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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

保険業法 第83条(旧株式に関する質権)

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会社法第百五十一条第一項(各号を除く。)並びに第百五十四条第一項及び第二項(第二号に係る部分に限る。)(株式の質入れの効果)の規定は、株式会社が組織変更をした場合に当該組織変更によって株主が受けることのできる金銭について準用する。この場合において、同条第一項中「金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭」とあるのは「金銭」と、同条第二項第二号中「第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社」とあるのは「保険業法第六十九条第四項第一号に規定する組織変更後相互会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

この条文の基本情報

旧株式に関する質権とは何ですか?

定義旧株式に関する質権とは、保険業法第83条に定められた規定で、「会社法第百五十一条第一項(各号を除く。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第83条(旧株式に関する質権)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第83条の条文原文は「会社法第百五十一条第一項(各号を除く。」で始まります。
  3. 保険業法第83条は第一款 株式会社から相互会社への組織変更に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第83条の前の条は保険業法第82条です。
  7. 保険業法第83条の次の条は保険業法第84条です。
  8. 保険業法第83条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第83条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第83条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/83

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法83条は、保険会社の組織変更により株主が受け取る金銭に旧株式の質権が及ぶことを定める。会社から直接支払を受けられるのは登録株式質権者に限られる。

Q · 担保に取っていた保険会社の株式が、相互会社化で消えてしまったら質権はどうなるの?

消えません。質権は対価の金銭に移り、登録質なら直接受け取れます。

保険業法83条は、会社法151条1項および154条1項・2項2号を準用し、株式会社である保険会社が相互会社へ組織変更した場合に、旧株式上の質権が株主の受け取る金銭に及ぶことを定めています(物上代位)。したがって担保は消滅せず、目的物が株式から金銭へ入れ替わります。ただし会社から直接支払を受けられるのは株主名簿に記載された登録株式質権者だけで、略式質のままでは金銭が株主に支払われ、質権者は別途差押え等で追及する必要があります。

解説

保険会社が株式会社から相互会社へ姿を変えるとき、その株式に質権を設定していた銀行や取引先はどうなるのか。株式は消滅する。担保にしていたはずのものが、法人格の変身とともに手元から消える。ここで働くのが83条だ。会社法151条1項と154条1項・2項2号を準用し、組織変更によって株主が受け取る金銭の上に質権が当然に移る(物上代位)。しかも154条2項の準用によって、登録株式質権者であれば、会社はその金銭を直接質権者に支払わなければならない。あなたが融資担当なら、この一行の意味は重い。担保が消えるのではなく、担保の姿が「株式」から「金銭」へと入れ替わり、しかも登録質にしてあれば自分の口座に直接入る。逆に略式質のままなら、金銭は株主本人に渡り、あなたはそれを追いかける側に回る。準用条文の読み替え規定という無味乾燥な条文が、実は担保の生死を分けている。

法的な位置づけ

保険業法第83条は、株式会社である保険会社の組織変更に伴い旧株式が消滅する場合の質権の帰趨を定める準用規定である。会社法第151条第1項により質権の効力は株主が受け取る金銭に及び、同法第154条第1項・第2項第2号により登録株式質権者は当該金銭の直接支払を受ける。必要な技術的読替えは政令に委ねられる。

手順

  1. 1.組織変更の公告と効力発生日を特定する 保険会社の組織変更に関する公告、株主総会決議の日付、組織変更計画の対価条項を確認し、効力発生日までの残日数を把握する。効力発生日を過ぎると金銭の支払が実行され、直接支払の利益は取り戻せない
  2. 2.自分の質権が登録質か略式質かを確認する 株主名簿に質権者として自分の氏名・住所が記載されているかを確認する。株券の交付だけで登録していない略式質であれば、会社法154条2項の直接支払を受けられない立場にある
  3. 3.株主の協力を得て登録株式質権者へ切り替える 質権設定者である株主に対し、株主名簿への質権記載の共同請求を求める。質権設定契約に協力義務条項があればそれを根拠に催告し、拒否された場合は協力義務違反として書面で記録を残す
  4. 4.会社へ届出し、対価の支払先を質権者に指定させる 保険会社の株式事務担当部署へ登録株式質権者として届出を行い、組織変更により交付される金銭を直接支払うよう書面で求める。会社側の支払実務に反映されたかを効力発生日前に再確認する
  5. 5.切替えが間に合わない場合の保全手段を並行準備する 効力発生日までに登録が完了しない見込みであれば、株主が会社に対して有する組織変更対価の金銭債権について仮差押えを検討し、必要書類と担保金の手当てを進める

よくある質問 AI による整理

Q1保険業法83条とは何ですか?

株式会社である保険会社が相互会社へ組織変更した際、旧株式上の質権が株主の受け取る金銭に及ぶことを定めた準用規定です。会社法151条1項と154条1項・2項2号を読み替えて適用します。

Q2組織変更の対価の金銭はいつ支払われますか?

組織変更の効力発生日以後、組織変更計画の定めに従って支払われます。効力発生時期は保険業法86条、対価の定めは同法68条が規律します。効力発生前に質権者の届出を終えるかどうかが実務上の分岐点です。

Q3登録株式質権者になる手続きはどうすればいいですか?

質権設定者(株主)と共同で、会社に対し質権者の氏名・住所を株主名簿へ記載するよう請求します。株主の協力が必要なため、質権設定契約に協力義務を明記しておくことが実務上の定石です。

Q4相互会社への組織変更とはどういう意味ですか?

保険会社が株式会社の法人格から、保険契約者を社員とする相互会社へ組織形態を変えることです。株式は消滅し、株主には金銭が交付されます。組織変更後相互会社の定義は保険業法69条4項1号にあります。

Q5質権の効力が及ぶ金銭はいくらになりますか?

組織変更計画で定められた対価としての金銭の額です(保険業法68条参照)。本条は金額の算定基準を定めるものではなく、算定された金銭に質権の効力が及ぶという帰属の問題のみを規律します。

Q6会社が質権者ではなく株主に払ってしまったら違法ですか?

本条に固有の罰則はありませんが、登録株式質権者への直接支払義務に反する支払は債務の弁済として効力を認められず、二重払いのリスクを負います。支払先に疑義があれば供託(民法494条)も選択肢です。

Q7政令で定める技術的読替えとは何ですか?

条文末尾で、会社法の文言を保険業法の制度に合わせて置き換える細目を政令に委任しています。準用の射程は条文本体の読み替え指定と政令を併せて読まないと確定しません。

Q8組織変更に反対する株主は本条で保護されますか?

されません。本条は質権者の保護に限った規定です。反対株主の保護は組織変更の決議・対価に関する保険業法の各規定が担い、質権の帰趨と株主の不服申立ては別のルートで処理されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1株式が消えたら質権も消えるんじゃないんですか?

消えない。83条が準用する会社法151条1項により、組織変更で株主が受け取る金銭に質権の効力が及ぶ(物上代位)。目的物が入れ替わるだけである。実務のポイント:金融機関の担保管理では、この物上代位を「当然に及ぶから安心」と説明されることが多いが、実務家が本当に確認しているのは登録の有無である。効力が及ぶことと、金銭を自分の口座で受け取れることは別問題だ。

Q2登録質と略式質って、そんなに違うんですか?

決定的に違う。83条が準用する会社法154条2項2号により、直接支払を受けられるのは株主名簿に記載された登録株式質権者に限られる。略式質権者は株主に支払われた金銭を後から追いかけることになる。実務のポイント:略式質は手続が軽く設定時は好まれるが、組織再編や剰余金配当のたびに回収の実効性で差がつく。設定時の手間を惜しんだツケが、こういう局面で表面化する。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「組織変更で株式が消えれば担保も消える」と考えるのは、前提の立て方そのものが誤っている。問うべきは「担保は消えるか」ではなく「担保の目的物は何に変わるか、そして自分はその変わった目的物を直接受け取れる立場にあるか」である。83条は前者に「変わるだけ」と答え、後者は登録の有無で答えを分ける。
  • 質権の効力が金銭に及ぶことは知っていても、その深刻度を見落としがちだ。効力が及ぶことと、現実に金銭を手にできることは別次元の話である。略式質のままなら金銭は株主の口座に入り、株主が他の債務で追われていれば、その金銭は他の債権者との競合に巻き込まれる。効力が及ぶという法的正しさは、回収の実効性を保証しない。
  • 「準用・読み替え条文だから実務では読み飛ばしてよい」という感覚が実務者にも根強いが、この条文が指定する読み替え先(会社法744条1項1号の組織変更後持分会社を、保険業法69条4項1号の組織変更後相互会社に読み替える)を追わないと、そもそも準用の射程が確定しない。読み飛ばした結果、質権者への通知漏れが起きれば、会社側が責任を問われる。
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象保険業法83条:旧株式上の質権の帰趨(金銭への物上代位)保険業法68条:組織変更計画における対価の定め
保険業法86条:組織変更の効力発生時期
誰の利益を守るか株式に質権を設定した債権者(金融機関・取引先)対価を受け取る株主
会社・株主・契約者(法律関係の確定時点)
実務上の要所登録株式質権者であるか否かで直接支払の可否が分かれる対価の額と算定方法が担保価値そのものを決める
効力発生日が質権者の行動期限を事実上画する
準用・参照関係会社法151条1項・154条1項・2項2号を準用、技術的読替えは政令組織変更計画の記載事項として自己完結的に規律
保険業法69条の組織変更後相互会社の成立と連動

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
民法第899条・第901条/保険法第136条以下

台湾の保険業は株式有限会社または保険協同組合として組織され、日本型の株式会社から相互会社への組織変更制度はない。担保目的物が金銭に変わる局面は民法899条の物上代位が権利質に準用される形で処理される

韓国
상법 제339조・제340조

韓国も株式の質権について物上代位と登録質を商法で規律し、登録質権者が金銭を直接受領できる構造は日本と同型。保険会社の組織変更は保険業法が別途規律する

中国
民法典 第390条・第443条

中国は担保財産の滅失等により取得する金銭に担保権者が優先弁済を受けられる旨を民法典390条で一般化し、株式・持分質権は443条で登記を効力要件とする。登記制度が日本の登録質に近い機能を果たす

ドイツ
UmwG § 202 Abs. 1 Nr. 2

ドイツは組織形態の変更(Formwechsel)について、持分に対する第三者の権利が代わりの持分の上に存続する旨を明文化する。相互保険会社(VVaG)と株式会社の転換も組織変更法制の枠内で扱われる

アメリカ
UCC § 9-315

米国は担保権が identifiable proceeds に継続すると定め、組織再編で交付された金銭にも担保権が及ぶ。保険会社の demutualization/mutualization は州保険法の認可事項として別途規律される

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 融資の担保に保険会社の株式を取っていたところ、その保険会社が相互会社化を決議した。株式は消える。質権は消えるのか。83条が準用する会社法151条1項により、株主が受け取る金銭に質権の効力が及ぶ。ただしその金銭を確実に押さえられるかは、あなたが登録株式質権者かどうかで決まる。
  • もしあなたが略式質(株券の交付だけで登録していない質権)の状態で組織変更を迎えたら、どうなるか。質権の効力自体は金銭に及ぶが、会社法154条2項の直接支払を受けられるのは株主名簿に記載された登録株式質権者だけ。金銭は株主に支払われ、あなたは差押えなどで追いかけることになる。
  • 組織変更の公告を見つけてから効力発生日まで、残された時間はわずか。質権設定契約書を引っ張り出し、登録質への切替えを株主に求め、会社に質権者として届け出る。この数週間の動きが、担保の回収可能性を左右する。
  • 融資先の企業が「保有している保険会社株式を担保に入れます」と言ってきた。あなたはその保険会社が相互会社化を検討していないか、有価証券報告書と公告を確認することになる。組織変更は担保の性質を根本から変えるイベントだからだ。

取るべき行動

被害を受けた側:1. 組織変更の公告・株主総会決議の日付を確認し、効力発生日までの残日数を把握する2. 自分の質権が登録質か略式質かを株主名簿の記載で確認、略式なら株主に協力を求めて登録質へ切り替える3. 会社の担当部署へ質権者として書面で届出、組織変更対価の金銭の支払先を自分にするよう求める4. 株主が協力しない場合は、質権設定契約に基づく協力義務違反として催告し、並行して株主が受け取る金銭債権への仮差押えを検討する

訴えられた側:組織変更を行う保険会社側の立場であれば、1. 株主名簿の登録株式質権者の記載を最新化し、対象者を洗い出す2. 会社法154条2項の準用により、登録株式質権者へ直接支払う義務があることを支払実務に反映させる3. 略式質権者から届出があった場合の取扱いを事前に決めておく4. 支払先を誤ると二重払いのリスクを負うため、疑義がある場合は供託(民法494条)も選択肢に入れる

時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はないが、実務上の勝負どころは組織変更の効力発生日である。この日を過ぎると金銭の支払が実行される。金銭に転じた後の債権については、一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により現行保険業法が成立し、株式会社と相互会社の相互転換を含む組織変更の規律が整備された。旧株式に設定された質権の帰趨に関する準用規定もこの体系の一部として置かれている
  2. 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、準用先が商法の株式質入れ規定から会社法第151条・第154条へ書き換えられた。現行条文の「第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社」という読み替え指定はこの整備を反映したもの

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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