民事執行法 第21条の2(家庭裁判所における執行関係訴訟手続に関する特例)
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- 第二十四条又は第三十三条から第三十五条までの訴えに係る事件であつて、家庭裁判所の管轄に属するものに関する手続(以下この条において「家庭裁判所における執行関係訴訟手続」という。)については、民事訴訟法第七十一条第二項、第九十一条の二、第九十二条第九項及び第十項、第九十二条の二第二項、第九十四条、第百条第二項、第一編第五章第四節第三款、第百十一条、第百三十二条の六第三項、第一編第七章、第百三十三条の二第五項及び第六項、第百三十三条の三第二項、第百五十一条第三項、第百六十条第二項、第百六十一条第三項第三号、第百八十五条第三項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項、第二百三十二条の二、第二百五十三条第二項、第二百六十七条第二項並びに第七編の規定は、適用しない。
- 2.家庭裁判所における執行関係訴訟手続における民事訴訟法の規定の適用については、別表第二の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
- 3.第十五条の二、第十六条第五項及び第十九条の二の規定は、家庭裁判所における執行関係訴訟手続について準用する。
この条文の基本情報
家庭裁判所における執行関係訴訟手続に関する特例とは何ですか?
定義家庭裁判所における執行関係訴訟手続に関する特例とは、民事執行法第21条の2に定められた規定で、「第二十四条又は第三十三条から第三十五条までの訴えに係る事件であつて、家庭裁判所の管轄に属するものに関する手続(以下この条において「家庭裁判所における執行関係訴訟…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第21条の2(家庭裁判所における執行関係訴訟手続に関する特例)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第21条の2の条文原文は「第二十四条又は第三十三条から第三十五条までの訴えに係る事件であつて、家庭裁判所の管轄に属するものに関する手続(以下この条において「家庭裁判所における執行関係訴訟…」で始まります。
- 民事執行法第21条の2は第一章 総則に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第21条の2の前の条は民事執行法第21条です。
- 民事執行法第21条の2の次の条は民事執行法第22条です。
- 民事執行法第21条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第21条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第21条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/21_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法21条の2は、家庭裁判所の執行関係訴訟について民事訴訟法の一部(督促手続を含む)を適用除外とし、別表第二で用語を読み替えると定める。
Q · 家庭裁判所で執行の裁判をやると、地方裁判所と何が違うんですか?
民事訴訟法の一部が適用されず、使える手続が減ります
民事執行法21条の2により、民事執行法24条・33条から35条までの訴えのうち家庭裁判所の管轄に属する事件では、民事訴訟法の多数の規定が適用除外となります。除外対象には訴訟費用額の確定手続や第七編(督促手続)が含まれます。さらに別表第二により民事訴訟法の字句が読み替えられ、民事執行法15条の2、16条5項、19条の2が準用されます。地方裁判所の同種訴訟と同じ手続設計で臨むと、申立てが不適法とされる場面があります。
解説
養育費が払われないので相手の給料を差し押さえた。相手は「この請求権はもう消滅している」と請求異議の訴えを起こしてくる。この訴訟は家庭裁判所で審理されるが、あなたが思い浮かべる「普通の民事裁判」とは中身が違う。民事執行法21条の2は、家庭裁判所で行われる執行関係訴訟について、民事訴訟法の膨大な条文リストを名指しで「適用しない」と宣言している。除外されるものの中には、訴訟費用額の確定手続、証拠に関する一部の規定、そして第七編(督促手続、つまり支払督促)まで含まれる。つまり家事の執行紛争では、地方裁判所の同種訴訟なら使えるはずの手続カードが、最初から何枚か抜かれている。代わりに15条の2、16条5項、19条の2という民事執行法側の規定が持ち込まれる。あなたが弁護士に「支払督促で簡単にやりましょう」と言われて違和感を覚えたなら、その直感は正しい。この条文が、そのルートを塞いでいる。
法的な位置づけ
民事執行法21条の2は、家庭裁判所における執行関係訴訟手続の特例を定める規定である。民事執行法24条および33条から35条までの訴えに係る事件で家庭裁判所の管轄に属するものについて、民事訴訟法の列挙された規定を適用除外とし、別表第二による字句の読み替えを行い、あわせて民事執行法15条の2、16条5項および19条の2を準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.係属裁判所が家庭裁判所かを確定する 手元の訴状または申立書の宛先を確認し、事件が家庭裁判所の管轄に属するかを民事執行法33条から35条に照らして特定する。家庭裁判所であれば本条の適用除外と読み替えが働く
- 2.適用除外リストを洗い出す 本条1項が列挙する民事訴訟法の適用除外規定を一覧化し、自分の主張構成がそれらに依拠していないかを点検する。第七編(督促手続)が除外されている点は特に見落とされやすい
- 3.別表第二の読み替え後の用語で起案する 残存して適用される民事訴訟法の規定について、別表第二の下欄の字句に合わせて書面の用語を統一する。裁判所の呼称や書類名称の表記ずれは補正命令の原因になる
- 4.執行停止の要否を最優先で判断する 訴えの提起だけでは強制執行は止まらない。執行を止める必要があるなら、民事執行法36条の執行停止の裁判を別途申し立て、担保の要否と金額を確認する
- 5.準用される15条の2・19条の2を確認する 本条3項により民事執行法15条の2、16条5項、19条の2が準用される。送達や記録に関する取扱いが民事訴訟法の一般則と異なるため、期日前に取扱いを確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1執行関係訴訟とは何ですか?
強制執行の可否や執行力の範囲そのものを争う訴訟の総称です。民事執行法24条の執行判決、33条の執行文付与の訴え、34条の執行文付与に対する異議の訴え、35条の請求異議の訴えが中心となります。
Q2民事執行法21条の2の適用除外にはどんな条文が含まれますか?
民事訴訟法71条2項、91条の2、94条、100条2項、111条、151条3項、160条2項、227条2項、253条2項、267条2項ほか多数と、第一編第五章第四節第三款、第一編第七章、第七編が列挙されています。
Q3別表第二の読み替えとは何ですか?
適用除外されずに残った民事訴訟法の規定について、条文中の用語を家庭裁判所の手続に合わせて置き換える対応表です。裁判所の呼称や書類名称が変わるため、書面の表記を誤ると補正の対象になります。
Q4養育費の差押えに異議を出されたらどうなりますか?
相手方が請求異議の訴え(民事執行法35条)を提起した場合、家庭裁判所の管轄となる事件では本条の特例が適用されます。訴えの提起だけで執行は止まらず、別途の執行停止の裁判が必要です。
Q5外国の裁判所の養育費判決は日本で執行できますか?
民事執行法24条の執行判決を得る必要があります。判決文を持ち帰るだけでは差押えはできず、家庭裁判所の管轄に属する事件では本条の適用除外と読み替えが働きます。
Q6家裁の執行関係訴訟でも訴訟費用は請求できますか?
本条は民事訴訟法の第一編第五章第四節第三款(訴訟費用の負担の裁判等に関する部分)を適用除外としています。費用の扱いは地方裁判所の同種訴訟と同じ前提で考えないでください。
Q7民事執行法21条の2はいつ適用されますか?
民事執行法24条または33条から35条までの訴えに係る事件で、かつ家庭裁判所の管轄に属するときに適用されます。地方裁判所に係属する同種の訴えには適用されません。
Q8家庭裁判所の執行関係訴訟に期限はありますか?
本条自体に固有の期間制限はありません。ただし請求異議の訴えは執行が終了する前でなければ訴えの利益を欠くため、執行手続の進行速度が事実上の締切として働きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1養育費の差押えで揉めたら、家裁と地裁のどっちに行くんですか?
債務名義が家事事件由来(調停調書、審判)であれば、請求異議等の訴えは家庭裁判所の管轄になりうる(民事執行法33条から35条)。そして家裁に行った場合の手続ルールを定めるのが21条の2である。実務のポイント:家事に強い弁護士と執行に強い弁護士は必ずしも一致しない。相談時に「執行関係訴訟の家裁特例を扱ったことがあるか」と聞くと、経験の有無が一言で分かる
Q2支払督促を使えば早く回収できると聞いたのですが、なぜ使えないんですか?
本条1項が民事訴訟法第七編(督促手続)を適用除外としているため、家庭裁判所における執行関係訴訟手続でこのルートは使えない。もっとも督促手続は本来、債務名義を作るための制度であり、すでに債務名義がある執行段階の紛争とは局面が違う。実務のポイント:既に調停調書や公正証書があるなら支払督促は不要で、そのまま差押えに進める。「督促から」と言われたら、その助言は局面を取り違えている可能性がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「執行関係訴訟は民事訴訟なのだから、民事訴訟法がまるごと適用される」という前提そのものが誤っている。家庭裁判所が扱う事件は家事事件手続法の思想(職権探知、非公開性、当事者の対等性より子の利益)に寄っており、本条はその思想と民事訴訟法の当事者主義的手続を接続するための調整弁だ。問いは「民訴が適用されるか」ではなく「どの条文が抜かれ、何に読み替えられるか」である
- 適用除外の意味を「軽い手続になる」と受け取る人がいるが、深刻度が逆である。除外されるということは、その条文が保障していた当事者の手続的道具(費用額確定、特定の証拠手続、督促手続)が使えないということ。手続が簡略になるのではなく、選択肢が減る
- 「別表第二の読み替え」は形式的な条文整理だと思われがちだが、読み替えの実質は用語の置換を通じた手続主体・書類名称・裁判所の呼称の変換であり、書面の記載を一つ間違えれば補正命令の対象になる。実務では、この別表を確認せずに起案した書面が返ってくることが起こりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民事執行法21条の2:家裁での執行関係訴訟に適用される手続ルールを決める | 民事執行法35条:請求異議の訴えという訴訟類型そのものを定める 民事執行法24条:外国裁判所の判決に基づく執行判決を定める |
| 発動する場面 | 24条・33条から35条の訴えが家庭裁判所の管轄に属するとき | 債務名義成立後に請求権の消滅・変更等の事由が生じたとき 外国判決を日本国内で執行しようとするとき |
| 民事訴訟法との関係 | 多数の規定を適用除外し、別表第二で字句を読み替える | 原則として民事訴訟法の手続に乗る(家裁係属なら本条の制約を受ける) 原則として民事訴訟法の手続に乗る(家裁係属なら本条の制約を受ける) |
| 実務上の落とし穴 | 支払督促など除外された手続に依拠した戦略が空振りする | 訴えを起こしても執行は止まらない(36条の執行停止が別途必要) 外国判決だけでは差押えできず、執行判決の取得が先行する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は執行異議の訴えを強制執行法に置きつつ、家事事件については家事事件法に履行確保・執行の章を設ける。手続の分岐点を「どの法律に載せるか」で処理する点が、日本の適用除外方式と対照的
韓国も請求異議の訴えを民事執行法に置く。家事分野は가사소송법の履行確保制度(履行命令・過怠料・監置)が併走し、執行と家事の接続を別制度で補う構成
ドイツは家事事件を FamFG に一元化し、家事事件の執行について ZPO の規定を準用する構造をとる。準用の際に排除・修正を行う点で、日本の本条と機能的に近い
米国は養育費の回収を income withholding order など行政的・準行政的手段で処理する比重が高く、執行関係「訴訟」の手続法を条文レベルで切り分ける日本型の設計とは発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離婚時の調停調書に基づいて元配偶者の給与を差し押さえたところ、相手が「調停後に事情が変わった、すでに免除の合意がある」として請求異議の訴え(民事執行法35条)を家庭裁判所に提起してきた。あなたの代理人が想定していた民事訴訟法上の手続の一部は、この条文により最初から使えない
- 第三者異議の訴え(民事執行法38条)ではなく、24条の外国裁判所の判決に基づく執行判決を家庭裁判所で求める場面。国際的な養育費事件で、日本での執行判決手続がどの裁判所でどのルールで動くかを最初に確認しないと、書面の宛先から間違える
- 相手方の立場になったとき。差押えを受けた側として請求異議の訴えを出す場合、地裁の民事訴訟と同じつもりで手続を組むと、除外された条文に依拠した申立てが不適法として弾かれる。あと7日で執行が完了してしまう局面で、手続選択のミスは回復不能
- 友人から「養育費の強制執行で裁判になったけど、家裁と地裁どっちなの」と相談された。答えの半分はこの条文にある。管轄そのものは33条・35条等が決めるが、家裁に行った場合に何のルールが適用されるかを決めているのがここだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 手元の債務名義(調停調書、審判書、公正証書、判決)の種類を確認し、執行の根拠を特定する2. 相手が請求異議・執行文付与に対する異議を出してきたら、それが家庭裁判所係属かを確認3. 家裁係属なら本条の適用除外リストと別表第二の読み替えを代理人と照合、支払督促など使えないルートを前提にした戦略を排除4. 差押えの効力維持と訴訟の進行は別軌道なので、執行停止の裁判(民事執行法36条)が出ていないかを最優先で確認する
訴えられた側:1. 請求異議等の訴えを起こす前に、管轄が家庭裁判所か地方裁判所かを条文(民事執行法33条から35条)で確定2. 家裁であれば本条により使えない民訴の規定を洗い出し、それに依拠しない主張構成を組む3. 執行の進行を止めたいなら訴えの提起だけでは足りず、執行停止の仮の処分を別途申し立てる4. 書面の用語は別表第二の読み替え後の表記に合わせる、補正で時間を失わないため
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。ただし請求異議の訴えは執行が終了する前でなければ訴えの利益を欠くため、実質的な時間圧は執行手続の進行速度が決める。差押命令送達後の取立可能時期(民事執行法155条、原則として債務者への送達から1週間、給与等の差押えでは4週間の場合がある)が事実上の締切として働く(最新の改正状況をご確認ください)
- 民事執行法 第24条外国裁判所の判決の執行判決、本条の対象訴訟
- 民事執行法 第33条執行文付与の訴え、本条の対象訴訟
- 民事執行法 第35条請求異議の訴え、本条の対象訴訟の中心
- 民事執行法 第15条の2家裁手続に準用される規定
- 民事執行法 第19条の2家裁手続に準用される規定
- 民事訴訟法 第132条督促手続等、本条により適用が除外される規定群
- 家事事件手続法 第75条家事審判に基づく執行との接続関係
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