保険業法 第24条
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- 相互会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十二条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
- 一相互会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
- 二相互会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
- 三相互会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他相互会社に損害を与えるおそれがないものとして内閣府令で定めるものを除く。)
- 2.会社法第三十三条(定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第一号及び第三号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、相互会社の定款に前項各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときの検査役による当該事項の調査について準用する。この場合において、同法第三十三条第八項中「その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消す」とあるのは「その職を辞する」と、同条第十項第一号中「第二十八条第一号及び第二号」とあり、並びに同項第二号及び第三号中「第二十八条第一号又は第二号」とあるのは「保険業法第二十四条第一項第一号」と、同項第一号中「同条第一号及び第二号」とあるのは「同号」と、同条第十一項第三号中「第三十八条第一項」とあるのは「保険業法第三十条の十第一項」と、「同条第三項第二号」とあるのは「同項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第24条は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第24条の条文原文は「相互会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十二条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。」で始まります。
- 保険業法第24条は第二款 設立に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第24条の前の条は保険業法第23条です。
- 保険業法第24条の次の条は保険業法第25条です。
- 保険業法第24条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第24条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第24条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法24条は、相互会社の設立において、成立後に譲り受ける財産、発起人の報酬その他の特別の利益、設立費用の三事項を定款に記載しなければ効力を生じないと定める規定である。
Q · 相互会社を作るとき、設立後に不動産を買い取る約束は定款に書かないとダメですか?
定款に記載しなければ効力を生じず、約束は無効になります
保険業法24条1項1号により、相互会社の成立後に譲り受けることを約した財産は、その価額と譲渡人の氏名・名称まで定款に記載または記録しなければ効力を生じません。口頭合意や覚書だけでは法的にゼロです。一方、定款に記載すると同条2項が会社法33条を準用し、裁判所が選任する検査役の調査対象になります。書かなければ無効、書けば外部調査という二重の門が、発起人の自己取引を封じる構造です。
解説
生命保険会社の多くは「相互会社」という形態を取る。株式会社ではなく、契約者自身が社員(構成員)になる会社だ。その相互会社を新しく立ち上げるとき、保険業法24条は三つの項目に強烈な縛りをかける。設立後に譲り受ける約束をした財産(不動産、システム、営業権など)とその価額と譲渡人の名前、発起人が受け取る報酬や特別の利益とその発起人の名前、そして会社が負担する設立費用。この三つは定款に書かなければ「効力を生じない」。効力を生じないとは、つまり無効ということだ。あなたが発起人として動き、口頭で「成立後に私のビルを5億で買い取ってもらう」と約束していても、定款に書いていなければその約束は法的にゼロになる。さらに書いたら書いたで、裁判所が選ぶ検査役の調査対象になる(会社法33条準用)。書かなければ無効、書けば外部監査、この二重の門が発起人の私腹を肥やす経路を塞いでいる。
法的な位置づけ
保険業法24条は、相互会社における変態設立事項を定める規定である。成立後に譲り受ける約定財産とその価額・譲渡人、発起人が受ける報酬その他の特別の利益とその発起人、相互会社が負担する設立費用の三事項について、定款への記載または記録を効力発生要件とし、記載がある場合には検査役による調査手続を準用する。
よくある質問 AI による整理
Q1変態設立事項とは何ですか?
会社の設立時に発起人の自己取引になりやすく、財産的基礎を損なうおそれのある事項を指します。相互会社では保険業法24条1項の三号が該当し、定款記載が効力要件です。
Q2財産引受けを定款に書き忘れたらどうなりますか?
保険業法24条1項により効力を生じません。事後の承認で有効化する仕組みはなく、引き渡した財産と支払った代金は原状回復の対象となります。
Q3相互会社の設立費用は会社に請求できますか?
定款に記載した範囲でのみ請求できます。ただし定款の認証手数料など、内閣府令で相互会社に損害を与えるおそれがないとされる費用は記載なしでも会社負担にできます。
Q4検査役の調査はいつ必要になりますか?
保険業法24条1項各号の事項が定款に記載・記録されている場合、同条2項が会社法33条を準用し、裁判所選任の検査役による調査が必要になります。
Q5検査役の選任は誰が申し立てるのですか?
会社法33条の準用により発起人が裁判所に申し立てます。管轄は会社法868条1項の非訟事件の規定が準用され、決定には理由が付されます。
Q6検査役の調査結果に不服がある場合はどうなりますか?
会社法872条4号に係る部分の準用により即時抗告が可能な場面があります。ただし874条1号に係る部分の準用で不服申立てが制限される決定もあります。
Q7相互会社では発起人はどう読み替えられますか?
会社法33条8項の「設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消す」は、相互会社では「その職を辞する」と読み替えられます。株式がないためです。
Q8保険業法24条は株式会社の会社法28条と同じですか?
骨格は同じ変態設立事項ですが、相互会社には株主も設立時発行株式もないため、対象事項と読替えが異なります。現物出資の規律も相互会社では別建てです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社って株式会社と何が違うんですか、保険を選ぶとき関係ありますか?
相互会社には株主がおらず、保険契約者が社員として会社の構成員になります。株主への配当を出さない分、剰余金は契約者配当に回りうる構造です。設立時の規律も保険業法22条から24条で株式会社とは別建てになっています。実務のポイント:相互会社には株式がないため敵対的買収の対象になりません。この安定性が長期契約である生命保険と相性が良いとされ、一方で経営への監視が働きにくいという裏返しの弱点も指摘されています。どちらが自分に向くかは、配当実績と経営情報の開示姿勢を並べて見るのが実務的です
Q2定款に書かなかった発起人報酬は、あとから請求できないんですか?
保険業法24条1項2号に該当する発起人報酬・特別の利益は、定款に記載または記録がなければ効力を生じません。つまり請求権が発生しません。成立後に役員として選任され、正規の手続で役員報酬を受けるのは別の話です。実務のポイント:実務では設立準備の対価を発起人報酬として定款に載せず、成立後の役員報酬や業務委託契約で処理する設計が選ばれることがあります。検査役調査を避けられる反面、成立後の機関決定が必要になるため、支払いの確実性は下がります
Q3検査役って誰がなるんですか、断れないんですか?
会社法33条の準用により、裁判所が選任します。実務では弁護士や公認会計士が選ばれることが多く、当事者が選ぶことはできません。調査結果は裁判所に報告されます。実務のポイント:検査役調査は費用と時間の負担が重いため、実務では調査を回避できる例外要件(少額、市場価格のある有価証券、専門家の証明がある場合など)に乗せる設計が優先されます。設計段階でこの例外に当てはめられるかどうかが、設立スケジュールの分かれ道になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「定款に書き忘れても、あとで社員総会で承認すれば有効になる」と考える人がいる。だが24条1項は「効力を生じない」と書いている。取り消しうるでも無効を主張できるでもなく、最初から効力が発生しない。事後の承認で復活させる構造にはなっていない
- 財産引受けの規制自体は知っていても、その深刻度を見誤りやすい。定款不記載の財産引受けは無効なので、譲渡人はすでに引き渡した財産を返せと言えるし、会社側も支払った代金の返還を求められる。設立直後の会社が数億円規模の巻き戻しを迫られる事態は、保険契約者への信用不安に直結する
- 「発起人の報酬は労働の対価だから、書かなくても常識的に払われるはず」という発想そのものが、この条文の前提とずれている。24条が警戒しているのは発起人が正当な対価を得ることではなく、発起人が自分で自分の取り分を決められる立場にあることだ。金額が妥当かどうかではなく、誰の目も通らずに決まることが問題視されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法24条:相互会社の変態設立事項(財産引受け・発起人報酬等・設立費用) | 保険業法22条:相互会社の定款の絶対的記載事項 保険業法23条:定款の公証人による認証 |
| 記載しない場合の効果 | 当該事項の効力が生じない(相対的記載事項) | 定款自体が無効となりうる(絶対的記載事項) 認証を欠けば定款が効力を生じない |
| 外部のチェック | 裁判所選任の検査役による調査(会社法33条準用) | 公証人の認証時および設立時取締役等の調査 公証人が記載事項の適法性を確認 |
| 守ろうとしている利益 | 発起人の自己取引を防ぎ、将来の社員(契約者)の財産的基盤を保全 | 会社の基本的同一性と組織の明確化 定款内容の真正性の確保 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では相互保険組織の設立は保険法が規律し、会社設立時の変態設立事項については公司法が裁判所選任の検査人による調査を定める。日本の二段構えと発想は共通するが、相互組織固有の条文密度は日本より薄い
韓国商法290条が変態設立事項(현물출자・재산인수・발기인의 특별이익・설립비용)を定め、保険業法が相互会社の設立を別途規律する。日本法の構造をほぼそのまま受け継いでいる
ドイツ株式法27条が Sondervorteile・Gründungsaufwand・Sachübernahme を定款記載事項とし、相互保険組織(VVaG)は保険監督法(VAG)が規律する。本条の系譜上の源流にあたる
米国では mutual insurance company の設立は州保険法と保険庁(Insurance Department)の免許審査で規律され、定款記載事項として列挙するより行政の事前審査に重点が置かれる点で発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが少額短期保険業者から本格的な相互会社への転換を構想し、自社所有のオフィスビルを設立後に新会社へ売却する計画を立てた。この計画は定款の「財産引受け」欄に、価額と譲渡人名まで明記しなければ丸ごと無効。口約束や覚書は法的に存在しないのと同じ
- 発起人として二年間、無報酬に近い形で設立準備に走り回った。成立後に役員報酬とは別の「創業功労金」を受け取る話が内々にあったが、定款に発起人名と金額が書かれていない。あと数日で創立総会。今から定款を直せば検査役調査で数か月遅れ、直さなければ功労金はゼロになる
- もし発起人が「設立費用は会社持ちにしよう」と考えて弁護士費用・コンサル費用・広告費を全部立て替えていたらどうなる? 定款に総額を書いていなければ、新会社に請求できない。ただし定款認証の手数料など内閣府令が定める例外項目は、書かなくても会社負担にできる
- 検査役の調査が入り、あなたが引き受けさせようとしていた不動産の価額が過大だと指摘された。会社法33条8項の準用により、株式会社なら「引受けの意思表示を取り消す」ところ、相互会社では「その職を辞する」と読み替えられる。つまり発起人の座を降りるという退路しか用意されていない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相互会社の社員(契約者)として設立時の財産引受けに疑義があるなら、まず定款の閲覧を請求する(保険業法上の閲覧・謄写請求権を確認)2. 定款に記載のない財産引受けが行われていた形跡があれば、その取引は無効であり、会社は代金の返還を請求できる立場にある3. 会社が動かない場合、社員代表訴訟の枠組みで発起人・取締役の責任追及が可能かを保険業法・会社法の準用規定に沿って検討する4. 金融庁への情報提供も並行して選択肢に入れる
訴えられた側:1. 発起人として財産引受けや報酬の記載漏れを指摘されたら、まず定款原本と創立総会議事録を確保し、記載の有無を事実として確定させる2. 記載がないなら無効を前提に、原状回復の範囲と時期を自ら提案する方が、追及を待つより損害が小さい3. 検査役の価額評価に不服がある場合、独立した鑑定を早期に用意する4. 記載漏れが単純ミスであることを示す準備段階の記録(メール、稟議書)を時系列で整理する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし無効な財産引受けに基づく不当利得返還請求は民法166条の一般消滅時効(権利行使できることを知った時から5年、権利行使できる時から10年)に服し、発起人の損害賠償責任も同様の時効管理が必要である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(変態設立事項の趣旨論):24条1項各号は、発起人が自己または第三者の利益のために会社の財産的基礎を害するおそれが類型的に高い行為を列挙したものであり、定款記載を効力要件とすることで透明化し、検査役調査によって価額の相当性を外部から検証する二段構えの規律と理解される。
相互会社固有の強化説:相互会社には株主が存在せず、設立時の財産流出のコストは将来加入する社員(保険契約者)に転嫁される。したがって株式会社の会社法28条と同一の骨格であっても、保険契約という長期継続的契約の性質上、規律の実質的必要性はより高いと説かれる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により、相互会社の設立に関する規定群の一部として本条が置かれ、商法の変態設立事項に相当する規律が相互会社向けに整備された。
- 2.平成17年(2005年)以降 改正:会社法の制定に伴う整備により、第2項の準用対象が旧商法の条文から会社法33条・868条以下の非訟事件手続規定へと置き換えられた(具体的な改正年月日は要確認)。
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