受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

介護保険法 第76条(報告等)

クイックジャンプ
  1. 都道府県知事又は市町村長は、居宅介護サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、指定居宅サービス事業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項において「指定居宅サービス事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定居宅サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定居宅サービス事業者の当該指定に係る事業所、事務所その他指定居宅サービスの事業に関係のある場所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
  2. 2.第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。

この条文の基本情報

報告等とは何ですか?

定義報告等とは、介護保険法第76条に定められた規定で、「都道府県知事又は市町村長は、居宅介護サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、指定居宅サービス事業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者若しくは当該…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 介護保険法第76条(報告等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
  2. 介護保険法第76条の条文原文は「都道府県知事又は市町村長は、居宅介護サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、指定居宅サービス事業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者若しくは当該…」で始まります。
  3. 介護保険法第76条は第二節 指定居宅サービス事業者に置かれています。
  4. 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
  5. 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 介護保険法第76条の前の条は介護保険法第75条の2です。
  7. 介護保険法第76条の次の条は介護保険法第76条の2です。
  8. 介護保険法第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第76条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
  • 本サイト収録介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/76

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点介護保険法76条は、都道府県知事又は市町村長が指定居宅サービス事業者や元事業者・元従業者に報告命令、出頭要求、質問、立入検査を行えると定める。

Q · 介護事業所に県の立入検査が来たら、断ることはできますか?

事実上断れず、拒否自体が指定取消事由になる

介護保険法76条は、都道府県知事又は市町村長に、指定居宅サービス事業者への報告命令・質問・立入検査の権限を与えています。令状による捜索ではないため物理的に押し入ることはできませんが、検査を拒んだり妨げたり、虚偽の報告をしたりすると、それ自体が77条の指定取消・効力停止事由となります。対象は廃業後の元事業者や退職した元従業者にも及びます。

解説

訪問介護の事業所に、ある朝突然、県の職員が数名で現れる。「報告してください」ではなく「立ち入り検査を行います」と告げられ、その日のうちにサービス提供記録、勤務表、加算の算定根拠、利用者との契約書、すべてを机の上に並べさせられる。これが介護保険法76条の世界だ。あなたが事業者なら知っておくべきことが二つある。第一に、この権限は「指定居宅サービス事業者であった者」、つまり廃業して指定を返した後のあなたにも、そして「従業者であった者」、つまり退職した元職員個人にも及ぶ。事業所をたたんでも逃げられない。第二に、この検査を拒んだり虚偽の報告をしたりすると、それ自体が指定取消事由(77条)になり、さらに20万円以下の過料(209条)の対象になる。検査に来た職員の権限は「行政指導」ではなく法律上の強制調査権であり、断る自由はほぼない。ただし令状に基づく捜索ではないため、直接的な物理的強制まではできない、そこに実務上の微妙な線がある。

法的な位置づけ

介護保険法76条は、居宅介護サービス費の適正な支給を確保するため、都道府県知事又は市町村長に対し、指定居宅サービス事業者、元事業者及び元従業者への報告命令、帳簿書類の提出・提示命令、出頭要求、職員による質問並びに事業所等への立入検査の権限を付与する規定である。検査職員の身分証提示義務と犯罪捜査目的の否定は同法24条の準用による。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.通知書から調査の種類と範囲を読み分ける 通知書の文言から実地指導か監査かを判別し、根拠条文、対象期間、対象サービス、準備書類の指定を確認する。不明点は担当課に電話で確認し、その内容を記録に残す
  2. 2.対象期間の記録を突き合わせて論点を洗い出す サービス提供記録、居宅サービス計画、勤務表、請求明細、加算の算定根拠を対象期間について照合し、ずれや欠落を一覧化する。記録の事後修正は虚偽報告となるため絶対に行わない
  3. 3.対応体制を決め、専門家に相談する 当日の説明担当を記録全体を説明できる管理者に統一し、疑義のある請求については自主返還の要否を介護分野に詳しい弁護士や顧問と検討する
  4. 4.検査当日に身分証と範囲を確認し記録する 冒頭で検査職員に身分証の提示を求め(24条3項準用)、質問事項と対象書類の範囲を確認する。提示した書類、質問、回答内容を自社側でも記録する
  5. 5.期限内に報告書・改善計画を提出する 指摘事項に対し、通知で指定された期限内に報告書を提出する。誰がいつ何を照合するかまで具体化した再発防止策を改善計画に書き込む

よくある質問 AI による整理

Q1介護保険法76条とは何を定めた条文ですか?

居宅介護サービス費の支給に関し、県や市町村が指定居宅サービス事業者に報告命令・出頭要求・質問・立入検査を行える権限を定めた条文です。

Q2介護事業所の立入検査は事前通知がありますか?

76条は事前通知を要件としていません。実地指導は通常事前通知がありますが、不正の疑いによる監査では無予告で行われることもあります。

Q3介護事業所の立入検査を拒否したらどうなる?

検査の拒否・妨害・忌避や虚偽報告は77条の指定取消・効力停止事由となり、罰則規定の対象にもなりえます。拒否はかえって処分を重くします。

Q4廃業した介護事業所も行政調査の対象になりますか?

なります。76条1項は「指定居宅サービス事業者であった者」を明記しており、廃業や指定返上後も報告命令や出頭要求を受けることがあります。

Q5退職した介護職員も県から呼び出される?

76条1項は「事業所の従業者であった者」への報告命令・出頭要求も認めています。退職後の元職員個人が単独で調査の相手方になりえます。

Q6介護の立入検査で職員の身分証は確認できる?

できます。76条2項が準用する24条3項により、検査職員は身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があれば提示しなければなりません。

Q7介護保険の立入検査は犯罪捜査にあたる?

あたりません。24条4項の準用により、76条の権限は犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないとされています。

Q8介護報酬の不正請求が見つかったら返還はいくら?

不正に受けた額の返還に加え、22条3項により返還額の100分の40を加算して徴収されることがあります。遡及期間次第で高額になります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1検査の日程、都合が悪いから変えてもらえますか?

実地指導であれば事前通知後の日程調整に応じてもらえる場合がある。だが不正の疑いによる監査は原則として日程変更を認めず、無予告で行われることもある。76条は事前通知を要件としていないためだ。実務のポイント:日程変更を強く求めた事実が、指導から監査への切替え判断の材料になることがある。予定を理由に渋るより、当日に同席してもらう顧問先を確保する方が実益が大きい。

Q2もう廃業したんですが、それでも呼ばれるんですか?

呼ばれる。76条1項は「指定居宅サービス事業者であった者」と「当該指定に係る事業所の従業者であった者」を明示的に対象としており、廃業や退職で権限から外れることはない。過去の請求について報告命令や出頭要求を受ける。実務のポイント:不正請求が疑われる事業所では、廃業して逃げようとする動きがむしろ調査を加速させる。法200条の徴収権時効(2年)が満了するまでは、帳簿と記録を廃棄せず保管しておく方が身を守る。

Q3職員として質問されたとき、会社をかばう言い方をしてもいいんでしょうか?

虚偽の答弁をすれば、法209条により従業者個人も20万円以下の過料の対象になりうる。会社の指示があったとしても、あなた個人の答弁責任は消えない。記憶が曖昧な点は「記憶が明確でない」と述べるのが正しい対応である。実務のポイント:現場職員の答弁が法人の主張と食い違うことは行政側も想定済みで、むしろ食い違いの有無が事実認定の中心になる。かばう答弁をした職員が、後に法人から責任を押しつけられる構図が実務上よく起きている。

Q4検査で指摘されたら、もう指定取消は避けられないんですか?

避けられる余地は大きい。77条1項の取消事由は限定列挙で、悪質性・組織性・是正状況が総合判断される。軽微な記録不備は改善指導や改善勧告(76条の2)で終わることが一般的である。実務のポイント:処分の重さを分けるのは不備の数ではなく「組織的か個人の逸脱か」「自ら是正したか」の二点。検査後の改善計画書に具体的な再発防止の仕組み(誰がいつ何を照合するか)まで書き込めた事業所は、処分が一段軽くなる傾向がある。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「実地指導」と「監査」は同じものだと思われているが、実務上は明確に区別されている。実地指導は原則として事前通知があり改善指導が中心、監査は不正の疑いがある場合に行われ、指定取消・効力停止に直結する。76条はその両方の法的根拠となる同一の権限で、指導の場で得られた情報が監査への切替えの引き金になる。「指導だから軽い」という理解が最も危険な誤解である。
  • 行政調査を拒否する自由があると考える事業者は少なくないが、問題設定そのものが誤っている。拒否できるかどうかではなく、拒否した事実が独立した処分理由になる点が核心だ。76条の検査を拒んだ、妨げた、忌避した、虚偽の報告をした、これらはいずれも77条1項の指定取消・効力停止事由であり、サービス費の返還とは別枠で事業の存続そのものを揺らす。
  • 検査対象は法人の書類だと考えがちだが、法律の目線は違う。76条は「従業者」個人、「従業者であった者」個人に対して質問し出頭を求める権限を置いている。あなたが雇われている側でも、行政から見れば独立した調査相手方だ。会社の指示で書いた記録について、あなた個人が説明を求められる立場になる。この落差が、現場の職員を最も追い詰める。
  • 「介護報酬の返還だけで済む」と期待する事業者は多いが、返還額の深刻さが理解されていない。不正請求と認定されると、返還は過去に遡り、さらに22条3項により40% 加算(いわゆる加算金)が課される。数年分に及べば数千万円単位になり、返還命令を受けた時点で資金繰りが破綻する事業所が現実に存在する。
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割介護保険法76条:報告命令・質問・立入検査の権限そのもの介護保険法77条:検査拒否や虚偽報告等を理由とする指定取消・効力停止
介護保険法22条:不正受領額の返還と100分の40の加算徴収
発動の場面居宅介護サービス費の支給に関して必要があると認めるとき法定の取消事由に該当すると認められるとき
偽りその他不正の行為により支払を受けたとき
相手方現事業者・元事業者・現従業者・元従業者指定居宅サービス事業者
不正に支払を受けた者(事業者を含む)
手続的な歯止め24条3項・4項準用:身分証提示、犯罪捜査目的の否定行政手続法による聴聞等の手続保障
徴収金の消滅時効(200条)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
長期照顧服務法

台湾では長照機構に対し主管機関が検査・査核を行い、拒否には過料を科す仕組みを置く。日本のような元従業者個人への出頭要求の明示は一般的ではない。

韓国
노인장기요양보험법 제61조

韓国の老人長期療養保険法も長期療養機関に対する報告命令・資料提出・検査の権限を定め、日本の介護保険と構造が近い。

ドイツ
SGB XI § 114 ff.

ドイツでは介護保険の医療審査機関が介護施設・在宅サービスの品質審査を行う。日本の76条は報酬請求の適正確保により重心がある。

アメリカ
42 U.S.C. § 1395bbb

米国 Medicare では在宅医療機関に対する調査・認証の仕組みがあり、公費支出の適正確保と品質監視を目的とする点で共通する。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 訪問介護事業所を経営していて、同業他社との比較で「訪問回数がやや多い」という統計上の外れ値が出た。ある日、県から「実地指導」の通知が届く。多くの事業者はこれを講習会のようなものと考えて準備を怠るが、76条の権限は指導と検査を連続的に行使できる。準備不足の記録がその場で不正請求の証拠になる。
  • 元従業員が退職後に市町村へ「あの事業所は行っていないサービスを請求している」と通報した。あなたは廃業を決めて指定を返上したが、76条1項は「指定居宅サービス事業者であった者」に報告命令を出せる。廃業届を出した後でも、帳簿の提出を命じられ、出頭を求められる。
  • もし、あなたがサービス提供責任者として働いていた事業所を1年前に辞めていて、県の職員から突然「当時の勤務実態について質問したい」と連絡が来たら、どうなる? 76条は「当該指定に係る事業所の従業者であった者」への出頭要求を認めている。会社を辞めた個人が、単独で行政調査の相手方になる。
  • 検査当日、職員が「この訪問記録のこの日は、利用者が入院中では?」と指摘した。あと3日で報告書の提出期限。この3日間に何を説明し、どこまで自主返還を申し出るかで、指定取消か、注意喚起か、運命が分かれる。慌てて記録を修正すると、それが最悪の選択になる。
  • ケアマネジャーが作成した居宅サービス計画と、実際の訪問記録の時間がずれている。あなたは「利用者の都合で前後した、よくあること」と思っている。だが76条の検査で職員が見ているのは、そのずれを誰がいつどう記録したかの一貫性だ。ずれそのものより、ずれの記録がないことが咎められる。

取るべき行動

被害を受けた側:利用者・家族の立場で不適切なサービスや架空請求を疑う場合:1. 介護給付費明細書(居宅介護サービス費の支給決定通知)を市町村の窓口で取り寄せ、実際の訪問日時と突き合わせる2. ずれを日付単位で一覧にし、市町村の介護保険課または地域包括支援センターへ書面で申し出る3. 市町村長は76条により報告命令・立入検査を行う権限を持つため、個人で事業者と交渉するより行政に動かす方が実効性が高い4. 並行して国民健康保険団体連合会の苦情処理窓口(法176条)も利用できる

訴えられた側:事業者側:1. 通知書の記載から実地指導か監査かを判別し、根拠条文と対象期間を確認する2. 検査当日は身分証提示を求め、質問事項・提示した書類・回答内容を自社側でも記録する3. 記録の事後修正は絶対にしない、それ自体が虚偽報告となり処分を決定的に重くする4. 疑義のある請求は速やかに自主返還を申し出る5. 介護報酬の返還には40% の加算金(22条3項)が付く前提で資金計画を立て、介護分野に実績のある弁護士へ早期に相談する

時効(請求できる期限):76条の検査自体に期限規定はないが、実務上の期限は二つ。第一に、検査後の報告書・弁明書の提出期限は通知で個別に指定され、通常2週間程度(従わなければそれ自体が処分事由)。第二に、指定取消・効力停止の処分を受けた場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。介護給付費の不正利得徴収権の時効は2年(法200条1項、最新の改正状況をご確認ください)。

学説

通説(行政調査論):76条の立入検査は罰則等による間接強制を伴う行政調査であり、相手方の抵抗を実力で排除する直接強制は許されない。調査は支給の適正確保という目的の範囲内で比例原則に従って行使されるべきとされる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法の制定(平成9年法律第123号)により、指定居宅サービス事業者等に対する報告命令・立入検査の規定として設けられた。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

介護保険法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 指定居宅サービス事業者

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›