民事執行法 第40条(執行処分の取消し)
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- 前条第一項第一号から第六号までに掲げる文書が提出されたときは、執行裁判所又は執行官は、既にした執行処分をも取り消さなければならない。
- 2.第十二条の規定は、前項の規定により執行処分を取り消す場合については適用しない。
この条文の基本情報
執行処分の取消しとは何ですか?
定義執行処分の取消しとは、民事執行法第40条に定められた規定で、「前条第一項第一号から第六号までに掲げる文書が提出されたときは、執行裁判所又は執行官は、既にした執行処分をも取り消さなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第40条(執行処分の取消し)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第40条の条文原文は「前条第一項第一号から第六号までに掲げる文書が提出されたときは、執行裁判所又は執行官は、既にした執行処分をも取り消さなければならない。」で始まります。
- 民事執行法第40条は第一節 総則に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第40条の前の条は民事執行法第39条です。
- 民事執行法第40条の次の条は民事執行法第41条です。
- 民事執行法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法40条は、39条1項1号から6号の文書が提出されると、執行裁判所または執行官が既にした差押え等の執行処分を取り消すと定める。2項で執行抗告は排除される。
Q · 借金を完済したのに続いている差押え、止めるだけでなく解くことはできる?
止めるだけでなく、既にかけた差押えを取り消せます
民事執行法40条により、39条1項1号から6号までの強力な文書(強制執行を許さない旨の裁判の正本、和解・調停調書、停止取消命令の正本など)が提出されると、執行裁判所または執行官は既にした差押え等の執行処分そのものを取り消さなければなりません。単に将来の執行を止める(停止)のではなく、既にかかった口座凍結や差押登記を解く(取消し)操作です。しかも2項が12条を排除するため、債権者は執行抗告で引き延ばせず、取消しは即座に効きます。
解説
借金を完済した、あるいは再審で債務名義そのものが取り消された。それなのに給料の差押えが続き、毎月手取りが減ったまま。なぜか。多くの人は「執行を止める書類」を出せば終わりだと思っているが、止める(停止)と解く(取消し)は法律上まったく別の操作だ。39条が提出書類で将来の執行を止めるのに対し、40条は、その書類のうち特に強力な6種類(1号から6号)が出されたとき、既にかけられた差押えそのものを取り消せと執行裁判所・執行官に命じる。しかも2項で12条の適用を外している。つまり債権者が「取消しは不当だ」と執行抗告して引き延ばすことができない。書類が確定的なものだから、即座に、争いなく効く。この6種類を手元に持っているかどうかで、あなたの口座が今日解除されるか、来月まで凍ったままかが分かれる。
法的な位置づけ
民事執行法40条は執行処分の取消しを定める規定であり、39条1項1号から6号までの文書が提出された場合に、執行裁判所または執行官が既に行った差押え等の執行処分を取り消す義務を負う旨を規定する。同条2項により12条の執行抗告が排除され、取消しは即時かつ確定的に効力を生ずる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.手元の文書が39条1号から6号かを確認 強制執行を許さない旨の裁判の正本、和解・調停調書、担保提供の証明、停止取消命令の正本などが1号から6号に当たる。7号8号(一時停止命令・弁済猶予の文書)は停止どまりで取消しには使えないため、まず号数を特定する
- 2.配当・取立て・売却が迫っていないか確認 債権執行なら債権者が第三債務者(銀行)から取り立てる前か、不動産なら代金納付前かを執行裁判所に確認する。実施後は40条の取消しが及ばないため、実施前かどうかが本当のデッドラインになる
- 3.正本を執行裁判所または執行官に提出 不動産・債権執行は執行裁判所、動産執行は執行官に、1号から6号の文書の正本を提出する。提出により40条で既にかかった執行処分が取り消される
- 4.取消決定の金融機関・登記への反映を確認 口座凍結の解除は取消決定が金融機関に伝わって初めて効く。差押登記の抹消は嘱託を経る。取消し後、解除・抹消が実際に反映されたかをフォローする
よくある質問 AI による整理
Q1執行処分の取消しとは何ですか?
既にかけられた差押え等の執行処分そのものを消す操作です。将来の執行を止める停止とは別で、民事執行法40条が根拠。39条1項1号から6号の文書提出が要件です。
Q2差押えの停止と取消しはどう違いますか?
停止(39条)は将来の手続を止めるだけで既存の口座凍結は残ります。取消し(40条)は既にかかった差押えそのものを消します。1号から6号の文書だけが取消しまで効きます。
Q3民事執行法39条と40条の違いは何ですか?
39条は執行を停止する文書の一覧を定め、40条はそのうち1号から6号の文書が出たとき既存の執行処分を取り消すと定めます。40条は39条を前提とする巻き戻し規定です。
Q4執行抗告で差押えの取消しを争えますか?
1号から6号の文書による取消しは、40条2項が12条を排除するため執行抗告で争えません。争えるのは文書の真正性や要件充足そのものに限られます。
Q5動産の差押えを取り消すにはどこに文書を出しますか?
動産執行は執行官が行うため、執行官に文書を提出します。不動産・債権執行は執行裁判所に提出します。手続の主体によって提出先が異なる点に注意が必要です。
Q6和解調書があれば差押えは取り消せますか?
「強制執行はしない」旨や申立てを取り下げる旨を含む和解・調停調書は39条1項4号文書に当たり、40条で既存の差押えを取り消せます。単なる領収書より強力です。
Q7配当や取立ての後でも差押えを取り消せますか?
既に債権者へ配当・交付され、または債権者が銀行から取り立てた範囲には40条の取消しが及ばないことがあります。回収は不当利得返還請求という別ルートになります。
Q8不動産の差押登記を消すにはどうすればいい?
取消しを命ずる裁判の正本などを執行裁判所に提出すると、40条により差押えが取り消され、抹消の嘱託を経て差押登記が消えます。文書を出さない限り登記は残ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1借金を返し終わったのに、まだ給料が差し押さえられています。放っておけば自動で止まりますか?
止まりません。完済しても執行裁判所は自動では知らず、あなたが弁済を証する文書を出す必要があります。ただし単なる弁済受領の文書は39条8号で「停止」どまり、差押えを「解く」には1号から6号の文書が要ります。実務のポイント:弁済で解決したなら、示談・和解の段階で「強制執行の申立てを取り下げる旨」を調書に入れてもらうと、それが4号文書になり40条で即取消しできる。ただの領収書より一段強い武器になる
Q2差押えを取り消してもらったら、相手は文句を言えないんですか?
1号から6号の文書による取消しなら、債権者は執行抗告で争えません。40条2項が12条を外しているため、取消しは即座に確定的に効きます。実務のポイント:これは6種類の文書がすでに確定した強力な証拠だからです。逆に言えば、相手が停止どまりの7号8号文書しか出していないのに「取り消せ」と迫ってきても、それは通らない。号数を見れば相手の主張が通るか一目で分かる
Q3口座の凍結を今日中に解きたいんですが、間に合いますか?
文書が1号から6号に該当し、差し押さえられた預金がまだ債権者に取り立て・配当されていなければ、取消しの余地があります。ただし執行裁判所の取消決定と金融機関への通知に時間がかかります。実務のポイント:債権執行では、債権者が第三債務者(銀行)から取り立ててしまうと差押えの目的は達成され、後から取り消しても手遅れになる。取立て前かどうかが本当のデッドライン。急ぐなら執行裁判所に取立ての有無を確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「執行を止める書類を出せば差押えは消える」と思い込んでいるが、止める(停止)と解く(取消し)は別物だ。39条7号8号(一時停止命令、弁済猶予の文書)を出しても、将来の手続が止まるだけで、既にかかった口座凍結や差押登記はそのまま残る。差押えを実際に消せるのは1号から6号を経由した40条だけ
- 「差押えの取消しなんて、相手(債権者)が黙っていないはず」と身構える人がいるが、問いの立て方が逆だ。1号から6号の文書による取消しは40条2項で12条が排除され、債権者は執行抗告で争えない。あなたが心配すべきは相手の抵抗ではなく、自分の文書が本当に1号から6号に当たるかどうかの一点
- 「完済すれば差押えは自動で解ける」と考えている人が多いが、執行裁判所はあなたが返したことを知らない。文書を出さない限り差押えは生き続ける。しかも単なる弁済受領の文書は8号どまりで「停止」にしかならず、確実に「解く」には和解調書などの1号から6号を用意する必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効果 | 40条:既にした執行処分を取り消す(解く) | 39条:将来の執行手続を停止する(止める) 12条:執行裁判所の裁判に対する執行抗告 |
| 対象文書 | 39条1項1号から6号(確定的な文書) | 39条1項1号から8号(停止文書全般) — |
| 債権者の不服申立て | 2項で12条を排除、執行抗告不可 | 停止自体に抗告の枠組みあり 取消し等に対し1週間以内に執行抗告可 |
| 根拠となる典型文書 | 和解・調停調書、停止取消命令の正本 | 一時停止命令、弁済猶予の証明(7号8号) — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も執行の停止と異議を分けて規律する。確定的文書による原状回復という日本40条の即時性に相当する明文は、停止・異議手続を通じて実現される
韓国は49条で停止・制限、50条で執行処分の取消しを規定し、日本の39条・40条の分業構造とよく対応する
ドイツは § 775で提出により執行が停止される文書を列挙し、§ 776で既にした執行措置の取消しを定める。日本39条・40条の直接の母法に近い構造
米国は判決執行の停止を Rule 62で扱うが、確定文書による自動的な処分取消しという構成ではなく、供託や上訴に伴う裁量的な stay が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 完済したのに口座が凍ったまま、来週には給料日。今週中に差押えを解くにはどうする? 答えは、あなたが持っている文書が39条1号から6号のどれかに当たるかで決まる。当たれば40条で既にかかった差押えごと取り消せる。当たらなければ、止まるだけで凍結は続く
- あなたが貸金を回収するため債務者の預金を差し押さえた。ところが債務者が「強制執行はしない」という和解調書(4号文書)を裁判所に出してきた。40条により差押えは取り消され、しかも2項であなたは執行抗告で引き延ばせない。争えるのは文書の真正性や要件充足そのものだけになる
- 再審で借金の判決がひっくり返った。だが不動産の差押登記はまだ残っている。取消しを命ずる裁判の正本を執行裁判所に出して、初めて登記が消える
- 離婚後の養育費で元配偶者の給料を差し押さえたが、その後「今後は執行しない」と調停が成立。この調停調書を出せば勤務先への差押えは即座に解除される。家庭裁判所で合意しただけでは、会社への差押命令は生きたままだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 手元の文書が39条1項1号から6号のどれに当たるか確認、強制執行を許さない旨の裁判の正本、和解・調停調書、担保提供の証明、停止取消命令の正本など2. その正本を、差押えを行う執行裁判所(不動産・債権執行)または執行官(動産執行)に提出3. 配当・売却・債権者の取立てが迫っているなら最優先、実施前に出す4. 提出後、40条で既にかかった差押えは取り消される、口座凍結の解除は取消決定が金融機関に伝わる流れを確認する
訴えられた側:1. 提出された文書が本当に1号から6号か精査、7号8号(一時停止・弁済猶予の文書)なら取消しではなく停止どまり2. 該当するなら40条2項で執行抗告はできない、争うなら文書の真正性や要件充足そのものを別途争う3. 既に配当・交付・取立てが済んだ範囲は取消しが及ばないことがある、実施済みの範囲を確認4. 債務名義自体が生きているなら、取消事由が消えた後に再度の執行申立ても検討する
時効(請求できる期限):提出自体に特定の時効はないが、差押財産が債権者に配当・交付され、債権者が取り立て、または不動産が売却されて代金が納付される前に出す必要がある。実施後は40条の取消しが及ばず、不当利得返還請求(民法703条、704条)という別ルートになる。40条の取消し自体は12条排除により即時に効力を生じる
- 民事執行法 第39条執行停止の文書一覧、40条取消しの前提となる書類
- 民事執行法 第12条手続取消しに対する執行抗告、40条2項で適用排除
- 民事執行法 第11条執行異議、執行官の処分に対する不服手段
- 民事執行法 第10条執行抗告、裁判に対する不服手段
- 民事訴訟法 第403条強制執行の停止・取消しを命ずる裁判の根拠、6号文書の発生源
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