保険業法 第53条の24(委員の選定等)
クイックジャンプ
- 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第六十四条において単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。
- 2.各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。
- 3.各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。
- 4.監査委員は、指名委員会等設置会社若しくはその実質子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の実質子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。
この条文の基本情報
委員の選定等とは何ですか?
定義委員の選定等とは、保険業法第53条の24に定められた規定で、「指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第六十四条において単に「各委員会」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第53条の24(委員の選定等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第53条の24の条文原文は「指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第六十四条において単に「各委員会」という。」で始まります。
- 保険業法第53条の24は第九目 指名委員会等及び執行役に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第53条の24の前の条は保険業法第53条の23の3です。
- 保険業法第53条の24の次の条は保険業法第53条の25です。
- 保険業法第53条の24には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の24 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の24(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/53_24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法53条の26は、保険会社の指名・監査・報酬の各委員会を委員三人以上で組織し、過半数を社外取締役とすることを義務づける。監査委員は実質子会社の執行役等を兼任できない。
Q · 保険会社の委員会って、社外取締役は何人いれば足りるんですか?
三人なら二人、五人なら三人が社外取締役でなければなりません
保険業法53条の26第3項により、各委員会の委員の過半数は社外取締役でなければなりません。委員三人なら二人、四人なら三人、五人なら三人が社外です。さらに同条4項により、監査委員は当該保険会社またはその実質子会社の執行役・業務執行取締役、実質子会社の会計参与・支配人その他の使用人を兼ねられません。構成要件を欠いた委員会の決議は、内容がどれほど適切でも法的な瑕疵を抱えることになります。
解説
保険会社の指名委員会等設置会社で、あなたが取締役に選ばれたとする。取締役会が「では監査委員をお願いします」と言ってきた。ここで確認すべきは、自分が社外取締役かどうか、そして子会社の役職を兼ねていないかだ。保険業法53条の26は、各委員会(指名・監査・報酬)を委員3人以上で組織し、その過半数を社外取締役とすることを義務づける。つまり3人なら2人、5人なら3人が社外でなければ、委員会の決議そのものが構成違法になる。さらに4項が効いてくる。監査委員は、その保険会社またはその実質子会社の執行役・業務執行取締役を兼ねられないし、実質子会社の会計参与・支配人・その他の使用人も兼ねられない。「実質子会社」という言葉に注目してほしい。会社法上の子会社より広く、保険業法独自の概念で捉えられる範囲がある。あなたが子会社の部長職を持ったまま監査委員に選ばれたら、その選定は無効になりうる。委員会の構成は、後から取締役会決議の効力を丸ごと揺らがせる爆弾になる。
法的な位置づけ
保険業法53条の26は、指名委員会等設置会社である保険会社における各委員会の組織要件を定める規定である。指名委員会・監査委員会・報酬委員会はそれぞれ委員三人以上で組織され、委員は取締役会の決議により取締役の中から選定され、その過半数は社外取締役でなければならない。監査委員には、当該会社および実質子会社の執行役等との兼任制限が課される。
よくある質問 AI による整理
Q1指名委員会等設置会社とは?
取締役会の中に指名・監査・報酬の三委員会を置き、業務執行を執行役に委ねる会社形態です。監査役は置かず、委員会が監督機能を担います。
Q2実質子会社とは?
保険業法独自の概念で、会社法上の子会社より広く実質的な支配関係を捉えます。範囲は保険業法施行規則で定義され、監査委員の兼任禁止の射程を決めます。
Q3委員会の委員は誰が選ぶ?
保険業法53条の26第2項により、取締役の中から取締役会の決議で選定します。株主総会が直接選ぶのではなく、取締役会決議が根拠となります。
Q4保険会社の委員会構成に違反があったら行政処分になる?
金融庁の検査・監督の対象となり、業務改善命令等の行政対応が想定されます。加えて構成要件を欠く委員会の決議自体が瑕疵を帯びるため、私法上の争点にもなります。
Q5相互会社の保険会社にも53条の26は適用される?
相互会社には別途の機関設計規定が用意されています。本条は指名委員会等設置会社である保険会社を前提とするため、まず自社の機関設計を確認する必要があります。
Q6委員会の構成はどこで確認できる?
コーポレートガバナンス報告書、ディスクロージャー誌、有価証券報告書の役員一覧で委員名と社外区分を確認できます。取締役会議事録の閲覧請求も手段になります。
Q7社外取締役の人数が足りない場合の決議はどうなる?
過半数社外という構成要件を欠くため、その期間の委員会決議は瑕疵を帯びると解されています。欠員が生じた時点から補充までの空白期間が争点になります。
Q8委員会の委員に任期はある?
本条は委員の任期を定めていません。委員は取締役であることが前提なので、取締役の任期満了・辞任・解任で委員の地位も失われる構造です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1委員が3人ぴったりだと、社外は何人必要なんですか?
3項の「過半数」なので、3人なら2人が社外取締役でなければならない。4人なら3人、5人なら3人である。実務のポイント:3人構成で社外2人という最小構成は、社外1人が抜けた瞬間に要件割れする。監督官庁の検査で真っ先に見られるのは「欠員が生じてから補充までの空白期間に、どんな決議をしたか」だ。名簿の人数だけでなく在任期間の連続性が問われる。
Q2監査委員が子会社の非常勤顧問なら大丈夫ですか?
4項は実質子会社の「支配人その他の使用人」との兼任を禁じている。非常勤顧問が使用人に当たるかは契約実態(指揮命令関係、報酬体系、業務の従属性)次第で、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:形式的な肩書きではなく、実際に業務執行のラインに組み込まれているかが判断の軸になる。グレーな場合、監査対象部門との距離を書面で説明できるかどうかが、後の争点で効いてくる。
Q3三つの委員会の委員を兼ねてもいいんですか?
本条は同一人が指名委員会・監査委員会・報酬委員会を兼ねることを禁じていない。実務上、社外取締役の人数が限られる会社では兼任が一般的である。ただし監査委員については4項の兼任制限が別途かかる。実務のポイント:三委員会すべてを同じ顔ぶれで固めると、指名した本人が自分の報酬を決め自分を監査する構図になる。法的に適法でも、投資家の議決権行使基準では減点対象になることがある。
間違えやすい点 AI による整理
- 「委員会の構成要件は形式の話で、実質的な議論の中身が大事」と思われがちだが、順序が逆である。構成要件を欠いた委員会の決議は、内容がどれほど適切でも法的な瑕疵を抱える。形式が実質を守る器になっているのがこの条文の構造だ
- 過半数社外という要件は知られているが、その深刻度が理解されていない。3人構成で社外2人の場合、社外1人が辞任・死亡・社外性喪失のいずれかで欠けた瞬間、要件割れになる。バッファがゼロの設計を平然と運用している会社は多い。3人構成は最小コストだが最大の脆弱性でもある
- 「監査委員の兼任禁止は自社の執行役の話だ」と読み止まる人がいるが、4項の射程は実質子会社にまで及ぶ。グループ内で子会社の支配人や使用人を兼ねているケースは実務上珍しくなく、ここが最も見落とされる。あなたから見れば「別会社の仕事」でも、法律から見れば「監査される側の内部者」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 保険業法53条の26:各委員会の人数・選定・過半数社外・監査委員の兼任禁止 | 保険業法53条の27:各委員会の招集・運営手続 会社法400条:委員会構成の一般規定 |
| 兼任禁止の射程 | 当該会社および「実質子会社」の執行役・業務執行取締役・会計参与・支配人その他の使用人 | 規定なし(運営手続のみ) 会社法上の「子会社」を基準とする |
| 違反した場合の主な帰結 | 委員会決議の瑕疵+金融庁の監督上の指摘 | 招集手続の瑕疵として決議の効力が争われる 委員会決議の瑕疵(業規制上の監督は伴わない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は審計委員会を全員独立董事で構成させ、日本の「過半数社外」より厳格。保険業は保険法および主管機関の規則が上乗せ規制を課す
韓国は監査委員会を三人以上かつ社外取締役三分の二以上とし、日本の過半数要件より社外比率が高い
ドイツは二層構造のため監査役会内の委員会として設計され、そもそも業務執行者は監査役会に入れない前提。兼任禁止の発想が機関構造自体に組み込まれている
米国は上場会社の監査委員会を全員独立取締役とし、報酬受領や関係会社との関係で独立性を細かく否定する。日本の実質子会社兼任禁止に相当する発想が独立性基準に吸収されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 指名委員会等設置会社の保険会社で、社外取締役1名が急逝した。委員会は3人構成だったので、残る社外は1名。過半数要件を割った状態で報酬委員会が役員報酬を決議したらどうなるか。決議の瑕疵を株主に突かれる余地が生まれる。欠員が出た瞬間から時計は動き始めている
- あなたは保険持株会社グループの子会社の営業部長で、親会社の取締役も兼ねている。取締役会が「監査委員に」と打診してきた。4項により、実質子会社の使用人を兼ねる者は監査委員になれない。受ける前に、部長職を辞するか監査委員を辞退するかの二択であることに気付けるかどうか
- 社外取締役として招かれたが、実はその保険会社の主要取引先の役員でもある。会社法上の社外要件(会社法2条15号)を満たすかを検証しないまま「過半数の社外」にカウントされていた。後の検査で社外性が否定されると、その委員会決議は過半数要件を欠く。あなた一人の属性が委員会全体を巻き込む
- 監査委員会が3人、うち社外2人。その社外1人が来月から子会社の顧問就任を打診されている。顧問が「使用人」に当たるかは契約実態次第で、実務上、解釈が分かれている。あと数週間で就任日が来る。この判断を先送りするコストは、後の決議無効リスクとして積み上がる
取るべき行動
被害を受けた側:委員会決議の効力に疑義がある株主・関係者の立場なら、まず委員名簿と各委員の社外性の根拠資料(会社法2条15号の要件充足を示す書面)を取得する。委員数が3人未満、または社外が過半数に満たない期間があれば、その期間の決議を特定して時系列で整理。監査委員については子会社の役職兼任の有無を有価証券報告書・グループ組織図と突き合わせる。取締役会議事録の閲覧請求(会社法371条)が起点になる。
訴えられた側:構成要件違反を指摘された会社側なら、まず違反状態の始期と終期を確定し、その間に行われた決議を洗い出す。是正は速やかに行い、欠員は臨時の取締役会決議で補充する。過去の決議については、要件を満たした委員会で改めて決議し直す追認的処理が実務上とられることがある。監査委員の兼任問題は、兼任先の役職を辞任するか委員を交代するかの二択であり、時間をかけるほど傷が深くなる。
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、取締役会決議・委員会決議の効力を争う場合、株主総会決議取消しの訴え(会社法831条、決議の日から3か月)とは異なり、取締役会・委員会決議には出訴期間の定めがなく、一般に無効主張は期間制限なくできると解されている。ただし役員の任務懈怠に基づく損害賠償請求権には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年)が適用される。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:委員三人以上・過半数社外という構成要件を欠いた委員会の決議は、決議内容の適否とは別に瑕疵を帯びると解されている。形式要件が監督機能の実質を担保する器として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、保険業法の機関設計に関する特則が整理され、委員会の構成に関する業規制上の規定が置かれた
- 2.平成26年(2014年) 改正:会社法改正により「委員会設置会社」が「指名委員会等設置会社」へ名称変更され、あわせて保険業法の用語も改められた(平成27年施行)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める