保険業法 第56条(基金償却積立金の積立て)
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- 基金を償却するときは、その償却する金額に相当する金額を、基金償却積立金として積み立てなければならない。
- 2.基金に係る債務の免除を受けたときは、その免除を受けた金額に相当する金額を、基金の総額から控除し、基金償却積立金として積み立てなければならない。
この条文の基本情報
基金償却積立金の積立てとは何ですか?
定義基金償却積立金の積立てとは、保険業法第56条に定められた規定で、「基金を償却するときは、その償却する金額に相当する金額を、基金償却積立金として積み立てなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第56条(基金償却積立金の積立て)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第56条の条文原文は「基金を償却するときは、その償却する金額に相当する金額を、基金償却積立金として積み立てなければならない。」で始まります。
- 保険業法第56条は第四目 基金償却積立金及び損失てん補準備金に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第56条の前の条は保険業法第55条の4です。
- 保険業法第56条の次の条は保険業法第57条です。
- 保険業法第56条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第56条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第56条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/56
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法56条は、相互会社が基金を償却するとき、その償却額と同額を基金償却積立金として積み立てることを義務づける。債務免除を受けた場合も同額の積立てが必要となる。
Q · 相互会社が基金を返すとき、会社のお金は本当に減るの?
減りません。返した額と同額を積立金として社内に固定します
保険業法56条1項は、基金を償却するときに償却額と同額を「基金償却積立金」として積み立てることを義務づけています。基金という返済義務のある資金が外へ出ても、同額の資本が剰余金から永久資本へ振り替わるため、会社の資本は目減りしません。2項は債務免除を受けた場合も、免除額を基金の総額から控除したうえで同額の積立てを求め、迂回を封じています。原資は剰余金であるため、その年の契約者配当と競合します。
解説
日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命。これらの会社に株主は一人もいない。株主の代わりに資本の役割を担う金を外部から入れているのが「基金」であり、その正体は返済義務のある金である。ここに保険業法56条が立ちはだかる。基金を返す(償却する)なら、返した額と同額を「基金償却積立金」として積み立てよ、と。つまり返済分は剰余金から穴埋めされ、会社の体力は一円も減らない。しかもこの積立金は、保険業法6条1項が定める基金総額の最低ライン(政令で10億円)に算入される。基金は返しても、返した分だけ永久資本として社内に残る設計になっている。あなたがその会社の保険に入っているなら、あなたは株主ではなく社員(会社の構成員)であり、基金償却の原資は、あなたの契約者配当と同じ剰余金の財布から出ている。
法的な位置づけ
保険業法56条は、保険相互会社における基金償却積立金の積立義務を定める規定である。基金を償却する場合はその償却額と同額を、基金に係る債務の免除を受けた場合は免除額を基金の総額から控除したうえで同額を、剰余金から基金償却積立金として積み立てることを義務づけ、相互会社の資本維持を担保する。
よくある質問 AI による整理
Q1基金償却積立金とは何ですか?
相互会社が基金を償却した際、その額と同額を剰余金から積み立てる法定の積立金です。保険業法56条が根拠で、資本の目減りを防ぐ役割を持ちます。
Q2相互会社の基金とは何ですか?
株主のいない相互会社に外部から入る資本的資金です。銀行や事業法人が拠出し、基金利息が支払われ、いずれ償却(返済)される返還義務のある資金です。
Q3基金償却積立金は取り崩せますか?
基金の返済で開いた資本の穴を塞ぐための積立金であり、自由な取崩しは想定されていません。保険業法6条1項の基金総額の最低額判定にも算入されます。
Q4基金の債務免除を受けたらどうなりますか?
保険業法56条2項により、免除額を基金の総額から控除したうえで同額を基金償却積立金として積み立てます。免除分を配当原資に回すことはできません。
Q5基金償却積立金は貸借対照表のどこに載りますか?
純資産の部に表示されます。基金および剰余金と並ぶ相互会社特有の項目で、ディスクロージャー誌の貸借対照表と剰余金処分案で確認できます。
Q6基金償却は契約者配当に影響しますか?
影響します。償却に伴う積立ての原資は剰余金であり、契約者配当準備金繰入と同じ財布から出るため、その年の分配可能な剰余金が圧縮されます。
Q7基金を償却しないとどうなりますか?
56条は償却を強制する規定ではありません。剰余金が薄い年は償却を先送りする判断もあり得ます。義務が生じるのは償却または債務免除を実行したときです。
Q8基金償却積立金は基金の総額に含まれますか?
保険業法6条1項の基金の総額の最低額判定では、基金償却積立金を含めて判定されます。償却しても法定最低額を維持できる設計になっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社って株主がいないなら、最初のお金は誰が出してるんですか?
基金拠出者です。銀行や事業法人などが「基金」を拠出し、会社は基金利息を払い、いずれ償却(返済)します。会計上は純資産の部に表示されますが、法的性質は返還義務のある債務であり、だから56条が返済時の同額積立てを強制しています。実務のポイント:相互会社の資本政策を見るときは、基金の残高そのものより「償却済み額と基金償却積立金の推移」を追う方が実態に近い
Q2基金を返したら、その分だけ会社の体力は落ちるんじゃないですか?
落ちません。それが56条の狙いです。償却額と同額を剰余金から基金償却積立金として積むため、外へ出た金額と同じだけの資本が内部に固定されます。しかも保険業法6条1項は、基金の総額にこの積立金を含めて最低額を判定します。実務のポイント:だから相互会社は「返しては募る」を繰り返せる。返済のたびに永久資本が積み上がる設計で、実質は増資に近い
Q3基金の債務免除を受けたら、その分が浮いて配当を増やせますか?
できません。56条2項は、免除を受けた金額を基金の総額から控除したうえで、同額を基金償却積立金として積み立てよと定めます。免除された分は分配可能な原資には回りません。実務のポイント:2項は抜け道封じの条文です。1項だけなら「返済せず免除してもらえば積立て不要」という迂回が成立してしまう。2項に迂回封じを置く構造は、金融法規を読むときの定番の勘所
Q4株式会社の保険会社と相互会社、契約者としてはどっちが得なんですか?
一概には言えません。相互会社は剰余金が契約者配当に回りやすい一方、基金利息と基金償却が同じ剰余金から先に出ます(保険業法55条)。株式会社は株主配当がある代わりに、増資で健全性を素早く回復できます。実務のポイント:比較するなら「契約者配当準備金繰入額が剰余金の何割か」を数年並べる。会社形態そのものより、その割合の方があなたの手取りを説明する
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば、基金償却は「会社が借金を返して身軽になる」健全化の話だ。だが法律から見れば、償却は分配可能な剰余金を削る行為であり、契約者配当と正面から競合する。この落差を知らないまま「財務健全化」の見出しだけを読むと、自分の配当が減った理由が最後まで分からない
- 相互会社に株主がいないことは、多くの契約者が知っている。だが基金拠出者が存在し、彼らに基金利息が支払われ、元本もいずれ返済されることまでは知らない。保険業法55条は、損失の補填や基金償却積立金の積立てを済ませる前に基金利息を払うことを許していない。誰が先に、誰が後に金を受け取るのか、その順番は法律が決めている
- 「基金償却積立金は取り崩して使えるのか」という問いの立て方そのものがずれている。この積立金は、基金の返済で開いた資本の穴を塞ぐために存在する。取り崩すとは穴を開け直すことであり、その先には基金総額の法定最低額(保険業法6条1項)を割るという別の壁が待つ。問うべきは「どう使うか」ではなく「何を守るために動かせないのか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 保険業法56条:基金の償却・債務免除時の積立て | 保険業法55条:基金利息の支払・剰余金分配の制限 保険業法6条:基金の総額の最低額 |
| 義務の内容 | 償却額・免除額と同額を基金償却積立金として積立て | 損失補填・積立て等を経ない基金利息支払と分配の禁止 政令で定める額以上の基金総額の維持 |
| 契約者への効果 | 資本が維持される反面、分配可能な剰余金が圧縮される | 配当より先に会社の損失処理・積立てが行われる順序を確定 会社設立・存続の資本的下限を担保 |
| 積立金の位置づけ | 永久資本として社内に固定、分配側には戻らない | 支払・分配の時期と順位を規律するのみ 最低額判定に基金償却積立金を算入 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は相互会社形態の生命保険会社がほぼ存在せず、資本維持は株式会社を前提とした自己資本比率規制で担保される。機能的な対応関係にとどまる
韓国も相互保険の法形式を認めるが、実務上は株式会社形態が支配的であり、基金償却積立金に相当する運用例は限定的とされる
ドイツの相互保険社団も Gründungsstock(設立基金)を外部から受け入れ、その償却には剰余金からの手当てを要する構造をとる。日本の基金制度の源流と解される
米国の相互保険会社は Surplus Notes により外部資本を受け入れ、元利の支払には保険監督当局の事前承認を要する。返済を監督権限で抑制する点が日本の積立義務と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの入っている生命保険会社が基金を一括償却すると発表したら、契約者配当はどうなる? 償却の原資も配当の原資も同じ剰余金だ。56条1項が同額の積立てを強制する以上、その年の分配可能な剰余金は二重に削られる。決算資料の「基金償却積立金繰入額」の一行が、答えを先に告げている
- あなたが相互会社の経理部で基金償却の起案を担当している。稟議書に償却額だけを書いて回せば、56条1項の積立てを落とした計算書類として監査法人と当局のダブルチェックで差し戻される。基金の返済と積立金の計上は、常に同じ仕訳の表と裏だ
- 基金拠出者である銀行が、経営再建に協力して債務免除に応じた。だが会社は一円も得をしない。56条2項が、免除額を基金の総額から控除したうえで同額を積み立てろと命じているからだ
- 基金の償還期日まであと90日。今期の剰余金は想定を下回り、償却額と同額の積立金を積めば契約者配当の原資が消える。基金の新規募集で借り換えて乗り切るか、配当を削るか。相互会社の経営会議が最も緊張する分岐点がここにある
- 友人が「生命保険は相互会社の方が安心、株主に利益を吸われないから」と言ってきた。半分正しく、半分違う。株主はいないが基金拠出者はいて、彼らは基金利息を受け取り、いずれ元本を返してもらう。ただし56条があるおかげで、その返済であなたの安全網が薄くなることはない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約者なら、ディスクロージャー誌で「基金の総額」「基金償却積立金」「契約者配当準備金繰入額」を三年分並べる2. 償却が進む年は配当原資が二重に削られるため、配当率の変動理由をここで検証する3. 疑問は総代会の質問制度を使い文書で出す4. 基金拠出者なら、償還の予定があっても剰余金が薄い年は償却が先送りされうる前提で資金計画を組む
訴えられた側:1. 基金償却の起案は、同額の基金償却積立金繰入とセットで取締役会・総代会に諮る。片方だけの決議は56条1項違反2. 償却原資は剰余金であり、基金利息・契約者配当との優先順位(保険業法55条)を先に確定する3. 債務免除を受けた場合は2項の処理、基金の総額から控除し同額を積み立てる。分配原資には回せない4. 償却後の基金総額と積立金の合計が法定最低額(6条1項)を割らないか事前検証する
時効(請求できる期限):56条自体に期間の定めはない。積立ての時期は「償却するとき」「免除を受けたとき」であり、当該事業年度の計算書類と剰余金処分に反映させる必要がある。基金拠出者の返還請求権については、一般の消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)保険業法全部改正 現行保険業法(平成7年法律第105号)の制定により、相互会社の計算に関する規定群の一つとして基金償却積立金の積立義務が置かれた。その後の会社法制定に伴う整備等における文言修正の有無および債務免除に関する2項の追加時期は要検証
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により、相互会社の計算に関する規定群の一つとして基金償却積立金の積立義務が置かれた。以降の改正経緯および2項の追加時期は要検証
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