保険業法 第78条(組織変更における基金の募集)
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- 組織変更をする株式会社は、組織変更後相互会社の基金について募集を要する場合には、その要する額について保険契約者総会又は保険契約者総代会が終結した後(第七十六条第五項の場合にあっては、同項の株主総会の同意が得られた後)、遅滞なく、その募集をしなければならない。
- 2.組織変更をする株式会社は、前項の募集に応じて基金の拠出の申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
- 一第二十三条第一項第二号及び第四号から第六号までに掲げる事項
- 二新たに募集をする基金の額、当該基金の拠出者が有する権利及びその償却の方法
- 三払込みの期日
- 四基金の拠出に係る銀行等の払込みの取扱いの場所
- 3.第二十八条第二項から第六項まで、第二十九条から第三十条の二まで、第三十条の三(第二項及び第三項を除く。)並びに第三十条の五第二項及び第三項の規定は、第一項の募集について準用する。この場合において、これらの規定中「発起人」とあるのは「組織変更をする株式会社」と、「設立時に募集をする基金」とあり、及び「相互会社の設立時の基金」とあるのは「第七十八条第一項の募集に係る基金」と、第二十八条第四項中「第一項各号」とあるのは「第七十八条第二項各号」と、第三十条中「前二条」とあるのは「第七十八条第二項(第三号を除く。)及び同条第三項において準用する第二十八条第二項から第六項まで」と、第三十条の三第四項中「成立後の相互会社」とあるのは「組織変更後相互会社」と、第三十条の五第三項中「相互会社の成立後」とあるのは「組織変更後」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
組織変更における基金の募集とは何ですか?
定義組織変更における基金の募集とは、保険業法第78条に定められた規定で、「組織変更をする株式会社は、組織変更後相互会社の基金について募集を要する場合には、その要する額について保険契約者総会又は保険契約者総代会が終結した後(第七十六条第…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第78条(組織変更における基金の募集)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第78条の条文原文は「組織変更をする株式会社は、組織変更後相互会社の基金について募集を要する場合には、その要する額について保険契約者総会又は保険契約者総代会が終結した後(第七十六条第…」で始まります。
- 保険業法第78条は第一款 株式会社から相互会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第78条の前の条は保険業法第77条です。
- 保険業法第78条の次の条は保険業法第79条です。
- 保険業法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法78条は、組織変更をする株式会社が総代会終結後遅滞なく基金を募集し、申込希望者へ基金の額・拠出者の権利・償却の方法・払込期日等を通知すべきことを定める。
Q · 保険会社の相互会社化で「基金を出しませんか」と言われたら、何を最初に見るべき?
利回りではなく2項2号の「償却の方法」を先に読む
保険業法78条2項は、基金の拠出申込みをしようとする者への通知事項として、23条1項2号・4号から6号までの事項、募集する基金の額と拠出者が有する権利およびその償却の方法、払込期日、払込取扱場所の四つを列挙します。このうち出口条件を決めるのが「償却の方法」です。基金は資本金ではなく、償却時期は会社の財務状況と基金償却積立金の積立余力に左右されます。拠出者は相互会社の社員ではなく議決権も持たないため、通知書の償却条件が事実上唯一の防御線になります。
解説
保険会社が株式会社から相互会社へ姿を変えるとき、資本金という概念は消え、代わりに「基金」という独特の資金が土台になる。この78条は、その基金が足りないときに外部から拠出者を募る手続を定める。あなたが投資家としてこの募集に応じるなら、渡される通知書に何が書いてあるかが勝負を分ける。2項は通知すべき事項を四つ列挙している。募集する基金の額、拠出者が持つ権利、そしてその「償却の方法」だ。この償却の方法こそ、あなたの資金がいつどうやって返ってくるかを決める条項であり、株式の配当とは全く性質が異なる。基金の拠出者は社員(保険契約者)ではなく、議決権も持たない。にもかかわらず、会社が破綻すれば保険契約者への支払いより後回しになる立場に置かれる。通知書を受け取ったその日に読むべきは、金額ではなく償却条件である。
法的な位置づけ
保険業法78条は、組織変更をする株式会社が組織変更後相互会社の基金を募集する際の手続を定める規定である。1項が募集開始の時期を、2項が拠出申込希望者に対する通知事項四項目を、3項が相互会社設立時の基金募集に関する28条以下の規定の準用と読替えを定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.募集開始の起算点を確定する 保険契約者総会または保険契約者総代会の終結日を確認する。76条5項に該当する場合は株主総会の同意取得日が起算点になる。78条1項は「遅滞なく」としか定めないため、社内で募集開始予定日を文書化し、遅延の合理的理由を残せる体制にしておく
- 2.通知書に78条2項の四事項を漏れなく記載する 23条1項2号・4号から6号までの定款記載事項、募集する基金の額と拠出者が有する権利およびその償却の方法、払込期日、払込取扱場所を記載する。とくに償却の方法は償却の順位・基金償却積立金の要件・監督上の制約まで具体化する
- 3.準用条文の読替え一覧を作成する 78条3項が準用する28条2項から6項、29条から30条の2、30条の3(2項・3項を除く)、30条の5第2項・3項について、発起人を組織変更をする株式会社と読み替えるなどの対応表を作る。技術的読替えは政令に委ねられるため施行令も参照する
- 4.申込みの受付と払込期日を管理する 申込者ごとに申込書面の受領日、通知書の交付記録、払込期日を台帳化する。払込取扱場所の銀行等について当日扱いの締切時刻を確認し、期日直前の申込者には事前に周知する。期日を徒過した者は拠出者となる権利を失う
- 5.払込完了を確認し基金拠出者を確定する 払込期日後に払込取扱機関から払込金保管証明等を取得し、拠出者の確定と基金の額を確定する。募集額に未達の場合は組織変更計画の変更要否を直ちに検討し、当局への報告・協議ラインを確認する
よくある質問 AI による整理
Q1保険会社の組織変更とは何ですか?
株式会社と相互会社の間で会社の形態を変更する手続です。株式会社から相互会社への組織変更は保険業法68条以下に規定があり、78条は変更後の基金募集を扱います。
Q2基金の募集はいつから始めるのですか?
保険契約者総会または保険契約者総代会の終結後、76条5項の場合は株主総会の同意が得られた後、遅滞なく開始します。日数の明文はありません。
Q3基金拠出の通知事項は何ですか?
23条1項2号・4号から6号までの事項、募集する基金の額と拠出者の権利および償却の方法、払込期日、払込取扱場所の四つです(78条2項)。
Q4基金の払込期日に遅れたらどうなりますか?
78条3項が準用する30条の3の枠組みでは、期日までに払込みをしない者は基金の拠出者となる権利を失います。枠の確保は無効になります。
Q5基金拠出者は議決権を持てますか?
持てません。相互会社の社員は保険契約者であり、基金拠出者は社員ではありません。総代会での議決権も剰余金分配を受ける地位もありません。
Q6基金の償却はいつ行われますか?
会社が78条2項2号で通知した償却の方法に従って行います。償却には基金償却積立金の積立が必要なため、積立余力がない期は事実上進みません。
Q7基金と資本金の違いは何ですか?
資本金は株式会社の株主拠出を指し、相互会社には株主がいません。基金は相互会社の財産的基礎を担う資金で、償却により消滅する点が決定的に異なります。
Q8基金募集は会社法の募集株式と同じ手続ですか?
違います。78条3項は保険業法28条2項から30条の5までの相互会社設立規定を準用し、読替えを行う構造です。会社法199条以下は適用されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1基金って要するに資本金のことですか?
違う。相互会社には株主がいないため資本金という概念がなく、代わりに基金が財産的基礎を担う。拠出者は78条2項2号の償却の方法に従って償却を受けるが、償却された基金は消滅し、同額を基金償却積立金として積み立てる必要がある。実務のポイント:この積立義務があるため、償却しても会社の純資産は目減りしない設計になっている。逆に言えば、積立余力がない期には償却が進まない。財務諸表の基金償却積立金の推移を見れば、償却ペースが読める
Q2組織変更の途中で募集が集まらなかったら、どうなるんですか?
78条1項は募集を義務づけるのみで、未達の場合の帰結を直接定めていない。実務上は組織変更計画で定められた基金の額を前提に手続が組まれるため、未達は計画の変更または組織変更の頓挫につながりうる。実務のポイント:だからこそ実務では募集の前に引受先の内諾を固めてから総代会にかける。総代会の時点で引受先が未定という進め方は、それ自体が段取りの異常を示すシグナルになる
間違えやすい点 AI による整理
- 基金の拠出者を「相互会社の株主のような存在」と考える人が多いが、前提そのものが誤っている。相互会社の社員は保険契約者であり、基金拠出者は社員ではない。議決権もなく、剰余金の分配を受ける立場でもない。株式に近いのは名前の響きだけで、法的地位は債権に近い性質を持つ
- 「募集の手続は会社法の募集株式の規定に従う」と思われがちだが、78条3項は保険業法28条から30条の5までという相互会社設立の規定を準用する構造をとる。読み替え規定まで丁寧に追わないと、どの条文が適用されるのか特定できない。準用の連鎖こそがこの条文の実体である
- 基金の償却が「会社の任意」であることは知られていても、その深刻度は理解されていない。償却には基金償却積立金の積立が必要であり、健全性規制の下で会社が積立を優先できない局面では、償却は事実上停止する。拠出者から見れば期限の定めのない資金提供に近づく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 保険業法78条:組織変更後相互会社の基金募集 | 保険業法28条:相互会社の設立時の基金募集 会社法199条:株式会社の募集株式の発行 |
| 募集主体 | 組織変更をする株式会社 | 発起人 株式会社(取締役会等の決定) |
| 募集開始の起点 | 保険契約者総会・総代会の終結後(76条5項は株主総会同意後)遅滞なく | 設立手続の進行に応じて発起人が決定 募集事項の決定後、割当日までの手続に従う |
| 拠出者・引受人の地位 | 基金拠出者。社員ではなく議決権なし、償却により資金が戻る | 基金拠出者。同じく社員ではない 株主。議決権と剰余金配当請求権を持つ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の組織を株式有限公司または合作社に限定し、日本型の相互会社制度を持たない。相互扶助型は合作社の社員股金で処理されるため、基金の償却という概念に直接対応する制度がない
ドイツの相互保険社団は Gründungsstock(設立基金)を財産的基礎とし、日本の基金制度の淵源にあたる。返済・償却が監督上の健全性要件に服する点も共通する
フランスの société d'assurance mutuelle は fonds d'établissement(設立基金)を備える。組合員=契約者という構造は日本の相互会社と同様であり、基金拠出者と社員が分離する点も類似する
米国は州法ベースで、相互会社から株式会社への転換(demutualization)や相互持株会社化が中心的論点。株式会社から相互会社への逆方向の組織変更は実例が乏しい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の生命保険会社が相互会社化を進めており、あなたの会社に基金拠出の打診が来た。提示された利回りは魅力的に見える。だが78条2項2号の「償却の方法」欄を読むと、償却は基金償却積立金の積立を前提とし、監督上の制約で先送りされうると書いてある。利回りではなく出口を先に検証すべき場面である
- もし払込期日に一日でも遅れたら、あなたの申込みはどうなるのか。78条3項が準用する30条の3の枠組みでは、期日までに払込みをしない者は基金の拠出者となる権利を失う。銀行の窓口が閉まる時刻を読み違えただけで、確保したはずの枠が消える
- 保険契約者総代会で組織変更の決議は通った。しかし基金の募集が集まらない。この場合、組織変更そのものが計画通りに進まない。あなたが契約者側なら、総代会で賛成票を投じる前に「基金はいくら必要で、引受先の見込みはあるのか」を質問する権利がある
- 残された時間は払込期日まで10日。あなたが機関投資家の担当者で、通知書に記載された78条2項1号の事項(23条1項の定款記載事項の一部)を確認しようとしたが、原本が届いていない。この段階で書面の不備を指摘できるかどうかが、後に紛争になったときの立場を決める
取るべき行動
被害を受けた側:基金拠出を検討する側なら、まず通知書に78条2項の四事項がすべて記載されているか照合する。特に2号の償却の方法は、償却の順位、積立金の要件、監督当局の関与の有無まで確認する。次に払込期日と払込取扱場所を控え、銀行の当日扱い締切時刻を逆算する。記載に不足があれば書面で照会し、回答を保存する。この記録が後に募集手続の瑕疵を主張する基礎になる
訴えられた側:募集する会社側なら、総代会または総会同意の後「遅滞なく」募集を開始する義務を負う点をまず確認する。準用される28条2項以下、29条から30条の2、30条の3、30条の5第2項・3項の読み替えを一覧化し、通知書の記載事項と突き合わせる。読み替えの技術的部分は政令に委ねられているため、施行令の該当規定も必ず参照する。手続の瑕疵は組織変更全体の効力に波及しうる
時効(請求できる期限):1項の募集は保険契約者総会・総代会の終結後(76条5項の場合は株主総会の同意取得後)「遅滞なく」行う必要がある。具体的な日数の定めはない。払込みは2項3号で通知された払込期日までであり、期日を徒過すると拠出者となる権利を失う。組織変更全体の効力を争う場合の期間制限については、組織変更無効の訴えに関する規定を確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:基金は貸借対照表上は純資産の部に計上されるが、償却により消滅し拠出者へ返還される性質をもつことから、その法的地位は株式よりも債権に近いものと理解されている。基金拠出者は相互会社の社員ではなく、議決権や剰余金分配請求権を有しない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法全部改正(平成7年法律第105号)。相互会社に関する規定が全面的に整備され、株式会社から相互会社への組織変更および組織変更後相互会社の基金募集手続が現行の条文構成に置かれた
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