介護保険法 第209条
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
- 一第四十二条第四項、第四十二条の三第三項、第四十五条第八項、第四十七条第四項、第四十九条第三項、第五十四条第四項、第五十四条の三第三項、第五十七条第八項、第五十九条第四項、第七十六条第一項、第七十八条の七第一項、第八十三条第一項、第九十条第一項、第百条第一項、第百十四条の二第一項、第百十五条の七第一項、第百十五条の十七第一項、第百十五条の二十七第一項又は第百十五条の三十三第一項の規定による報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の帳簿書類の提出若しくは提示をし、又はこれらの規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくはこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
- 二第九十五条の規定に違反したとき。
- 三第九十九条第二項又は第百五条において準用する医療法第九条第二項の規定に違反したとき。
- 四第百九条の規定に違反したとき。
- 五第百十三条第二項又は第百十四条の八において準用する医療法第九条第二項の規定に違反したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第209条は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第209条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 介護保険法第209条は第十四章 罰則に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第209条の前の条は介護保険法第208条です。
- 介護保険法第209条の次の条は介護保険法第209条の2です。
- 介護保険法第209条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第209条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第209条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/209
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法209条は、監査等での報告拒否・虚偽の帳簿提示・答弁拒否・検査忌避をした者を30万円以下の罰金に処す。過料ではなく刑罰で、前科が残る。
Q · 介護の監査で記録が抜けていたら、後から書き足して出してもいいの?
書き足さず、欠けたまま出すのが正解。後付けは罰金対象になりうる
介護保険法209条は、指定権者による報告や帳簿書類の提出・提示の求めに対し、虚偽の帳簿書類を提出・提示した者を30万円以下の罰金に処すると定めます。日付を遡らせて作り足した記録は「虚偽の帳簿書類」と評価されうるため、記録の欠落は欠落のまま申告するのが安全です。欠落自体は運営基準違反として返還や指導の対象になりますが、後付けの記録を出すと、行政処分の問題が刑事罰の問題へ変わりえます。この罰金は過料ではなく刑罰なので、前科として残ります。
解説
実地指導の当日、書庫から出した介護記録に三か月分の抜けがあった。担当者が気を利かせて前夜のうちに書き足しておく。この瞬間、話は行政指導から刑事事件へ滑り落ちる。介護保険法209条は、指定権者が求めた報告や帳簿書類を出さないこと、虚偽の帳簿書類を提示すること、質問に答えないこと、検査を拒み、妨げ、忌避することを、30万円以下の罰金で処罰する。注意すべきは主語である。条文は「その違反行為をした者」と書く。法人ではなく、その場で判断した管理者や事務長といった個人が名宛人になる。しかも罰金は過料(行政上の秩序罰で前科にならないもの)ではなく刑罰であり、確定すれば前科として残る。さらに本条は、介護老人保健施設や介護医療院の名称を許可なく使うこと(95条、109条違反)も同じ罰金の射程に入れている。
法的な位置づけ
介護保険法第209条は、同法に基づく報告徴収、帳簿書類の提出・提示の求め、質問及び立入検査に対する不報告、虚偽報告、答弁拒否、検査の拒否・妨害・忌避、並びに介護老人保健施設及び介護医療院の名称使用制限違反、準用される医療法第9条第2項の届出義務違反を対象とし、違反行為者を三十万円以下の罰金に処する罰則規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法209条とは?
介護事業者等への報告徴収・質問・立入検査を拒んだり虚偽を述べたりした者、及び介護老人保健施設・介護医療院の名称を無許可で使った者を、30万円以下の罰金に処す罰則規定です。
Q2実地指導と監査の違いは?
実地指導は運営の助言・指導が中心で、監査は不正の疑いがある場合に行われる調査です。監査での報告・質問・検査の拒否や虚偽は、209条の罰金の対象になりえます。
Q3介護の監査 拒否できる?
できません。法定の報告・帳簿提示・立入検査を正当な理由なく拒むと、209条により30万円以下の罰金となりえます。日程調整の相談と拒否は別物です。
Q4虚偽報告 介護事業所 罰則は?
虚偽の報告や虚偽の帳簿書類の提示をした個人は30万円以下の罰金です。これとは別に、指定取消しや不正利得の返還といった行政上の処分が並行して進みえます。
Q5介護医療院と名乗るのに許可は必要?
必要です。開設許可を受けずに「介護医療院」またはこれに紛らわしい名称を使うと109条違反となり、209条により行為者が30万円以下の罰金の対象になります。
Q6検査忌避とはどんな行為?
検査から意図的に逃れる行為です。担当者不在を理由に提示を繰り返し拒む、書類を隠す、検査の場から姿を消すなどが、状況によっては忌避と評価されえます。
Q7施設長ではなく職員も処罰される?
されえます。209条の名宛人は「その違反行為をした者」で、役職は問いません。虚偽の記録を作って提示した職員や、それを指示した管理者のどちらも対象になりえます。
Q8介護保険法209条の時効は?
罰金にあたる罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は、検査を拒んだ日や虚偽の帳簿書類を提示した日など、行為が終わった時点です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監査で記録が足りないって言われたんですが、後から書いてもダメなんですか?
足りないまま出すのが正解である。欠落は運営基準違反として返還や指導の対象になるが、日付を遡らせた記録を提示すれば209条の虚偽の帳簿書類の提示に触れうる。実務のポイント:担当者は紙の筆跡やインクだけでなく、記録システムの更新ログを見る。作成日時のログは事業者側で消せない設計が多く、後付けは高い確率で露見する。
Q2罰金30万円なら、払って終わりでいいのでは?
終わらない。罰金は刑罰なので略式命令でも前科として記録され、管理者就任や他分野の許認可に影響しうる。法人には両罰規定が及び、指定取消しや返還(介護保険法22条)は別に進む。実務のポイント:実務で本当に重いのは金額ではなく、取消しの公表と、取消しの日から5年を経過するまで新規指定を受けられない欠格期間である(最新の改正状況をご確認ください)。
Q3答えたくない質問に黙っていたら、それだけで罪になりますか?
介護保険法上の質問に答弁しないこと自体が209条の対象である。ただし答えが自らの犯罪の証拠となる場合に憲法38条1項の自己負罪拒否特権が及ぶかは、実務上解釈が分かれている。実務のポイント:行政調査と刑事手続の線引きが争われた川崎民商事件(最大判昭和47.11.22)以降も境界は事案ごとである。黙り込むより、弁護士に連絡すると告げて中断を求める方が、忌避と評価されにくい。
間違えやすい点 AI による整理
- 30万円という金額は知っていても、その性質まで知る人は少ない。これは過料(行政上の秩序罰、前科にならない)ではなく罰金、すなわち刑罰である。略式命令で終わっても前科として記録され、管理者の選任や他分野の許認可に波及しうる。金額の軽さと処分の重さが一致しない典型例である。
- 「会社が罰せられるなら自分には関係ない」という問いの立て方そのものが誤っている。209条の名宛人は「その違反行為をした者」、つまり現場で帳簿を伏せ、虚偽を述べた自然人である。法人は両罰規定によって上乗せで罰せられるにすぎず、個人が身代わりに免れる構造ではない。
- あなたから見れば「欠けていた記録を、正確な記憶に基づいて補完した」。法律から見れば「虚偽の帳簿書類の提示」になりうる。作成日と内容の齟齬は、筆跡やインク、記録システムの更新ログで露見する。この落差が、返還で収まったはずの事案を刑事事件へ押し上げる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 209条:刑罰(30万円以下の罰金) | 77条:行政処分(指定の取消し・効力停止) 22条:金銭の返還・徴収(不正利得) |
| 名宛人 | 違反行為をした個人(管理者・職員等) | 指定を受けた事業者(法人) 偽りその他不正の行為で給付を受けた者・事業者 |
| 発動のきっかけ | 報告拒否・虚偽報告・答弁拒否・検査忌避、名称の無許可使用等 | 運営基準違反、不正請求、検査拒否等の取消事由 不正な保険給付・介護報酬の受領 |
| 手続の担い手 | 捜査機関・検察・裁判所(刑事手続) | 都道府県知事・市町村長(行政手続) 市町村(徴収手続) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では主管機関の検査を規避・妨害・拒否した長期照顧機関に対し、主に行政罰(罰鍰)で対応する。日本の本条は刑罰(罰金)で個人を名宛人とする点が異なる
米国は Medicare/Medicaid における虚偽申告・不正請求を連邦刑事罰で規律し、罰金に加え拘禁刑もありうる。日本の本条より法定刑がはるかに重い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 監査の前夜、施設長が職員に「記録の空白を埋めておけ」と指示した。埋めた職員も、指示した施設長も、209条がいう「違反行為をした者」になりうる。善意の残業が前科に変わる瞬間である。
- もし市の担当者が突然来訪し、その場でサービス提供記録の提示を求めたら? 「担当者が不在で分からない」を繰り返す対応は、状況によって答弁拒否あるいは検査忌避と評価されうる。拒む意思がなくても、外形は調査記録に「忌避」として残る。事後にその記録を覆すのは、現場の記憶では難しい。
- 指定取消しの弁明手続まであと10日。あなたは返還額の計算に追われているが、同じ事案について刑事の告発が検討されている可能性は誰も教えてくれない。行政処分の期限と刑事手続の時計は、別々に動いている。
- 新しい施設のパンフレットに「介護医療院」と刷った。開設許可はまだ下りていない。109条違反として見られるのは法人の看板ではなく、その原稿を通し、印刷を発注したあなたである。
- 友人が働く事業所に監査が入り、上司から「聞かれても知らないと言え」と口止めされたと相談してきた。あなたが伝えるべきは一点だけでよい。その指示に従った本人が、罰金の名宛人になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 記録の改ざんや帳簿隠しを見聞きしたら、日時・指示者・実際の文言をその場でメモし、自分の端末に残す2. 指定権者(市町村または都道府県の介護保険担当課)へ情報提供する。保険給付の不正は不正利得の徴収(介護保険法22条)の端緒になる3. 職員として通報するなら公益通報者保護法の要件を先に確認し、社内窓口か行政かの順序を決める4. 利用者本人が受けた損害は別軌道であり、民法709条や契約上の責任として請求を組み立てる
訴えられた側:1. 求められた記録が存在しないなら、作り足さずに「存在しない」と答える。欠落は返還や行政処分で収まる余地があるが、後付けは刑事の問題になる2. 質問には事実だけを答え、推測や庇い合いを口にしない3. 不正請求に触れる質問が出た段階で回答を保留し、その日のうちに弁護士へ連絡する4. 職員に口止めをしない。口止めそのものが、組織的な忌避の証拠として評価される
時効(請求できる期限):罰金にあたる罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は検査を拒んだ日や虚偽の帳簿書類を提示した日など、犯罪行為が終わった時である。指定取消しや報酬返還といった行政の軌道には別の時間軸があり、返還は不正利得の徴収(介護保険法22条)として進む。二つの時計は連動しない。
学説
判例・通説:行政調査に伴う報告・答弁義務の罰則による担保は、調査が行政目的に限定され、刑事手続への直接の転用を予定しない限り合憲とされる。ただし質問内容が不正請求という犯罪事実に直結する場合の供述義務の範囲は、事案ごとに解釈が分かれる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)制定に伴い、報告徴収・立入検査の拒否等及び名称使用制限違反に対する罰則として設けられた
- 2.平成29年(2017年) 改正:介護医療院の創設に伴い、同施設の名称使用制限(109条)違反等が本条の対象に加えられた
- 介護保険法 第76条報告徴収と立入検査の授権規定
- 介護保険法 第95条介護老人保健施設の名称独占
- 介護保険法 第109条介護医療院の名称独占
- 介護保険法 第77条指定取消しという行政側の制裁
- 介護保険法 第22条不正利得の返還・徴収の根拠
- 刑事訴訟法 第250条罰金にあたる罪の公訴時効3年
- 医療法 第9条準用される届出義務の本体規定
- 刑法 第8条他の法令の罪への刑法総則の適用
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