保険業法 第160条(相互会社と相互会社との吸収合併契約)
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- 相互会社と相互会社とが吸収合併(相互会社が他の相互会社又は株式会社とする合併であって、合併により消滅する相互会社又は株式会社の権利義務の全部を合併後存続する相互会社又は株式会社に承継させるものをいう。以下同じ。)をする場合には、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一吸収合併後存続する相互会社(以下この節において「吸収合併存続相互会社」という。)及び吸収合併により消滅する相互会社(以下この節において「吸収合併消滅相互会社」という。)の名称及び住所
- 二吸収合併消滅相互会社の社員に対して交付すべき金銭の額を定めたときは、その定め
- 三吸収合併消滅相互会社の保険契約者の吸収合併後における権利に関する事項
- 四吸収合併がその効力を生ずる日
- 五その他内閣府令で定める事項
この条文の基本情報
相互会社と相互会社との吸収合併契約とは何ですか?
定義相互会社と相互会社との吸収合併契約とは、保険業法第160条に定められた規定で、「相互会社と相互会社とが吸収合併(相互会社が他の相互会社又は株式会社とする合併であって、合併により消滅する相互会社又は株式会社の権利義務の全部を合併後存続する相互…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第160条(相互会社と相互会社との吸収合併契約)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第160条の条文原文は「相互会社と相互会社とが吸収合併(相互会社が他の相互会社又は株式会社とする合併であって、合併により消滅する相互会社又は株式会社の権利義務の全部を合併後存続する相互…」で始まります。
- 保険業法第160条は第二款 合併契約に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第160条の前の条は保険業法第159条です。
- 保険業法第160条の次の条は保険業法第161条です。
- 保険業法第160条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第160条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第160条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/160
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法160条は、相互会社どうしの吸収合併契約に定めるべき5項目を列挙する。3号で消滅会社の保険契約者の合併後の権利に関する事項を必ず記載させる。
Q · 生命保険会社が合併するとき、契約者の権利ってどこに書いてあるの?
合併契約書の法定記載事項として保険業法160条3号に定められている
保険業法160条は、相互会社どうしの吸収合併で合併契約書に必ず定めるべき5項目を列挙します。3号が「吸収合併消滅相互会社の保険契約者の吸収合併後における権利に関する事項」で、契約者の権利の扱いはここに記載されます。2号は消滅会社の社員に交付する金銭の額を定めたときの定め、4号は効力発生日。5号は内閣府令で定める事項とされ、条文だけでは記載事項が完結しません。契約書は備置き期間中に閲覧できます。
解説
生命保険を契約している人の多くは、自分の保険会社が「相互会社」なのか「株式会社」なのかを知らない。日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命。これらは株主のいない相互会社であり、契約者であるあなた自身が「社員」という構成員の地位を持つ。保険業法160条は、その相互会社どうしが吸収合併するとき、合併契約書に何を書かなければならないかを列挙している。注目すべきは第3号だ。「吸収合併消滅相互会社の保険契約者の吸収合併後における権利に関する事項」。あなたの保険契約が合併後どう扱われるか、予定利率は維持されるのか、配当の仕組みはどうなるのか、それを契約書に明記させる規定である。そして第2号は、消滅会社の社員に金銭を交付する場合の定め。合併で自分の会社が消える側に立ったとき、あなたには対価が支払われうるという事実が、法律上ここに書かれている。契約書に何が書かれるかを法が強制しているということは、裏を返せば、あなたがそれを読む権利を持つということだ。
法的な位置づけ
保険業法160条は、相互会社どうしの吸収合併における合併契約の法定記載事項を定める規定である。存続会社および消滅会社の名称・住所、消滅会社の社員への金銭交付の定め、消滅会社の保険契約者の合併後の権利に関する事項、効力発生日、内閣府令で定める事項の5項目を、契約において定めることを義務づける。
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社とは何ですか?
保険業法上の会社形態で、株主が存在せず保険契約者が「社員」として構成員になる会社です。日本生命、明治安田生命、住友生命などが該当します。
Q2保険業法160条の記載事項は何項目ですか?
5項目です。名称・住所、社員への金銭交付の定め、保険契約者の合併後の権利、効力発生日、その他内閣府令で定める事項が列挙されています。
Q3合併契約書はどこで見られますか?
保険業法161条により、合併契約に関する書面は本店に備え置かれ、備置き期間中は社員(保険契約者)が閲覧を請求できます。
Q4相互会社の合併に反対できますか?
保険業法167条の異議申述手続で意思表示できます。ただし決議は社員総会(実務では社員総代会)で行われ、個人が単独で止めることは困難です。
Q5吸収合併の効力発生日はいつ決まりますか?
保険業法160条4号により、合併契約において定めます。契約書に必ず記載される事項なので、通知書や公告で確認できます。
Q6相互会社の合併と株式会社の合併は違う?
違います。相互会社には株主も株式もないため、会社法749条の株式会社合併規定をそのまま適用できず、保険業法が独自に160条を置いています。
Q7保険契約は合併後も続きますか?
吸収合併では消滅会社の権利義務の全部が存続会社に承継されるため契約は継続します。承継後の具体的な扱いは160条3号で契約書に定めます。
Q8社員に交付される金銭は必ずもらえますか?
いいえ。160条2号は「定めたときは、その定め」と書き、交付は任意です。相互会社どうしの合併では定めない例が通常です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの保険会社が合併するらしいんですが、契約内容は変わっちゃうんですか?
吸収合併では消滅会社の権利義務の全部が存続会社に承継されるため、契約自体は引き継がれる。ただし承継後の権利の具体的な扱いは160条3号で合併契約書に定める事項とされており、契約書を読まないと分からない。実務のポイント:契約者に届く通知書は会社が作った要約であり、法が要求しているのは契約書本体の記載である。備置き期間中に本店で原本を閲覧できる。要約と原文を突き合わせる契約者はほとんどいないが、突き合わせた人だけが差分に気付く。
Q2相互会社の「社員」って、社員旅行に行くあの社員のことですか?
全く違う。相互会社の社員とは会社の構成員、つまり株式会社でいう株主に相当する地位であり、保険契約者がその地位を兼ねる。従業員という意味ではない。160条2号が「消滅相互会社の社員に対して交付すべき金銭」と書くのは、構成員としての持分の清算を想定しているからだ。実務のポイント:この用語の混同は保険会社の窓口でも頻繁に起きる。「社員配当金」という言葉を従業員向けボーナスと誤解する契約者は多い。実際はあなたに帰属する剰余金分配のことである。
Q3合併するとき、契約者にお金は払われるんですか?
160条2号は「金銭の額を定めたときは、その定め」と書いている。交付は義務ではなく、定めた場合にのみ契約書に記載する。何も定めなければ金銭の交付はない。実務のポイント:相互会社どうしの合併では、双方の社員が存続会社の社員になるため、金銭交付を定めない例が実務では通常である。金銭が動くのは主に組織変更や株式会社との合併の局面であり、ニュースで「契約者に配分」と報じられるのはそちらのケースだ。
Q4契約者が合併に反対したら、止められるんですか?
個々の契約者一人で合併を止めることは事実上できない。決議は社員総会(実務では社員総代会)で行われ、契約者は総代の選出を通じて間接的に関与する構造になっている。異議申述の手続で意思表示はできるが、効果は限定的だ。実務のポイント:総代は契約者から選ばれるが、選出過程を知っている契約者はごく少数である。総代候補者の公表と意見募集は行われており、そこに応募・意見提出する契約者が極端に少ないため、実質的な発言枠が空いたままになっている。
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社が合併しても、契約内容は自動的にそのまま引き継がれる」と考えている人が多い。承継されること自体は吸収合併の定義どおりだが、承継後の権利の具体的な扱いは160条3号で契約書に定めるべき事項とされている。つまり「自動的に決まる」のではなく「契約書で決める」領域が存在する。決める側にあなたはいない
- この条文を「会社法のコピーだろう」と受け流す人がいる。だが相互会社には株主が存在せず、株式も存在しない。会社法の株式会社合併規定をそのまま当てはめることができないため、保険業法が独自の規定を置いている。株主総会ではなく社員総会(実務では社員総代会)が決議機関になるという構造の違いが、ここから始まる
- あなたから見れば「保険料を払っている顧客」だが、相互会社の法律構成上あなたは「社員」である。顧客としての権利(保険金請求権)と社員としての権利(議決権、剰余金分配)は別の系統で動く。この二重性を知らずに通知書を読むと、書いてある内容の半分が何のことか分からない
- 「一号から五号まで全部読んだから網羅した」と思ってはいけない。第5号が「その他内閣府令で定める事項」となっており、実際の記載事項はこの条文だけでは完結しない。条文の外側に、内閣府令で追加された項目が存在する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 保険業法160条:相互会社どうしの吸収合併契約の記載事項 | 保険業法161条:合併契約書の備置きと社員の閲覧権 保険業法167条:保険契約者等の異議申述手続 |
| 契約者の関与時点 | 契約書作成段階(契約者は関与せず、記載内容を後から確認する立場) | 備置き期間中(閲覧して内容を検証できる) 公告後の異議申述期間(意思表示ができる) |
| 契約者ができること | 3号の権利記載と2号の金銭交付の定めの有無を読む | 本店で原本を閲覧請求する 期間内に異議を申述する |
| 条文の性格 | 契約内容の最低限を強制する形式的規律 | 情報開示の手続規定 利害関係者保護の手続規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では相互保険は合作社形態が中心で、日本の相互会社ほど大規模な生保が存在しない。合併契約の記載事項は企業併購法が一般規定として規律する
韓国も商法の吸収合併契約書記載事項を基礎とし、保険業法が保険会社固有の監督規定を重ねる二層構造をとる
ドイツの相互保険社団(VVaG)は日本の相互会社の沿革上の参照元とされる。合併は組織再編法(UmwG)と VAG の重畳適用による
米国は州法単位で mutual insurance company の合併を規律し、州保険庁の認可と契約者への通知・公聴会が要件となる例が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社が他社と合併するというニュースが流れた。あなたの手元に届く通知書は数ページの薄い書面だが、その背後には160条各号を満たした合併契約書が存在し、備置き期間中は本店で閲覧できる。あなたの予定利率と配当の扱いは、その書面の第3号部分に書いてある
- もし、あなたの保険会社が消滅する側の相互会社だったとしたら、社員としてのあなたに金銭は支払われるのか。160条2号は「定めたときは、その定め」と書く。つまり交付は義務ではなく任意。何も定めなければゼロ。この一語の差を知って通知書を読む人と、知らずに封を切る人がいる
- 保険会社の合併説明会に出席した契約者が、「効力発生日はいつですか」と質問した。160条4号で契約書に必ず記載される事項であり、答えられないはずがない。答えを濁されたら、その時点で何かがおかしい
- 合併の効力発生日まで、あと30日。社員総代会の決議は済み、異議申述の公告期間も進行している。この段階で契約者が動ける余地は狭い。動くなら、公告が出た直後の異議申述期間内である
- 友人が「保険会社が合併するらしいけど、解約したほうがいい?」と相談してきた。答えの入口は、その会社が相互会社か株式会社か、そして合併契約書の第3号に契約条件の維持がどう書かれているかにある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の保険会社が相互会社か株式会社か、証券または会社概要で確認する。相互会社なら社員としての地位がある2. 合併の公告が出たら日付を記録し、異議申述期間の起算点を押さえる3. 合併契約書の備置き期間中に、160条3号の契約者の権利に関する記載と、2号の金銭交付の定めの有無を確認する4. 予定利率や配当の扱いに納得できなければ、期間内に異議を申述する。期間経過後は解約しか手段が残らない
訴えられた側:1. 合併を主導する側の会社であれば、160条各号を欠く合併契約書は手続の瑕疵を生む。特に5号の内閣府令事項は条文外にあるため、監督指針と府令の最新版を必ず照合する2. 契約者への通知は法定の要約にとどめず、3号事項の実質を平易に説明したほうが、後の紛争リスクを下げる3. 社員総代会の決議要件と異議申述手続の期間管理を、効力発生日から逆算して工程表に落とす
時効(請求できる期限):合併の効力発生日は160条4号で契約書に定められる。異議申述および債権者保護手続の期間は保険業法および関連規定に従うため、公告の記載で個別に確認すること。本条自体に特定の時効はないが、合併に関する損害賠償請求権には一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:相互会社には株主による監視機能が構造的に欠けるため、保険業法は合併の実体的当否ではなく契約書記載事項の法定という形式的規律で契約者保護を図る。160条は161条の備置き・閲覧、167条の異議申述と一体で機能する開示型保護の起点と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法全部改正(平成7年法律第105号)。相互会社に関する組織法規定が体系的に整備され、合併の章が置かれた(施行は平成8年)
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