保険業法 第165条の11(吸収合併契約の承認を要しない場合等)
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- 前条第一項から第四項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を吸収合併存続株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。ただし、吸収合併消滅相互会社の社員に対して交付する株式等の全部又は一部が吸収合併存続株式会社の譲渡制限株式である場合であって、吸収合併存続株式会社が公開会社でないときは、この限りでない。
- 一次に掲げる額の合計額
- 一吸収合併消滅相互会社の社員に対して交付する吸収合併存続株式会社の株式の数に一株当たり純資産額(会社法第百四十一条第二項(株式会社による買取りの通知)に規定する一株当たり純資産額をいう。)を乗じて得た額
- 二吸収合併消滅相互会社の社員に対して交付する金銭の額
- 二吸収合併存続株式会社の純資産額として内閣府令で定める方法により算定される額
- 2.前項本文に規定する場合において、内閣府令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の四第一項の規定による通知又は第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の四第二項の公告の日から二週間以内に吸収合併に反対する旨を吸収合併存続株式会社に対し通知したときは、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。
この条文の基本情報
吸収合併契約の承認を要しない場合等とは何ですか?
定義吸収合併契約の承認を要しない場合等とは、保険業法第165条の11に定められた規定で、「前条第一項から第四項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を吸収合併存続株式会社の定款で定めた場合にあっては、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第165条の11(吸収合併契約の承認を要しない場合等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第165条の11の条文原文は「前条第一項から第四項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を吸収合併存続株式会社の定款で定めた場合にあっては、…」で始まります。
- 保険業法第165条の11は第二目 吸収合併存続株式会社の手続に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第165条の11の前の条は保険業法第165条の10です。
- 保険業法第165条の11の次の条は保険業法第165条の11の2です。
- 保険業法第165条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の11 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の11(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/165_11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法165条の12は、合併の対価として交付する株式等の合計額が存続株式会社の純資産額の五分の一を超えない場合、株主総会決議を不要とする簡易吸収合併の規定である。
Q · 保険会社の合併なのに、株主総会が開かれないことがあるって本当ですか?
対価が純資産の五分の一以下なら総会は不要です
保険業法165条の12により、吸収合併消滅相互会社の社員に交付する株式等の合計額が、存続株式会社の純資産額(内閣府令が定める算定方法による額)の五分の一を超えない場合、165条の11の株主総会決議に関する規定は適用されません。ただし交付株式が譲渡制限株式で存続株式会社が公開会社でないときは総会が必要です。また内閣府令が定める数の株式を有する株主が、通知または公告の日から二週間以内に反対を通知すれば、存続株式会社は効力発生日の前日までに株主総会の決議による承認を得なければなりません。
解説
株主総会が開かれない合併がある。相互会社が保険株式会社に吸収され、契約者の社員権が株式に変わるほどの再編でも、存続会社の株主であるあなたに一票が回ってこないことがある。基準は単純で、合併の対価として交付する株式等の合計額が、存続株式会社の純資産額の五分の一を超えないこと。超えなければ、前条(165条の11)が定める株主総会決議は丸ごと不要になる。会社が大きいほど、五分の一という枠は巨大になる。純資産一兆円規模の保険会社なら、二千億円規模の再編が無決議で通る計算だ。ただし出口は二つ残されている。交付する株式が譲渡制限株式で、存続株式会社が公開会社でないときは、ただし書によって総会を省略できない。そして内閣府令が定める数の株式を持つ株主が、通知または公告の日から二週間以内に反対を通知すれば、効力発生日の前日までに総会決議を取らせることができる。二週間、それがあなたに開かれた唯一の窓である。
法的な位置づけ
保険業法165条の12は、いわゆる簡易吸収合併に関する規定である。吸収合併消滅相互会社の社員に交付する株式等の合計額が、吸収合併存続株式会社の純資産額として内閣府令で定める方法により算定される額の五分の一を超えない場合、同法165条の11第1項から第4項までの株主総会決議に関する規定の適用を除外する。ただし書と反対通知の例外を伴う。
よくある質問 AI による整理
Q1簡易合併とは何ですか?
一定規模以下の合併について、存続会社の株主総会決議を省略できる制度です。保険業法では165条の12が、交付する株式等の合計額が純資産額の五分の一を超えない場合に決議規定の適用を外します。
Q2保険業法165条の12が使えるのはどんな合併ですか?
相互会社を消滅会社、保険株式会社を存続会社とする吸収合併で、交付する株式等の合計額が存続株式会社の純資産額の五分の一以下の場合です。譲渡制限株式かつ非公開会社の場合は使えません。
Q3合併に反対する通知はいつまでに出せばいいですか?
準用される165条の4第1項の通知、または同条2項の公告の日から二週間以内です。起算日は会社の通知・公告日であり、適時開示の日ではありません。一日遅れれば効力を失います。
Q4譲渡制限株式を交付すると簡易合併は使えませんか?
交付する株式等の全部または一部が存続株式会社の譲渡制限株式で、かつ存続株式会社が公開会社でないときは、1項ただし書により適用除外されず、株主総会決議が必要です。
Q5五分の一より厳しい基準を定款で決められますか?
できます。本条1項は「これを下回る割合を吸収合併存続株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合」と定めており、定款で十分の一などに引き下げれば簡易合併の枠が狭まります。
Q6相互会社が吸収されると社員の地位はどうなりますか?
消滅相互会社の社員には対価として存続株式会社の株式等が交付されるのが典型で、社員権が株主権に転換します。交付内容は吸収合併契約で定まるため、契約書の対価条項の確認が必要です。
Q7簡易合併なら内閣総理大臣の認可も不要になりますか?
なりません。本条が外すのは株主総会決議に関する規定だけです。保険会社の合併には保険業法上の監督上の認可が別途必要であり、要否と手続は現行条文で確認してください。
Q8必要な総会決議を欠いた合併はどうなりますか?
本来必要な承認決議を欠いた合併は、合併無効の訴えで効力を争われる余地があります。五分の一の算定を誤ると、手続の瑕疵が事後に問題化しうる点が実務上のリスクです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちみたいな小口の株主が反対通知を出しても、意味ないんですか?
本条2項は「内閣府令で定める数の株式を有する株主」の反対通知にしか効力を認めていない。基準に届かなければ、その通知だけで総会開催義務は生じない。ただし数は他の株主と合算できる。実務のポイント:会社が実際に警戒しているのは基準数そのものより、反対が出た事実が開示され、認可当局や格付機関の目に触れることだ。法的効力がなくても、書面で残した反対は合併条件の再検討を促す材料になる
Q2五分の一っていうのは、株式の時価総額の五分の一ですか?
違う。分母は本条1項2号の「純資産額として内閣府令で定める方法により算定される額」であり、株価から出す時価総額ではない。分子も交付する株式等の帳簿価額の合計である。実務のポイント:株価が沈んでいる局面ほど、時価総額基準では大きく見える再編が純資産基準では五分の一に収まる。相場が悪い時期に無決議の再編が通りやすくなるのは、この算定式の性質そのものによる
Q3総会が開かれないなら、せめて株を買い取ってもらえないんですか?
そこが簡易合併の一番痛い部分である。会社法の枠組みでは、簡易合併に該当する場合に存続会社側の株主へ株式買取請求権は認められない(会社法797条1項ただし書)。保険業法の合併手続も同じ設計思想の上にあり、個別の適用は現行条文の確認を要する。実務のポイント:買取請求が使えない以上、価格に不満のある株主に残るのは市場で売る道だけだ。だからこそ二週間の反対通知が、事実上唯一の手続的抵抗手段になる
間違えやすい点 AI による整理
- 簡易合併で総会がいらないことは、それなりに知られている。知られていないのは、その代償の重さだ。会社法の枠組みでは、簡易合併に該当すると存続会社側の株主に株式買取請求権が認められない(会社法797条1項ただし書)。保険業法の合併手続も同じ設計思想の上に組まれており、反対する場と降りる場が同時に消える構造になっている。個別の適用は現行条文の確認を要する
- 「五分の一を超えるかどうか」を自社の貸借対照表の純資産で計算しようとした時点で、問いの立て方が誤っている。分母は本条1項2号の「純資産額として内閣府令で定める方法により算定される額」であり、会計上の純資産とも時価総額とも別物である。分子も、交付する株式等の帳簿価額など法定項目の合計であって、市場価格ではない
- 株主から見れば、本条2項は「反対を通知すれば総会を開かせられる」制度に見える。法律から見れば、それは内閣府令が定める数の株式を握る株主にだけ渡された鍵であり、その数に届かない株主の反対通知は、それ単体では何の法的効果も生まない。この落差を知らずに一人で反対通知を出し、無視されて初めて気付くケースが実務では起きる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 株主総会決議の要否 | 保険業法165条の12:対価が純資産額の五分の一以下なら決議規定を適用しない | 保険業法165条の11:吸収合併契約について株主総会の承認決議を要する原則 会社法796条3項:株式会社間の吸収合併における簡易合併(存続会社側の決議省略) |
| 判定の分母 | 存続株式会社の純資産額として内閣府令で定める方法により算定される額 | 判定不要(原則として常に決議が必要) 存続株式会社の純資産額(会社法施行規則の算定方法) |
| 適用除外(ただし書) | 交付株式等が譲渡制限株式で存続株式会社が公開会社でないとき | — 譲渡制限株式の交付+非公開会社、差損が生じる場合等 |
| 株主側の対抗手段 | 内閣府令が定める数の株式を有する株主が二週間以内に反対通知すれば総会決議が必要 | 総会での議決権行使そのものが保障される 一定数の株主の反対通知により決議が必要(会社法796条3項ただし書) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の簡易合併は「90% 以上の株式保有」という支配関係を要件とし、対価の規模ではなく持株比率で決議省略を切り出す点が日本と設計思想を異にする
韓国の小規模合併は、交付する新株が発行済株式総数の一定割合以下であれば株主総会を取締役会決議で代替できる。一定割合の株主が二週間内に書面で反対すると総会が必要になる構造は、本条2項と極めて近い
ドイツは9/10以上を保有する子会社の吸収合併で親会社の株主総会決議を不要とする。対価規模ではなく支配比率基準であり、少数株主には総会招集請求の途が残される
デラウェア州法は、存続会社が新たに発行する株式が発行済株式の20% 以下などの要件を満たす場合、存続会社株主の承認を不要とする。対価規模で決議を切り出す点は本条と発想が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険グループの傘下で働くあなたのもとに、系列の相互会社を吸収する合併の公告が回ってきたとしたら、何が起きるか。会社は「簡易合併に該当するので総会は開きません」と説明する。反対を通知できる窓は公告日から二週間。社内の意思決定を待っているうちに、その窓は静かに閉じる
- 機関投資家として存続株式会社の株式を保有している。提示された合併比率に納得できない。だが簡易合併に該当すると、議決権を行使する場そのものが消える
- あなたが存続株式会社の法務担当で、対価総額を純資産額の五分の一以内に収める設計を任された。分母となる純資産額は本条1項2号により内閣府令の算定方法で決まり、社内の貸借対照表上の純資産と一致するとは限らない。計算を誤れば、必要な総会決議を欠いた合併として効力を争われる余地を残す
- 相互会社の社員だったあなたは、合併で株式を受け取る側に立つ。ところがその株式が譲渡制限株式で、存続株式会社が公開会社でないなら、本条1項ただし書により簡易合併は使えない。あなたが受け取る株式の流通性の低さが、相手方の手続を一段重くしている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 交付される株式等の合計額と存続株式会社の純資産額の比率を確認、五分の一以下なら簡易合併の射程内である2. 準用される165条の4第1項の通知または同条2項の公告の日付を特定し、二週間後をカレンダーに固定する3. 内閣府令が定める反対通知の基準株式数を確認し、単独で届かないなら他の株主と連携して数を作る4. 反対通知は書面で、到達日が証拠に残る方法(内容証明郵便等)で存続株式会社に出す
訴えられた側:1. 分母の純資産額は内閣府令の算定方法で計算し、会計上の純資産と混同しない2. 交付株式が譲渡制限株式で自社が公開会社でない場合、1項ただし書により簡易合併は使えないので設計段階で除外する3. 通知・公告の日付を確定し、二週間の反対通知受付体制と受領記録を整備する4. 基準数の反対通知が届く事態に備え、効力発生日の前日までに開催できる株主総会の予備日程と招集手続を先に押さえる
時効(請求できる期限):反対の通知は、準用される165条の4第1項の通知または同条2項の公告の日から二週間以内。基準数の反対通知があった場合、存続株式会社は効力発生日の前日までに株主総会の決議による吸収合併契約の承認を得なければならない。なお合併の効力発生には保険業法上の内閣総理大臣の認可が別途必要であり、その要否と時期は現行条文で確認すること
- 保険業法 第165条の11本条が適用を除外する承認決議の原則規定
- 保険業法 第165条の4本条2項が準用する通知・公告、二週間の起算点
- 保険業法 第159条保険会社の合併の根拠規定(現行効力を要確認)
- 保険業法 第167条合併に対する内閣総理大臣の認可(現行効力を要確認)
- 会社法 第796条株式会社間の簡易吸収合併に対応する一般法の規定
- 会社法 第797条簡易合併時に買取請求権を排除する構造の原型
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