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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 8 分8 分8 分

民事執行法 第151条の2(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)

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  1. 債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても、債権執行を開始することができる。
  2. 一民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
  3. 二民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
  4. 三民法第七百六十六条及び第七百六十六条の三(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
  5. 四民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
  6. 2.前項の規定により開始する債権執行においては、各定期金債権について、その確定期限の到来後に弁済期が到来する給料その他継続的給付に係る債権のみを差し押さえることができる。

この条文の基本情報

扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例とは何ですか?

定義扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例とは、民事執行法第151条の2に定められた規定で、「債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権の…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事執行法第151条の2(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
  2. 民事執行法第151条の2の条文原文は「債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権の…」で始まります。
  3. 民事執行法第151条の2は第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行に置かれています。
  4. 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
  5. 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事執行法第151条の2の前の条は民事執行法第151条です。
  7. 民事執行法第151条の2の次の条は民事執行法第152条です。
  8. 民事執行法第151条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第151条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 本サイト収録民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第151条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/151_2
裁判例 1件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事執行法151条の2は、養育費や婚姻費用などの定期金債権に一部でも不履行があれば、期限未到来の将来分についても債権執行を開始できると定める。対象は給料等の継続的給付債権に限られる。

Q · 養育費が一回止まっただけで、将来の分まで給料を差し押さえられるの?

できます。一部の不履行で将来分の執行を開始できます

民事執行法151条の2により、養育費・婚姻費用・夫婦間の協力扶助・親族間扶養の定期金債権は、一部でも不履行があれば、まだ確定期限が到来していない将来分についても債権執行を開始できます。強制執行は期限到来分に限るという30条1項の原則に対する特例です。ただし2項により、差し押さえられるのは給料等の継続的給付に係る債権のみで、各定期金の確定期限到来後に弁済期が来る分に限られます。預金や不動産を将来分まで押さえることはできません。

解説

養育費の取り立てで最も人を消耗させるのは、金額そのものより「滞納が起きるたびに裁判所へ申立てをやり直す」作業である。強制執行は本来、支払期限が来た分しかできない(民事執行法30条1項)。毎月5万円の養育費なら、毎月5万円分ずつ、毎月申立てる。この設計のままでは、働きながら子を育てている側が先に力尽きる。本条はその原則を正面から破る。夫婦間の協力扶助、婚姻費用の分担、子の監護に関する費用、親族間の扶養、この四類型の定期金債権に限り、一部でも不履行があれば、まだ期限の来ていない将来分まで含めて一度に債権執行を開始できる。ただし引き換えの条件が2項にある。差し押さえられるのは給料や年金のような継続的給付に係る債権だけで、しかも各回の期限が到来した後に弁済期が来る分に限られる。相手の預金や自宅を将来分までまとめて押さえることはできない。狙う先は、相手の勤務先である。

法的な位置づけ

民事執行法151条の2は、扶養義務等に係る確定期限付き定期金債権について、その一部に不履行がある場合に、確定期限が到来していない将来分を含めて債権執行の開始を認める特例規定である。同法30条1項が定める「期限到来後に執行」という原則の例外をなし、差押えの対象は給料その他の継続的給付に係る債権に限定される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.債務名義を確認する 調停調書、審判書、判決、または強制執行認諾文言付きの公正証書があるかを確認する。いずれもない場合は、まず家庭裁判所の調停・審判で債務名義を取得する。私的な合意書のみでは執行できない
  2. 2.執行文と送達証明を取得する 債務名義を作成した裁判所書記官または公証人から執行文の付与を受け、あわせて債務名義が相手方に送達されたことの証明書を取得する。この二点が欠けると差押えの申立てが受理されない
  3. 3.相手の勤務先(第三債務者)を特定する 勤務先が不明な場合は、財産開示手続を申し立てたうえで、第三者からの情報取得手続(民事執行法206条)により市町村・日本年金機構から給与の支払者情報を取得する。開示期日への不出頭や虚偽陳述には刑事罰がある(213条)
  4. 4.将来分を含む債権差押命令を申し立てる 一回目の不履行の時点で、地方裁判所に債権差押命令を申し立てる。請求債権目録には各回の定期金の額と確定期限を特定して記載し、151条の2により将来分を含める旨と、152条3項により差押範囲が2分の1であることを明記する
  5. 5.取立てを開始し入金を管理する 差押命令が債務者に送達された日から1週間(扶養義務等の債権は要件を確認)経過後、第三債務者である勤務先から直接取り立てる。取立届を裁判所へ提出し、以後は毎月の入金状況を記録して、退職等による停止を早期に検知する

よくある質問 AI による整理

Q1民事執行法151条の2とは何ですか?

養育費など扶養義務等に係る定期金債権について、一部の不履行があれば将来分まで一度に債権執行を開始できると定める特例規定です。原則(30条1項)の例外にあたります。

Q2養育費の差し押さえは何回滞納したらできますか?

回数の要件はありません。条文は「その一部に不履行があるとき」としており、一回目の不履行で将来分を含む債権執行を申し立てられます。溜めて待つ必要はありません。

Q3養育費で差し押さえられる給料の割合はどれくらいですか?

扶養義務等に係る債権を請求する場合は、手取り額の2分の1まで差し押さえられます(民事執行法152条3項)。通常債権の4分の1より広い範囲です。

Q4相手の預金も将来分までまとめて差し押さえできますか?

できません。151条の2第2項により、将来分の差押対象は給料その他の継続的給付に係る債権に限られます。預金や不動産は期限到来分のみが対象です。

Q5相手が転職したら差押えはどうなりますか?

差押えの効力は第三債務者である勤務先ごとに生じるため、退職すれば入金は止まります。新しい勤務先を特定して、あらためて申立てる必要があります。

Q6婚姻費用も151条の2の対象になりますか?

なります。1項2号が民法760条の婚姻費用分担義務を明示しています。離婚が成立していない別居中でも、審判書等を債務名義として将来分の執行が可能です。

Q7公正証書があれば養育費の差し押さえはできますか?

強制執行認諾文言が付いた公正証書であれば債務名義となり、差押えができます。認諾文言のない私的な合意書だけでは執行できません。

Q8相手の勤務先が分からない場合はどうすればいいですか?

財産開示手続を経たうえで、第三者からの情報取得手続(民事執行法206条)により市町村や日本年金機構から給与の支払者情報を取得できます。2020年4月施行の制度です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1養育費が止まったんですけど、毎月いちいち裁判所に申立てしないとダメなんですか?

不要です。民事執行法151条の2により、一回でも不履行があれば、まだ期限の到来していない将来分まで含めて一度の申立てで債権執行を開始できます。ただし2項により、差押えの対象は給料等の継続的給付に係る債権に限られます。実務のポイント:申立書には各回の定期金の額と確定期限を特定して書く必要があり、ここが甘いと補正指示で数週間止まります。多くの地方裁判所が養育費用の記載例をサイトに置いており、それを土台にすると差戻しが激減します

Q2相手が今どこで働いているか分からないんですが、打つ手はありますか?

あります。財産開示手続を経たうえで、養育費の債権者は第三者からの情報取得手続(民事執行法206条)により、市町村や日本年金機構から給与の支払者に関する情報を取得できます。2020年4月施行の制度です。実務のポイント:情報取得の前提として原則3年以内の財産開示が必要ですが、開示期日への不出頭や虚偽陳述には刑事罰があります(民事執行法213条)。この呼出状が届いた段階で相手側から連絡が来て、執行に至らず任意に支払いが再開する例が実務上珍しくありません

間違えやすい点 AI による整理

  • 将来分も差し押さえられる、というところまでは知っている人が増えた。しかしその深刻な限定を見落としている。2項により対象は給料その他の継続的給付に係る債権だけである。相手が完全な個人事業主で給与債権を持たない場合、本条の特例は事実上空振りする。相手の働き方によって、この条文の価値はゼロにも百にもなる
  • あなたから見れば「払わない相手が悪い」で終わる話だが、執行手続から見れば問われるのはただ一点、相手の勤務先という第三債務者を特定できたかどうかである。相手の悪質さは差押えの可否を1ミリも動かさない。この落差が、正しさを主張する側を無駄に消耗させる
  • 給与の差押えは4分の1までと覚えている人が多いが、扶養義務等に係る債権を請求する場合は2分の1まで押さえられる(民事執行法152条3項)。同じ債務名義でも、根拠を扶養義務等として構成できるかどうかで回収スピードが倍違う
比較の観点この条文ほかの条文
執行できる範囲151条の2:一部不履行で期限未到来の将来分まで開始できる30条1項:確定期限が到来した分のみ執行できる
151条:差押えの効力が支払期に受けるべき給付に及ぶ
対象となる債権扶養義務等の四類型(民法752条・760条・766条等・877条〜880条)すべての請求権に共通する一般原則
継続的給付に係る債権一般
差押えできる財産将来分は給料その他の継続的給付に係る債権のみ(2項)期限到来分なら預金・不動産・動産も可
継続的給付債権(給料・賃料等)
差押可能額152条3項により手取りの2分の1まで通常債権は152条1項により4分の1まで
153条により裁判所が範囲を変更できる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
強制執行法第115条の2、家事事件法第192条以下

台湾も扶養費等の定期金債権について将来分の執行を認め、給付義務者の薪資債権を対象とする点で日本と同構造。家事事件法は履行確保のための命令制度を別途置く

韓国
가사소송법 제63조의2(양육비 직접지급명령)

韓国は2009年に養育費直接支払命令を導入し、家庭裁判所が勤務先へ直接支払いを命じる。執行法の枠外で家事裁判所が完結させる点が日本より一歩進んだ設計

ドイツ
ZPO § 850d、§ 258

ドイツは扶養債権について差押禁止範囲を大幅に縮小し(850d条)、将来発生する反復給付についても訴えを認める(258条)。将来分の把握という発想は日本より早くから制度化されている

アメリカ
42 U.S.C. § 666 / UIFSA、Income Withholding for Support

米国は養育費命令に原則として自動的な給与天引き(income withholding)が付随し、州をまたぐ執行もUIFSAで統一されている。権利者の申立てを待たない点が日本と大きく異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 一回目の未払いで動くのと、三か月溜めてから動くのとで何が違うのか。溜まった三か月分を回収する頃には、相手が転職して差押えの効力が切れている可能性がある。本条は「一部に不履行があるとき」で足り、三回分待つ必要はない。動けるのは相手が今の会社に在籍している間だけであり、退職届が出た瞬間にこの武器は空を切る
  • 総務担当に呼ばれ、裁判所から差押命令が届いていると告げられる。押さえられたのは今月分だけではなく、子が成人するまでの毎月分である。手取りの半分が、あなたの意思と無関係に毎月引かれ続ける
  • 別居中で婚姻費用分担の審判が出たのに、初回から振り込まれない。離婚が成立していなくても、民法760条の婚姻費用分担義務は本条1項2号に入っている。審判書を債務名義として、将来分まで含めて相手の給与を押さえられる。離婚協議を有利に運ぶための「兵糧」を、協議中に確保できるという意味でもある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 債務名義(調停調書、審判書、公正証書のうち強制執行認諾文言付きのもの)を手元に確認、なければまず調停・審判で取る2. 相手の勤務先を特定、不明なら財産開示手続を先に申し立て、その後に第三者からの情報取得手続(民事執行法206条)で給与の支払者情報を取る3. 一回目の不履行の時点で、将来分を含めた債権差押命令を申し立てる4. 申立書には各回の定期金の額と確定期限を特定して記載、差押えの範囲は2分の1まで(152条3項)を明記する

訴えられた側:1. 差押命令を受け取ったら、まず債務名義の内容と請求債権目録の計算が正しいか照合、過払い分や既払い分が控除されているか確認する2. 収入が大きく減った、扶養する家族が増えた等の事情があるなら、家庭裁判所へ養育費等の減額を求める調停・審判を申し立てる3. 生活が維持できない水準なら、差押禁止債権の範囲の変更を申し立てる(民事執行法153条) 4. 手続上の瑕疵があれば執行抗告。退職して逃げる発想は、次の勤務先が判明した時点で同じ手続が繰り返されるだけで、遅延損害金が積み上がる

学説

通説:本条は民事執行法30条1項の履行期到来原則に対する例外であり、扶養債権の生活保障機能に鑑みた政策的規定と解される。適用範囲は1項各号の四類型に限定され、類推適用には慎重であるべきとされる

実務通説:2項の「継続的給付に係る債権」には給料・賃金・賞与・退職年金等が含まれるが、相手方が個人事業主で給与債権を持たない場合、本条の特例は事実上機能しない。この限界が制度の実効性を左右すると指摘されている

改正沿革 AI による整理

  • 平成15年(2003年)改正、平成16年(2004年)4月1日施行 本条を新設。従来は各回の期限到来ごとに執行を申し立てる必要があったが、扶養義務等に係る定期金債権について将来分を含む債権執行の開始を認めた。同時に152条3項が新設され、差押可能範囲が4分の1から2分の1へ拡大された
  • 令和6年(2024年)家族法改正 1項3号の引用が改められ、民法766条の3(法定養育費に関する規定)が対象に追加された。父母の協議や調停を経ていない段階の養育費についても、本条の特例の射程に入る構造となった(施行状況および条文の最新の改正状況をご確認ください)

改正の年表

  1. 1.平成15年(2003年) 新設:担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部改正により本条を新設(平成16年4月1日施行)。同時に152条3項を新設し、扶養義務等に係る債権の差押可能範囲を4分の1から2分の1へ拡大した
  2. 2.令和元年(2019年) 改正:民事執行法改正により第三者からの情報取得手続(206条)が新設され(2020年4月1日施行)、養育費債権者が市町村・日本年金機構から給与の支払者情報を取得できるようになった。本条の実効性を支える前提手続が整備された
  3. 3.令和6年(2024年) 改正:家族法制の見直しに伴い、1項3号の引用に民法766条の3(法定養育費)が加えられた。施行日および条文の最新の改正状況は e-Gov 法令検索で確認が必要

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民事執行法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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