受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

保険業法 第167条(合併の認可)

クイックジャンプ
  1. 保険会社等の合併(保険会社等が合併後存続する場合又は保険会社等を合併により設立する場合に限る。)は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
  2. 2.内閣総理大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
  3. 一当該合併が、保険契約者等の保護に照らして、適当なものであること。
  4. 二保険会社による認可の申請にあっては、当該合併が、保険会社相互の適正な競争関係を阻害するおそれのないものであること。
  5. 三当該合併後存続する保険会社等又は当該合併により設立する保険会社等が、合併後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
  6. 3.内閣総理大臣は、第一項の認可の申請が保険会社と少額短期保険業者との合併に係るものであるときは、合併後存続する会社又は合併により設立される会社が保険会社でなければ、同項の認可をしてはならない。

この条文の基本情報

合併の認可とは何ですか?

定義合併の認可とは、保険業法第167条に定められた規定で、「保険会社等の合併(保険会社等が合併後存続する場合又は保険会社等を合併により設立する場合に限る。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第167条(合併の認可)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第167条の条文原文は「保険会社等の合併(保険会社等が合併後存続する場合又は保険会社等を合併により設立する場合に限る。」で始まります。
  3. 保険業法第167条は第四款 合併の効力の発生等に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第167条の前の条は保険業法第166条です。
  7. 保険業法第167条の次の条は保険業法第168条です。
  8. 保険業法第167条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第167条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第167条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/167

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法167条は、保険会社等の合併に内閣総理大臣の認可を要求し、認可がなければ合併は効力を生じないと定める。審査基準の筆頭に置かれているのは保険契約者等の保護である。

Q · 保険会社の合併って、株主総会で決まったらもう決定なんですか?

株主総会で可決しても、認可がなければ合併は効力を生じません

保険業法167条1項により、保険会社等の合併は内閣総理大臣(実務上は金融庁)の認可を受けなければ効力を生じません。株主総会の特別決議は必要条件にすぎず、認可は私法上の効力要件です。2項は審査基準として、第一に保険契約者等の保護、第二に保険会社相互の適正な競争関係、第三に合併後の業務遂行見込みを掲げます。さらに3項により、保険会社と少額短期保険業者の合併では、存続会社または新設会社が保険会社でなければ認可されません。

解説

生命保険会社が合併する。ニュースでは「経営統合」「業界再編」という言葉で流れていく。だがその裏で、あなたが20年前に契約した終身保険の予定利率が、そのまま維持されるのか、それとも実質的に目減りするのか、判断しているのは株主総会ではない。内閣総理大臣(実務上は金融庁長官に委任)である。保険業法167条は、保険会社の合併に認可制を敷き、認可がなければ合併は「効力を生じない」と定める。会社法上は株主総会で決議が通っていても、認可が下りなければ法的に合併は成立しない。しかも2項の審査基準の第一号に置かれているのは、株主利益でも業界秩序でもなく「保険契約者等の保護」である。つまり、あなたの契約が不当に損なわれる合併には、行政がブレーキを踏む建付けになっている。さらに3項は、保険会社と少額短期保険業者の合併では、存続会社が必ず保険会社側でなければならないと定める。規制の緩い箱に、規制の厳しい会社の契約を流し込む逃げ道を、条文レベルで塞いでいる。

法的な位置づけ

保険業法167条は、保険会社等の合併に対する内閣総理大臣の認可制を定める規定である。認可は合併の私法上の効力要件であり、認可を欠く合併は効力を生じない。認可審査は、保険契約者等の保護、保険会社相互の適正な競争関係、合併後の業務を的確・公正かつ効率的に遂行する見込みという三基準により行われる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.認可審査の所要期間から逆算してスケジュールを組む 株主総会の日程を起点にせず、合併認可の審査期間、独占禁止法上の企業結合審査、契約者への公告・異議申立手続の三本が並走する前提で全体工程を引く。効力発生日は認可取得を条件とする建付けにする
  2. 2.167条2項の三基準ごとに疎明資料を分けて準備する 一号(保険契約者等の保護)は既契約の条件・配当方針の取扱い、二号(適正な競争関係)は市場シェアと商品競合の分析、三号(遂行見込み)はシステム統合計画・人員配置・財務健全性で構成する。三基準を一本の資料に混ぜない
  3. 3.少額短期保険業者が絡む場合は存続会社の側を先に固定する 167条3項により、保険会社と少額短期保険業者の合併では存続会社または新設会社が保険会社でなければ認可できない。逆方向の設計は入口で否定されるため、スキーム検討の最初の分岐で確定させる
  4. 4.契約者への公告・通知と異議申立手続を並走させる 保険契約者等への公告と個別通知を行い、異議申立期間を確保する。通知文には予定利率・契約者配当・特約の取扱いを具体的に記載し、認可申請書の記載と食い違いが出ないよう文言を一元管理する
  5. 5.認可取得後に登記し、効力発生日を確定させる 認可を得てから合併の登記手続に進む。認可の前提となった説明(契約条件の取扱い、統合計画)に変更が生じた場合は、登記前に監督当局へ報告する。事後に前提が虚偽と判明すれば認可の効力自体が争点になる

よくある質問 AI による整理

Q1保険会社の合併の認可とは何ですか?

保険業法167条に基づき、保険会社等の合併に内閣総理大臣(金融庁)の認可を要する制度です。認可は届出と違い効力要件であり、認可がなければ合併そのものが法的に成立しません。

Q2保険会社の合併の認可基準は?

167条2項が三つ挙げます。保険契約者等の保護に照らして適当であること、保険会社相互の適正な競争関係を阻害しないこと、合併後の業務を的確・公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であることです。

Q3少額短期保険業者は保険会社と合併できる?

できますが、167条3項により存続会社または新設会社は必ず保険会社でなければなりません。規制の緩い少額短期保険業者側を存続会社にする設計では認可が下りません。

Q4保険会社の合併はいつ効力が発生しますか?

認可を受けたうえで合併契約に定めた効力発生日に発生します。認可前は効力発生日そのものが動く可能性があるため、公表されたスケジュールも確定ではありません。

Q5保険会社の合併に契約者は異議を出せる?

合併に際しては保険契約者等への公告・通知と異議申立ての手続が用意されています(保険業法165条の7等)。通知書に記載された異議申立期間と方法を必ず確認してください。

Q6認可を受けずに合併するとどうなる?

167条1項により効力を生じません。承継したはずの保険契約や資産の帰属が宙に浮き、会社法828条1項七号・八号の合併無効の訴えの問題に直結します。

Q7保険会社の合併は独占禁止法の審査も受ける?

受けます。独占禁止法15条の企業結合審査は公正取引委員会の所管で、金融庁の認可審査とは別軸です。両者は並走するため、競争影響の説明の整合性が実務上の論点になります。

Q8会社分割や事業譲渡も認可が必要ですか?

保険業法は合併のほか、会社分割(173条の2以下)や保険契約の包括移転についても認可・手続規制を置いています。組織再編の手法を変えても行政の関門は消えません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1契約してる保険会社が合併したら、保険料が上がったりしませんか?

既契約の保険料は契約時の条件で確定しているため、合併そのものを理由に一方的に引き上げられることは原則ありません。167条2項一号が「保険契約者等の保護に照らして適当」であることを認可基準としており、契約者に不当な不利益を与える合併スキームは認可段階で止まります。実務のポイント:注意すべきは保険料ではなく契約者配当です。配当は保険料と違い将来の運用実績に連動するため、合併後の資産運用方針の変更で実質的な受取総額が変わることがある。照会するなら保険料ではなく配当方針を聞くこと。

Q2認可を受けないで合併したら、罰金で済む話じゃないんですか?

罰則の問題ではなく、合併そのものが効力を生じません(167条1項)。承継したはずの保険契約や資産の帰属が法的に宙に浮き、会社法828条の合併無効の訴えの問題に発展します。実務のポイント:効力要件型の規制は、行政処分を争えば済む届出型の規制とは根本的に性質が違う。実務では認可の見通しが立たない段階で登記手続に進むこと自体があり得ず、この条文が現実に破られるのは、認可の前提となった説明が事後に虚偽と判明した場面である。

Q3ミニ保険の会社が大手に吸収されるって聞いたんですけど、私の契約はどうなりますか?

167条3項により、保険会社と少額短期保険業者が合併する場合、存続会社または新設会社は必ず保険会社でなければなりません。つまりあなたの契約は、より厳格な監督下にある会社に移ることになります。実務のポイント:少額短期保険業者は保険契約者保護機構(保険業法259条以下)の対象外だが、保険会社に統合されればその後の契約の扱いは保険会社の枠組みに乗る。ミニ保険を選ぶとき、この機構加入の有無を確認している契約者はほとんどいない。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「合併は株主総会で決まる会社の中の話」という前提そのものが的を外している。保険会社の合併において株主総会決議は必要条件であって十分条件ではない。認可という別軸の関門があり、そこでの主役は株主ではなく契約者である。問い方を「株主が賛成したか」から「認可基準を満たすか」に変えないと、何が争点かが見えない。
  • 認可制の存在自体は知っていても、その拘束力の強さを見誤っている人が多い。167条1項は「認可を受けなければ、その効力を生じない」と書く。これは違反に過料を科すタイプの規制ではなく、私法上の効力そのものを止める効力要件である。行政の判断が、会社法上の組織再編の成否を直接支配する構造は、事業会社一般の合併とは次元が違う。
  • 「合併しても契約はそのまま引き継がれるから関係ない」と考えがちだが、承継されるのは契約の形式であって、その後の運用条件や配当実績まで無傷とは限らない。だからこそ2項一号が「保険契約者等の保護に照らして、適当なもの」という審査を課している。関係ないのではなく、行政が代わりに見張っているから結果的に平穏に見えているだけである。
比較の観点この条文ほかの条文
規制の対象行為167条:保険会社等の合併173条系:保険会社の会社分割
165条系:合併等における契約者への公告・異議申立手続
行政関与の型認可(私法上の効力要件)認可(同じく組織再編の行政関門)
手続規制(公告・通知・異議申立の履践)
違反したときの帰結合併が効力を生じない。会社法828条の合併無効の訴えに直結分割が効力を生じない。承継資産の帰属が争点化
手続の瑕疵として組織再編の効力および監督上の措置の問題になる
契約者から見た使いどころ認可済みか申請中かで、報道された統合の確度が変わる自分の契約がどの承継先に移るかを確認する
通知書の異議申立期間と方法を確認する

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
金融機構合併法 第6条

台湾も金融機関の合併に主管機関(金融監督管理委員会)の許可を要求し、契約者・預金者保護と競争秩序を審査要素とする点で構造が近い

韓国
보험업법 제139조

韓国も保険会社の解散・合併等に金融委員会の認可を要求する。日本と同じく監督官庁が組織再編の入口を押さえる建付け

中国
中華人民共和国保険法 第84条

中国も保険会社の分立・合併を保険監督管理機関の認可事項とする。認可の法的性質の議論は日本ほど精緻に展開されていない

ドイツ
VAG § 166 Abs. 2

ドイツも保険会社の組織再編に監督官庁の認可を要求し、契約者の利益が害されないことを判断要素とする

アメリカ
NAIC Insurance Holding Company System Regulatory Act(州法モデル法)

米国は連邦法ではなく州保険法により、州保険長官の事前承認に服する。承認基準に契約者保護と競争影響が含まれる点は共通する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたが2000年前後に加入した予定利率3% 台のいわゆるお宝保険を持っているとする。契約先の会社が合併を発表した。ここで確認すべきは、合併が「認可済み」か「認可申請中」か。認可前の発表は、まだ確定した未来ではない。167条2項一号の審査が入るため、契約条件の扱いが金融庁の審査対象になる。
  • 少額短期保険業者、いわゆるミニ保険のペット保険や家財保険に入っている。運営会社が大手保険会社と統合すると発表された。3項により、存続するのは保険会社側でなければならない。つまりあなたの契約は、より厳格な規制と責任準備金ルールの下に移る。ミニ保険は保険契約者保護機構の対象外だが、統合後の扱いがどうなるかは合併の仕組み次第で変わる。
  • 保険代理店を経営していて、取扱い保険会社が合併するとの通知が来た。あなたの代理店委託契約は存続会社に承継されるのか。手数料体系は。合併の効力発生日はいつか。認可が下りていない段階では効力発生日そのものが動く。あと30日で次期の事業計画を出さなければならないのに、前提が固まらない。
  • もし、合併の認可を受けずに合併の登記を進めたらどうなるか。1項が「効力を生じない」と定める以上、その合併は無効である。会社法上の合併無効の訴え(会社法828条1項七号・八号)の問題に直結し、承継したはずの契約・資産の帰属が根本から揺らぐ。
  • 保険会社の企画部門にいて、統合案件のスケジュールを引いている。株主総会の日程から逆算しがちだが、実務の律速はそこではない。認可審査、独占禁止法上の企業結合審査、契約者への通知と異議申立手続(保険業法165条の7等)が並走する。認可基準二号の「保険会社相互の適正な競争関係」は、公正取引委員会の審査とは別軸の、金融庁独自の視点である。

取るべき行動

被害を受けた側:1. 契約している保険会社の合併が報じられたら、まず金融庁の認可状況と、会社が公告した契約者向け通知を確認する2. 予定利率・配当・特約の取扱いがどうなるかを、書面で照会する。口頭説明は後で残らない3. 合併に伴う契約条件の変更が不利益に及ぶ場合、保険業法上の異議申立手続の対象になるか、通知書の記載を精読する4. 説明に納得できない場合は金融庁の金融サービス利用者相談室、または生命保険協会・日本損害保険協会の相談窓口に事実関係を記録として残す形で申し出る

訴えられた側:1. 合併スケジュールは株主総会からではなく、認可審査の所要期間から逆算して組む2. 2項の三基準それぞれに対応する疎明資料を分けて準備する。特に三号の遂行見込みは、統合後のシステム統合計画と人員配置まで踏み込んで説明を求められる3. 少額短期保険業者との合併では、3項により存続会社を保険会社側に設計する。逆の設計は認可が下りない4. 独占禁止法上の企業結合審査と並走するため、公正取引委員会向けの説明と金融庁向けの説明で、競争への影響評価の整合性を事前に取っておく

時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はないが、認可を欠く合併は効力を生じないため、合併無効の訴え(会社法828条1項七号・八号、効力発生日から6か月以内)の期間制限が実務上の期限として機能する。認可申請から処分までの標準処理期間は金融庁の定めによる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:167条1項の認可は、違反に制裁を科す取締規定ではなく合併の私法上の効力要件であると解されている。行政の判断が会社法上の組織再編の成否を直接左右する点で、事業会社一般の合併規制とは性質が異なる

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により制定。保険会社の合併を認可制に服させ、契約者保護・競争関係・遂行見込みの審査基準を明文化した
  2. 2.平成17年(2005年) 改正:少額短期保険業者制度の創設に伴い、保険会社と少額短期保険業者との合併について存続会社を保険会社に限定する規律が加えられた(現行効力を要確認)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

保険業法の全文を見る所属する編章節を開く:第四款 合併の効力の発生等

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›