保険業法 第5条の2(機関)
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- 保険会社は、株式会社又は相互会社であって次に掲げる機関を置くものでなければならない。
- 一取締役会
- 二監査役会、監査等委員会又は指名委員会等
- 三会計監査人
この条文の基本情報
機関とは何ですか?
定義機関とは、保険業法第5条の2に定められた規定で、「保険会社は、株式会社又は相互会社であって次に掲げる機関を置くものでなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第5条の2(機関)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第5条の2の条文原文は「保険会社は、株式会社又は相互会社であって次に掲げる機関を置くものでなければならない。」で始まります。
- 保険業法第5条の2は第一章 通則に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第5条の2の前の条は保険業法第5条です。
- 保険業法第5条の2の次の条は保険業法第6条です。
- 保険業法第5条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第5条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第5条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/5_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法5条の2は、保険会社を株式会社又は相互会社に限定し、取締役会、監査役会等、会計監査人の設置を規模を問わず義務づける。
Q · 保険会社って、合同会社やNPOでも作れるんですか?
株式会社か相互会社の二択で、三つの機関設置が必須
作れません。保険業法5条の2は、保険会社の器を株式会社又は相互会社の二つに限定し、そのうえで取締役会、監査役会・監査等委員会・指名委員会等のいずれか、会計監査人の三点セットの設置を義務づけています。会社法328条は監査役会と会計監査人を大会社にのみ求めますが、本条は規模を問わず全ての保険会社に求めます。引受規模を絞る場合は、少額短期保険業者の登録(保険業法272条)という軽装備のルートが別に用意されています。
解説
保険会社を作りたければ、選べる器は二つしかない。株式会社か、相互会社か。合同会社でも一般社団法人でも保険は引き受けられない。そのうえで取締役会、監査役会(または監査等委員会、指名委員会等)、会計監査人という三点セットを必ず置く。会社法328条が大会社にだけ課す重装備を、保険会社は規模を問わず開業初日から背負う。そして後半があなたに直結する。相互会社を選んだ会社では、保険契約者が原則としてその会社の「社員」になる。日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命はいずれも相互会社であり、そこに契約しているあなたは顧客であると同時に構成員の側にいる。総代会(保険業法42条)はあなたの代表が座る場であり、決算は会計監査人の監査を通ってから開示される。保険料を払う人と、会社を監視する仕組みの当事者が、同じ人物の中で重なっている。
法的な位置づけ
保険業法5条の2は、保険会社の組織形態と機関設計を強制する規定である。保険業を営む会社は株式会社又は相互会社のいずれかでなければならず、取締役会、監査役会・監査等委員会・指名委員会等のいずれか、及び会計監査人の設置が義務づけられる。会社法上の機関設計の自由に対する、保険業法上の特則として機能する。
手順
- 1.器を株式会社か相互会社かで先に決める 資金調達と支配構造から器を選ぶ。株式会社なら増資・上場の道が開けるが、相互会社なら契約者が社員となり短期の株主圧力から距離を置ける。合同会社や一般社団法人は本条により最初から選択肢に入らない
- 2.三点セットの機関を免許申請前に組成する 取締役会、監査役会・監査等委員会・指名委員会等のいずれか、会計監査人を設置する。監査役会を選ぶ場合は監査役3名以上かつ半数以上が社外(会社法335条3項)という頭数を先に確保する
- 3.資本金又は基金の最低額を満たす 保険業法6条と施行令が定める最低額を満たす資本金(株式会社)又は基金(相互会社)を確保する。払込みの証憑と資金の出所を説明できる形で整える
- 4.免許申請と軽装備ルートの費用比較を行う 保険業法4条の免許申請に進むか、引受金額と期間を絞って少額短期保険業者の登録(同272条)から始めるかを、機関維持コストと引受可能規模の両面で比較する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法5条の2とはどんな規定ですか?
保険会社の器と機関を強制する規定です。株式会社か相互会社に限定したうえで、取締役会、監査役会・監査等委員会・指名委員会等、会計監査人の設置を義務づけます。
Q2保険会社は合同会社で作れますか?
作れません。本条が認める器は株式会社と相互会社の二つだけで、合同会社、一般社団法人、NPO 法人はいずれも保険会社の形態として選択できません。
Q3日本の相互会社にはどんな会社がありますか?
日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命などが相互会社です。保険証券や約款に記載された正式商号の末尾で判別できます。
Q4少額短期保険業者にも本条は適用されますか?
本条は免許を受けた保険会社の規定です。少額短期保険業者は保険業法272条の登録制で、引受金額と期間に上限がある代わりに参入要件が軽くなっています。
Q5監査等委員会設置会社でも保険会社になれますか?
なれます。本条は監査役会、監査等委員会、指名委員会等の三つを並列の選択肢として掲げており、どれを選ぶかは各社の設計に委ねられています。
Q6相互会社が株式会社に転換するとどうなりますか?
社員である保険契約者に株式又は金銭が割り当てられる組織変更が行われます。2010年の第一生命の株式会社化がその例で、契約者の法的地位が社員から株主へ変わりました。
Q7保険会社の機関設計が欠けたらどうなりますか?
機関設計要件は免許取得後も継続して満たす必要があり、欠けた状態は業務改善命令や免許の取消し(保険業法132条、133条)の対象になりえます。
Q8保険会社の機関設計は会社法と何が違いますか?
会社法328条は監査役会と会計監査人を大会社にのみ義務づけますが、本条は規模を問わず全保険会社に求めます。器の選択肢も二つに絞られる点が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社の「社員」って、そこで働いている従業員のことじゃないんですか?
違う。相互会社の社員とは原則として保険契約者を指す。従業員は雇用関係にある人であって法律上の社員ではない。社員は総代会(保険業法42条)を通じて意思決定に関与し、剰余金の分配を受ける立場にある。実務のポイント:総代候補者を公募している相互会社は複数あり、条件は契約者であることと年齢等の要件程度。倍率は上場企業の株主提案より遥かに現実的で、一般契約者が実際に総代になっている。
Q2共済と保険、結局どっちが安全なんですか?
安全性の優劣ではなく、根拠法が違うと理解するのが正しい。保険会社は保険業法の免許(3条)を受け、本条の機関設計を強制され、破綻時は保険契約者保護機構の対象になる。共済は農協法や生協法など別の法律で運営され、少額短期保険業者(272条)と同じく保護機構の対象外だ。実務のポイント:商号に「共済」とあれば保険業法の免許会社ではなく、「少額短期保険」とあれば登録業者で保護機構の対象外。パンフレットではなく商号と約款末尾で判別できる。
Q3小さな保険会社にまで会計監査人が要るんですか? コストの無駄では?
要る。会社法328条は会計監査人と監査役会を大会社にだけ義務づけるが、本条は規模を問わず全ての保険会社に求める。保険料は数十年先の支払いのために預かる資金で、財務の健全性が契約者の人生設計に直結するからだ。実務のポイント:この重さを避ける制度上の逃げ道が少額短期保険業者(272条)の登録制で、引受金額と期間に上限がある代わりに参入障壁が低い。新規参入の多くがここから始まる。
Q4相互会社は上場していないから、経営が不透明なんじゃないですか?
上場していないのは事実だが、検証の仕組みは別ルートで制度化されている。保険業法111条が業務・財産の状況に関する説明書類の作成と公衆縦覧を義務づけ、本条により会計監査人の監査も必ず入る。実務のポイント:ディスクロージャー資料は各社サイトで誰でも読める。ソルベンシー・マージン比率200%が早期是正措置(保険業法132条)の一つの目安とされるが、契約前にこの数字を見る消費者は極めて少ない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社も普通の会社と同じで、規模が小さければ監査役一人で足りる」と思われがちだが、本条は規模を問わない。会社法328条が大会社にだけ課す監査役会と会計監査人を、保険会社は開業初日から全社が備えなければならない。小さいから軽い、という発想がそもそも通らない領域である。
- あなたから見れば相互会社は「保険を売っている会社」だが、法律から見ればあなた自身がその会社の構成員だ。この落差のせいで、多くの契約者が総代会の案内や意見アンケートをダイレクトメール扱いで捨て、毎年自分の発言権を無自覚に放棄している。
- 「共済も保険も似たようなもの」は平常時なら半分正しい。深刻なのは破綻時だ。保険業法の免許会社には本条の機関設計が強制され、保険契約者保護機構による救済もあるが、根拠法の異なる共済や、登録制の少額短期保険業者は保護機構の対象外である。同じ「万一の備え」が、万一のときに違う結末になる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法5条の2:会社の器と機関設計 | 保険業法3条:保険業を営む資格(免許制) 保険業法6条:資本金・基金の最低額 |
| 満たすタイミング | 免許申請前に組成し、取得後も継続して維持 | 開業の前提、無免許営業は刑事罰の対象 設立時に払込み、以後も維持 |
| 軽装備ルートの有無 | 少額短期保険業者(272条)は本条の対象外 | 少額短期保険業者は登録制で免許不要 少額短期保険業者は別途の低い最低額 |
| 契約者への影響 | 相互会社では契約者が社員となり総代会に連なる | 免許会社であれば保険契約者保護機構の対象 支払能力の初期的な担保 |
他国ではどう定めているか 4 か国
保険業の組織を株式有限公司又は合作社に限定する点で、組織形態を法定する構造は日本と同じ。相互会社に相当する器として合作社(協同組合)を置く点が異なる
保険会社の組織形態を株式会社・相互会社・外国保険会社に限る構造で、日本法と極めて近い。相互会社に関する規定も보험업법内に別編で置かれる
株式会社(AG・SE)、相互保険社団(VVaG)、公法上の団体・営造物の三形態に限定。相互会社形態を法定する発想の源流にあたる
連邦統一の単一条文はなく、州ごとの保険法典が stock insurer と mutual insurer を規律する。組織形態の制限と機関要件の内容は州により差がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが加入している「共済」が破綻したらどうなる? 共済は保険業法の免許会社ではないため、本条の機関設計の強制も、保険契約者保護機構による救済も及ばない。手元の証書を出して、引受主体が保険会社か共済かを今夜のうちに確認する価値がある。
- InsurTech で新しい保険を作ろうとしている側にいるとする。合同会社でスモールスタートという発想は入口で潰れる。株式会社化し、取締役会、監査役会等、会計監査人まで組んで初めて免許申請(保険業法4条)のテーブルに着ける。少額短期保険業者の登録(同272条)という軽装備ルートを取るか、既存保険会社の代理店として始めるか、設計の分岐は資金調達より先に来る。
- 保険証券の会社名の末尾を見る。「相互会社」とあれば、あなたは顧客ではなく社員だ。総代会の案内が届いたら、それは株主総会の招集通知と同じ重さを持つ。
- 親から30年続けている生命保険の見直しを頼まれた。契約先が相互会社なら、契約者配当は社員への剰余金分配という位置づけで会社の運用実績と直結する。ディスクロージャー資料(保険業法111条)でソルベンシー・マージン比率と会計監査人の監査を経た財務数値を確認してから、解約か継続かを判断できる。感情ではなく数字で答えられる相談相手になる。
- 総代候補者の公募は年に一度、受付期間は数週間しか開かない会社が多い。相互会社の社員であるあなたは、その期間内に手を挙げれば自社の意思決定に関わる側へ回れる。案内が郵便物の山に埋もれた時点で、その年の権利は消える。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券と約款で引受会社の正式商号を確認、末尾が相互会社なら自分は原則として社員である2. ディスクロージャー資料(保険業法111条)でソルベンシー・マージン比率と財務数値を確認3. 相互会社なら総代会の案内と意見アンケートに必ず目を通し、総代候補者の公募があれば応募を検討4. 引受主体が共済や少額短期保険業者なら、保険契約者保護機構の対象外である前提で、保障を一社に集中させない
訴えられた側:保険業に参入する側なら、1. 器の選択が最初の分岐、合同会社や一般社団法人は選択肢に入らない2. 取締役会、監査役会または監査等委員会・指名委員会等、会計監査人を免許申請(保険業法4条)の前に組成し、社外監査役の頭数(会社法335条3項)も先に確保3. 資本金または基金は保険業法6条と施行令の最低額を満たす4. 引受規模を絞れるなら、少額短期保険業者の登録(同272条)ルートとの費用比較を先に行う
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし機関設計要件は免許取得後も継続して満たす必要があり、欠けた状態は業務改善命令や免許の取消し(保険業法132条、133条)の対象になりうる。契約者側が損害賠償を求める場合は民法166条の一般消滅時効(権利行使できることを知った時から5年、権利行使できる時から10年)による(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:本条の機関設計強制は、保険契約が長期にわたり将来の支払を約束する性質を持つため、契約者個人による監視が構造的に不可能であることを根拠とする。参入の自由を制限する代わりに、組織内部に継続的な監視装置を埋め込む健全性規制として理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)会社法改正に伴う整備(要人的検証) 会社法改正により監査等委員会設置会社が新設され、委員会設置会社が指名委員会等設置会社へ改称されたことに伴い、本条が掲げる機関の選択肢も現在の文言に整えられたとみられる。本条自体が新設された時期と改正回数は未確認のため人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により現行保険業法が成立し、保険業の免許制と会社形態・組織規制の枠組みが整備された。本条自体が追加された時期および改正回数は未検証のため、人的確認が必要
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