保険業法 第340条(第三者の財産の没収手続等)
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- 第三百十七条の三第一項の規定により没収すべき財産である債権等(不動産及び動産以外の財産をいう。次条及び第三百四十二条において同じ。)が被告人以外の者(以下この条において「第三者」という。)に帰属する場合において、当該第三者が被告事件の手続への参加を許されていないときは、没収の裁判をすることができない。
- 2.第三百十七条の三第一項の規定により、地上権、抵当権その他の第三者の権利がその上に存在する財産を没収しようとする場合において、当該第三者が被告事件の手続への参加を許されていないときも、前項と同様とする。
- 3.金融商品取引法第二百九条の四第三項から第五項まで(第三者の財産の没収手続等)の規定は、地上権、抵当権その他の第三者の権利がその上に存在する財産を没収する場合において、第三百十七条の三第二項において準用する同法第二百九条の三第二項の規定により当該権利を存続させるべきときについて準用する。この場合において、同法第二百九条の四第三項及び第四項中「前条第二項」とあるのは、「保険業法第三百十七条の三第二項において準用する前条第二項」と読み替えるものとする。
- 4.第一項及び第二項に規定する財産の没収に関する手続については、この法律に別段の定めがあるもののほか、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法(昭和三十八年法律第百三十八号)の規定を準用する。
この条文の基本情報
第三者の財産の没収手続等とは何ですか?
定義第三者の財産の没収手続等とは、保険業法第340条に定められた規定で、「第三百十七条の三第一項の規定により没収すべき財産である債権等(不動産及び動産以外の財産をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第340条(第三者の財産の没収手続等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第340条の条文原文は「第三百十七条の三第一項の規定により没収すべき財産である債権等(不動産及び動産以外の財産をいう。」で始まります。
- 保険業法第340条は第七編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第340条の前の条は保険業法第339条です。
- 保険業法第340条の次の条は保険業法第341条です。
- 保険業法第340条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第340条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第340条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/340
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法340条は、没収対象の債権等が第三者に帰属する場合や第三者の抵当権等が存在する場合、当該第三者が手続への参加を許されていなければ没収の裁判をできないと定める。
Q · 他人の刑事裁判で、自分の抵当権が付いた財産が没収されそうなときはどうなりますか?
第三者の参加が許されない限り、没収の裁判はできません
保険業法340条1項・2項は、没収すべき債権等が被告人以外の第三者に帰属する場合、または地上権・抵当権その他の第三者の権利が存在する財産を没収しようとする場合に、当該第三者が被告事件の手続への参加を許されていないときは没収の裁判をすることができないと定めています。つまり第三者の手続参加は裁判所の恩恵ではなく、没収を有効に成立させるための要件です。権利を存続させるべき場合の手続は同条3項が金融商品取引法209条の4第3項から第5項までを準用し、その他の手続は4項が刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法を準用します。
解説
保険会社の役員が起こした事件の公判記録に、なぜあなたの名前が出てくるのか。答えは没収という制度にある。犯罪に関わった財産を国が取り上げるとき、その財産があなた(被告人以外の第三者)のものだったり、あなたの抵当権や地上権がその上に乗っていたりすることがある。保険業法340条が定めるのは一点、しかし決定的な一点だ。あなたが被告事件の手続への参加を許されていない限り、裁判所は没収の裁判をすることができない。つまりあなたには、他人の刑事裁判に割り込んで意見を述べる地位がある。これは裁判所の温情ではない。昭和37年に最高裁が「第三者に告知・弁解・防禦の機会(言い分を言う場)を与えない没収は憲法31条・29条に違反する」と判断した結果、立法で塞がれた穴である。参加を申し立てないまま審理が終われば、あなたの権利は他人の裁判で処分される。裁判所から届いた封筒を机の端に置いたままにしてはならない。
法的な位置づけ
保険業法340条は、第三者の財産に対する没収の手続的制限を定める規定である。同法317条の3第1項により没収すべき債権等が被告人以外の者に帰属する場合、および地上権・抵当権その他の第三者の権利が存在する財産を没収する場合において、当該第三者が被告事件の手続への参加を許されていないときは、没収の裁判をすることができない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起訴状・没収目録で対象財産を特定する 裁判所または検察庁からの通知が届いたら、まず起訴状と没収目録を読み、自分のどの債権・担保権が没収の対象に挙がっているかを特定する。通知が来ていなくても、取引先が保険業・金融業の役員として起訴されたと知った時点で対象財産の有無を確認する
- 2.刑事事件に対応できる弁護士に相談する 第三者参加は刑事手続の中で行うため、民事の債権回収とは別の専門性が要る。被告事件が係属している第一審裁判所と次回期日を確認し、参加の申立てに間に合うスケジュールを逆算する
- 3.善意で権利を取得したことを示す資料を時系列で固める 融資稟議書、契約日、登記の受付日、送金記録を時系列に並べ、犯罪の事情を知らずに権利を取得したことを客観的に示せる状態にする。権利を存続させるべきかの判断でここが効く
- 4.第一審裁判所に参加を申し立てる 被告事件が係属する第一審裁判所に、340条4項が準用する応急措置法の方式に従って参加を申し立てる。審理が終わる前に出さなければ実質的に意味を失う
- 5.参加許可後、権利を存続させるべき事情を主張する 参加が許可されたら、地上権・抵当権等を存続させるべき事情を主張する。この場面の手続は340条3項により金融商品取引法209条の4第3項から第5項までが準用される
よくある質問 AI による整理
Q1第三者所有物の没収とは何ですか?
被告人以外の者に帰属する財産、または第三者の地上権・抵当権が付いた財産を国が没収することです。保険業法340条は、その第三者を手続に参加させない限り没収の裁判をできないと定めています。
Q2保険業法340条の「債権等」とは何を指しますか?
不動産および動産以外の財産をいいます(340条1項の定義)。貸付債権、預金債権、株式などの権利が典型で、同じ定義が341条・342条でも共有されます。
Q3参加を申し立てないと権利はどうなりますか?
参加が許されていなければ没収の裁判自体ができません。ただし通知を受けながら参加しないまま手続が進み没収が確定すると、自分の言い分を述べないまま権利が処分される結果になり得ます。
Q4没収の参加手続はどこに申し立てますか?
被告事件が係属している第一審裁判所に申し立てます。手続の具体的な方式は、340条4項が準用する刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法と裁判所からの告知に従います。
Q5第三者所有物没収事件とはどんな判例ですか?
最高裁大法廷が昭和37年11月28日に、第三者に告知・弁解・防禦の機会を与えないまま所有物を没収する処分は憲法31条・29条に違反すると判断した事件です。本条の立法の出発点です。
Q6抵当権者に裁判所から通知は来ますか?
登記されている担保権者は起訴段階の没収目録で把握されやすく、告知の対象になります。一方で登記のない債権者は見落とされることがあるため、心当たりがあれば自分から裁判所に確認すべきです。
Q7保険業法340条と317条の3の関係は?
317条の3が没収そのものの根拠規定で、340条はその没収を第三者の財産に及ぼすときの手続要件を定めます。根拠があっても340条の参加要件を満たさなければ没収の裁判はできません。
Q8没収の裁判が確定した後でも争えますか?
原則として争う場は残りません。上訴権回復など例外的な救済を検討するほかなくなるため、実務上の勝負は第一審の審理が終わる前に参加を申し立てられるかで決まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1他人の刑事裁判なのに、自分が口を出していいんですか?
出してよい。340条1項・2項は、第三者が手続への参加を許されていないときは没収の裁判をすることができないと定めている。あなたの参加は例外ではなく、没収を成立させるための条件である。実務のポイント:検察官は起訴の段階で没収目録を作るため、登記されている担保権者は把握されやすいが、登記のない債権者は見落とされることがある。通知を待たず、自分から第一審裁判所に対象財産を確認しに行く人が権利を守る
Q2抵当権が付いた不動産が没収されたら、抵当権も一緒に消えるんですか?
必ず消えるわけではない。317条の3第2項が準用する金融商品取引法209条の3第2項により、第三者の権利を存続させるべき場合があり、その手続を340条3項が定めている。実務のポイント:存続させるべきかどうかの判断では、あなたが犯罪の事情を知らずに権利を取得したかが効いてくる。融資稟議書、担保設定日、資金の流れの記録を参加手続の早い段階で出せるかどうかで、担保権が残るか消えるかが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「自分は事件と何の関係もない部外者」である。だが手続から見れば、あなたは没収対象財産の権利者であり、参加しなければ意見を述べる機会がないまま処理される当事者だ。この落差が、無関係を主張して静観しているうちに権利を失わせる
- 没収されるのは被告人が持っている物だけ、という理解は正しい方向ではあるが浅い。実際には、地上権・抵当権その他の権利が乗っている財産が没収対象になったとき、その権利が消えるか存続するかが裁判所の判断に委ねられる。340条3項は、権利を存続させるべき場合の手続を金融商品取引法209条の4から借りてきており、あなたの担保権の運命はその手続の中で決まる
- 刑事裁判に部外者は入れない、と思われている。没収に関しては構造が逆で、第三者の参加を許さない限り裁判所は没収の裁判ができない。参加は裁判所が与える例外的な恩恵ではなく、没収を有効にするための要件そのものである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 保険業法340条:第三者財産を没収するための手続要件 | 保険業法317条の3:没収そのものの実体的根拠 刑法19条:没収の一般規定(犯人以外の者に属する物の原則的制限) |
| 第三者の位置づけ | 参加を許されていなければ没収の裁判ができない(1項・2項) | 没収の対象財産の範囲を画する 犯人以外の者に属する物は原則として没収できない |
| 準用先 | 3項=金融商品取引法209条の4第3〜5項/4項=応急措置法 | 2項において金融商品取引法209条の3第2項を準用 準用なし(刑法総則の一般規定) |
| 違反したときの効果 | 没収の裁判そのものができない(手続の瑕疵を突く余地) | 対象外財産の没収は実体的に違法 要件を欠く没収は違法 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は2016年の刑事訴訟法改正で第三人参与没収程序を独立の編として整備した。第三者が自ら参加を申し立てるほか、裁判所が職権で参加を命じる構造を採る点が日本より積極的
韓国は刑法48条で、犯人以外の者に属する物の没収を原則として制限する実体規定を置く。日本の刑法19条2項に近い構造で、第三者参加の手続は個別の特例法に委ねられる
被告人が逃亡・死亡した事件の違法所得没収手続において、利害関係人が訴訟に参加することを認める。通常の被告事件における第三者参加とは適用場面が異なる
ドイツは2017年の没収法改正で Einziehungsbeteiligter(没収関係人)の地位を刑事訴訟法に整備し、裁判所が参加を命じる決定手続を明文化している
米国の刑事没収では、没収命令後に ancillary proceeding が開かれ、第三者が自己の権利を主張する。日本と異なり、本案判決の後に第三者手続が続く順序を採る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが融資の担保に取った不動産の所有者が、保険会社の役員として起訴されたとしたら? 起訴状には没収の請求が入っている。第一審の審理が進むうちに参加を申し立てなければ、あなたの抵当権は自分がいない法廷で処分される。猶予は次回期日まで
- 保険代理店に貸し付けた債権が、犯罪収益として没収の対象に挙がった。あなたは事件の当事者ではない。だからこそ、参加を申し立てない限り、あなたの言い分はこの裁判記録に一行も残らない
- あなたが被告人の側に立っている場合も、340条は防御線になる。没収対象の財産に第三者の抵当権や地上権が乗っているのに、その第三者が手続への参加を許されていなければ、裁判所は没収の裁判をすることができない(340条1項・2項)。事実関係の争いとは別軸で、手続の瑕疵を突く余地がここにある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁判所や検察庁からの通知が届いたら、まず起訴状・没収目録で自分のどの財産(債権、担保権)が対象かを特定する2. 直ちに刑事事件に対応できる弁護士に相談し、第一審裁判所への参加の申立てを準備する3. 自分が犯罪を知らずに権利を取得したことを示す資料(融資稟議書、契約日、登記の日付、送金記録)を時系列で固める4. 参加が許可されたら、権利を存続させるべき事情を主張する。通知が来ていなくても、対象財産に心当たりがあるなら自分から裁判所に確認する
訴えられた側:1. 弁護人と没収請求の対象財産を洗い出し、第三者の所有物や第三者の権利が乗っている財産が含まれていないかを確認する2. 含まれていれば、当該第三者が手続への参加を許されているかを確認する。許されていなければ340条1項・2項により没収の裁判はできない3. 手続面の主張は事実認定の争いと両立するので、量刑の弁論とは別に整理して提出する4. 第三者との関係(担保設定の経緯)を示す資料を早期に開示し、無用な没収請求の範囲を絞らせる
時効(請求できる期限):特定の年単位の消滅時効はない。実質的な期限は当該被告事件の進行であり、参加の申立ては第一審の審理が終わる前に行う必要がある(具体的な期間と方式は刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法および裁判所からの告知に従う、最新の運用をご確認ください)。没収の裁判が確定した後は、上訴権回復などの例外的な救済を検討するほかなくなる
学説
通説:第三者の手続参加は、裁判所の裁量による恩恵ではなく没収の裁判を適法に行うための要件と解される。参加が許されていない状態で行われた没収は、実体判断の当否を問わず手続的に違法となる。
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