保険業法 第23条(定款の記載又は記録事項)
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- 相互会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
- 一目的
- 二名称
- 三主たる事務所の所在地
- 四基金(第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額
- 五基金の拠出者の権利に関する定め
- 六基金の償却の方法
- 七剰余金の分配の方法
- 八公告方法
- 九発起人の氏名又は名称及び住所
- 2.前項第八号に掲げる公告方法は、次に掲げる方法のいずれかとする。
- 一時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
- 二電子公告
- 3.相互会社が前項第二号に掲げる方法を公告方法とする旨を定款で定める場合には、その定款には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号に掲げる方法を定めることができる。
- 4.会社法第三十条(定款の認証)の規定は、前条第一項の定款の認証について準用する。この場合において、同法第三十条第二項中「第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項」とあるのは「保険業法第二十四条第二項において準用する第三十三条第七項又は第九項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
定款の記載又は記録事項とは何ですか?
定義定款の記載又は記録事項とは、保険業法第23条に定められた規定で、「相互会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第23条(定款の記載又は記録事項)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第23条の条文原文は「相互会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第23条は第二款 設立に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第23条の前の条は保険業法第22条です。
- 保険業法第23条の次の条は保険業法第24条です。
- 保険業法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第23条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法23条は、相互会社の定款に目的、名称、基金の総額、基金の償却の方法、剰余金の分配の方法、公告方法など九項目の記載を義務づける。記載内容自体は各社の定款に委ねられる。
Q · 生命保険の配当の決め方って、どの法律に書いてあるんですか?
法律ではなく、会社の定款に書かれています
保険業法23条1項7号は、剰余金の分配の方法を相互会社の定款の記載事項としています。つまり法律が命じているのは「定款に書くこと」だけで、配当の計算方法そのものは各社の定款と総代会の議案で決まります。同じく基金の総額、基金の拠出者の権利、基金の償却の方法も定款記載事項であり、契約者や基金拠出者が自分の権利を確認する先は、条文ではなく自社の定款になります。
解説
日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命。これらの正式名称の末尾には「相互会社」が付く。株主は存在しない。社員として名簿に載るのは、毎月保険料を払っているあなた自身である。保険業法23条は、その相互会社の定款に九つの事項を必ず記載または記録させる。目的や名称に混じって並ぶ「基金の拠出者の権利に関する定め」「基金の償却の方法」「剰余金の分配の方法」の三つが、会社の資本構造とあなたの配当の決め方を直接規定する。ところが法律はその中身を決めていない。書く場所だけを指定し、内容は各社の定款に委ねている。つまりあなたの配当ルールの本体は、国会が作った条文ではなく、あなたが一度も開いたことのない定款の一条に置かれている。さらに第八号の公告方法。電子公告を選んだ会社では、合併や組織変更の公告が日刊新聞紙に一行も載らない。
法的な位置づけ
保険業法23条は、相互会社の定款の絶対的記載事項を定める規定である。目的、名称、主たる事務所の所在地、基金の総額、基金の拠出者の権利、基金の償却の方法、剰余金の分配の方法、公告方法、発起人の氏名又は名称及び住所の九項目がこれに当たり、記載内容自体は各社の定款自治に委ねられ、公告方法は日刊新聞紙または電子公告のいずれかとされる。
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社とは何ですか?
保険業法に基づく保険会社専用の社団形式で、株主が存在せず保険契約者が社員となります。株式会社と違い出資と保険契約が重なる特殊な組織です。
Q2保険業法23条が定める定款の記載事項は?
目的、名称、主たる事務所の所在地、基金の総額、基金の拠出者の権利、基金の償却の方法、剰余金の分配の方法、公告方法、発起人の氏名又は名称及び住所の九項目です。
Q3相互会社の定款はどこで確認できますか?
多くの相互会社は公式サイトの会社情報欄に定款を掲載しています。掲載がない場合はカスタマーセンターや総務部門への問い合わせで入手を求めることになります。
Q4定款の記載事項が一つでも欠けたらどうなりますか?
九項目は絶対的記載事項であるため、一つでも欠ければ公証人の認証を通らず、定款として成立しません。設立手続はその時点で止まります。
Q5剰余金の分配の方法は法律で決まっていますか?
決まっていません。保険業法23条1項7号は定款に記載せよと命じるだけで、計算方法や配分基準の中身は各社の定款と総代会の決議に委ねられています。
Q6相互会社の定款は誰が作成しますか?
発起人が作成します。保険業法22条1項が定款の作成を定め、23条4項が会社法30条を準用して公証人の認証を必要としています。
Q7相互会社は株式会社に組織変更できますか?
できます。保険業法には相互会社から株式会社への組織変更手続が設けられており、その局面では基金の処理と剰余金分配のルールが割当計算の前提になります。
Q8定款の認証は誰が行いますか?
公証人です。保険業法23条4項が会社法30条を準用しており、読替えの技術的細部は政令で定められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生命保険の相互会社って、結局だれのものなんですか?
保険契約者が社員であり、株主は存在しない。基金の拠出者は資金を出した側だが社員ではなく、どこまでの権利を持つかは23条1項5号により定款で定まる。実務のポイント:大手相互会社は社員総会に代えて総代会を置いており、総代の選出方法は九項目の外側の任意的記載事項として定款に書かれている。自分の一票がどの段階まで届くのかは、その総代条項を読めば分かる
Q2電子公告の会社だと、大事なお知らせを見落としませんか?
その risk は構造上ある。2項は公告方法を日刊新聞紙か電子公告の二択とし、3項は定款に電子公告とだけ定めれば足りるとしている。予備として新聞を定めるのは任意だ。実務のポイント:会社サイトの電子公告ページは IR 情報とは別階層に置かれていることが多く、トップから二、三クリック潜る。合併や組織変更の局面で慌てて探すより、平時にブックマークしておくのが契約者側の自衛になる
Q3基金って資本金みたいなもの? ちゃんと返ってくるんですか?
株式とは性質が違い、償却される前提の資金である。償却に備えて積み立てるのが保険業法56条の基金償却積立金で、償却の方法自体は23条1項6号により定款記載事項となる。返済の時期や条件を法律が保証しているわけではない。実務のポイント:基金の償却原資と契約者配当の原資は剰余金という同じ財布から出る。拠出を検討するなら、その会社の過去の償却実績と配当実績を並べて見ると、経営がどちらを優先してきたかが読める
間違えやすい点 AI による整理
- 保険会社の契約者配当はどの法律で決まっているのかという問いの立て方が、すでに外れている。第七号は剰余金の分配の方法を定款に書けと命じるだけで、中身を指定していない。探す先は条文ではなく、その会社の定款と総代会の議案書である
- 基金の拠出者を株主のようなものだと考えていると足元をすくわれる。基金は償却される前提の資金であり(償却の原資は保険業法56条の基金償却積立金)、拠出者は社員ではないため議決権も持たない。どこまでの権利が付くかは第五号により定款次第となる
- 公告方法が定款記載事項であること自体は知っている人でも、その影響の深さを測れていない。電子公告を選んだ会社では、合併、組織変更、基金の募集といった契約者の利害に直結する公告が、会社サイト上だけで完結する。見落としの不利益は、構造上こちら側に寄ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法23条:相互会社の定款に必ず書く九項目 | 保険業法22条:発起人による定款の作成そのもの 会社法27条:株式会社の定款の絶対的記載事項 |
| 資本に関する記載 | 基金の総額、拠出者の権利、償却の方法の三点(1項4〜6号) | 定款作成・認証の前提のみで資本項目の列挙はない 設立に際して出資される財産の価額、発行可能株式総数など |
| 利益配分の記載 | 剰余金の分配の方法を定款記載事項とする(1項7号) | 規定なし 剰余金配当は定款の絶対的記載事項ではなく会社法の分配規制による |
| 欠けた場合の効果 | 絶対的記載事項の欠落で定款が認証を通らず成立しない | 定款自体が存在しなければ設立手続が進まない 同じく絶対的記載事項の欠落で定款は無効 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では保険業の組織が株式有限公司または合作社に限定され、日本型の相互会社は制度として置かれていない。章程の必要的記載事項は公司法・合作社法の一般規定によることになる
韓国の保険業法も相互会社の章を持ち、定款記載事項を法定する構造は日本と近い。ただし実務上、相互会社形態の大手生保はほとんど存在しない
ドイツの Versicherungsverein auf Gegenseitigkeit(VVaG)が日本の相互会社の母法にあたる。Satzung に記載すべき事項を法定する構造が共通する
米国は州法ごとに mutual insurance company の articles of incorporation 記載事項を定める。相互会社から株式会社への転換(demutualization)手続も州法が規律する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの生命保険会社が株式会社へ組織変更すると決めたら、その公告はどこに出る。定款が電子公告を選んでいれば、答えは会社ウェブサイトの電子公告ページだけだ。新聞を毎朝読んでいても気付けない。保険契約者に用意された異議を述べる手続は、その公告日から期間が起算される
- あなたが相互会社設立の発起人に名を連ねた。定款に発起人の住所の記載を落とした。第九号を欠いた定款は公証人の認証を通らず、設立スケジュールは振り出しに戻る
- 基金の拠出を打診され、返答の期限まであと五日。手元の募集資料には利回りの見通ししか書かれていない。だが拠出者の権利の内容と償却の方法は、第五号と第六号により定款にある。定款を取り寄せずに判を押せば、いつ償却されるかの主導権を会社側に全部預けることになる
- 今年の配当が去年より減った。コールセンターに電話しても運用環境という説明しか返ってこない。しかし剰余金の分配の方法は第七号の定款記載事項であり、剰余金処分は総代会の議案として上がる。あなたは社員の側にいる人間であって、単なる顧客ではない
- 友人から、生命保険の相互会社って結局だれのものなのと聞かれた。株主ではなく保険契約者だと答えられる。そして権利の中身が書いてある紙は法律ではなく定款であり、その定款に何を必ず書くかを決めているのが23条だと説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券で会社の正式名称を確認、末尾が相互会社かどうかを見る2. その会社の定款を入手(多くは公式サイトの会社情報欄に掲載、なければ問い合わせ) 3. 基金の総額、拠出者の権利、償却の方法、剰余金の分配の方法の四項目に付箋を貼る4. 総代会の招集通知が届いたら議案と定款を突き合わせ、疑問点は総代会前に書面で会社へ提出5. 定款が電子公告を採用しているなら、会社サイトの電子公告ページをブックマークし定期的に確認する
訴えられた側:1. 設立側であれば第一号から第九号の九項目を逐一チェック、一つ欠けた定款は認証段階で止まる2. 公告方法は電子公告か日刊新聞紙の二択であり、電子公告を定める場合は事故等で公告できないときの予備として日刊新聞紙を併記しておく(第三項) 3. 定款の認証は会社法30条の準用であり、読替えの技術的細部は政令に委ねられているため、政令の現行版を必ず確認4. 基金の拠出者の権利と償却の方法は後から争点化しやすい、募集資料と定款の文言の齟齬を事前に潰す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。九項目の記載漏れは公証人の認証段階で止まるため、期限管理は設立スケジュール側の問題となる。定款の瑕疵を前提に損害賠償を問う場合は一般の消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される。公告を起点とする異議手続の期間は公告日から起算される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 電子公告制度導入に伴う改正(改正年の特定に要検証) 2項で公告方法を日刊新聞紙と電子公告の二択とし、3項で電子公告を定める場合の記載の簡略化と予備的公告方法を規定した。条文が電子公告に言及していることから同制度導入後の改正を経ていることは確実だが、改正年と改正回数は人的検証が必要
- 会社法制定に伴う整備(改正年の特定に要検証) 4項が定款の認証について会社法30条を準用し、読替えの技術的細部を政令に委ねる構成になっている。会社法準用の形式であることから会社法制定後の改正を経ているが、改正前の商法準用時の文言との対応関係は未検証
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