受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

保険業法 第96条の12

クイックジャンプ
  1. 前条第二項及び第九十六条の二第一項の規定にかかわらず、組織変更をする相互会社が組織変更株式交換をする場合には、組織変更株式交換完全親会社は、効力発生日に、組織変更後株式会社の発行済株式(組織変更株式交換完全親会社の有する組織変更後株式会社の株式を除く。)の全部を取得する。
  2. 2.前条第二項及び第九十六条の二第一項の規定にかかわらず、組織変更をする相互会社が組織変更株式交換をする場合には、組織変更をする相互会社の社員(第九十二条の規定により発行する株式の引受人を含む。)は、効力発生日に、第九十六条の七第三号に掲げる事項についての定めに従い、同条第二号イの株式の株主となる。
  3. 3.前二項の規定は、前条第三項第一号又は第二号に掲げる場合には、適用しない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第96条の12は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第96条の12の条文原文は「前条第二項及び第九十六条の二第一項の規定にかかわらず、組織変更をする相互会社が組織変更株式交換をする場合には、組織変更株式交換完全親会社は、効力発生日に、組織変…」で始まります。
  3. 保険業法第96条の12は第二款 相互会社から株式会社への組織変更に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第96条の12の前の条は保険業法第96条の11です。
  7. 保険業法第96条の12の次の条は保険業法第96条の13です。
  8. 保険業法第96条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第96条の12
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第96条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/96_12

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法96条の23は、組織変更株式交換の効力発生日に完全親会社が保険会社の発行済株式全部を取得し、相互会社の社員は親会社株式の株主となると定める規定である。

Q · 相互会社が株式会社になったら、その保険会社の株主になれるんですか?

本条のルートでは保険会社ではなく親会社の株主になる

保険業法96条の23第1項により、組織変更株式交換をする場合、効力発生日に完全親会社が組織変更後株式会社の発行済株式の全部を取得します。したがって保険会社は同日に100パーセント子会社となり、契約者に配れる株式は残りません。そこで第2項が、社員は同日に96条の7第3号の定めに従い、同条第2号イの株式(=親会社株式)の株主となると規定します。多くは持株会社の株式です。ただし第3項により、法定手続が終了していない場合と組織変更を中止した場合は、この自動的な権利変動は起きません。

解説

日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命。これらの保険に入っているあなたは、契約者であると同時に「社員」である(保険の種類によって例外はある)。株主ではないが、剰余金の分配を受け、総代を通じて会社の意思決定につながっている構成員だ。その地位が一日で株式に変わる瞬間を書いたのが本条である。通常の株式会社化なら、あなたの手に来るのは組織変更後のその保険会社の株式。ところが本条が動くルートでは違う。効力発生日に、組織変更後株式会社の発行済株式は丸ごと別会社(組織変更株式交換完全親会社)に吸い上げられ、あなたが受け取るのは親会社、多くは持株会社の株式になる。保険会社そのものの株主にはなれない。しかもこの入れ替わりは、署名や株券の受渡しではなく、効力発生日が来たという一点だけで自動的に起きる。第3項が唯一のブレーキで、法定の手続が終わっていないか、組織変更を中止した場合にだけ、この自動発動は止まる。

法的な位置づけ

保険業法96条の23は、組織変更株式交換における株式の帰属を定める規定である。効力発生日に完全親会社が組織変更後株式会社の発行済株式全部を取得し(第1項)、相互会社の社員および92条による株式引受人は完全親会社の株式の株主となる(第2項)。前条3項1号・2号の場合は適用されない。

よくある質問 AI による整理

Q1組織変更株式交換とは何ですか?

相互会社の株式会社化と完全親子会社関係の創出を一体で行う手続です。効力発生日に完全親会社が保険会社株式を全部取得し、社員は親会社の株主になります(保険業法96条の23)。

Q2組織変更株式交換完全親会社とは誰ですか?

組織変更後株式会社の発行済株式全部を取得する会社を指します。実務では保険持株会社が想定され、契約者に交付される株式はこの会社が発行したものになります。

Q3相互会社の社員とは契約者のことですか?

相互会社では保険契約者が原則として社員(会社の構成員)となります。ただし保険の種類によっては社員とならない契約もあるため、通知書と約款の確認が必要です。

Q4効力発生日はいつ決まるのですか?

組織変更計画および組織変更株式交換契約で定めます。この日の到来だけで株式取得と株主資格の取得が自動的に生じるため、通知書で最優先に確認すべき日付です。

Q5組織変更を中止したら株式はどうなりますか?

保険業法96条の23第3項により第1項・第2項は適用されません。効力発生日が到来しても株式は一株も移転せず、社員の地位もそのまま残ります。

Q6完全親会社がすでに持っている株式も取得対象ですか?

対象外です。第1項括弧書きが「組織変更株式交換完全親会社の有する組織変更後株式会社の株式を除く」と明記しており、取得株式数の計算から除外されます。

Q7組織変更に際して発行される株式の引受人はどう扱われますか?

第2項括弧書きにより、保険業法92条の規定で発行する株式の引受人も社員と同様に扱われ、効力発生日に完全親会社の株式の株主となります。

Q8契約者に交付される株式数はどう決まりますか?

保険業法96条の7第3号の割当てに関する定めに従います。契約の種類や期間などを基礎とする算定基準が組織変更計画の別紙に記載されるのが通常です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1相互会社の保険に入ってるだけなのに、株がもらえるって本当ですか?

本当である。相互会社の契約者は原則として社員(会社の構成員)であり、組織変更のときは本条第2項により、96条の7第3号の定めに従って親会社株式の株主となる。保険の種類によっては社員にならない契約もある。実務のポイント:割当ては全員一律ではなく、契約の種類や期間などを基礎に算定されるのが通常で、その基準は通知書の本文ではなく別紙に書かれている。自分の取り分が決まっているのは、ほとんど誰も読まないその別紙である

Q2なんで保険会社の株じゃなくて、親会社の株になるんですか?

第1項で、効力発生日に完全親会社が組織変更後株式会社の発行済株式の全部を取得すると決めているからだ。保険会社は同日に100パーセント子会社となり、契約者に配れる株は残らない。だから第2項で親会社の株主にする。実務のポイント:この型を使うと、株式会社化と持株会社体制への移行を一日で完結できる。手続と契約者向けの説明を一回にまとめられることが、実務上の最大の狙いである

Q3効力発生日が来ても、株式が動かないことってあるんですか?

ある。第3項は、前条第3項第1号または第2号に掲げる場合(法定の手続が終了していない場合、および組織変更を中止した場合)に第1項・第2項を適用しないと定める。日付の到来だけでは足りず、手続の完了が前提である(前条の号の具体的文言は最新の条文をご確認ください)。実務のポイント:だから争う側は「手続がまだ終わっていない」という筋を探す。公告の漏れや期間の不足は、効力そのものを止める材料になりうる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「株式会社になったら、その保険会社の株主になれるのか」という問いの立て方自体が、条文の分岐を見落としている。本条のルートでは、あなたが株主になる相手は保険会社ではなく、その上に立つ完全親会社である。問うべきは「株主になれるか」ではなく「どの会社の株主にされるか」だ
  • 効力発生日に権利が変わることを知っている人でも、その自動性の重さまでは意識していない。株券の受渡しも、あなたの押印も、承諾の返信も要らない。日付が到来したという事実だけで社員権は消え、株主の地位に置き換わる。だから争うなら、効力発生日より前という一点しかない
  • 第1項の「発行済株式の全部を取得する」には、括弧で例外が刻まれている。完全親会社がすでに持っている組織変更後株式会社の株式は取得の対象から外れる。自分が自分から買い取ることはないという当たり前を条文がわざわざ書いているのは、取得株式数と交付株式数の計算がここでずれるからである
比較の観点この条文ほかの条文
株式の交付先96条の23:完全親会社の株式を社員に交付96条の2第1項:組織変更後株式会社の株式を社員に交付
96条の7:交付株式の内容と割当方法の定め(本条2項の中身)
発行済株式の帰属効力発生日に完全親会社が全部取得(親会社保有分を除く)社員が組織変更後株式会社の株主として保有
—(計画の記載事項を定める規定)
効力発生の前提96条の22第3項1号・2号に該当すれば不適用(第3項)96条の22第2項の原則に従い効力発生
計画の定めが欠ければ本条2項の効果が立たない
契約者から見た結果持株会社グループの株主となり、保険会社の直接株主にはならない保険会社そのものの株主となる
—

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
保險法第136条・企業併購法第29条

台湾では相互会社形態の保険会社が一般的でないため直接の対応条文はないが、株式転換による完全親子会社関係の創出という機能は企業併購法の股份轉換が担う

韓国
보험업법 제30조 이하

韓国保険業法も相互会社の組織変更を規定するが、株式交換と一体化した持株会社移行の専用規定という点では日本法の設計が特徴的

ドイツ
VAG § 291 ff.、UmwG

ドイツは相互保険組合(VVaG)の株式会社への組織変更を VAG と組織変更法(UmwG)の組合せで規律する

アメリカ
NAIC Model Act(Mutual Holding Company Conversion)

米国は州法ベースで mutual holding company 方式が発達し、契約者が持株会社の構成員となる構造は日本の本条ルートと機能的に近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 契約している相互会社から分厚い「組織変更のお知らせ」が届き、効力発生日まであと30日と書いてある。もし何もせずその日を跨いだら何が起きる? 社員としての地位は同日に消え、手元には親会社の株式と端数分の現金が残るだけになる。異議を述べる余地があるのは効力発生日より前だけであり、通知を最後まで読んだ人だけがその期限を知っている
  • あなたが保険会社の企画・法務側にいて、持株会社体制への移行案を組み立てている。組織変更と株式交換を別々に積み上げれば手続は二重になるが、本条のルートなら効力発生日に完全親会社が全株式を取得し、社員は同日に親会社株主になる。一日で終わる代わりに、第3項の前提条件を一つでも外すと効力そのものが立たない
  • 総代会で組織変更が可決された。だが法定の異議手続がまだ終わっていない。第3項が働き、効力発生日が来ても株式は一株も動かない
  • 上場した持株会社の株を買おうと検討しているあなた。本条のルートで組織変更が行われた会社では、旧社員である契約者が大量に株主名簿へ載る。保険を買った覚えしかない人が数十万人単位で株主になり、その一部は早期に売却へ動く。株主構成のいびつさがどこから来るのかは、この条文を読んでいる投資家にだけ説明がつく

取るべき行動

被害を受けた側:1. 通知書と組織変更計画の要旨で「組織変更株式交換完全親会社」の記載を確認、あれば受け取るのは親会社株式である2. 効力発生日と、保険契約者が異議を述べられる期間の末日を並べて手帳に書く3. 自分への割当内容は本文ではなく別紙の算定基準に書かれているので、そこまで読む4. 納得できなければ、効力発生日より前に異議手続を使う。日付を跨いだ後は無効を争う訴訟しか残らない

訴えられた側:1. 組織変更計画で96条の7第2号イと第3号の定め(交付する親会社株式と割当ての方法)を精緻に固める、ここが曖昧だと第2項の効果が立たない2. 完全親会社がすでに保有する株式を第1項括弧書きに従って取得対象から除外し、株式数を再計算する3. 効力発生日までに法定の異議手続を完了させる、未了なら第3項で効力が発生しない4. 中止判断の期限とその場合の公告手順を、事前に社内スケジュールへ落とす

時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。決定的な期限は効力発生日そのもの(組織変更計画・組織変更株式交換契約で定める日)であり、その到来で権利変動が自動的に起きる。日付を過ぎた後の争い方は組織変更の無効を主張する訴えに限られ、効力発生日から6か月以内が原則である(会社法828条1項5号の枠組み。保険業法での準用関係と最新の改正状況をご確認ください)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

保険業法の全文を見る所属する編章節を開く:第二款 相互会社から株式会社への組織変更

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›