保険業法 第30条の9(設立に関する事項の報告)
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- 発起人は、相互会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。
- 2.発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。
- 一定款に第二十四条第一項各号に掲げる事項(同条第二項において準用する会社法第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合第二十四条第二項において準用する同法第三十三条第二項の検査役の第二十四条第二項において準用する同法第三十三条第四項の報告の内容
- 二第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第十項第三号に掲げる場合第二十四条第二項において準用する同法第三十三条第十項第三号に規定する証明の内容
この条文の基本情報
設立に関する事項の報告とは何ですか?
定義設立に関する事項の報告とは、保険業法第30条の9に定められた規定で、「発起人は、相互会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第30条の9(設立に関する事項の報告)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第30条の9の条文原文は「発起人は、相互会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第30条の9は第二款 設立に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第30条の9の前の条は保険業法第30条の8です。
- 保険業法第30条の9の次の条は保険業法第30条の10です。
- 保険業法第30条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/30_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法30条の9は、相互会社の発起人に創立総会への報告義務を課し、定款に変態設立事項がある場合は検査役報告または価額証明の内容を書面・電磁的記録で提出させる。
Q · 相互会社の創立総会で、発起人は口頭の説明だけで済ませていいの?
変態設立事項があれば書面提出が必須で口頭では足りない
保険業法30条の9第1項は、発起人に相互会社の設立に関する事項を創立総会へ報告する義務を課します。さらに2項は、定款に現物出資や財産引受けなどの変態設立事項(同法24条1項各号)の定めがある場合、検査役の報告の内容、または弁護士・公認会計士・税理士等による価額証明の内容を記載・記録した書面または電磁的記録を創立総会に提出・提供することを義務付けています。検査役調査を省略できる場合でも、創立総会への開示義務は消えません。
解説
相互会社を立ち上げる場面で、発起人が創立総会の席に立つ。その瞬間に何を話し、何を紙(または電磁的記録)で出さなければならないかを、保険業法30条の9は定めている。ポイントは二段構えだ。1項は「設立に関する事項を報告せよ」という包括的な口頭報告義務。2項は、現物出資や財産引受けなど定款に変態設立事項(第24条1項各号)の定めがある場合に、検査役の調査報告の内容、または弁護士・公認会計士・税理士などによる証明の内容を、書面で創立総会に提出せよという義務だ。あなたが社員となる立場でその総会に座っているなら、この2項が生命線になる。口頭の説明だけで押し切られそうになったとき、「検査役の報告書を出してください」と言える根拠がここにある。書面が出てこない設立総会は、手続的瑕疵を抱えたまま走り出している。
法的な位置づけ
保険業法30条の9は、相互会社の設立における発起人の創立総会に対する報告義務および書面提出義務を定める規定である。1項が設立に関する事項一般の報告義務、2項が変態設立事項に係る検査役報告または価額証明の内容についての書面・電磁的記録の提出・提供義務を規律し、社員となる者への情報開示を制度的に担保する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.定款案で変態設立事項の有無を確認 創立総会の招集通知と定款案を照合し、保険業法24条1項各号(現物出資、財産引受け、発起人の報酬、設立費用)の記載があるかを確認する。記載があれば30条の9第2項の書面提出義務が起動する
- 2.検査役調査か証明ルートかを特定 検査役の選任・調査(保険業法24条2項が準用する会社法33条2項・4項)で進むのか、弁護士・公認会計士・税理士等の価額証明(同33条10項3号)で省略するのかを特定する。ルートにより提出すべき書面の内容が2項1号か2号かで変わる
- 3.総会前に書面の提供時期を書面で照会 社員となる立場であれば、総会当日ではなく事前に、発起人へ「2項各号の書面又は電磁的記録の提供時期」を書面またはメールで照会し、回答を保存する。事前照会の記録は後に手続的瑕疵を争うときの立証力が桁違いに高い
- 4.創立総会当日に配布書面を突合 議場で配布物の一覧を数え、検査役報告または価額証明の内容を記載した書面が含まれるかを確認する。要約の口頭読み上げのみは2項の要求を満たさない
- 5.提出がなければ議事録に記録を残す 書面が提出されない場合、議事録に「書面の提出なし」の記載を求める。拒否されたら自身の議事メモと録音で記録を残し、後日の決議取消し・設立無効の主張に備える
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社の創立総会とは何ですか?
相互会社の設立過程で、社員となる者が集まり設立の可否や定款・役員選任を決める会議です。発起人はここで保険業法30条の9に基づく報告を行います。
Q2変態設立事項とは何ですか?
現物出資、財産引受け、発起人の報酬、設立費用など、設立時に価額の水増しが起きやすい定款記載事項です。保険業法24条1項各号が列挙しています。
Q3検査役の調査は省略できますか?
保険業法24条2項が準用する会社法33条10項の要件を満たせば省略できます。ただし省略しても30条の9第2項2号の書面提出義務は残ります。
Q4創立総会への提出書面はいつまでに出すのですか?
条文上の期限規定はなく、履行時点は創立総会の開催時です。実務では招集通知への添付や事前の電磁的提供を併用し、提供の事実を記録に残します。
Q5報告義務に違反したらどうなりますか?
創立総会決議の取消事由や設立無効の主張材料になり得ます。発起人の任務懈怠責任や財産価額填補責任の追及につながる可能性もあります。
Q6電磁的記録での提供は認められますか?
2項は書面または電磁的記録を認めています。ただし電磁的方法の具体的要件は会社法および関係府省令の定めに従う必要があります。
Q7株式会社の募集設立と同じ規定はありますか?
会社法87条がほぼ同旨の報告義務を定めています。相互会社の創立総会規定は株式会社の募集設立と同じ設計思想で作られています。
Q8設立無効はいつまで主張できますか?
設立の日から2年以内に訴えをもってのみ主張できます(保険業法が準用する会社法828条1項1号)。決議取消しの訴えは決議の日から3か月以内です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検査役の報告書って、全文を配らないとダメなんですか?
2項1号が求めるのは「報告の内容」を記載した書面の提出であり、報告書そのものの全文写しに限られない。ただし内容の要点を恣意的に切り取れば、実質的に不提出と評価されうる。実務のポイント:実務では報告書の全文写しを添付するのが最も安全とされる。抜粋にすると、後日「不利な部分を落とした」と主張される余地を自ら作ることになる。
Q2電磁的記録での提供って、メールに PDF を添付すれば足りますか?
2項は「書面又は電磁的記録」の提出・提供を認めており、電磁的方法での提供自体は可能である。ただし相手方の承諾など、電磁的方法の要件は会社法および関係府省令の定めに従う必要がある。実務のポイント:送信記録が残るかどうかが後の分かれ目になる。開封確認の取れない一斉送信より、受領確認の返信を求める運用の方が、争いになったときの立証力は圧倒的に高い。
間違えやすい点 AI による整理
- 「報告義務なんて形式的なもので、守らなくても実害はない」と思われがちだが、深刻度の認識が足りない。設立に関する重要事項の不開示は、創立総会決議の取消事由(保険業法が準用する会社法の設立関係規定)や設立無効の主張の足場になる。数年後に組織の存立自体が揺らぐ種を、その日の手抜きが撒く。
- 「検査役の調査を弁護士の証明で省略できたのだから、総会への開示も省略できる」というのは前提が誤っている。24条2項が準用する会社法33条10項の省略は「検査役による調査手続」の省略であって、「創立総会への情報提供」の省略ではない。30条の9第2項2号は、省略ルートを選んだ場合の開示を明示的に義務付けている。省略の対象を取り違えると、開示漏れが起きる。
- あなたから見れば「発起人が誠実に説明してくれた総会」でも、法律から見れば「書面提出義務を果たしていない総会」でありうる。この落差は、後日紛争になったとき議事録という一枚の記録の上で決着する。誠実さは記録に残らない、書面の授受は残る。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 保険業法30条の9:創立総会での発起人の報告・書面提出 | 保険業法24条:変態設立事項と検査役調査の実体要件 保険業法30条の10:創立総会における定款変更等の決議事項 |
| 義務の名宛人 | 発起人 | 発起人(検査役選任の申立義務者) 創立総会(決議主体は設立時社員) |
| 履行の時点 | 創立総会の開催時 | 定款作成後・創立総会前(調査手続の段階) 創立総会の議事進行中 |
| 違反時の帰結 | 決議取消事由・設立無効の主張材料 | 価額の過大による発起人の財産価額填補責任 決議自体の瑕疵(取消し・無効) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも募集設立の創立会において発起人が設立事項を報告し、現物出資等については検査人の調査報告を要する構造をとる。相互保険会社については保険法が別途規律する
韓国商法は創立総会における発起人の報告と検査人の調査報告を定め、相互会社については保険業法が商法の設立規定を準用する日本と近い構造
ドイツは設立報告書(Gründungsbericht)と設立検査(Gründungsprüfung)を株式法で規律し、相互保険会社(VVaG)は保険監督法が別建てで規定する
米国は設立時の検査役制度を持たず、出資財産の評価は取締役会の善意判断に委ねられる。相互保険会社は州保険法と州保険長官の認可が中心で、開示規制の設計思想が大陸法系と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 共済団体を保険業法上の相互会社へ組織変更する準備段階で、発起人側が創立総会の議事レジュメだけを配って進行しようとした。定款には不動産の現物出資が書かれている。ここで検査役の報告書面が出ないなら、2項違反であり、後の設立無効の主張材料になる。
- もし発起人が、検査役の報告内容を要約して口頭で読み上げただけだったらどうなる? 2項が求めているのは「記載し、又は記録した書面又は電磁的記録」の提出・提供である。要約の口頭説明は条文の要求を満たさない。総会の議事録に「書面の提出なし」と残しておくかどうかで、後の争い方が変わる。
- 発起人の側に立つケース。金銭以外の財産を出資する社員がいて、その評価額が定款に記載されている。24条2項が準用する会社法33条10項3号の証明(弁護士等による価額証明)で検査役調査を省略した。その場合でも30条の9第2項2号により、証明の内容を書面で創立総会に出す義務は消えない。検査役を省略しても、開示は省略できない。
- 創立総会まであと5日。検査役の選任申立てが遅れ、報告書が総会日に間に合わない。この時点で選択肢は二つ、総会を延期するか、変態設立事項を定款から外して現物出資を金銭出資へ切り替えるか。走り出してから直す方が、何倍も高くつく。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 創立総会の招集通知と定款案を照合し、第24条1項各号(変態設立事項)の記載があるかを確認する2. 記載があれば、総会前に発起人へ書面で「2項各号の書面又は電磁的記録の提供時期」を照会し、回答を保存する3. 総会当日に書面が提出されなければ、議事録に「提出なし」の記載を求め、拒否されたら自分の議事メモと録音で記録を残す4. 設立後に評価の過大が判明した場合、発起人の財産価額填補責任の追及を検討する。
訴えられた側:1. 発起人側であれば、検査役選任の申立てから報告書受領までの所要期間を逆算し、創立総会日を設定する2. 会社法33条10項の省略ルートを使う場合でも、証明書の写しを総会提出用に別途準備する3. 書面は総会当日の交付だけでなく、招集通知への添付または電磁的提供を併用し、提供の事実を記録に残す4. 万一提出漏れが判明したら、総会後に追認決議を試みるより、当該決議を取り直す方が瑕疵は小さく済む場合が多い。
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限規定はないが、義務の履行時点は創立総会の開催時である。なお設立の無効は、設立の日から2年以内に訴えをもってのみ主張できる(保険業法が準用する会社法828条1項1号。最新の改正状況をご確認ください)。創立総会の決議取消しの訴えは決議の日から3か月以内(同法831条1項)。
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