保険業法 第162条(相互会社が存続するときの株式会社と相互会社との吸収合併契約)
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- 株式会社と相互会社とが吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する保険会社等が相互会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一吸収合併により消滅する株式会社(以下この節において「吸収合併消滅株式会社」という。)及び吸収合併存続相互会社の商号及び名称並びに住所
- 二吸収合併消滅株式会社の株主及び新株予約権者に対する補償の方法
- 三吸収合併存続相互会社の準備金に関する事項
- 四吸収合併消滅株式会社の保険契約者の吸収合併後における権利に関する事項
- 五吸収合併がその効力を生ずる日
- 六その他内閣府令で定める事項
- 2.第六十八条第六項の規定は、前項の吸収合併の場合について準用する。この場合において、同条第六項中「第四項の準備金のほか、損失てん補準備金」とあるのは「損失てん補準備金」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
- 3.第七十二条第一項の規定は、第一項第一号の吸収合併消滅株式会社について準用する。この場合において、同条第一項中「第七十条第二項」とあるのは「第百六十五条の七第二項」と、「組織変更」とあるのは「吸収合併」と、「通知し、その承諾を得なければならない」とあるのは「通知しなければならない」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
- 4.第八十三条の規定は、第一項の吸収合併について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
相互会社が存続するときの株式会社と相互会社との吸収合併契約とは何ですか?
定義相互会社が存続するときの株式会社と相互会社との吸収合併契約とは、保険業法第162条に定められた規定で、「株式会社と相互会社とが吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する保険会社等が相互会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第162条(相互会社が存続するときの株式会社と相互会社との吸収合併契約)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第162条の条文原文は「株式会社と相互会社とが吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する保険会社等が相互会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない…」で始まります。
- 保険業法第162条は第二款 合併契約に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第162条の前の条は保険業法第161条です。
- 保険業法第162条の次の条は保険業法第163条です。
- 保険業法第162条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第162条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第162条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/162
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法162条は、株式会社と相互会社の吸収合併で相互会社が存続する場合、合併契約に株主への補償の方法、準備金、保険契約者の合併後の権利、効力発生日など六つの事項を定めることを義務づける。
Q · 入っている保険会社が相互会社に吸収合併されたら、契約と株はどうなるの?
契約は存続相互会社へ承継され、株主は補償を受けて退場する
保険業法162条1項は、株式会社と相互会社の吸収合併で相互会社が存続する場合の契約記載事項を六つ定めます。消滅株式会社の保険契約者の合併後における権利は4号で必ず契約に定められ、株主及び新株予約権者には2号の「補償の方法」が定められます。相互会社に株式は存在しないため、株式を対価として受け取り持ち続ける選択肢は構造上ありません。効力を生ずる日は5号で特定され、その日が権利関係の切替点になります。
解説
契約している生命保険会社が、株式会社のまま別の相互会社に吸収される。ニュースでは「経営統合」の四文字で流れるだけだが、その裏で動いているのは一通の吸収合併契約書である。保険業法162条は、その契約書に何を必ず書かせるかを列挙している。消滅する株式会社の株主と新株予約権者への補償の方法、存続する相互会社の準備金、そして4号、あなたの保険契約が合併後どう扱われるかである。株主は株式を失い対価を受けて退場する。相互会社に株式は存在しないので、株式との交換という選択肢は構造上ありえない。一方であなたの契約は存続相互会社へ承継され、あなたは保険料を払う客であると同時に会社の社員側へ移りうる。誰がどこまでの権利を持つのか、その分岐点は1項4号が求めるわずか数行に凝縮されている。読まずに書類ケースへ放り込んだ合併のお知らせには、その数行の要約が入っている。
法的な位置づけ
保険業法162条は、株式会社と相互会社の吸収合併において相互会社が存続する場合の吸収合併契約の必要的記載事項を定める規定である。商号・住所、消滅株式会社の株主及び新株予約権者に対する補償の方法、存続相互会社の準備金、消滅株式会社の保険契約者の合併後における権利、効力発生日、内閣府令で定める事項の六号で構成される。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法162条とは何ですか?
株式会社と相互会社の吸収合併で相互会社が存続する場合に、吸収合併契約へ必ず記載すべき六つの事項を定めた規定です。株主への補償、準備金、保険契約者の権利、効力発生日などが含まれます。
Q2相互会社と株式会社の保険会社の違いは?
株式会社は株主が出資し株式を保有しますが、相互会社には株式がなく、保険契約者が社員として構成員になります。基金と準備金が体力を示す指標となり、意思決定は総代会で行われます。
Q3吸収合併存続相互会社とは何ですか?
吸収合併後に存続する側の保険会社が相互会社である場合の呼称です。保険業法162条はこの類型に限って適用され、会社法749条の株式会社存続型とは記載事項が異なります。
Q4保険会社の合併に国の認可は必要ですか?
保険会社等の合併は内閣総理大臣の認可を要する手続として制度設計されています。認可の過程で保険契約者保護の観点が審査され、実務上は監督当局との事前相談から工程を逆算します。
Q5合併の効力発生日はいつわかりますか?
保険業法162条1項5号により、効力を生ずる日は吸収合併契約の必要的記載事項です。保険契約者へ送付される通知書や公告に記載されるため、届いた書面で確認できます。
Q6新株予約権者の同意は必要ですか?
必要ありません。162条3項は72条1項を準用しつつ「通知し、その承諾を得なければならない」を「通知しなければならない」へ読み替えます。通知は必須ですが、承諾は要件から外れています。
Q7損失てん補準備金とは何ですか?
相互会社において損失の補填に充てるために積み立てる準備金です。162条2項が68条6項を準用し、「第四項の準備金のほか、損失てん補準備金」を「損失てん補準備金」と読み替えて適用します。
Q8合併に不服がある場合いつまで争えますか?
効力発生後に争うなら吸収合併無効の訴えで、効力が生じた日から6か月以内です(会社法828条)。それ以前の段階では公告・通知に示される異議申述期間内の対応が実務上の入口になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が合併したら、今の保険料や保障はそのままなんですか?
契約は存続する相互会社へ承継されるのが原則で、合併それ自体が保険料や保障内容を書き換えるわけではない。ただし合併後の契約者の権利の扱いは162条1項4号により契約で定められ、配当や社員としての地位の設計はここで決まる。実務のポイント:読むべきはプレスリリースではなく、通知書の「合併後における権利」欄と、内閣総理大臣の認可の状況である。監督当局が認可に付す条件に契約者保護の内容が入ることがあり、そこが実質的な保証になる
Q2株主なんですが、相互会社の株はもらえないんでしょうか?
相互会社に株式は存在しないため、構造上ありえない。162条1項2号が求めるのは「補償の方法」であり、実務では金銭による補償が中心となる。株主は合併を境に退場する立場に置かれる。実務のポイント:補償額は第三者の算定書で支えられるのが通例で、算定の前提条件は事前開示書類の備置きが始まった時点で読める。前提を読んだ人だけが数字の議論に入れる。備置き開始日を問い合わせるのが最初の一手になる
Q3新株予約権を持っています。私の同意なしに合併は進むんですか?
進む。162条3項は保険業法72条1項を吸収合併消滅株式会社に準用するが、その際「通知し、その承諾を得なければならない」を「通知しなければならない」へ読み替える。承諾は要件から外れている。実務のポイント:承諾が不要になった代わりに、通知は必須の手続として残っている。通知の欠落や遅延は手続の瑕疵であり、吸収合併無効の訴え(会社法828条)で持ち出しうる材料になる。届いた通知の日付は捨てずに残す
Q4相互会社が残る合併で、準備金なんて契約者に関係ありますか?
関係する。162条1項3号が存続相互会社の準備金に関する事項を必要的記載事項とし、2項は保険業法68条6項を準用したうえで「損失てん補準備金」と読み替える。相互会社には資本金がなく、基金と準備金が体力を示す指標になる。実務のポイント:契約者配当の余力の議論は、この準備金条項の設計と地続きである。合併後の配当方針を占いたいなら、経営統合の説明資料より契約書の準備金条項を読むほうが早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「合併で保険が消えるのか、それとも続くのか」という問いの立て方自体がずれている。契約は原則として存続相互会社へ承継される。本当の分岐は承継の有無ではなく、承継後にあなたが社員として扱われるか、配当や総代会に関する権利がどう設計されるかであり、それを決めるのが1項4号である
- 株主への補償が必要だという事実自体は多くの人が知っている。見落とされるのはその深刻さである。相互会社に株式はなく、株式交換型の対価は構造上存在しえない。つまり株主は例外なく退場する。「対価が不満だから持ち続ける」という選択肢が、そもそも法制度の中に用意されていない
- あなたから見れば「会社の名前が変わっただけ」だが、法律から見れば、契約の相手方が入れ替わり、あなたは会社の意思決定に接続されうる主体へ変わっている。この落差に気付かないまま総代会関連の通知を捨て続ける人は、自分が資金を預けている会社の意思決定から、自分の手で自分を締め出している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 存続会社の形態 | 保険業法162条:存続会社が相互会社(株式なし) | 会社法749条:存続会社が株式会社 保険業法159条:保険会社等の合併の根拠規定(類型を問わない) |
| 消滅会社株主への対価 | 1項2号「補償の方法」(株式交付は構造上不可) | 株式・社債・新株予約権・金銭等を柔軟に選択可 個別類型ごとに各条が定める |
| 保険契約者の地位 | 1項4号で合併後の権利を必ず契約に明記 | 会社法に保険契約者固有の記載事項なし 保険業法の契約者保護規定が全体を通じて及ぶ |
| 資本・準備金 | 1項3号+2項:存続相互会社の準備金(損失てん補準備金への読替え) | 資本金・資本準備金の額に関する事項 基金と準備金の関係を保険業法が別途規律 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の合併に主管機関の認可を要する点で日本と共通するが、相互会社形態が一般的でないため、株式会社存続型が中心となる
韓国も保険会社の合併に金融委員会の認可を要する。相互会社は制度上存在するが実例が乏しい点で日本と状況が異なる
ドイツは相互保険社団(VVaG)が広く存在し、組織再編法(UmwG)に VVaG の合併規定を置く。保険契約者の地位承継は監督当局 BaFin の認可審査で担保される
米国は州ごとに保険会社の合併認可制度を持ち、相互会社の株式会社化(demutualization)に固有の手続と契約者への対価配分ルールがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが入っている株式会社の生命保険が、相互会社に吸収されたらどうなる? 保険証券の文字も口座引落しの金額も変わらないのに、あなたの法的な立場は契約者から社員側へ移りうる。数年後、総代会の選挙用紙が封筒で届いて初めてそれに気付く
- あなたが被合併側の保険会社の株主だとする。相互会社には株式がないため、株式を受け取って持ち続ける道は最初から盤上にない。受け取れるのは1項2号の「補償」だけである。金額の前提を争いたければ株主総会の決議日が分水嶺で、通知が届いてから決議日まで動ける時間は数週間しかない
- 合併実務のチームに入り、契約書ドラフトを会社法749条の雛形から起こした。相互会社が存続する取引では、その雛形は骨格から使えない。株主への補償条項、準備金の受け皿、契約者の権利、この三つを162条1項が求める形に組み替えなければ、契約の必要的記載事項を欠く
- ストックオプションを持ったまま、勤務先の保険会社が消える。あなたの同意を取りに来る人はいない。162条3項は保険業法72条1項を準用しつつ、「通知し、その承諾を得なければならない」を「通知しなければならない」へ読み替える。首を縦に振らせなくても手続は進む設計である
- 親が三十年払い続けた養老保険の会社が合併すると聞き、あなたに相談してきた。効力発生日まであと40日。見るべきは会社の記者会見ではなく、手元の通知書の「合併後における権利」の欄である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書と公告を保管し、効力発生日(1項5号)と異議申述の期限を最初にカレンダーへ入れる2. 契約者としては「合併後における権利」の記載を読み、社員としての地位、配当の取扱い、既存の特約の承継可否を確認する3. 株主・新株予約権者としては1項2号の補償の方法と算定の前提を、備置きが始まる開示書類で確認する4. 反対の意思表示や買取請求などの個別の救済手段は、その合併に準用される会社法の規定によって有無が変わるため、通知書の手続案内と保険会社の窓口で適用条文を確認したうえで、決議日前に動く
訴えられた側:1. 存続会社が相互会社である以上、会社法749条型の契約書雛形は使えない。1項の六号を条項として立て、内閣府令で定める事項も洗い出す2. 準備金は2項の読替え(損失てん補準備金)を踏まえて設計し、基金との関係を整理する3. 新株予約権者へは3項の読替えにより承諾ではなく通知で足りるが、通知の欠落は手続の瑕疵として無効主張の入口になるため、送達記録を残す4. 内閣総理大臣の認可が必要な手続であることを前提に、監督当局との事前相談の時期を逆算して工程表を組む
時効(請求できる期限):本条自体に消滅時効の定めはない。実務上の時間軸は三つ。第一に合併契約に定める効力を生ずる日(1項5号)。第二に保険契約者への公告・通知で示される異議申述期間(保険業法上、一箇月を下らない期間とされる。最新の改正状況をご確認ください)。第三に効力発生後に争う場合の吸収合併無効の訴えで、効力が生じた日から6か月以内(会社法828条)。株主側は株主総会の決議日が実質的な分水嶺となる
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 会社法の制定により合併が吸収合併と新設合併に整理され、「吸収合併存続相互会社」「吸収合併消滅株式会社」という用語と、165条の7等への読替え構造が現在の形になった。改正回数と各改正の細目は未検証のため人的確認を要する
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、合併が吸収合併と新設合併に整理され、「吸収合併存続相互会社」「吸収合併消滅株式会社」の用語と165条の7等への読替え構造が現行の形になった。改正回数と細目は未検証
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