管理に関する法律の公布日は昭和48年10月1日です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第2条の前の条は動物の愛護及び管理に関する法律第1条です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第2条の次の条は動物の愛護及び管理に関する法律第3条です。
- 動物の愛護及び管理に関する法律第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC1000000105 - 本サイト収録
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/348AC1000000105/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点動物愛護管理法2条は、何人も動物をみだりに殺傷・虐待せず、給餌・給水・健康管理・習性に応じた環境確保を行うよう定める。本条自体に罰則はない。
Q · 動物愛護管理法2条に違反したら、すぐに罰せられるの?
本条に罰則はないが、44条の罰則や行政命令の物差しになる
動物愛護管理法2条は、何人も動物をみだりに殺傷・虐待せず、給餌・給水、健康管理、習性に応じた環境の確保を行うよう求める基本原則です。本条そのものに罰則規定はありません。ただし、殺傷・虐待・遺棄を処罰する44条や、不適正な飼養に対する都道府県知事の勧告・命令(25条)を判断する際の基準になります。そのため実務上、本条の水準を下回る飼い方は、行政指導や刑事事件の入口になりえます。
解説
「動物が命あるものであることにかんがみ」。法律がこの言葉から書き始めるのは珍しい。民法では、あなたの犬も猫も「物」(動産)として扱われ、売買も相続もできる。それでもこの条文は、その「物」についてだけ持ち主の自由に線を引く。1項は、動物をみだりに殺したり、傷つけたり、苦しめたりすることを禁じる。さらに、習性に合った適正な扱いも求めている。2項は令和元年(2019年)改正で加わり、えさと水、健康管理、種類や習性に合った環境の確保を「何人も」に課した。対象は飼い主だけではない。ペットを預かったシッターや、学校の飼育係も含まれる。本条そのものに罰則はない。それでも、44条の罰則(殺傷は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金。虐待・遺棄は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)や、知事の勧告・命令が「適正な飼い方」を判断するときの物差しになる。炎天下で鎖につながれた隣の犬を「よその家のこと」で片付けなくていい根拠がここにある
法的な位置づけ
動物の愛護及び管理に関する法律第2条は、同法の基本原則を定める規定である。動物が命あるものであることを前提に、何人に対しても、正当な理由のない殺傷・虐待を避け、習性を考慮して適正に取り扱うことを求める。また、飼養・保管の目的に支障のない範囲で、給餌・給水、健康管理、飼養環境の確保を行うよう定める。
よくある質問 AI による整理
Q1動物愛護管理法2条とは?
動物が命あるものであることを前提に、誰に対しても、動物をみだりに殺傷・虐待せず、習性に合った適正な扱いをするよう求める基本原則です。
Q2「みだりに」とはどういう意味ですか?
正当な理由がないことを指します。食用や駆除など社会的に正当な目的がある場合は除かれますが、目的があっても方法が過剰なら問題になりえます。
Q3ペットのネグレクトは違法?
えさや水を与えない、病気を放置するなどして衰弱させる行為は、44条2項の虐待として1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になりえます。
Q4動物虐待はどこに通報すればいい?
都道府県・政令市の動物愛護センターや保健所が窓口です。けがや衰弱など緊急性が高い場合は警察(110番または最寄りの警察署)にも通報できます。
Q5多頭飼育崩壊は犯罪になる?
排せつ物が堆積した場所での飼養などは虐待の類型として44条2項に明記されており、刑事罰の対象になりえます。行政の勧告・命令も行われます。
Q6動物愛護管理法の「動物」に魚は含まれる?
2条の「動物」は広く解されますが、44条の罰則の対象となる愛護動物は哺乳類・鳥類・爬虫類に限られ、魚類は含まれません。
Q7ペットを預かった人にも責任はある?
あります。2条2項は「何人も」と定めているため、飼い主だけでなく、ペットシッター、知人、業者など一時的に保管する人も対象になります。
Q8動物虐待の罰則はどれくらい?
愛護動物をみだりに殺傷すると5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金です。虐待・遺棄は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(44条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の犬、一日中外につながれてて水もないみたい。どこに言えばいいの?
都道府県・政令市の動物愛護センターや保健所が窓口です。適切な給餌・給水や環境の確保は本法2条2項の原則で、多頭飼育などで状況が悪ければ25条の勧告・命令の対象になりえます。衰弱しているなら44条2項の虐待の疑いとして警察へ。実務のポイント:鎖でつないでいるだけでは行政は動きにくいです。日時・気温・水皿の様子を写した写真を複数日分そろえると、対応が変わります
Q2庭を荒らす野良猫、捕まえて遠くに放すのってダメなの?
猫は飼い主がいなくても44条4項の愛護動物にあたります。捕まえて遠くに放せば遺棄(44条3項)と評価されるおそれがあり、傷つければ44条1項の対象です。実務のポイント:忌避剤や侵入防止ネットなど、物理的に寄せ付けない方法は適法です。多くの自治体には地域猫活動や不妊手術の助成があり、相談窓口に連絡するのがいちばんの近道です
Q3ペットホテルに預けた犬が熱中症で死んだ。責任を問える?
預かり契約の債務不履行(民法415条)や不法行為(民法709条)で賠償を請求できる可能性があります。業者も2条2項の原則と、21条に基づく管理基準に縛られています。ペットについて慰謝料を認めた裁判例もあります。実務のポイント:業者には環境省令で飼養環境の基準が課されています。温度管理や巡回の記録の提出を求めると、争点が一気に絞られます
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「しつけ」でも、法律から見れば「みだりに苦しめる」になりうる。判断の基準は飼い主の意図ではなく、その動物の習性に照らした客観的な状態だ。食事を抜く、狭い場所に長時間閉じ込めるといった行為は、言い訳ではなく記録で評価される
- ネグレクトが虐待になりうることは知られている。だが2019年改正で、えさや水を与えないこと、病気やけがを放置すること、排せつ物がたまった場所や他の動物の死体がある場所で飼うことまで、類型が細かく書き込まれたことはあまり知られていない。多頭飼育崩壊は「かわいそうな話」では済まず、刑事事件に発展しうる
- 「本条に違反すると逮捕されるのか」という問い自体がずれている。本条に罰則はない。実際に効くのは、本条を物差しにした44条の罰則と、25条に基づく知事の勧告・命令だ。一方で範囲の違いもある。本条の「動物」は広いが、罰則の対象は愛護動物(犬、猫、牛、馬など11種と、人が占有する哺乳類・鳥類・爬虫類)に限られ、魚類や昆虫は外れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規範の性質 | 2条:全ての人に向けた基本原則(罰則なし) | 7条:所有者・占有者の責務(終生飼養などの努力義務を含む) 44条:殺傷・虐待・遺棄に対する刑事罰 |
| 名宛人 | 何人も(飼い主以外も含む) | 動物の所有者または占有者 愛護動物を殺傷・虐待・遺棄した者 |
| 対象動物 | 動物全般 | 所有・占有する動物 愛護動物(牛・馬・犬・猫など11種と、人が占有する哺乳類・鳥類・爬虫類) |
| 違反時の効果 | 直接の制裁なし。行政処分・刑罰の解釈基準になる | 直接の制裁なし。25条の勧告・命令につながりうる 拘禁刑または罰金 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は飼主の飼養義務と虐待禁止を同じ法律で定め、違反には行政罰と刑事罰を設けている。基本原則と具体的義務をまとめて条文化する点で、日本の2条+44条の分担と構造が異なる
ドイツは動物を「同じ被造物(Mitgeschöpf)」と位置づけ、合理的理由なく痛みや苦しみを与えることを禁止。飼育者の義務も具体的に列挙しており、日本の2条1項・2項と対応関係が強い
フランスは、動物を感覚ある存在として、種の生物学的要請に適合する条件に置くよう所有者に求める。民法典515-14条も動物を感覚ある生き物と規定している
米国の連邦法は主に研究施設や業者を規律し、一般の飼い主による虐待は各州の動物虐待防止法が扱う二層構造になっている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 真夏の昼、隣の家の柴犬が日陰のない駐車場で鎖につながれ、水皿はひっくり返ったまま。三日続いたら、あなたに何ができるだろう? 健康を保つのが難しい場所に拘束して衰弱させる行為は、44条2項の虐待にあたりうる。まず日時が分かる写真を撮り、動物愛護センターに相談するのが第一手になる
- 保護のつもりで迎えた猫が5匹から15匹に増え、不妊手術が追いつかない。部屋には排せつ物がたまり始めた。善意から始まったのに、2019年改正で明記された虐待の類型(排せつ物が積もった施設での飼養)に近づいている。行政が指導に来る前に、譲渡会と不妊手術の助成を調べる段階にいる
- 友人が旅行に出る間、ハムスターの世話を頼まれた。鍵を受け取った時点で、2項の「何人も」にあなたも入る。
- 親が急に入院し、実家に犬が残された。あなたが実家に着けるのは二日後。悪気がなくても、えさと水が途切れて犬が衰弱すれば、その結果は消えない。今夜のうちに近所の人、ペットシッター、かかりつけの動物病院の一時預かりに連絡し、空白の時間を埋める
- 職場の水槽の熱帯魚が、担当者が辞めてから誰にも世話されず、次々に死んでいく。魚類は44条の罰則の対象外だが、本条の「適正に取り扱う」という原則は及ぶ。罰則がないことと、守らなくていいことは別の話だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不適切な飼い方を見つけたら、日時が分かる写真や動画を複数日分残す(水皿、日陰の有無、体の痩せ具合、排せつ物の状態) 2. 都道府県・政令市の動物愛護センターや保健所に、2項の項目に沿って相談する3. けがや衰弱など虐待の疑いが強い場合は警察に通報し、可能なら獣医師の所見を添える4. 自分のペットが他人に傷つけられた場合は、刑事告訴(44条、刑法261条)と民事の損害賠償を分けて検討する
訴えられた側:1. 行政から指導を受けたら、まず感情的に反論せず、えさ・水・通院・清掃の記録を出せる状態にする2. 頭数が管理能力を超えているなら、不妊手術の助成、譲渡会、保護団体への相談で頭数を減らす計画を立てて示す3. 改善の経過を写真で残し、勧告や命令に進む前に是正したことを証明する4. 刑事事件として扱われそうなら、早めに弁護士に相談し、「みだりに」にあたるかどうか(正当な理由の有無)を争点として整理する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。違反が44条の罪にあたる場合、公訴時効は殺傷(1項、法定刑の上限5年)が5年、虐待・遺棄(2項・3項、上限1年)が3年(刑事訴訟法250条2項)。ペットを傷つけられた場合の民事賠償は、損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年(民法724条)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 昭和48年(1973年) 「動物の保護及び管理に関する法律」として制定。動物を命あるものとして扱う基本原則が置かれた
- 平成11年(1999年) 法律の名称が現在の「動物の愛護及び管理に関する法律」に改められた。本条の文言がこのとき変わったかどうかは要確認
- 令和元年(2019年)改正(2020年6月施行) 給餌・給水、健康管理、習性に応じた環境の確保を何人にも求める第2項が加わった
改正の年表
- 1.昭和48年(1973年) 新設:「動物の保護及び管理に関する法律」(昭和48年法律第105号)として制定。動物が命あるものであることを踏まえた基本原則が置かれた
- 2.平成11年(1999年) 改正:法律の名称が「動物の愛護及び管理に関する法律」に改められた
- 3.令和元年(2019年) 改正:44条の罰則が強化され、殺傷罪が5年以下の懲役または500万円以下の罰金に引き上げられた。虐待の類型も具体的に書き込まれた(2020年6月施行)
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第1条法目的、命の尊重と共生社会
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第7条所有者の責務、終生飼養の努力
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第25条不適正飼養への知事の勧告・命令
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第41条の2獣医師の虐待通報義務
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第44条殺傷・虐待・遺棄の罰則
- 民法 第718条動物の占有者の損害賠償責任
- 刑法 第261条他人の動物の傷害は器物損壊
- 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 第8条野生鳥獣の捕獲等の原則禁止
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める