保険業法 第30条の10(設立時取締役等の選任等)
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- 設立時取締役(相互会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)、設立時会計参与(相互会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。)、設立時監査役(相互会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。)又は設立時会計監査人(相互会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。)の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
- 2.設立しようとする相互会社が監査等委員会設置会社(監査等委員会を置く相互会社をいう。以下この節、第七十六条第二項、第八十四条第二項第九号、第百六十一条第二項、第百六十三条第二項、第百八十条の三第四項、第百八十条の四第二項及び第四項並びに第三百二十二条第一項第六号において同じ。)である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(相互会社の設立に際して監査等委員となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
- 3.設立時取締役は、三人以上でなければならない。
- 4.設立しようとする相互会社が監査役会設置会社(監査役会を置く相互会社をいう。以下この節及び第百八十条の四第四項において同じ。)である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。
- 5.設立しようとする相互会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。
- 6.第八条の二第二項、第五十三条の二第一項(第五十三条の五第一項において準用する場合を含む。)において読み替えて準用する会社法第三百三十一条第一項、第五十三条の二第二項(第五十三条の五第一項において準用する場合を含む。)、第五十三条の四において準用する同法第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第五十三条の七において準用する同法第三百三十七条第一項若しくは第五十三条の七において読み替えて準用する同法第三百三十七条第三項の規定により成立後の相互会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の相互会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人となることができない。
- 7.第五十三条の二第一項(第五十三条の五第一項において準用する場合を含む。)において準用する会社法第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。
- 8.第一項及び第二項の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、相互会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。
- 9.会社法第四十七条(設立時代表取締役の選定等)の規定は相互会社(指名委員会等設置会社(指名委員会等を置く相互会社をいう。以下この節、第九十六条の四の三第一項、第百八十条の三第五項並びに第百八十条の四第三項及び第四項において同じ。)を除く。)の設立時代表取締役(相互会社の設立に際して代表取締役となる者をいう。以下同じ。)の選定及び解職について、同法第四十八条(設立時委員の選定等)の規定は相互会社(指名委員会等設置会社に限る。)の設立時委員(相互会社の設立に際して指名委員会等の委員となる者をいう。以下同じ。)の選定、設立時執行役(相互会社の設立に際して執行役となる者をいう。以下同じ。)の選任及び設立時代表執行役(相互会社の設立に際して代表執行役となる者をいう。以下同じ。)の選定並びにこれらの者の解職及び解任について、それぞれ準用する。この場合において、同法第四十七条第一項中「設立時取締役は」とあるのは「設立時取締役(保険業法第三十条の十第一項に規定する設立時取締役をいう。以下この条及び次条において同じ。)は」と、「取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には」とあるのは「指名委員会等設置会社(同法第三十条の十第九項に規定する指名委員会等設置会社をいう。次条第一項において同じ。)である場合を除き」と、「監査等委員会設置会社」とあるのは「監査等委員会設置会社(同法第三十条の十第二項に規定する監査等委員会設置会社をいう。)」と、「設立時監査等委員」とあるのは「設立時監査等委員(同項に規定する設立時監査等委員をいう。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
設立時取締役等の選任等とは何ですか?
定義設立時取締役等の選任等とは、保険業法第30条の10に定められた規定で、「設立時取締役(相互会社の設立に際して取締役となる者をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第30条の10(設立時取締役等の選任等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第30条の10の条文原文は「設立時取締役(相互会社の設立に際して取締役となる者をいう。」で始まります。
- 保険業法第30条の10は第二款 設立に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第30条の10の前の条は保険業法第30条の9です。
- 保険業法第30条の10の次の条は保険業法第30条の11です。
- 保険業法第30条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/30_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法30条の10は、相互会社の設立時取締役等の選任を創立総会の決議によると定める。設立時取締役は三人以上が必要で、株式会社のように取締役一人では設立できない。
Q · 相互会社の保険会社を作るとき、最初の取締役は誰がどうやって決めるんですか?
創立総会の決議で選任し、設立時取締役は三人以上必要です
保険業法30条の10第1項により、設立時取締役・設立時会計参与・設立時監査役・設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければなりません。発起人の指名だけでは選任になりません。人数も第3項で設立時取締役は三人以上と定められ、監査役会設置会社なら設立時監査役も三人以上(第4項)、監査等委員会設置会社なら監査等委員である設立時取締役も三人以上(第5項)が別枠で必要です。さらに第6項により、成立後の相互会社の役員になれない者は設立時役員にもなれません。
解説
相互会社という言葉に馴染みがなくても、日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命。この五社の契約者であれば、あなたは株主ではなく「社員」である。その相互会社を新しく作るとき、最初の取締役を誰にするかを決めるのは、発起人でも金融庁でもなく、創立総会という会議体だ。保険業法30条の10は、その選任を創立総会の決議に一元化し、さらに設立時取締役は三人以上、監査役会設置会社なら設立時監査役も三人以上、監査等委員会設置会社なら監査等委員である設立時取締役も三人以上、と人数の床を三段階で敷いている。株式会社の設立なら取締役一人でも作れる。相互会社ではそれが許されない。理由は単純で、相互会社には株主がいないからだ。株主による監視が構造的に存在しない組織で、契約者の保険料という他人の金を数十年預かる。その空白を埋めるのが、この人数要件と資格制限であり、あなたが払った保険料を守る最初の柵がここにある。
法的な位置づけ
保険業法30条の10は、相互会社の設立時役員の選任方法と人数要件を定める規定である。設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役、設立時会計監査人の選任は創立総会の決議によることとし、設立時取締役は三人以上、監査役会設置会社では設立時監査役三人以上、監査等委員会設置会社では監査等委員である設立時取締役三人以上を要求する。成立後の役員資格制限は設立時にも及ぶ。
よくある質問 AI による整理
Q1設立時取締役とは何ですか?
相互会社の設立に際して取締役となる者をいいます(保険業法30条の10第1項)。会社成立と同時に取締役になる予定者で、成立前の段階から設立時代表取締役の選定などの権限を持ちます。
Q2相互会社の設立時取締役は何人必要ですか?
三人以上です(第3項)。株式会社なら取締役一人でも設立できますが、相互会社には株主がいないため、合議による内部牽制を設立の入口で強制しています。
Q3創立総会とは何ですか?
設立中の相互会社において社員となる者で構成される会議体で、設立に関する事項を決議します。保険業法30条の9が招集・決議手続を定め、30条の10はその創立総会に役員選任権を一元化しています。
Q4設立時取締役はいつまで解任できますか?
相互会社の成立の時までです(第8項)。成立前なら創立総会の決議で解任できますが、成立後は社員総会の招集手続が必要となり、同じ人物を外すコストが一気に上がります。
Q5監査等委員会設置会社の場合、設立時取締役は何人必要?
第3項の三人以上に加え、第5項により監査等委員である設立時取締役だけで三人以上が必要です。第2項で監査等委員とそれ以外を区別して選任する必要もあります。
Q6設立時取締役になれない人はいますか?
います。第6項により、成立後の相互会社の取締役・会計参与・監査役・会計監査人になれない者は、それぞれ対応する設立時役員にもなれません。資格制限が設立段階に前倒しされています。
Q7設立時代表取締役は誰が選ぶのですか?
第9項が会社法47条を準用し、設立時取締役が選定します(指名委員会等設置会社を除く)。創立総会で選ばれた三人以上が、成立直後の代表者を決める構図です。
Q8設立時会計監査人の選任も創立総会ですか?
はい。第1項は設立時取締役・設立時会計参与・設立時監査役・設立時会計監査人の四者すべての選任を創立総会の決議によると定めています。会計監査人だけ別扱いにはなりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社と株式会社の保険会社、契約者として何が違うんですか?
相互会社では契約者が「社員」となり、社員総会(実際は総代会)を通じて経営に関与する立場になる。株式会社では契約者は単なる顧客で、経営に関与するのは株主だ。この違いが設立段階の役員人数要件(30条の10第3項の三人以上)にも表れている。実務のポイント:総代は事実上会社側の推薦で選ばれる運用が長く、株主総会ほどの緊張感はないと実務家は見ている。だが総代会資料は契約者なら請求できる。経営陣の構成と監査体制を確認したいときの最短ルートだ
Q2今から相互会社の保険会社を新しく作れるんですか?
法律上は可能で、その手続が30条の10を含む第2章に置かれている。ただし保険業免許(保険業法3条、5条)の審査に加え、設立時取締役三人以上と監査体制に応じた追加人数、全員の欠格事由クリアが要る。実務のポイント:近年の新規参入は圧倒的に株式会社形態で、相互会社の新設はほぼない。むしろ既存の相互会社が株式会社へ組織変更する流れが続いてきた。資本調達の柔軟性が理由であり、この条文が現実に動く場面は組織変更や再編の局面に移っている
間違えやすい点 AI による整理
- 相互会社は株式会社より「契約者本位で優しい組織」と語られがちだ。だが法が想定しているのは逆で、株主という監視者がいないぶん危険だという前提に立つ。だから設立の入口で取締役三人以上を強制する。株式会社なら取締役一人で設立できることと比べれば、この条文が優しさではなく警戒の産物だと分かる
- 「設立時取締役は発起人が選ぶ」という株式会社の感覚をそのまま持ち込む誤解。相互会社では第1項が創立総会の決議に一元化しており、発起人の指名だけでは選任にならない。株式会社の発起設立(会社法38条、40条)に対応する経路が、相互会社にはそもそも存在しない
- 設立時取締役の選任は形式的な通過儀礼だと思われている。実際には第9項が会社法47条・48条を準用し、設立時代表取締役の選定、指名委員会等設置会社なら設立時委員の選定・設立時執行役の選任まで、この段階で選ばれた人間が決める。誰が最初の三人になるかが、成立直後の権力配置をそのまま決めている
- 監査等委員会設置会社の場合、設立時取締役を三人揃えれば足りると読み違えやすい。第2項と第5項を合わせると、監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役を区別して選任したうえで、監査等委員である者だけで三人以上が必要になる。第3項の三人と第5項の三人は別勘定である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律事項 | 保険業法30条の10:設立時役員の選任方法と人数要件 | 保険業法30条の9:創立総会の招集・決議手続 保険業法53条の2:成立後の役員の資格制限(会社法331条準用) |
| 適用される時点 | 創立総会の時から相互会社の成立の時まで | 創立総会の招集・開催の場面 相互会社の成立後(役員の就任・在任中) |
| 人数の床 | 設立時取締役3人以上、設立時監査役3人以上(監査役会設置会社)、監査等委員である設立時取締役3人以上 | 人数要件なし(定足数・決議要件の問題) 人数要件なし(欠格事由の問題) |
| 違反した場合 | 選任の効力を欠き、設立手続の瑕疵として登記・免許審査で顕在化 | 創立総会決議の瑕疵として争われる 就任が無効となり、成立後の役員構成に瑕疵が生じる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の組織を株式会社または協同組合(合作社)に限定し、相互会社形態を採用していない。したがって設立時役員の人数要件という論点自体が生じず、会社法の取締役規定に吸収される
韓国も日本と同様に相互会社(상호회사)を法定し、設立手続と機関設計を保険業法内で規律する。日本法の構造を強く反映している
ドイツの相互保険社団は日本の相互会社の源流にあたる。社団法理を基礎に構成員たる保険契約者の地位を定め、監督法の枠内で機関設計を規律する
連邦統一法は存在せず、設立要件・役員数・相互会社から株式会社への転換(demutualization)手続はすべて州法に委ねられている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 生命保険の契約者向け通知に「社員総会(総代会)」という文字を見つけた。株主総会ではない。その組織形態の出発点にあるのが創立総会であり、30条の10はその創立総会が最初の経営陣を選ぶ場面を規律する。あなたが総代に選ばれる可能性も、制度上はゼロではない
- 少額短期保険業者や共済から本格的な保険会社への転換を検討する事業者が、株式会社ではなく相互会社を選ぼうとした。設立時取締役三人、監査役会を置くなら設立時監査役も三人、監査等委員会設置会社なら監査等委員である取締役も三人。役員候補だけで最低六人から九人を確保する必要がある。人集めの段階で計画が止まる
- もし、選任された設立時取締役の一人に、会社成立前に欠格事由(会社法331条1項の準用、保険業法53条の2)が判明したらどうなる? 第8項がある。相互会社の成立の時までなら、創立総会の決議で解任できる。成立後は社員総会の手続に移り、難易度が跳ね上がる。成立前後の線引きが実務の分岐点だ
- 設立時取締役として名前を貸してくれと頼まれた側の視点。第6項は、成立後の取締役になれない者は設立時取締役にもなれないと定める。名義だけのつもりでも、あなたは会社法47条の準用による設立時代表取締役の選定にも一票を持つ。責任は名義に比例しない
取るべき行動
被害を受けた側:相互会社の契約者(社員)として経営陣の選任・資格に疑問がある立場なら、1. 自社の保険証券と事業報告で相互会社か株式会社かを確認2. 相互会社なら社員総会または総代会の資料を取り寄せ、取締役の構成と監査体制(監査役会設置会社か監査等委員会設置会社か)を確認3. 資格や運営に法令違反の疑いがあれば金融庁の金融サービス利用者相談室へ情報提供4. 設立段階の瑕疵は成立後には設立無効の訴えの領域になり、個人での追及は現実的でない。監督当局ルートが実効的
訴えられた側:相互会社を設立しようとする発起人側なら、1. 設立時取締役三人以上を確保し、監査役会設置会社なら設立時監査役三人以上、監査等委員会設置会社なら監査等委員である設立時取締役三人以上を別枠で確保2. 全候補者について保険業法53条の2が準用する会社法331条1項の欠格事由を書面で確認3. 選任は必ず創立総会の決議で行い、監査等委員会設置会社なら監査等委員とそれ以外を区別して決議4. 議事録に区別選任の事実と人数要件の充足を明記。登記段階で覆せない瑕疵になる
時効(請求できる期限):本条自体に固有の時効はない。ただし第8項の創立総会による解任権は「相互会社の成立の時まで」という明確な期間制限があり、成立後は行使できない。設立手続の瑕疵を争う場合は、会社法の設立無効の訴え(相互会社について準用される規定)が成立の日から2年という出訴期間に服する(最新の準用関係と改正状況をご確認ください)
- 保険業法 第30条の9創立総会の招集と決議手続の前提規定
- 保険業法 第53条の2会社法331条を準用する役員資格制限の根拠
- 保険業法 第53条の4会計参与の資格に関する会社法333条の準用
- 保険業法 第53条の7会計監査人の資格に関する会社法337条の準用
- 保険業法 第5条保険業免許審査における人的構成の要件
- 会社法 第47条設立時代表取締役の選定手続を準用
- 会社法 第48条指名委員会等設置会社の設立時委員選定を準用
- 会社法 第331条の2成年被後見人等の取締役就任規律を準用
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