保険業法 第159条
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- 相互会社は、他の相互会社又は保険業を営む株式会社と合併をすることができる。この場合においては、合併をする相互会社又は株式会社は、合併契約を締結しなければならない。
- 2.前項の場合において、合併後存続する会社又は合併により設立する会社は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める会社でなければならない。
- 一相互会社と相互会社とが合併をする場合相互会社
- 二相互会社と保険業を営む株式会社とが合併をする場合相互会社又は保険業を営む株式会社
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第159条は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第159条の条文原文は「相互会社は、他の相互会社又は保険業を営む株式会社と合併をすることができる。」で始まります。
- 保険業法第159条は第一款 通則に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第159条の前の条は保険業法第158条です。
- 保険業法第159条の次の条は保険業法第160条です。
- 保険業法第159条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第159条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第159条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/159
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法159条は、相互会社が他の相互会社または保険業を営む株式会社と合併できると定める。存続会社は相互会社か保険業を営む株式会社に限られ、保険業の枠外へは出られない。
Q · 加入している生命保険の相互会社が合併したら、契約者である私の立場はどうなりますか?
存続会社が相互会社か保険株式会社かで社員の地位が変わります
保険業法159条1項により、相互会社は他の相互会社または保険業を営む株式会社と合併できます。同条2項は存続会社・新設会社の形態を限定し、相互会社どうしの合併なら相互会社、相互会社と保険株式会社との合併なら相互会社または保険株式会社でなければなりません。相互会社では保険契約者が社員(構成員)であるため、存続会社が保険株式会社になれば社員としての地位は失われ、保険契約者としての立場に移ります。保険契約自体は包括承継されますが、契約条件の変更は別の手続によります。
解説
保険会社には二つの姿がある。株式会社と相互会社だ。相互会社とは、契約者そのものが社員(出資者に相当する構成員)となる保険業特有の組織形態で、日本生命や住友生命がこれにあたる。保険業法159条は、その相互会社が他の相互会社や保険業を営む株式会社と合併できることを認め、同時に厳格な出口制限をかけている。相互会社どうしが合併したら、生き残る会社は必ず相互会社。相互会社と保険株式会社が合併する場合は、相互会社か保険株式会社のどちらかでなければならない。つまり、この条文は「保険会社どうしの合併の枠外へ出ることは許さない」という壁である。あなたが生命保険の契約者なら、この一行はあなたの立場を守っている。合併を口実に、契約者が社員としての地位を失う一般事業会社へ変質する道が、入口の段階で塞がれているからだ。契約者は合併の当事者ではないと思っているかもしれないが、相互会社の社員はあなた自身である。
法的な位置づけ
保険業法159条は、相互会社の合併に関する基本規定である。1項は、相互会社が他の相互会社または保険業を営む株式会社と合併できること、およびその場合に合併契約の締結を要することを定める。2項は、合併後存続する会社または合併により設立する会社の形態を限定し、相互会社どうしの合併では相互会社、相互会社と保険業を営む株式会社との合併では相互会社または保険業を営む株式会社でなければならないとする。
手順
- 1.相手方が159条の枠内かを最初に確定する 合併を検討する段階で、相手方が「他の相互会社」または「保険業を営む株式会社」に該当するかを確認する。保険業を営まない一般事業会社は159条1項の相手方にならず、この時点で合併スキーム自体が成立しない
- 2.存続会社の形態を2項の二択から選ぶ 相互会社どうしなら存続会社は相互会社に固定される。相互会社と保険株式会社なら相互会社か保険株式会社の二択となる。株式会社化を目的とするなら、合併ではなく組織変更(保険業法85条以下)を先に挟む設計が必要かを検討する
- 3.合併契約を締結し社員総代会の承認を得る 保険業法159条1項に基づき合併契約を締結し、160条の法定記載事項を満たす。相互会社側は社員総会または社員総代会の特別決議(保険業法62条)で承認を得る。議案書には存続会社の形態と保険契約の承継範囲を明記する
- 4.内閣総理大臣の認可を取得し債権者・契約者手続を履践する 保険業法167条の認可を申請し、認可取得のスケジュールから逆算して効力発生日を設定する。並行して債権者異議手続(期間は1か月を下ることができない)と社員・保険契約者への通知・公告を法定期間どおりに実施する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法159条は何を定めていますか?
相互会社の合併の可否と、合併後に残る会社の形態の制限を定めます。1項が合併できる相手方と合併契約の締結、2項が存続会社・新設会社の形態の二択制限を規定しています。
Q2相互会社と保険株式会社は合併できますか?
できます。保険業法159条1項は、相互会社の合併の相手方として他の相互会社と「保険業を営む株式会社」を挙げています。この場合の存続会社は相互会社か保険株式会社のいずれかです。
Q3相互会社どうしの合併で存続会社を株式会社にできますか?
できません。保険業法159条2項により、相互会社と相互会社が合併する場合、存続会社または新設会社は必ず相互会社でなければなりません。株式会社化したい場合は組織変更の手続が別途必要です。
Q4保険会社の合併に金融庁の認可は必要ですか?
必要です。保険業法167条により、保険会社の合併は内閣総理大臣(金融庁)の認可を受けなければ効力を生じません。認可は形式的な届出ではなく効力要件である点が一般企業の合併と大きく異なります。
Q5相互会社の合併に社員総代会の決議は必要ですか?
必要です。相互会社では社員総会または社員総代会の特別決議(保険業法62条)によって合併契約の承認を得ます。保険契約者は社員であり、総代を通じて承認手続に関与する立場にあります。
Q6保険会社の合併の効力はいつ発生しますか?
合併契約で定めた効力発生日に生じますが、その前提として内閣総理大臣の認可(保険業法167条)が必要です。認可が得られなければ、契約日や総代会決議があっても効力は生じません。
Q7組織変更と合併はどう違いますか?
合併は複数の会社が一つになる手続(159条以下)、組織変更は同一会社が相互会社から株式会社へ形態を変える手続(85条以下)です。組織変更では社員に株式や金銭が割り当てられる点が決定的に異なります。
Q8合併に反対する社員に何ができますか?
相互会社の社員には、合併に反対する場合の退社や異議申述など法定の手続が用意される場合があります。いずれも通知書や公告に記載された期限内に行う必要があるため、日付の確認が最優先です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社って結局、株式会社と何が違うんですか?
株式会社は株主が出資者で、相互会社は保険契約者そのものが社員(構成員)になる保険業法上の特別な法人である。株主への配当ではなく契約者への剰余金分配を志向する構造で、根拠は保険業法18条以下。実務のポイント:相互会社は上場できないため株式市場からの資金調達手段を持たない。だから大型の資本増強が必要になった局面で組織変更(85条以下)を選ぶ会社が出る。統合報道の裏にはこの資金調達の制約が潜んでいることが多い
Q2合併したら、私の保険契約はどうなりますか?
合併は包括承継なので、保険契約は原則としてそのまま存続会社に引き継がれる。新たに契約し直す必要はない。ただし合併と同時に契約条件の変更(予定利率の引下げなど)が行われる場合は別の手続が必要で、通知書にその旨が記載される。実務のポイント:契約が承継されることと契約条件が維持されることは別の話である。通知書で見るべきは「承継」の文字ではなく、予定利率と保障内容が書かれた比較表のほうだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社の合併は会社法の話だから、一般企業と同じ」と考えるのは前提が間違っている。相互会社は会社法上の会社ではなく保険業法が独自に定める法人であり、合併の根拠規定そのものが会社法ではなく保険業法159条以下に置かれている。会社法の条文を探しても答えは出てこない
- 相互会社が株式会社に変わることは知っている人でも、その深刻度を見誤っている。合併と組織変更(保険業法85条以下)は別の手続であり、組織変更では社員に株式や金銭が割り当てられる。あなたが「合併のニュース」だと思って読み流した記事の中で、実は自分の権利の配分が決まっていることがある
- 「契約者だから合併には口を出せない」と思われがちだが、相互会社では契約者が社員であり、その意思は社員総代会を通じて合併承認の可否に反映される。総代の選出過程に関心を持つ人はほとんどいない。関心を持たないこと自体が、あなたの発言権を空洞化させている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 保険業法159条:複数の保険会社が合併して一つになる | 保険業法85条以下:同一会社が相互会社から株式会社へ組織変更する 会社法748条:株式会社どうしの合併の一般則 |
| 相手方・対象の制限 | 他の相互会社または保険業を営む株式会社に限定 | 相手方なし(自社単独の形態変更) 業種の制限なし |
| 結果として残る形態 | 相互会社どうし→相互会社/相互会社+保険株式会社→そのいずれか | 株式会社(社員に株式または金銭が割り当てられる) 株式会社 |
| 行政の関与 | 内閣総理大臣の認可が効力要件(保険業法167条) | 内閣総理大臣の認可が必要 原則として認可不要(独占禁止法15条の届出等は別途) |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は保険業の組織を株式有限公司と保険合作社に限定し、日本型の相互会社制度を置かない。したがって「相互会社どうしの合併」という論点自体が生じず、再編は会社法・合作社法の枠内で処理される
韓国も保険業法の中に相互会社の章を置き、日本と類似の構造を持つ。ただし実務上、韓国の保険会社はほぼ株式会社であり、相互会社の合併規定が実際に稼働する場面は限られる
中国は保険会社の組織形態を株式会社・国有独資会社に限定し、相互制は監督当局の試行として一部の相互保険社が認められるにとどまる。相互会社の合併に関する一般規定は存在しない
ドイツは相互保険組合(VVaG)を古くから制度化し、日本の相互会社の母型となった。VVaG の再編は保険監督法と組織再編法(UmwG)の双方の規律を受ける点が日本と構造的に似る
フランスは保険法典の中に相互保険会社の類型を置き、株式会社型と並列させる。相互性の維持に関する規律を持つ点で、日本159条2項と同種の政策判断が見られる
米国は連邦統一法を持たず、相互保険会社の合併や株式会社化(demutualization)は州保険法典と州保険庁の監督に委ねられる。相互持株会社を経由する再編スキームが発達している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが加入している中堅生命保険の相互会社が、大手保険株式会社との経営統合を発表した。ニュースは「経営統合」としか言わないが、159条2項の枠内では存続会社は相互会社か保険株式会社のどちらかに固定される。どちらになるかで、あなたが社員総代会に関与できる立場を保つのか、それとも保険契約者にすぎない立場へ移るのかが決まる
- もし、あなたが相互会社の社員総代に選ばれていて、合併契約の承認議案を目の前にしたらどうする。総代会の特別決議(保険業法62条)が必要な議案で、あなたの一票が数十万人の契約者の地位を左右する。議案書の何を最初に見るべきか、それは存続会社の形態と契約条件の承継範囲だ
- 保険会社の M&A を担当する金融機関の実務者。買収先が相互会社だと判明した瞬間、通常の会社法748条以下のスキームはそのままでは使えない。株式取得による支配という発想が成立しないからだ。組織変更(保険業法85条以下)を先に挟むのか、159条の合併で入るのか、初動の設計で数か月の差がつく
- 破綻懸念のある保険会社の受け皿探し。時間との勝負で、金融庁との協議は既に始まっている。あと数週間で契約者への通知期限が来る。159条の枠内で組める相手は保険会社だけであり、異業種の資本を直接受け入れる合併という選択肢は最初から盤上にない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約している保険会社の合併公告・契約者宛通知を保管し、存続会社の形態(相互会社か保険株式会社か)を確認する2. 保険契約は原則として存続会社に包括承継されるが、予定利率など契約条件の変更が伴うかを通知文面で確認3. 相互会社の社員であれば、社員総代会での承認手続(保険業法62条の特別決議)が踏まれているかを確認し、疑義があれば会社へ書面で照会4. 合併に反対する社員には保険業法上の退社の手続が用意される場合があるため、通知に記載された期限を必ず確認する
訴えられた側:1. 保険会社側として合併を進める場合、159条2項の存続形態の制限に適合するスキームか最初に確認する2. 内閣総理大臣(金融庁)の認可(保険業法167条)が効力要件であり、認可なしの合併は無効。認可申請のスケジュールから逆算して契約日を設定する3. 債権者保護手続と社員・保険契約者への通知・公告を法定期間どおりに実施、期間短縮は不可4. 契約条件の変更を伴う場合は別途の手続が必要になるため、合併手続と切り分けて設計する
時効(請求できる期限):合併の効力発生には内閣総理大臣の認可が必要であり(保険業法167条)、認可前に効力は生じない。合併無効の訴えの提起期間は、合併の効力が生じた日から6か月以内(保険業法172条の準用による、会社法828条1項に対応)。債権者異議手続の期間は1か月を下ることができない。個別の期限は各手続ごとに異なるため、通知書記載の日付を必ず確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:相互会社は会社法上の会社ではなく保険業法が独自に定める法人であるため、その合併の根拠と要件は会社法ではなく保険業法159条以下に求められる。159条2項の存続形態の制限は、契約者=社員という構造の連続性を確保するための強行規定と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正により現行法が成立。相互会社の合併に関する規律が整理され、合併の相手方と存続会社の形態の制限が現行159条の形で置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、保険業法の組織再編関連規定が会社法の枠組みに合わせて整理された(改正の具体的範囲は e-Gov の改正沿革で要確認)
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