保険業法 第161条(相互会社と相互会社との新設合併契約)
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- 相互会社と相互会社とが新設合併(二以上の相互会社又は二以上の相互会社及び株式会社がする合併であって、合併により消滅する相互会社又は株式会社の権利義務の全部を合併により設立する相互会社又は株式会社に承継させるものをいう。以下同じ。)をする場合には、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一新設合併により消滅する相互会社(以下この節において「新設合併消滅相互会社」という。)の名称及び住所
- 二新設合併により設立する相互会社(以下この節において「新設合併設立相互会社」という。)の目的、名称及び主たる事務所の所在地
- 三前号に掲げるもののほか、新設合併設立相互会社の定款で定める事項
- 四新設合併設立相互会社の設立時取締役の氏名
- 五次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項
- 一新設合併設立相互会社が会計参与設置会社である場合新設合併設立相互会社の設立時会計参与の氏名又は名称
- 二新設合併設立相互会社が監査役設置会社である場合新設合併設立相互会社の設立時監査役の氏名
- 三新設合併設立相互会社が会計監査人設置会社である場合新設合併設立相互会社の設立時会計監査人の氏名又は名称
- 六新設合併消滅相互会社の社員に対して交付すべき金銭の額を定めたときは、その定め
- 七新設合併後における保険契約者の権利に関する事項
- 八その他内閣府令で定める事項
- 2.新設合併設立相互会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。
この条文の基本情報
相互会社と相互会社との新設合併契約とは何ですか?
定義相互会社と相互会社との新設合併契約とは、保険業法第161条に定められた規定で、「相互会社と相互会社とが新設合併(二以上の相互会社又は二以上の相互会社及び株式会社がする合併であって、合併により消滅する相互会社又は株式会社の権利義務の全部を合併…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第161条(相互会社と相互会社との新設合併契約)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第161条の条文原文は「相互会社と相互会社とが新設合併(二以上の相互会社又は二以上の相互会社及び株式会社がする合併であって、合併により消滅する相互会社又は株式会社の権利義務の全部を合併…」で始まります。
- 保険業法第161条は第二款 合併契約に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第161条の前の条は保険業法第160条です。
- 保険業法第161条の次の条は保険業法第162条です。
- 保険業法第161条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第161条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第161条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/161
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法161条は、相互会社の新設合併契約に定めるべき事項を列挙する規定で、設立時取締役の氏名や新設合併後における保険契約者の権利に関する事項が必要的記載事項とされる。
Q · 契約している相互会社が新設合併したら、私の保険契約はどうなるの?
契約は新会社に承継されるが、権利の中身は合併契約書で決まる
保険業法161条1項6号は、新設合併契約において「新設合併後における保険契約者の権利に関する事項」を必ず定めることを要求します。新設合併では既存の相互会社の法人格が消滅し、新しい法人が設立されるため、契約者の権利がどう引き継がれるかは、この契約書の記載によって具体的に設計されます。また5号ロにより、消滅相互会社の社員に交付すべき金銭の額を定めたときは、その定めも記載事項となります。合併の通知を受け取った契約者は、まずこの6号と5号ロの内容を会社に確認するのが最短の道です。
解説
保険会社の合併と聞くと、大きな会社が小さな会社を飲み込む吸収合併を思い浮かべる人が多い。だが保険業法161条が扱うのはそれとは違う。相互会社どうし、あるいは相互会社と株式会社が、既存の法人を全部消滅させて、まったく新しい相互会社を一から立ち上げる形式である。ここで決定的に重要なのは、あなたが契約者だった場合、契約の相手方である法人が法的に消えるという点だ。ではあなたの保険契約はどうなるか。161条1項6号は、新設合併契約書に「新設合併後における保険契約者の権利に関する事項」を必ず定めよと命じる。つまりあなたの権利の行方は、あなたの知らないところで作られる一枚の契約書の中に、条項として書き込まれている。相互会社の契約者は同時に「社員」(株式会社でいう株主に近い立場)でもあるから、5号によって金銭が交付される定めが置かれることもある。合併の公告を見て何も読まずに捨てるか、この6号と5号の中身を取りに行くか。そこで手にする情報量は決定的に違う。
法的な位置づけ
保険業法161条は、相互会社どうしまたは相互会社と株式会社が新設合併をする場合の、新設合併契約の必要的記載事項を定める規定である。消滅相互会社の名称・住所、設立相互会社の目的・名称・所在地、定款事項、設立時取締役の氏名、社員への金銭交付の定め、保険契約者の権利に関する事項、内閣府令事項を列挙し、2項で監査等委員会設置会社の場合の区別記載を要求する。
手順
- 1.合併の公告・通知を受け取ったら日付を控えて保管する 封筒を開けて公告日・通知日・効力発生予定日の3つの日付を控える。後から提訴期間や照会期限を逆算するとき、この日付が起点になる。破棄せず原本のまま保管する
- 2.161条1項6号と5号ロの内容を会社へ照会する 会社の問い合わせ窓口に「新設合併契約における保険契約者の権利に関する事項(161条1項6号)の内容」と「社員に交付すべき金銭の定め(同5号ロ)の有無」を条番号を名指しして照会する。口頭ではなく書面での回答を求める
- 3.備置書類の閲覧で契約書原文を確認する 保険業法165条に基づく備置書類の所在と閲覧方法を確認し、合併契約書の1項各号の記載を原文で読む。特に配当方針・剰余金分配・解約返戻金の扱いが変わるかを照合する
- 4.総代会の前に疑問を議題として届ける 合併が総代会に諮られる前に、6号の記載に関する疑問を総代経由または会社の意見受付窓口へ届ける。効力発生後は既成事実となり、合併無効の訴えという重い手段しか残らない
- 5.金銭が交付される場合は税務上の扱いを事前確認する 5号ロに基づく金銭の交付案内が来た場合、保険契約に基づく配当金とは性質が異なるため、交付前に税理士へ所得区分を確認しておく。確定申告期の修正申告を避けられる
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社とは何ですか?
保険契約者が同時に「社員」として法人を構成する保険会社の形態です。株式会社の株主に近い地位を契約者が持ち、意思決定は通例、総代会を通じて行われます。
Q2新設合併契約に必ず書く事項は何ですか?
保険業法161条1項が列挙します。消滅相互会社の名称・住所、設立相互会社の目的・名称・所在地、定款事項、設立時取締役の氏名、社員への金銭交付の定め、保険契約者の権利に関する事項、内閣府令事項の7項目です。
Q3設立時取締役は誰が決めるのですか?
161条1項4号により、新設合併契約そのものに氏名を定めます。つまり合併当事会社の交渉で決まり、氏名リストは契約書の必要的記載事項として文書化されます。
Q4合併に社員総代会の決議は必要ですか?
相互会社の合併は組織の基礎に関わる行為として、社員総会(総代会)の決議手続が要求される構造になっています。個々の契約者ではなく総代が賛否を表明するのが通例です。
Q5保険会社の合併に行政の認可は必要ですか?
必要です。保険業法167条により、合併は内閣総理大臣(実務上は金融庁)の認可を受けなければ効力を生じません。契約者保護の観点から行政審査が入ります。
Q6合併契約書は契約者でも閲覧できますか?
保険業法165条が合併に関する書面等の備置きと閲覧について定めています。相互会社の社員としての地位に基づき、備置書類の閲覧を請求できる仕組みが用意されています。
Q7監査等委員会設置会社だと何が変わりますか?
161条2項により、1項4号の設立時取締役を「設立時監査等委員である者」と「それ以外の者」に区別して定める必要があります。区別を欠くと機関設計が成立しません。
Q8合併に納得できない場合はどうすればいいですか?
まず会社の窓口へ書面で照会し、記載事項の説明を求めます。効力を争う場合は合併無効の訴えという重い手段になり、提訴期間の制限があるため早期の確認が不可欠です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約している保険会社が合併したら、保険料や保障内容は変わるんですか?
既存契約の保険料と保障内容は原則としてそのまま新会社に承継される。ただし社員配当の方針や剰余金の分配は、161条1項6号の「保険契約者の権利に関する事項」として合併契約で設計される部分があり、ここは変動しうる。実務のポイント:合併の説明資料で最も薄く書かれるのが配当方針の項目である。契約者が具体的に質問しない限り詳細は出てこないので、契約年度別の配当実績の見通しを名指しで聞くと、回答の質が変わる
Q2新設合併と吸収合併って、契約者にとって何が違うんですか?
吸収合併では存続会社が残るので、契約の相手方の法人格が生き続ける。新設合併(161条)では既存の会社が全部消滅し、新しい法人が誕生する。契約者から見た手続的な影響は似ているが、旧会社時代の紛争の請求先の整理は新設合併の方が煩雑になる。実務のポイント:どちらの形式を選ぶかは、税務・許認可の承継・システム統合の負担で決まることが多く、契約者保護の観点で選ばれているとは限らない
Q3合併で「金銭を交付する」と書いてあったんですが、これは配当ですか?
違う。161条1項5号ロの金銭交付は、相互会社の社員としての地位に対応するもので、保険契約に基づく配当金とは性質が異なる。定めが置かれた場合にのみ発生し、置かれないこともある。実務のポイント:この金銭の税務上の取扱いは配当所得と一時所得で扱いが分かれうるため、金額が大きい場合は交付前に税理士へ確認しておくと、確定申告期の慌てが避けられる
間違えやすい点 AI による整理
- 「合併しても保険契約はそのまま引き継がれるから心配ない」と多くの契約者が考えている。承継自体はその通りだが、深刻度の認識が甘い。承継の具体的な中身、つまり配当の方針、剰余金の分配、社員としての権利の設計は、6号に基づいて契約書で個別に定められる。「引き継がれる」ことと「同じ条件で引き継がれる」ことは別の話である
- 「合併の是非を判断したい」という問いの立て方自体がずれている。相互会社の一般契約者は社員ではあるが、意思決定は総代会を通じて行われるのが通例で、個々の契約者が直接票を投じる構造ではない。真に問うべきは「総代は誰で、どういう資料に基づいて判断するのか」であり、そこにアクセスする方がはるかに実効性がある
- 契約者から見れば「会社が名前を変えるだけ」に見える。だが法律から見れば、あなたが契約した法人格は消滅し、別の法人格が誕生している。この落差が効いてくるのは、旧会社時代の対応をめぐって紛争が生じたときだ。相手方が誰なのかを法的に整理できないと、請求先を間違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 合併の形式 | 保険業法161条:新設合併(当事会社が全部消滅し新法人を設立) | 保険業法160条:吸収合併(存続会社が残る) 会社法753条:株式会社の新設合併 |
| 契約の相手方の法人格 | 契約した法人格が消滅し、新法人が承継する | 存続会社の法人格が継続する 株主の地位が新設会社の株式に転換される |
| 契約者・構成員の地位 | 社員に交付すべき金銭の定め(5号ロ)と保険契約者の権利に関する事項(6号)が必要的記載事項 | 存続相互会社の社員としての地位に吸収される形で設計される 交付する株式数・割当てに関する事項が中心 |
| 機関設計の記載 | 設立時取締役の氏名を契約書に記載、監査等委員会設置会社なら区別記載(2項) | 存続会社の既存機関が継続するため新規記載は限定的 設立時取締役等の氏名を新設合併契約に記載 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には日本型の相互会社制度が定着しておらず、保険会社は原則として株式会社形態。新設合併の記載事項は一般会社法制に委ねられ、保険業固有の契約者権利条項は置かれていない
韓国は商法が新設合併契約書の記載事項を定め、保険会社については保険業法が監督官庁の認可を重ねて要求する二層構造をとる
ドイツは組織再編法(UmwG)に相互保険組合(VVaG)を当事者とする合併の特則を置き、一般の会社合併規定に対する修正として構成する
米国は州ごとの保険法典が mutual insurer の合併手続と契約者保護を規律し、州保険庁の承認を要件とする点で日本の内閣総理大臣認可に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社から「合併に関するお知らせ」という封筒が届いた。中身は法律用語ばかりで、読む気が起きない。だが161条1項6号により、その書面の背後には「保険契約者の権利がどうなるか」を定めた新設合併契約書が必ず存在する。閲覧できる書類の所在を聞くだけで、あなたの立場は「通知を受ける人」から「内容を検証する人」に変わる
- 相互会社の契約者であるあなたに、合併に伴って金銭が交付されるという案内が来た。これは161条1項5号ロが定める「社員に対して交付すべき金銭の額」である。株式配当とは性質が違い、社員としての持分に関わる。受け取った金銭の税務上の扱いを確認せずに確定申告の時期を迎えると、後で修正申告の手間が生じうる
- もし、合併で設立される新会社の取締役が、あなたが契約している会社の経営陣ではなく、相手方会社の人間ばかりだったとしたら? 161条1項4号は設立時取締役の氏名を契約書に定めよと要求する。誰が新会社を握るかは、合併の力関係をそのまま映す。氏名リストは公開情報の中にある
- 保険会社の企画部門で合併実務を担当することになった。監査等委員会設置会社を選ぶ場合、2項により設立時取締役を「監査等委員である者」と「それ以外」に区別して定める必要がある。ここを区別せずに契約書を作ると、機関設計そのものが成立しない
- 合併の社員総代会まであと3週間。総代であるあなたは、賛否を表明する立場にある。契約書の7号「その他内閣府令で定める事項」まで含めて確認する時間は、実質的にこの数週間しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 合併の公告・通知が届いたら日付を控え、破棄せず保管する2. 会社の問い合わせ窓口に、新設合併契約における「保険契約者の権利に関する事項」(161条1項6号)の内容と、社員への金銭交付の定め(同5号ロ)の有無を確認する3. 自分の契約の配当・解約返戻金の取扱いが変わるかを、書面での回答として求める4. 説明に納得できない場合、金融庁の相談窓口または生命保険協会・日本損害保険協会の相談センターへ
訴えられた側:1. 合併実務を担当する側であれば、1項各号の記載漏れが契約の効力自体に影響することを前提に、7号の内閣府令で定める事項まで最新の府令текст で照合する2. 監査等委員会設置会社を選ぶ場合、2項の区別記載を必ず反映する3. 契約者への説明資料は6号の記載内容と整合させ、通知と契約書で食い違いが出ないようにする4. 総代会の招集手続と情報提供のタイミングを、契約者からの照会に耐える形で設計する
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。ただし合併の効力を争う場合、会社法上の合併無効の訴えの提訴期間(効力発生日から6か月)が保険業法により相互会社の合併に準用される構造になっており、この期間を過ぎると合併の効力自体は争えなくなる(最新の改正状況をご確認ください)。個別の債権については民法166条の一般消滅時効が適用される
学説
一般的理解:合併契約の必要的記載事項に欠缺がある場合、当該合併契約は効力を有しないと解され、その状態で手続が進めば合併無効事由となりうる。161条1項各号および2項の区別記載は、実務上、府令の最新版と逐条で照合すべき対象とされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正。相互会社に関する組織法規定が現行の体系に整理され、新設合併契約の記載事項が本条に置かれた
- 2.平成26年(2014年) 改正:会社法改正による監査等委員会設置会社の創設に伴い、設立時取締役を監査等委員である者とそれ以外とに区別して定める旨の2項が整備された
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