保険業法 第168条(みなし免許等)
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- 前条第一項の認可を受けて合併により設立される株式会社又は相互会社は、当該設立の時に、保険会社を当事者とする合併にあっては第三条第一項の内閣総理大臣の免許を受けたものとみなし、保険会社を当事者としない合併にあっては第二百七十二条第一項の登録を受けたものとみなす。
- 2.前項の免許は、合併により消滅する保険会社が受けていた第三条第一項の免許に係る同条第二項の免許の種類と同一の種類の免許とする。
この条文の基本情報
みなし免許等とは何ですか?
定義みなし免許等とは、保険業法第168条に定められた規定で、「前条第一項の認可を受けて合併により設立される株式会社又は相互会社は、当該設立の時に、保険会社を当事者とする合併にあっては第三条第一項の内閣総理大臣の免許を受けた…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第168条(みなし免許等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第168条の条文原文は「前条第一項の認可を受けて合併により設立される株式会社又は相互会社は、当該設立の時に、保険会社を当事者とする合併にあっては第三条第一項の内閣総理大臣の免許を受けた…」で始まります。
- 保険業法第168条は第四款 合併の効力の発生等に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第168条の前の条は保険業法第167条です。
- 保険業法第168条の次の条は保険業法第169条です。
- 保険業法第168条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第168条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第168条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/168
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法168条は、合併で新設された保険会社が設立の時に免許を受けたものとみなすと定める。免許の種類は消滅した保険会社のものと同一で、合併による格上げはできない。
Q · 合併で新しくできた保険会社は、免許を取り直さないといけないの?
取り直し不要。ただし免許の種類は変えられない
保険業法168条1項により、167条1項の合併認可を受けて設立された株式会社・相互会社は、設立の時に3条1項の免許(保険会社を当事者としない合併では272条1項の登録)を受けたものとみなされます。免許申請をやり直す必要はなく、免許の空白期間も生じません。ただし2項により、みなされる免許は消滅した保険会社が受けていた3条2項の免許の種類と同一に固定されます。合併は免許の引っ越しであって格上げではなく、生命保険業免許から損害保険業免許が生まれることはありません。
解説
保険業を営む免許は、日本で最も取りにくい営業許可の一つだ。資本金または基金は10億円以上、事業方法書・普通保険約款・保険料及び責任準備金の算出方法書の三点セット審査、収支見通しの精査。ゼロから申請すれば年単位の時間がかかる。ところが168条は、合併によって新しく設立された株式会社・相互会社に、設立の瞬間、申請なしで免許を与える。正確には「免許を受けたものとみなす」。当事者に保険会社が一社でも含まれていれば3条1項の内閣総理大臣の免許、含まれていなければ(少額短期保険業者どうしなら)272条1項の登録である。ただし2項が抜け道を塞ぐ。みなされる免許は、消滅した保険会社が持っていた免許と同じ種類に固定される。生命保険会社どうしの合併から損害保険業免許は生まれない。合併は免許の引っ越しであって、免許の格上げではない。ここを取り違えたまま再編案を書くと、その案は法律上の最初の一行で死ぬ。
法的な位置づけ
保険業法168条は、合併により設立される保険会社等のみなし免許・みなし登録を定める規定である。167条1項の合併認可を前提に、設立の時点で3条1項の免許または272条1項の登録を受けたものとみなし、その免許は消滅保険会社が受けていた3条2項の免許の種類と同一の種類とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.免許の種類は動かせない前提でスキームを決める 再編の最初の会議で168条2項を読み、消滅予定各社の免許の種類(3条2項)を並べる。種類をまたぐ統合が目的なら合併では実現できないため、保険持株会社方式または別免許の新規申請へ設計を切り替える
- 2.167条1項の合併認可申請を準備する 合併契約の内容、事業方法書・普通保険約款・算出方法書の統合方針、収支見通し、経営管理体制を整理して認可申請の準備を行う。168条のみなし免許は認可が前提なので、実質審査はこの段階に集中する
- 3.保険契約者等への公告・催告と異議手続の期間を確保する 保険業法上の異議手続に必要な公告・催告を行い、異議申述期間を日程に織り込む。期間の長さと最新の条文構成は施行中の条文で確認し、逆算して効力発生日を置く
- 4.独占禁止法15条の企業結合届出を別建てで管理する 金融庁の認可とは別に、公正取引委員会への企業結合届出の要否と待機期間を確認する。届出が必要な場合は受理から30日の待機期間が原則となるため、認可日程と並走させて管理する
- 5.設立登記日に合わせて統合実務を一点集中させる みなし免許の発生日は設立登記の日なので、システム統合、約款・帳票の切替、当局報告、契約者対応窓口の切替をその一点に合わせて設計する。登記日が動けば全ての実務日程が連動する
よくある質問 AI による整理
Q1みなし免許とは何ですか?
申請や審査を経ずに、法律上当然に免許を受けたものとして扱われる仕組みです。保険業法168条では、合併で設立された会社が設立の時に3条1項の免許を受けたものとみなされます。
Q2保険業法168条は吸収合併にも適用されますか?
本条は「合併により設立される株式会社又は相互会社」を対象とするため、新設合併が前提です。吸収合併では存続会社が自らの免許を持ち続けるため、みなし免許の問題は生じません。
Q3保険会社の合併の認可は誰が行いますか?
保険業法167条1項の認可であり、内閣総理大臣の権限とされています。実務上は金融庁が審査を担当し、この認可の段階で実質的な適格性審査が行われます。
Q4みなし免許はいつ効力を生じますか?
条文が「当該設立の時に」と定めるため、新設合併の効力発生時=新会社の設立登記の時点です。認可の日でも公告の日でもない点が実務上の分かれ目になります。
Q5保険会社と少額短期保険業者が合併したらどうなりますか?
当事者に保険会社が含まれる合併なので、新設会社は3条1項の免許を受けたものとみなされます。免許の種類は消滅した保険会社が受けていた種類と同一です。
Q6生命保険業免許と損害保険業免許を一つの会社で持てますか?
保険業法3条3項の兼営禁止により同一法人での保有はできません。168条2項も免許の種類を消滅会社と同一に固定するため、合併で兼営状態を作ることもできません。
Q7保険会社の合併に独占禁止法の届出は必要ですか?
必要になる場合があります。168条のみなし免許は金融監督上の効果にすぎず、独占禁止法15条の企業結合届出義務を免除しません。二つの審査は別軌道で進みます。
Q8みなし免許の種類を後から変更できますか?
168条の枠内では変更できません。別の種類の免許が必要なら3条の免許申請を新たに行うか、保険持株会社の下に複数の子会社を置く構成を検討することになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入ってる保険会社が合併したら、私の契約って新しい会社でも有効なんですか?
有効である。契約が新会社へ移る根拠は会社法の合併の包括承継、その新会社が保険業を営める根拠が保険業法168条1項のみなし免許で、二階建ての構造になっている。実務のポイント:承継されるのは契約そのものだが、有配当契約の配当方針や資産運用方針は新会社の経営判断で変わりうる。公告が出たら「契約条件の変更の有無」を書面で確認する。約款が同じでも中身の運用は動く
Q2少額短期保険の会社どうしが合併したら、普通の保険会社に格上げされるんですか?
されない。168条1項は、保険会社を当事者としない合併では272条1項の登録を受けたものとみなすと定めており、少額短期保険業者どうしの合併は登録のままである。3条1項の免許が欲しければ別途申請と審査が必要になる。実務のポイント:少額短期保険業者は引受可能な保険金額と保険期間に上限があり、規模が伸びると登録の枠に頭を打つ。合併で規模を取るより、免許取得か大手グループ入りが定石とされている
間違えやすい点 AI による整理
- 「合併したら新会社は免許を取り直す必要がある」と思われがちだが、168条により設立の瞬間にみなし免許が成立するので取り直しは不要である。ただしここからが本題で、免許審査が消えたわけではない。実質的な審査は167条の合併認可の段階へ前倒しされている。審査がなくなったのではなく、場所が移っただけだ
- 「合併して損害保険も扱えるようにできないか」という問いの立て方そのものが誤っている。168条2項と3条3項により、同一の法人が生命保険業免許と損害保険業免許を同時に保有することはできない。問うべきは免許の統合可能性ではなく、保険持株会社・子会社形態でグループをどう組むかである
- 契約者から見れば「保険会社の名前が変わるだけ」だが、法律から見れば契約の相手方である法人が消滅し、別の法人へ権利義務が包括承継されている。契約の承継根拠は会社法の合併の効力、新会社が保険業を営める根拠は保険業法168条という二階建て構造だ。この構造を知らないまま通知を放置すると、契約者として意見を述べられる唯一の機会を逃す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 168条:合併で設立された会社に免許・登録があるとみなす効果 | 167条:合併そのものの認可(事前の実質審査) 3条:保険業を営むための免許制と免許の種類 |
| 審査の有無 | 新たな免許審査はない(審査は167条へ前倒し) | 合併の適格性・健全性を実質審査 資本金・三点セット・収支見通しを新規審査 |
| 効果の発生時点 | 新設会社の設立の時(設立登記の時) | 認可の時(効力発生の前提条件) 免許の付与の時 |
| 免許の種類の自由度 | 消滅保険会社と同一の種類に固定(2項) | 認可では免許の種類を変更できない 申請により種類を選べるが3条3項の兼営禁止あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険業の合併を主管機関の認可事項とし、保險法138条で財産保険業と人身保険業の兼営を原則禁止する。免許の種類が再編で動かない点は日本と同じ発想である
韓国も保険業を免許制とし、合併・分割を監督当局の認可事項とする。具体的な条番号と承継の規律は現行条文の確認を要する
ドイツは保険業の営業に監督庁の許可を要し、保険契約ポートフォリオの移転や組織再編にも監督庁の認可を要求する。許可の種類が再編で拡張されない構造は日本と共通する
米国は州ごとの免許制で、州内保険会社の合併・買収は州保険庁の事前認可を要する。複数州で営業する場合は州ごとに免許を維持する必要がある点が日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入中の生命保険会社が同業と新設合併する、という封書が届いたら、あなたの契約はどうなるのか。契約は新会社に承継され、その新会社は設立の瞬間に生命保険業免許を持つ会社として扱われる。免許の空白期間はゼロだ。ただし保険契約者として意見を出せる異議申述の窓は公告後の限られた期間しかなく、封を切るのが遅れれば、読み終える前に締切が来る
- 少額短期保険業者を経営していて、同業と対等合併して規模を取りに行く。新設会社は272条1項の登録を受けたものとみなされる。だが3条1項の免許には化けない、そこの壁は一段残ったままだ
- 経営企画部のあなたが、グループ内の生保子会社と損保子会社を一つに束ねる合併案を書いた。168条2項と3条3項の生損保兼営禁止により、その案は成立しない。免許を一本化する道はなく、保険持株会社の下に二社を並べる形にしかならない。デューデリの前にこの一点を確認しなかったチームは、数か月分の作業を捨てることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 合併の公告・通知が届いたら、まず日付と異議申述期間の締切を押さえる(保険業法上の異議手続。最新の条番号と期間はご確認ください) 2. 承継先が受けるのが3条1項の免許か272条1項の登録かを確認する。少額短期保険業者なら保険金額と保険期間に上限がかかる3. 責任準備金の扱い、配当方針、約款変更の有無を書面で照会する4. 納得できなければ期間内に異議を述べる。効力発生後は枠組み自体を争う余地がほぼ消える
訴えられた側:1. 免許の種類は動かせないという前提でスキームを設計する。生損保の統合は合併ではなく保険持株会社方式へ2. 167条の合併認可申請と並行して、独占禁止法15条の企業結合届出のタイムラインを別建てで管理する3. 保険契約者への公告・催告と異議手続の所要期間から、効力発生日を逆算する4. 設立登記の日がみなし免許の発生日なので、システム統合・約款統合・当局報告をその一点に合わせて設計する
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。効果は新設会社の設立の時(新設合併の効力発生時、すなわち設立登記の時)に発生する。実務上の時計は別にあり、保険契約者等の異議申述期間は公告から一定期間以上(保険業法の異議手続、最新の改正状況をご確認ください)、独占禁止法15条の企業結合届出は届出受理から30日の待機期間が原則である。認可申請から効力発生までは通常数か月単位で逆算する
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正(要検証) 少額短期保険業者の登録制度(272条)の創設に伴い、保険会社を当事者としない合併について登録を受けたものとみなす規律が本条に取り込まれたと解されるが、改正時期・条文の異動・「新設」か「改正」かの区別は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号、施行は平成8年4月1日)により現行法が制定され、合併により設立される会社のみなし免許に関する規律が現在の条番号に置かれた。以後の改正経過は施行中の条文で要確認。
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