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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 8 分8 分8 分

民事執行法 第39条(強制執行の停止)

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  1. 強制執行は、次に掲げる文書の提出があつたときは、停止しなければならない。
  2. 一債務名義(執行証書を除く。)若しくは仮執行の宣言を取り消す旨又は強制執行を許さない旨を記載した執行力のある裁判の正本又は記録事項証明書
  3. 二債務名義に係る和解、認諾、調停又は労働審判の効力がないことを宣言する確定判決の正本又は記録事項証明書
  4. 三第二十二条第二号から第四号の二までに掲げる債務名義が訴えの取下げその他の事由により効力を失つたことを証する調書の正本その他の裁判所書記官の作成した文書
  5. 四強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した裁判上の和解の調書の正本又は電子調書(民事訴訟法第百六十条第一項に規定する電子調書をいう。第百六十七条の二第一項第四号において同じ。)の記録事項証明書
  6. 2.4_2 強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した調停の調書又は労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第二十一条第四項の規定により裁判上の和解と同一の効力を有する労働審判の審判書若しくは同法第二十条第七項の調書の正本
  7. 五強制執行を免れるための担保を立てたことを証する文書
  8. 六強制執行の停止及び執行処分の取消しを命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書
  9. 七強制執行の一時の停止を命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書
  10. 八債権者が、債務名義の成立後に、弁済を受け、又は弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書
  11. 3.前項第八号に掲げる文書のうち弁済を受けた旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、四週間に限るものとする。
  12. 4.第一項第八号に掲げる文書のうち弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、二回に限り、かつ、通じて六月を超えることができない。

この条文の基本情報

強制執行の停止とは何ですか?

定義強制執行の停止とは、民事執行法第39条に定められた規定で、「強制執行は、次に掲げる文書の提出があつたときは、停止しなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事執行法第39条(強制執行の停止)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
  2. 民事執行法第39条の条文原文は「強制執行は、次に掲げる文書の提出があつたときは、停止しなければならない。」で始まります。
  3. 民事執行法第39条は第一節 総則に置かれています。
  4. 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
  5. 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事執行法第39条の前の条は民事執行法第38条です。
  7. 民事執行法第39条の次の条は民事執行法第40条です。
  8. 民事執行法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第39条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 本サイト収録民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/39
裁判例 4件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事執行法39条は、9種類の文書の提出があれば強制執行を停止しなければならないと定める。債権者の弁済受領文書による停止は4週間、猶予承諾文書は通算6か月が上限。

Q · 給料や口座を差し押さえられたら、もう止める方法はないんですか?

9種類の文書のどれかを提出すれば止まる

民事執行法39条1項は、強制執行を停止しなければならない場合を9種類の文書の提出として限定列挙しています。債務名義を取り消す裁判の正本(1号)、執行停止を命ずる裁判の正本(7号・8号)のほか、債権者本人が弁済を受けた旨または弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書(9号に相当する8号文書)も含まれます。ただし弁済受領文書による停止は4週間(2項)、猶予承諾文書による停止は2回かつ通算6か月まで(3項)で、期間が満了すれば手続は再開します。

解説

給料が差し押さえられた通知が届いた瞬間、多くの人は「もう終わりだ、手続きは止まらない」と思い込む。だが民事執行法39条は、たった一枚の紙を執行機関に出すだけで、進行中の強制執行を強制的に止める仕組みを用意している。しかも9種類も列挙されている。あなたが注目すべきは8号だ。裁判所の決定でも判決でもなく、「債権者が弁済を受けた、または支払いを待つと承諾した」と書いた文書、つまり債権者本人が書いてサインした一枚があれば、執行は止まる。ただし止まる長さは決まっている。弁済を受けた旨なら4週間、猶予の承諾なら2回まで、通算6か月まで。この上限を知らずに「話がついたから大丈夫」と油断すると、期間が切れた瞬間に競売も差押えも再開する。止める文書と、止まる時間、この二つはセットで理解しないと意味がない。

法的な位置づけ

民事執行法39条は強制執行の停止を定める規定であり、債務名義を取り消す裁判の正本、執行停止を命ずる裁判の正本、債権者が弁済を受けまたは弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書など9種類の文書の提出があったときは、執行機関が強制執行を停止しなければならないとする。停止は既にされた執行処分を取り消すものではなく、手続の進行を止める効果にとどまる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.債務名義の種類と執行の段階を特定する 手元の差押命令や競売開始決定から、債務名義が判決か、和解調書か、公正証書かを確認し、事件番号と担当の執行裁判所・執行官を特定する。使える号(1号から9号のどれか)は債務名義の種類で変わる
  2. 2.債権者から猶予承諾または弁済受領の文書を取り付ける 債権者と連絡が取れるなら、弁済を受けた旨または弁済の猶予を承諾した旨を明記した文書を書面で取得する。口頭の合意は39条1項8号の文書に当たらない。書面を渋られたら和解調書化を提案する
  3. 3.並行して執行停止の裁判を目指す 請求異議の訴え(民執35条)、執行文付与に対する異議の訴え(民執36条)、第三者異議の訴え(民執38条)などの本案を検討し、あわせて強制執行の一時停止を命ずる裁判を申し立てる
  4. 4.取得した文書を自分で執行機関に提出する 裁判の正本または記録事項証明書、あるいは債権者作成文書を、執行裁判所または執行官に持ち込む。決定が出ただけでは止まらない。開札期日や取立て可能日が迫る場合は正本交付を受けたその足で提出する
  5. 5.停止期間の満了日を管理し、次の手を打つ 8号文書による停止は弁済受領なら4週間、猶予承諾なら2回・通算6か月が上限。カレンダーに満了日を入れ、その期間内に取下げ、和解、または執行処分の取消し(民執40条)まで到達させる

よくある質問 AI による整理

Q1強制執行の停止とは何ですか?

進行中の強制執行手続の進行を止めることです。民事執行法39条が定める9種類の文書を執行機関に提出したときに生じ、既にされた差押えの効力まで消えるわけではありません。

Q2執行停止の文書はどこに提出するのですか?

その執行を担当している執行裁判所または執行官に提出します。裁判所同士が自動的に連携することはなく、当事者が自ら持ち込まない限り手続は進行し続けます。

Q3弁済を受けた旨の文書で何週間止まりますか?

4週間です(民事執行法39条2項)。その間に取下げ、請求異議の訴え(民執35条)と執行停止の裁判まで到達しないと、期間満了で手続は再開します。

Q4弁済猶予の承諾書は何回まで使えますか?

2回まで、かつ通算6か月を超えられません(民事執行法39条3項)。債務者側から見れば持ち札は有限で、債権者側から見れば1通ごとに枠を消費します。

Q5執行の停止と執行処分の取消しは違いますか?

違います。39条は手続を止めるだけで、既にされた差押えを解いて原状に戻すには40条による執行処分の取消しが必要です。取消しまで及ぶ文書は39条1項でも限られます。

Q6担保を立てれば差押えは止まりますか?

止まります。強制執行を免れるための担保を立てたことを証する文書は39条1項6号に該当します。担保額や方法は担保を命じた裁判の内容によります。

Q7公正証書で差し押さえられた場合も39条で止まりますか?

止まります。ただし1号は執行証書を除いており、公正証書の場合は請求異議の訴え(民執35条)とそれに伴う執行停止の裁判、または8号文書のルートを使います。

Q8請求異議の訴えを起こせば自動的に執行は止まりますか?

止まりません。訴え提起とは別に執行停止の裁判を得て、その正本または記録事項証明書を執行機関に提出して初めて39条1項7号・8号の効果が生じます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1債権者と電話で『来月まで待つ』って話がついたんですが、これで差押えは止まりますか

止まらない。39条1項8号が要求しているのは「弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書」であり、口頭の合意は文書ではない。必ず書面かメール等の記録で残し、それを執行裁判所に提出する必要がある。実務のポイント:債権回収の担当者は書面を出し渋ることが多い。理由は3項の回数制限を消費するからではなく、社内で回収遅延の記録が残るためだ。「書面が難しければ和解調書にしましょう」と切り返すと、書面を出す側に転じることがある

Q2執行停止の決定をもらえば、裁判所が勝手に差押えを止めてくれるんじゃないんですか

止めてくれない。39条は「文書の提出があつたとき」に停止すると定めており、決定を出した裁判所と執行を担当する執行裁判所・執行官は別々に動く。正本を取得して自ら提出しなければ手続きは進行する。実務のポイント:申立てから決定、正本交付、提出まで数日かかることがある。開札期日や取立て可能日が迫っている場合は、正本交付を受けたその足で執行裁判所へ持ち込む段取りを最初から組む

間違えやすい点 AI による整理

  • 「執行停止の裁判をもらえば執行は止まる」と理解している人は多いが、条文が要求しているのは裁判ではなく「文書の提出」である。停止決定を得ても、その正本を執行機関に提出しなければ手続きは進み続ける。あなたが立てた問いは「どうやって停止決定を取るか」だが、本当の問いは「取った後、誰がいつ執行機関に持ち込むか」だ
  • 39条による停止は執行が消滅することだと思われがちだが、停止は文字通り一時停止にすぎない。すでにされた差押えの効力は残る。差押えを解除して原状に戻すには、40条による執行処分の取消しが必要で、そこまで到達できる文書は39条1項の中でも限られている(1号、2号、6号など)。止めたことと消したことは別の話
  • 債権者から見れば「待ってあげる」という温情の書面だが、法律から見れば3項の回数制限を1回消費する行為である。この落差を知らずに2回書いてしまった債権者は、3回目に債務者へ善意を示す手段を失う。逆に債務者側から見れば、猶予の書面は無限に取れる資源ではなく、6か月分しかない持ち札だ
比較の観点この条文ほかの条文
何が起きるか民執39条:進行中の強制執行が停止する(手続の一時停止)民執40条:既にされた執行処分が取り消され原状に戻る
民執35条:債務名義の執行力そのものを訴えで排除する
必要なもの1項各号に列挙された9種類の文書の提出39条1項のうち1号・2号・6号など取消しまで及ぶ文書
訴えの提起と勝訴判決、停止には別途執行停止の裁判
時間の制限8号の弁済受領は4週間、猶予承諾は2回・通算6か月取消しは確定的、期間制限なし
訴訟期間は数か月から年単位、その間は別途停止が必要
誰が動かすか当事者が文書を執行機関に提出して初めて発動同じく文書提出が起点、執行機関が処分を取り消す
債務者が原告として受訴裁判所に提訴

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
強制執行法第18条

台湾は「強制執行手続開始後は原則として停止しない」と宣言したうえで、異議の訴え等の提起と裁判所の停止裁定を要件とする。日本のような債権者作成文書の類型は置いておらず、裁判所の関与が前提となる点が異なる

韓国
대한민국 민사집행법 제49조

韓国も執行停止・制限の書類を限定列挙する方式を採り、条文構造は日本39条に極めて近い。債権者が弁済猶予を承諾した証書についても回数・期間の制限を置く点で共通する

ドイツ
ZPO §§ 775, 776

ドイツ ZPO 775条が停止事由となる文書を列挙し、776条が既にされた執行処分の取消しを定める。日本の39条・40条の二本立て構造はこの設計を承継したもの

アメリカ
Federal Rule of Civil Procedure 62

米国連邦民訴規則62条は、判決後の自動的な執行猶予期間と、supersedeas bond(担保供託)による上訴中の執行停止を定める。文書列挙ではなく担保と裁判所の裁量が中心である点が大きく異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 給与差押えの通知が会社に届いた。債権者と交渉して「3か月待つ」と口頭で合意したが、書面をもらっていない。この状態では執行は止まらない。必要なのは債権者が「弁済の猶予を承諾した」と記載した文書そのもので、口約束は39条1項8号の文書にならない
  • あなたが債権者側で、債務者から「分割で払うから待ってほしい」と頼まれ、善意で猶予の書面を出した。ところが6か月経っても入金がない。もう一度書面を出しても、通算6か月・2回の上限(3項)に達していればその文書には停止の効力がない。善意の猶予書は、出す前に回数と期間を数えておく必要がある
  • もし、判決に対して控訴して、控訴審で強制執行停止決定を得たとしたらどうなる? その決定正本を執行裁判所に提出して初めて執行が止まる(1項7号)。決定が出ただけでは自動的に止まらない。裁判所同士は連携してくれない、動かすのはあなたの手だ
  • 自宅の競売開始決定が届いた。開札まであと10日。債権者と全額弁済で合意し、領収書に相当する文書を取り付けた。これを執行裁判所に提出すれば止まるが、8号の弁済受領文書による停止は4週間だけ(2項)。その4週間の間に、取下げまたは請求異議の訴え(民執35条)と執行停止の裁判まで到達しないと、競売はそのまま進む

取るべき行動

被害を受けた側:1. 手元の書類で債務名義の種類(判決、和解調書、公正証書など)と執行の段階を特定する2. 債権者と連絡が取れるなら、弁済の猶予を承諾する旨の文書を書面で取り付ける、口頭は無効3. 同時並行で請求異議の訴え(民執35条)または執行抗告の余地を検討し、執行停止の裁判を目指す4. 取得した文書は自分で執行裁判所または執行官に提出する、提出しない限り止まらない5. 8号の停止期間内に次の手を打つ、期間満了で自動再開する

訴えられた側:1. 債権者側であれば、猶予の書面を出す前に3項の2回・通算6か月の枠をどれだけ消費するか確認する2. 一部弁済を受けた場合、領収書の文言が「弁済を受けた旨」と読めると2項の4週間停止が発動しうるため、記載内容を意識する3. 債務者から停止文書が提出されたら、その種類が1項のどの号に当たるか、40条の取消しまで及ぶ文書かを確認する4. 停止期間の満了日をカレンダー管理し、満了と同時に手続き続行を申し出る

時効(請求できる期限):8号のうち弁済受領文書による停止は4週間限り(2項)。猶予承諾文書による停止は2回かつ通算6か月が上限(3項)。いずれも文書提出時から起算する。その他の号による停止には条文上の期間制限はないが、停止の根拠となった裁判が取り消されれば効力を失う

学説

通説:39条1項の停止事由は限定列挙であり、掲げられた文書以外による停止は認められない。執行機関は文書の形式的該当性のみを審査し、実体的な弁済の有無は請求異議の訴えに委ねられる

通説:39条の停止と40条の執行処分取消しは効果が異なる。停止は将来に向けて手続の進行を止めるにとどまり、既にされた差押えの効力は残存する。取消しまで及ぶ文書は1項の中でも限定される

通説:2項・3項の期間・回数制限は、債権者作成の私文書という緩い入口が引き延ばしに濫用されることを防ぐ趣旨である。制限を超えて提出された文書には停止の効力がない

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法制定により、旧民事訴訟法第六編と競売法に分散していた執行停止の規律を統合し、39条として停止事由を文書の限定列挙方式で整理した
  2. 2.平成16年(2004年) 改正:労働審判法(平成16年法律第45号)の制定に伴い、裁判上の和解と同一の効力を有する労働審判の審判書・調書の正本が停止文書として明記された
  3. 3.令和5年(2023年) 改正:民事手続のデジタル化に対応し、「記録事項証明書」および民事訴訟法160条1項の電子調書に関する文言が停止文書の列挙に加えられた

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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