保険業法 第84条(登記)
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- 株式会社が組織変更をしたときは、組織変更の日から二週間以内に、その本店又は主たる事務所の所在地において、組織変更をする株式会社については解散の登記を、組織変更後相互会社については設立の登記をしなければならない。
- 2.前項の規定による設立の登記の申請書には、第六十七条において準用する商業登記法第十八条及び第十九条並びに第六十七条において読み替えて準用する同法第四十六条に規定する書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
- 一組織変更計画書
- 二定款
- 三株主総会及び保険契約者総会(保険契約者総代会を設けたときは、保険契約者総代会)の議事録
- 四第七十条第二項の規定による公告をしたことを証する書面
- 五第七十条第四項の異議を述べた保険契約者その他の債権者があるときは、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、相当の担保を提供し、若しくは当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託したこと又は当該組織変更をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないことを証する書面
- 六第七十条第六項の異議を述べた保険契約者の数が同項の保険契約者の総数の五分の一を超えなかったことを証する書面又はその者の同項の内閣府令で定める金額が同項の金額の総額の五分の一を超えなかったことを証する書面
- 七組織変更をする株式会社が株券発行会社であるときは、第六十九条第七項において準用する会社法第二百十九条第一項本文の規定による公告をしたことを証する書面又は当該株式の全部について株券を発行していないことを証する書面
- 八組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第六十九条第七項において準用する会社法第二百九十三条第一項の規定による公告をしたことを証する書面又は同項に規定する新株予約権証券を発行していないことを証する書面
- 九組織変更後相互会社の取締役(組織変更後相互会社が監査役設置会社である場合にあっては取締役及び監査役、組織変更後相互会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役)が就任を承諾したことを証する書面
- 十組織変更後の会計参与又は会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
- 一就任を承諾したことを証する書面
- 二これらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
- 三これらの者が法人でないときは、会計参与にあっては第五十三条の四において準用する会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、会計監査人にあっては第五十三条の七において準用する同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
- 十一基金の募集をしたときは、基金の拠出の申込み又は第七十八条第三項において読み替えて準用する第三十条の契約を証する書面
- 十二基金の募集をしたときは、第七十八条第三項において読み替えて準用する第三十条の三第一項の基金の払込みがあったことを証する書面
- 3.商業登記法第七十六条及び第七十八条(組織変更の登記)の規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
登記とは何ですか?
定義登記とは、保険業法第84条に定められた規定で、「株式会社が組織変更をしたときは、組織変更の日から二週間以内に、その本店又は主たる事務所の所在地において、組織変更をする株式会社については解散の登記を、組織変更後…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第84条(登記)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第84条の条文原文は「株式会社が組織変更をしたときは、組織変更の日から二週間以内に、その本店又は主たる事務所の所在地において、組織変更をする株式会社については解散の登記を、組織変更後…」で始まります。
- 保険業法第84条は第一款 株式会社から相互会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第84条の前の条は保険業法第83条です。
- 保険業法第84条の次の条は保険業法第84条の2です。
- 保険業法第84条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第84条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第84条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/84
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法84条は、株式会社が相互会社へ組織変更したとき、組織変更の日から二週間以内に解散の登記と設立の登記をすべきことを定める。申請書には異議手続を証する書面を添付する。
Q · 保険会社が相互会社になるとき、登記はいつまでに何をするの?
組織変更の日から二週間以内に、解散と設立の登記を同時に行います。
保険業法84条1項により、株式会社が組織変更をしたときは、組織変更の日から二週間以内に、本店又は主たる事務所の所在地で、株式会社については解散の登記を、組織変更後相互会社については設立の登記をしなければなりません。2項は設立の登記の申請書の添付書類として、組織変更計画書、定款、株主総会及び保険契約者総会の議事録、70条2項の公告を証する書面、異議を述べた契約者への弁済等を証する書面、異議者が五分の一を超えなかったことを証する書面などを列挙します。3項は商業登記法76条・78条を準用します。
解説
保険会社が株式会社から相互会社へ姿を変える。その瞬間、法人格そのものが入れ替わるわけではないが、登記簿の上では一方が「解散」し、他方が「設立」される。保険業法84条が定めるのは、その二週間という猶予だ。あなたが保険契約者なら、この条文は他人事に見えるだろう。だが2項に並ぶ添付書類の一覧を見てほしい。異議を述べた保険契約者への弁済・担保提供を証する書面、異議を述べた契約者が総数の五分の一を超えなかったことを証する書面。つまり、あなたが70条に基づいて異議を出したかどうか、その結果が法務局に提出される書類の中身を左右する。登記が通るということは、契約者保護の手続が全部済んだと国家が確認したということだ。逆に言えば、この書類群のどれか一つでも揃わなければ、組織変更は登記されない。契約者の異議申立ては、単なる意見表明ではなく、登記を止めうる法的な梃子である
法的な位置づけ
保険業法84条は、株式会社から相互会社への組織変更に伴う登記手続を定める規定であり、組織変更の日から二週間以内に解散の登記と設立の登記を行うべきことを規定する。2項は設立の登記の申請書に添付すべき書類を各号にわたり列挙し、3項は商業登記法76条及び78条を準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.効力発生日から逆算した日程表を先に作る 組織変更の効力発生日を仮置きし、70条2項の公告・異議申述期間、69条7項準用の株券提出公告、新株予約権証券の提出公告、基金の払込み完了日を逆算して配置する。二週間の登記期限は効力発生日が起算点であるため、公告期間が効力発生日をまたぐ設計にすると添付書類が揃わない
- 2.株券発行会社・新株予約権の有無を定款と登記簿で確定 定款と登記事項証明書を突き合わせ、株券発行会社かどうか、新株予約権が発行されているかを確定する。該当すれば84条2項七号・八号の公告を証する書面が必要になり、非該当であれば発行していないことを証する書面を作成する。この判定を後回しにすると登記が受理されない
- 3.70条の公告・催告と異議の集計体制を立ち上げる 70条2項の公告を実施し、異議を述べた保険契約者その他の債権者を受付日順に記録する。84条2項六号の五分の一要件は、異議者の人数と内閣府令で定める金額の双方について証明が必要なため、契約データベースと突合できる集計様式を事前に設計する
- 4.異議を述べた債権者への弁済・担保・信託を処理する 異議を述べた保険契約者その他の債権者があるときは、弁済、相当の担保の提供、信託会社等への相当の財産の信託、または害するおそれがないことのいずれかを選び、84条2項五号の証する書面を整える。どの手段を採るかで所要期間が大きく変わるため、異議受付の途中段階で方針を決める
- 5.機関・基金の書面を揃える 組織変更後相互会社の取締役(監査役設置会社なら監査役、監査等委員会設置会社なら監査等委員である取締役とそれ以外の取締役)の就任承諾書、会計参与・会計監査人を選任した場合の書面、基金の募集をした場合の拠出の申込み又は契約を証する書面と払込みがあったことを証する書面を収集する
- 6.効力発生日から二週間以内に解散と設立を同時申請 本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所へ、株式会社の解散の登記と組織変更後相互会社の設立の登記を同時に申請する。3項により商業登記法76条・78条が準用されるため、申請書の構成は組織変更の登記の一般則に従い、司法書士と事前に受付日を押さえる
よくある質問 AI による整理
Q1組織変更の登記はいつまでにすればよいですか?
保険業法84条1項により、組織変更の日から二週間以内です。本店又は主たる事務所の所在地で、株式会社の解散の登記と相互会社の設立の登記を行います。
Q2組織変更の登記に必要な添付書類は何ですか?
組織変更計画書、定款、株主総会及び保険契約者総会の議事録、70条2項の公告を証する書面、異議への対応を証する書面、異議者が五分の一を超えなかったことを証する書面などです(84条2項)。
Q3保険会社の登記簿に解散とあるのは倒産ですか?
組織変更による解散の登記であれば倒産ではありません。同時に相互会社の設立の登記が入り、権利義務は包括的に承継されます。登記の原因欄で破産・清算による解散と区別できます。
Q4株券発行会社だと追加で何が必要ですか?
69条7項で準用する会社法219条1項本文の公告をしたことを証する書面、または株式の全部について株券を発行していないことを証する書面の添付が必要です(84条2項七号)。
Q5新株予約権を発行しているとどうなりますか?
会社法293条1項の公告をしたことを証する書面、または新株予約権証券を発行していないことを証する書面を添付します(84条2項八号)。公告期間を日程表に織り込む必要があります。
Q6基金の募集をした場合の添付書類は?
78条3項で読み替えて準用する30条の契約又は拠出の申込みを証する書面と、30条の3第1項の基金の払込みがあったことを証する書面が必要です(84条2項十一号・十二号)。
Q7登記を二週間以内にしないとどうなりますか?
登記懈怠は過料の制裁対象となり得ます。加えて登記簿と実体が乖離した状態が続き、取引先の調査で不利に評価される実務上のリスクも生じます。制裁規定は最新の条文をご確認ください。
Q8登記の後で手続の瑕疵が見つかったら?
登記後の是正経路は86条の組織変更の無効の訴えです。出訴期間や判決の効力が法定されており、登記の単純な取下げや更正では処理できない構造になっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記簿に「解散」って書いてある保険会社、契約してて大丈夫なんですか?
組織変更による解散の登記であれば、会社が消滅したわけではありません。84条1項は同じ日に相互会社としての設立の登記も要求しており、この二つが対になっていれば法人格は継続し、保険契約もそのまま承継されます。実務のポイント:登記事項証明書の「登記記録に関する事項」欄には解散の原因が記載されます。破産・清算による解散か、組織変更による解散かはここで判別できる。原因欄を見ずに解散の二文字だけで判断するのは、実務家が最も嫌う読み方です
Q2契約者が反対したら、組織変更って本当に止まるんですか?
止まります。70条6項で異議を述べた保険契約者が総数の五分の一を超えた場合、または異議者の保険金額等が総額の五分の一を超えた場合、組織変更は実行できません。84条2項六号は、それを超えなかったことを証する書面を登記申請の添付書類としています。実務のポイント:五分の一という閾値は、実務上ほぼ到達しません。理由は単純で、多くの契約者が通知を読まないからです。異議の実効性は情報の伝播速度に依存する
間違えやすい点 AI による整理
- 「組織変更の登記は、決まったことを役所に報告するだけの事後処理」と思われがちだが、実際は逆方向の力を持つ。2項が要求する書類は、70条の異議手続・69条の株券提出公告・78条の基金払込みという先行手続が完了していなければ一枚も作れない。登記申請の場で、手続の穴が初めて可視化される
- 保険契約者の異議申立ては「意見を言うだけ」と受け取られているが、その深刻度が理解されていない。70条6項の異議者が総数の五分の一を超えれば、組織変更は実行できない。そして84条2項六号は、五分の一を超えなかったことを証する書面の添付を義務付ける。つまり異議の集計結果は、法務局に提出される公式書類として残る
- 「解散の登記が入っている=会社が消滅した」と読む人が多いが、組織変更における解散の登記は法人格の消滅を意味しない。同一の法人が株式会社から相互会社へ組織を変えただけで、権利義務は包括的に承継される。登記簿の外形と法的実質が乖離する典型例であり、この落差を知らないと取引判断を誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の位置づけ | 84条:組織変更手続の最終段階である登記(解散+設立の同時申請) | 70条:登記に先行する保険契約者その他の債権者の異議手続 86条:登記の後に瑕疵を是正する組織変更の無効の訴え |
| 期限の起算点 | 組織変更の日から二週間(1項) | 公告で定める異議申述期間(公告日から進行) 法定の出訴期間(条文で要確認) |
| 主たる名宛人 | 登記申請を行う会社および代理人(司法書士) | 保険契約者その他の債権者 無効の訴えの提訴権者(株主・社員・債権者等) |
| 違反・不備の効果 | 添付書類不備で登記が受理されない/登記懈怠は過料の対象 | 異議者が五分の一を超えれば組織変更を実行できない 無効判決により組織変更の効力が否定される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の組織を株式会社または協同組合に限定しており、相互会社という類型を持たない。組織形態の変更は会社法制の組織変更+変更登記で処理され、日本のように保険業法内に専用の登記規定を置く構造ではない
韓国も日本法を母法とし、株式会社から相互会社への組織変更と契約者保護手続を保険業法内に置く。異議手続と登記を連結させる基本構造は日本と近い
ドイツは相互保険会社(VVaG)を古くから制度化し、組織変更は一般法である組織再編法(UmwG)の中に専門の節を設けて規律する。日本が保険業法に取り込んでいる部分を、ドイツは組織再編法側で処理する分担になっている
米国は州ごとに mutualization / demutualization を規律し、契約者投票と保険監督官(Insurance Commissioner)の認可が中核になる。日本のように登記の添付書類要件で手続履践を担保する発想は薄く、行政認可型の統制が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが加入している生命保険会社が「相互会社へ移行します」という通知を送ってきた。同封された書面の隅に「異議のある方は○月○日までに」と小さく書いてある。この一文を読み飛ばすかどうかで、84条2項六号の「五分の一」カウントに自分が入るかどうかが決まる。異議者が五分の一を超えれば、組織変更そのものが進まない
- 司法書士として組織変更の登記申請を受任した。解散の登記と設立の登記は同時申請、期限は組織変更の日から二週間。基準日を一日でも読み違えれば過料の対象になり、依頼者の役員が制裁を受ける。あと3日、公告を証する書面がまだ届いていない
- もし、あなたが保険会社の総務部で組織変更プロジェクトを回していて、株券発行会社であることを誰も気付かないまま進めていたとしたら? 2項七号の株券提出公告を証する書面が用意できず、登記が受理されない。組織変更の効力発生日を過ぎてから発覚すれば、スケジュールは全部組み直しだ
- 投資家として保険会社の商業登記簿を取得したら、解散の登記と設立の登記が同日付で並んでいた。倒産したのかと一瞬焦るが、これは組織変更である。登記簿の読み方を知らないと、健全な会社を破綻会社と誤読する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険会社から組織変更の公告・通知が届いたら、異議申述期間の締切日を最初に確認する。70条4項・6項に基づく異議は期間内でなければ効力を持たない2. 契約内容が不利に変わる懸念があるなら、書面で異議を述べ、送付記録を残す3. 自分の契約が70条6項の内閣府令で定める金額の算定にどう反映されるか、保険会社の照会窓口に確認する4. 組織変更後に登記事項証明書を取得し、設立の登記の日付と添付書類の整合を確認したい場合は、登記所での閲覧範囲を司法書士に相談する
訴えられた側:1. 組織変更の効力発生日から逆算して、公告期間・異議申述期間・株券提出公告期間が全部収まる日程表を先に作る2. 2項各号の書類を一覧化し、作成責任部署を割り当てる。特に六号の五分の一要件の証明は集計作業を伴うため早期着手3. 株券発行会社・新株予約権発行の有無を定款と登記簿で確定させ、七号八号の公告を手配4. 二週間の登記期限は組織変更の日が起算点。解散と設立を同時申請する体制を司法書士と事前に固める
時効(請求できる期限):組織変更の日から二週間以内に、本店または主たる事務所の所在地で解散の登記および設立の登記をしなければならない(本条1項)。起算点は組織変更の効力が生じた日。登記懈怠は過料の制裁対象となる(会社法976条の過料規定が保険業法上の登記にも準用される構造。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条2項の添付書類は、70条の異議手続、69条7項準用の株券等提出公告、78条の基金の払込みといった先行手続の履践を登記官の形式的審査に載せるための装置と理解される。手続保障を登記要件へ組み込むことで、実体的瑕疵の多くが登記段階で捕捉される構造になっている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:旧保険業法(明治33年法律第69号)を全部改正して現行保険業法が制定され、株式会社と相互会社の相互移行に関する規律が整備された。本条はその組織変更手続の登記部分を担う。
- 2.平成26年(2014年) 改正:会社法改正に伴う整備により、監査等委員会設置会社に関する規律が各法に反映された。本条2項の取締役の就任承諾を証する書面の括弧書きにも、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役の区別が置かれている。
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