介護保険法 第115条の34(勧告、命令等)
クイックジャンプ
- 第百十五条の三十二第二項の規定による届出を受けた厚生労働大臣等は、当該届出を行った介護サービス事業者(同条第四項の規定による届出を受けた厚生労働大臣等にあっては、同項の規定による届出を行った介護サービス事業者を除く。)が、同条第一項に規定する厚生労働省令で定める基準に従って適正な業務管理体制の整備をしていないと認めるときは、当該介護サービス事業者に対し、期限を定めて、当該厚生労働省令で定める基準に従って適正な業務管理体制を整備すべきことを勧告することができる。
- 2.厚生労働大臣等は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた介護サービス事業者が同項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。
- 3.厚生労働大臣等は、第一項の規定による勧告を受けた介護サービス事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該介護サービス事業者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
- 4.厚生労働大臣等は、前項の規定による命令をした場合においては、その旨を公示しなければならない。
- 5.介護サービス事業者が第三項の規定による命令に違反したときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣又は第百十五条の三十二第二項第二号に定める都道府県知事は関係都道府県知事又は関係市町村長に対し、同項第一号に定める都道府県知事は関係市町村長に対し当該違反の内容を通知しなければならない。
この条文の基本情報
勧告、命令等とは何ですか?
定義勧告、命令等とは、介護保険法第115条の34に定められた規定で、「第百十五条の三十二第二項の規定による届出を受けた厚生労働大臣等は、当該届出を行った介護サービス事業者(同条第四項の規定による届出を受けた厚生労働大臣等にあっては…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第115条の34(勧告、命令等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第115条の34の条文原文は「第百十五条の三十二第二項の規定による届出を受けた厚生労働大臣等は、当該届出を行った介護サービス事業者(同条第四項の規定による届出を受けた厚生労働大臣等にあっては…」で始まります。
- 介護保険法第115条の34は第九節 業務管理体制の整備に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第115条の34の前の条は介護保険法第115条の33です。
- 介護保険法第115条の34の次の条は介護保険法第115条の35です。
- 介護保険法第115条の34には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の34 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の34(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/115_34
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法第115条の37は、業務管理体制が基準を満たさない介護サービス事業者に対し、厚生労働大臣等が勧告・公表・命令・公示を段階的に行えると定める規定である。
Q · 介護事業者に業務管理体制の勧告が届いたら、すぐに指定取消になるの?
直ちに取消ではないが、放置すれば公表・命令へ進む
介護保険法115条の37の勧告は行政指導であり、勧告だけで指定が取り消されるわけではありません。ただし期限内に従わなければその旨が公表されることがあり(2項)、正当な理由なく措置をとらなければ命令と公示に進みます(3項・4項)。命令に違反すると、その内容が事業所の指定権者に通知されます(5項)。勧告の期限内に改善を完了させることが最も確実な対応です。
解説
介護事業所に行政が踏み込む手段として真っ先に浮かぶのは「実地指導」や「指定取消」だろう。だが法人のトップを直接狙う回路はもう一本ある。業務管理体制(法令を守るための社内の仕組み。事業所数に応じて、法令遵守責任者の選任、法令遵守規程の整備、業務執行状況の監査が求められる)が基準を満たしていないと役所がみなしたとき、本条は段階的な圧力を用意している。第1段は期限付きの勧告、第2段は従わなかった事実の公表、第3段は正当な理由なく措置をとらない場合の命令とその公示、第4段は命令違反の内容を各事業所の指定権者(事業所に「指定」を出した都道府県知事や市町村長)へ通知すること。ポイントは、勧告の段階ではまだ行政指導(法的な強制力のない「お願い」)にすぎず、命令になってはじめて行政処分(役所が相手に直接義務を課す決定)になるという点だ。あなたが経営者なら、勧告書が届いた時点こそ最も安く片付けられるタイミングである。家族を預けている側なら、自治体サイトの公表・公示欄が、パンフレットには書かれない経営の実態を映し出している。
法的な位置づけ
介護保険法第115条の37は、介護サービス事業者の業務管理体制に対する監督措置を定める規定である。届出を受けた厚生労働大臣等は、厚生労働省令の基準に従った適正な整備がないと認めるとき、期限を定めた勧告、期限内不服従の公表、正当な理由のない不実施に対する措置命令と公示を行い、命令違反の内容を関係都道府県知事・市町村長に通知する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勧告書の期限と指摘事項を一覧化する 勧告書に記載された改善期限、指摘された基準、根拠条文を一覧表にまとめ、社内の担当者と決裁者を決める。期限は最優先で確認する
- 2.事業所数区分と欠けている要素を特定する 現在の事業所数から必要な要素(法令遵守責任者、法令遵守規程、業務執行状況の監査)を確定し、どれが欠けているか、名目だけになっていないかを確認する。届出内容と実態のずれもあわせて洗い出す
- 3.体制を実際に動かし、記録を残す 規程を整備または改訂し、法令遵守責任者に実務権限を与え、職員研修と内部確認を実施する。研修の出席記録や監査報告書など、実施を示す証拠を残す
- 4.期限内に改善報告を文書で提出する 改善内容、実施日、今後の運用計画をまとめた改善報告書に証拠書類を添付し、勧告の期限内に提出する。期限内の完了が難しい場合は、期限前に理由と計画を書面で伝える
- 5.異論があれば書面化し、命令には不服申立てを検討する 勧告の内容に異論がある場合は、行政指導の趣旨・内容・責任者を記した書面の交付を求める(行政手続法35条)。命令が出た場合は措置を実施しつつ、審査請求または取消訴訟を期限内に検討する
よくある質問 AI による整理
Q1介護事業者の業務管理体制とは何ですか?
法令を守るための法人内部の仕組みです。事業所数に応じて、法令遵守責任者の選任、法令遵守規程の整備、業務執行状況の監査が求められ、行政への届出が必要です(介護保険法115条の32)。
Q2業務管理体制の届出先はどこですか?
事業所の所在地の広がりに応じて、厚生労働大臣、都道府県知事、市町村長などに分かれます(115条の32第2項)。区分は改正で変わることがあるため、最新の条文と自治体の案内で確認してください。
Q3法令遵守責任者は誰でもなれますか?
特定の資格は求められていませんが、実際に法令遵守の業務を担える立場の人を選ぶ必要があります。名前だけの選任で研修や内部確認をしていなければ、適正な整備とは評価されにくくなります。
Q4事業所が20以上・100以上になると何が変わりますか?
事業所数が20以上になると法令遵守規程の整備が、100以上になると業務執行状況の定期的な監査が加わります。区分が変わったときは変更の届出も必要です。
Q5業務管理体制の勧告に従わないと罰金がありますか?
本条自体に罰金の定めはありません。ただし期限内に従わなければ公表、正当な理由なく措置をとらなければ命令と公示、命令違反なら指定権者への通知と、不利益が段階的に重くなります。
Q6業務管理体制の命令は取消訴訟で争えますか?
命令は行政処分なので、審査請求(知った日の翌日から3か月以内)や取消訴訟(知った日から6か月以内)の対象になります。勧告は行政指導のため、原則として取消訴訟の対象外です。
Q7業務管理体制の変更届を出し忘れたらどうなりますか?
事業所数の増減などで届出事項が変わったときは変更の届出が必要です(115条の32)。届出と実態がずれた状態は、検査で「適正な整備をしていない」と指摘されるきっかけになりえます。
Q8介護事業所の勧告や命令の情報は誰でも見られますか?
勧告に従わなかった旨の公表や命令の公示は、届出先の行政機関のサイトなどに掲載されるのが通例で、利用者や求職者も閲覧できます。命令の公示は法律上の義務です(本条4項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1勧告が来ただけで、いきなり指定取消になったりしますか?
本条の流れは勧告、公表、命令、指定権者への通知の順で、勧告だけで指定が取り消されるわけではありません(本条1項から5項)。ただ、命令違反が通知されると、指定権者は各事業所に対する権限行使を検討する材料を得ます。実務のポイント:実務上の本当のリスクは、業務管理体制の検査をきっかけに事業所単位の不正請求が見つかり、そちらで指定取消に進むルートです。体制の改善と同時に、請求の自己点検を始めておくべきです
Q2公表って、どこに何が載るんですか? 取り消してもらえますか?
勧告に期限内に従わなかった旨は公表でき(本条2項)、命令は公示が義務です(本条4項)。通常は届出先の行政機関のサイトなどに掲載されます。公表が行政処分として争えるかは、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:公表の手前、つまり勧告の期限内に改善を完了させることが、事実上唯一の確実な回避策です。期限の延長を求めるなら、期限前に理由と計画を書面で出しておくのが定石です
間違えやすい点 AI による整理
- 「勧告は強制力がないので無視していい」と考える経営者がいるが、無視した事実そのものが次の段の燃料になる。期限内に従わなければ公表されうるし、正当な理由なく措置をとらなければ命令、命令違反なら指定権者への通知へ進む。勧告は終点ではなく、四段階の階段の一段目である
- 業務管理体制は「届出書を出せば終わり」だと思われがちだが、問われるのは届け出た体制が実際に機能しているかどうかだ。法令遵守責任者の名前を書いただけで研修も内部チェックもしていない状態は、書類が整っていても「適正な整備をしていない」と評価されうる
- 現場の職員から見れば、業務管理体制は「本部の事務の話」でしかない。だが法律から見れば、不正を防ぐ仕組みがあったのに現場が破ったのか、仕組み自体がなかったのかで、責任の重さが法人単位で変わる。この落差は、同じ法人の他事業所で働く職員の雇用にまで及びうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 介護保険法115条の37:法人の業務管理体制が機能しているか | 介護保険法115条の32:業務管理体制の整備義務と届出 介護保険法77条:個々の指定居宅サービス事業者の指定 |
| 行政の手段 | 勧告、公表、命令、公示、指定権者への通知 | 届出の受理(義務の設定そのもの) 指定の取消し、効力の全部または一部停止 |
| 法的性質 | 勧告は行政指導、命令は行政処分 | 事業者の作為義務(整備・届出) 不利益処分(行政処分) |
| 事業者への影響の強さ | 段階的に強まり、最終段で指定権者の権限行使につながりうる | 違反があれば本条の勧告等の前提になる 事業所の存続そのものに直結する |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は長照機構に対する評鑑と主管機関による限期改善の仕組みで監督する。法人本部の法令遵守体制を独立の監督対象とする点は日本ほど明確ではない
ドイツは介護保険金庫による品質審査の結果に基づき、施設に欠陥の除去を求める仕組みを持つ。施設単位の品質監督が中心
米国は長期介護施設の運営主体にコンプライアンス・倫理プログラムの整備を求めており、法人単位の法令遵守体制を要件化する点で本条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 事業所を三つから二十五に増やしたのに、法令遵守規程をつくっていなかったら、どうなる? 事業所数が20以上になった時点で規程の整備が必要になり、変更の届出も要る。気付かないまま拡大を続けた法人のもとに、ある日、期限付きの勧告書が届く
- 勧告書に書かれた期限まであと10日。顧問の社労士は「形だけでいい」と言うが、期限内に従わなければ法人名が公表されうる。求人サイトで法人名を検索する応募者も、ケアマネジャーも、その公表を目にすることになる
- あなたは複数の都道府県で訪問介護を展開する法人の法令遵守責任者に、名前だけ任命されていた。監査は一度も実施していない。一般検査の担当官に「責任者として何をしていましたか」と聞かれ、答えに詰まる
- 親が通うデイサービスの運営法人の名前を検索したら、県のサイトに命令の公示が出ていた。「契約を続けていいのか」と兄弟から LINE が来る
- 介護職員として、不正請求につながりかねない指示が本部から繰り返し出ているのに気付いた。本部に監査の仕組みが機能していない事実は、業務管理体制の問題として、届出先の行政機関に情報提供できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 利用者・家族なら、運営法人名で都道府県・市町村・厚生労働省(地方厚生局)のサイトを検索し、勧告の公表や命令の公示の有無を確認する2. 職員として法人の不正に気付いたら、日時・指示内容・関係者を記録し、業務管理体制の届出先の行政機関へ情報提供する。公益通報者保護法の保護対象になるかは事前に確認する3. 利用者として実害が出た場合、契約解除や損害賠償の検討は、この行政手続とは別軌道で進める
訴えられた側:1. 勧告書の期限と指摘事項を一覧化し、事業所数の区分に応じて、法令遵守責任者・法令遵守規程・監査のどれが欠けているかを特定する2. 期限内に改善報告を文書で提出し、研修記録や監査記録など実施の証拠を添付する3. 指摘に異論があれば、行政指導の書面交付を求め(行政手続法35条)、正当な理由を記録化する4. 命令が出たら、それは行政処分なので、審査請求または取消訴訟を検討しつつ、並行して措置を実施する
時効(請求できる期限):勧告の期限、命令の期限は個別に定められる(書面記載の日付を最優先で確認)。命令に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。勧告自体は行政指導であり、原則として取消訴訟の対象にならない
学説
一般的な理解:本条の勧告は行政指導、命令は行政処分と整理される。命令には不利益処分として行政手続法上の弁明機会の付与や、行政不服審査・取消訴訟による救済が及ぶ。公表の処分性については見解が分かれる。
改正沿革 AI による整理
- 平成20年(2008年)改正(要検証) 大手介護事業者の不正と処分逃れを受け、法人単位の業務管理体制の整備義務と、これに対する勧告・命令等の監督規定が導入された。本条の条番号の変遷と以後の改正内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成20年(2008年) 新設:大手介護事業者の不正と処分逃れを受け、法人単位の業務管理体制の整備義務とこれに対する勧告・命令等の監督規定が導入された(平成21年施行)。本条の条番号の変遷と以後の改正内容は要確認。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める