保険業法 第5条(免許審査基準)
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- 内閣総理大臣は、第三条第一項の免許の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
- 一当該申請をした者(以下この項において「申請者」という。)が保険会社の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、申請者の当該業務に係る収支の見込みが良好であること。
- 二申請者が、その人的構成等に照らして、保険会社の業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
- 三前条第二項第二号及び第三号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合するものであること。
- 一保険契約の内容が、保険契約者、被保険者、保険金額を受け取るべき者その他の関係者(以下「保険契約者等」という。)の保護に欠けるおそれのないものであること。
- 二保険契約の内容に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
- 三保険契約の内容が、公の秩序又は善良の風俗を害する行為を助長し、又は誘発するおそれのないものであること。
- 四保険契約者等の権利義務その他保険契約の内容が、保険契約者等にとって明確かつ平易に定められたものであること。
- 五その他内閣府令で定める基準
- 四前条第二項第四号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合するものであること。
- 一保険料及び責任準備金の算出方法が、保険数理に基づき、合理的かつ妥当なものであること。
- 二保険料に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
- 三その他内閣府令で定める基準
- 2.内閣総理大臣は、前項に定める審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第三条第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。
この条文の基本情報
免許審査基準とは何ですか?
定義免許審査基準とは、保険業法第5条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、第三条第一項の免許の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第5条(免許審査基準)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第5条の条文原文は「内閣総理大臣は、第三条第一項の免許の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第5条は第一章 通則に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第5条の前の条は保険業法第4条です。
- 保険業法第5条の次の条は保険業法第5条の2です。
- 保険業法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法5条は、保険業の免許審査基準を定める。財産的基礎と収支の見込み、人的構成と社会的信用、約款の内容、算出方法書の妥当性の四基準を審査し、公益上必要なら免許に条件を付せる。
Q · 保険会社の免許って、資本金さえ用意すれば取れるものなんですか?
取れません。人的構成と社会的信用も審査されます
保険業法5条1項は、免許審査の基準を四つ定めています。財産的基礎と収支の見込み(1号)、人的構成に照らした知識・経験と十分な社会的信用(2号)、事業方法書及び普通保険約款の内容(3号)、保険料及び責任準備金の算出方法書の妥当性(4号)です。資本金は1号の一部にすぎず、実務で申請を長く止めるのは2号の人的構成です。さらに2項により、内閣総理大臣は公益上必要と認めるときは免許に条件を付し、後から変更することもできます。
解説
保険会社の免許は、金を積めば取れるものではない。5条1項が並べる審査基準は四つある。財産的基礎と収支見込み、人的構成と社会的信用、事業方法書と普通保険約款の内容、そして保険料及び責任準備金の算出方法書の妥当性。注目すべきは二番目だ。役員の経歴、体制、過去の実績、その「人」の部分で申請は止まる。カネと数理が完璧でも、人的構成が薄ければ免許は出ない。さらに2項が効く。内閣総理大臣は公益上必要と認めれば免許に条件を付け、後から変更できる。免許を取った後も条件という紐が付き続けるということだ。この審査が守っているのは申請者ではない。あなたが30年後に受け取るはずの保険金である。保険は契約した時点では商品が完成せず、支払いは数十年先にやってくる。だから法は、商品ではなく会社そのものを入口で審査する。
法的な位置づけ
保険業法5条は、保険業の免許申請に対する審査基準を定める規定である。内閣総理大臣は、申請者の財産的基礎と収支の見込み、人的構成に照らした知識・経験及び社会的信用、事業方法書及び普通保険約款の記載事項、保険料及び責任準備金の算出方法書の記載事項について、各号の基準に適合するかを審査しなければならず、公益上必要な限度で免許に条件を付し及び変更することができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.免許か登録かの制度選択を決める 想定する保険金額と保険期間を洗い出し、保険業法3条の免許を取るのか、272条の少額短期保険業の登録で足りるのかを先に決める。破綻時の保険契約者保護機構の適用可否、資本金水準、審査負荷が根本的に変わるため、事業計画の前提として最初に固める
- 2.1号(財産的基礎・収支見込み)の資料を組む 資本金又は基金の額(保険業法6条、施行令の最低額)を満たしたうえで、保険料設計、責任準備金の積立方針、再保険の手当てを織り込んだ収支見込みを作成する。資本金の充足は出発点にすぎず、収支の見込みが良好と評価されることが1号の要件である
- 3.2号(人的構成・社会的信用)を先に埋める 取締役・保険計理人・コンプライアンス責任者・内部監査体制の人材を、正式申請の半年以上前に確保する。役員個人の経歴、処分歴、関与会社の破綻歴まで審査対象になるため、候補者の段階でスクリーニングを行う。実務上、審査を最も長く止めるのがこの基準である
- 4.3号・4号の書類(約款・算出方法書)を起案する 事業方法書及び普通保険約款は、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないか、不当に差別的な取扱いがないかという観点で起案する。保険料及び責任準備金の算出方法書は数理的合理性と妥当性を保険計理人と詰める。免許後の変更には123条の認可が必要になるため、将来の商品展開を見据えた設計にしておく
- 5.金融庁と事前相談を行い、正式申請する 正式申請の前に金融庁と事前相談を重ね、各号のどこが弱いかを指摘してもらい潰しておく。正式申請後に拒否されると理由が記録として残り、次の申請でその履歴を背負うため、事前相談での修正のほうが圧倒的に安い。相談で論点が収束した段階で4条の申請書と添付書類を提出する
- 6.免許条件の内容と解除の道筋を確認する 免許に条件が付された場合、その内容、対象業務の範囲、解除または変更の要件と想定時期を書面で確認する。条件違反は業務停止や免許取消しの検討対象になりうるため(保険業法133条)、条件を社内の業務規程とモニタリング体制に落とし込む
よくある質問 AI による整理
Q1保険業の免許審査基準とは何ですか?
保険業法5条1項が定める四つの基準です。財産的基礎と収支の見込み、人的構成と社会的信用、事業方法書及び普通保険約款の内容、保険料及び責任準備金の算出方法書の妥当性を審査します。
Q2保険会社の免許は誰が出すのですか?
内閣総理大臣です(保険業法3条1項、5条1項)。実際の審査事務は金融庁が担い、免許申請前の事前相談から正式申請、審査という流れで進みます。
Q3免許の条件とはどういう意味ですか?
保険業法5条2項により、内閣総理大臣が公益上必要と認める限度で免許に付す制約です。取扱商品や業務範囲の限定などが典型で、付した後に変更することもできます。
Q4保険業の免許審査はどれくらいかかりますか?
法律上の期限はありません。行政手続法6条に基づく標準処理期間が金融庁から公表されていますので、最新の公表値をご確認ください。事前相談の期間はこれに含まれない点に注意が必要です。
Q5免許が下りなかったら争えますか?
争えます。拒否処分には行政手続法8条の理由提示義務があり、不服なら審査請求または取消訴訟を選べます。理由提示が不十分な処分は、それ自体が違法とされる余地があります。
Q6少額短期保険は免許が要らないのですか?
免許ではなく登録制です(保険業法272条)。保険金額と保険期間に上限がある代わりに参入要件が軽く、破綻時は保険契約者保護機構の対象外となる点が免許会社との決定的な差です。
Q7免許条件に違反するとどうなりますか?
業務停止命令や免許取消しの検討対象になりえます(保険業法133条)。条件は形式的な付款ではなく、行政が免許後も握り続ける監督手段として機能します。
Q8事業方法書や普通保険約款は後から変えられますか?
変更には内閣総理大臣の認可が必要です(保険業法123条)。5条1項3号・4号で免許時に審査された書類なので、商品改定にも審査の手続が伴います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ミニ保険と普通の保険会社って、結局どこが違うんですか?
免許(保険業法3条、5条)か登録(同272条)かの違いです。少額短期保険業者は保険金額と保険期間に上限がある代わりに参入要件が軽く、破綻時は保険契約者保護機構の対象外で供託金による処理になります。実務のポイント:ミニ保険が悪いのではなく、上限を理解して使えば合理的です。危ないのは終身の保障のつもりで加入し、更新のたびに条件が変わる設計に気付かないケース。契約前に「これは免許会社ですか、登録業者ですか」と一言聞くだけで判別できる(最新の改正状況をご確認ください)
Q2免許に条件が付いてる保険会社って、危ないってことですか?
必ずしも危険信号ではありません。5条2項の条件は、新規参入時に取扱商品や業務範囲を限定する形で付され、実績を積んで見直される例もあります。ただし条件に違反すれば業務停止や免許取消しの検討対象になりえます(同133条)。実務のポイント:免許条件の有無は金融庁の公表資料や会社の開示資料に現れます。乗り換えを検討するとき、返戻率より先にそこを見る人が、結果的に一番堅い選択をしている
間違えやすい点 AI による整理
- 「資本金さえ積めば免許は下りる」と思われがちだが、1項1号が求めるのは財産的基礎と収支の見込みの両方である。資本金は入口の条件にすぎず、保険料設計、責任準備金の積み方、再保険の手当てまで含めた収支の絵が「良好」と評価されなければ1号は満たさない
- 免許に条件が付くことは知っていても、その深刻度は知られていない。5条2項の条件は付けたら終わりではなく、後から変更できる。そして付された条件に違反すれば、業務停止や免許取消しの検討対象になりうる(保険業法133条)。条件は飾りではなく、行政が握り続けるハンドルである
- あなたから見れば免許は「会社の看板」だろう。だが法律から見れば、免許審査は事業方法書と普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書という商品の中身ごと承認する行為だ。だからこれらを変更するには改めて認可が要る(保険業法123条)。看板だと思って眺めていると、なぜ保険商品の改定にこれほど時間がかかるのかが永久に理解できない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 参入の法的性質 | 保険業法5条:免許審査の基準(3条の免許を前提とした実体審査) | 保険業法272条:少額短期保険業の登録(要件充足で登録) 保険業法4条:免許申請書と添付書類(申請の入口の形式) |
| 審査の中心 | 財産・人・約款・数理の四基準を総合審査 | 保険金額・保険期間の上限と登録拒否事由 書類の具備(事業方法書・約款・算出方法書の提出) |
| 契約者保護の帰結 | 免許会社として保険契約者保護機構の枠組みに入る | 保護機構の対象外、供託金等による処理 提出書類の内容が5条3号4号の審査対象になる |
| 免許後の拘束 | 2項の条件を付され、変更もされうる。違反は133条の対象 | 登録業者として監督を受けるが免許条件の枠組みはない 書類の変更には123条の認可が必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関(金融監督管理委員会)の設立許可制を採り、資本額に加えて発起人・経営陣の適格性を審査する点で日本の1項2号と発想が共通する
韓国も資本金要件に加え、事業計画の妥当性と人的・物的設備を許可要件として明文化しており、日本の四基準に近い構造を持つ
ドイツは BaFin による営業許可制で、経営者の信頼性と専門的適性(fachliche Eignung)を明文の要件とする。EU のソルベンシー II 指令の国内実装として財務要件が統一されている点が日本と異なる
米国は連邦免許ではなく州ごとの免許制。州保険庁が資本・剰余金要件と経営者の適格性を審査し、州をまたぐ営業には各州での免許取得が必要となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが毎月払っているペット保険が、実は5条の免許審査を一度も通っていない会社の商品だとしたら? 少額短期保険業者は免許ではなく登録(保険業法272条)で営業でき、破綻しても保険契約者保護機構の救済対象にはならない。広告や商品名からこの差は読み取れない。読み取れるのは金融庁が公表する免許・登録の一覧だけだ
- InsurTech で新しい保険商品を設計し、投資家からの資金も固まった。事業計画は緻密、資本金も規制水準を満たしている。ところが金融庁との事前相談で止まる。理由は1項2号の人的構成、保険計理人の体制とコンプライアンス責任者の経験が足りない。ローンチ予定まで残り6か月、採用しか手がない。免許審査で最も時間を食うのは、金でも書類でもなく人である
- 外資系保険会社が日本市場に参入する。本国での実績が十分でも、日本法人の役員に日本の保険規制を実務で回した人材がいなければ1項2号で足踏みする。新規免許ではなく既存の日本の保険会社を買収する戦略が選ばれる理由の一つが、この壁だ
取るべき行動
被害を受けた側:契約者・利用者の立場なら、1. 金融庁が公表する保険会社(免許)と少額短期保険業者(登録)の一覧で、その会社がどちら側かを確認する2. 少額短期であれば保険契約者保護機構の対象外であることを前提に、保障額と期間の上限を読む3. 免許会社ならソルベンシー・マージン比率と開示資料を確認4. 免許に条件が付いていないか、金融庁の公表資料や会社の開示で確認する。長期の保障を期待する契約ほど、この順番で見る価値がある
訴えられた側:免許を申請する側、または条件を付された側なら、1. 正式申請前の事前相談で1項各号のどこが弱いかを洗い出す、特に人的構成と保険計理体制2. 事業方法書・普通保険約款・算出方法書は3号4号の基準(保護に欠けるおそれ、不当な差別的取扱い、数理的合理性)を意識して起案する3. 拒否処分を受けたら理由提示の具体性を確認し、審査請求か取消訴訟かを選ぶ4. 条件を付されたら、解除の要件と時期を書面で確認しておく
時効(請求できる期限):免許審査そのものに法定の期限はないが、行政手続法6条に基づく標準処理期間が金融庁から公表されている(具体的日数は金融庁の公表を確認)。拒否処分や条件付与に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)保険業法全部改正、平成8年(1996年)施行 旧保険業法を全部改正して現行法が成立し、免許審査の基準を条文上明示する構造が導入された。行政裁量に委ねられていた参入審査を、財産的基礎・人的構成・約款内容・数理的妥当性という項目に分解して明文化した点が転換点である
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正により現行法が成立し(平成8年施行)、免許審査の基準が条文上明示された。行政裁量に委ねられていた参入審査を、財産的基礎・人的構成・約款内容・数理的妥当性という項目に分解して明文化した点が転換点である
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