介護保険法 第205条の3
クイックジャンプ
- 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 一第百十八条の七の規定に違反して、匿名介護保険等関連情報の利用に関して知り得た匿名介護保険等関連情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用したとき。
- 二第百十八条の九の規定による命令に違反したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第205条の3は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第205条の3の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」で始まります。
- 介護保険法第205条の3は第十四章 罰則に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第205条の3の前の条は介護保険法第205条の2です。
- 介護保険法第205条の3の次の条は介護保険法第205条の4です。
- 介護保険法第205条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第205条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第205条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/205_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法205条の3は、匿名介護保険等関連情報の内容をみだりに他人に知らせる等の行為と是正命令違反に、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金(併科可)を科す。
Q · 匿名化された介護DBのデータを、申出にない人に話したら犯罪になるの?
なりうる。一年以下の拘禁刑または罰金の対象
介護保険法205条の3により、匿名介護保険等関連情報の利用に関して知り得た内容をみだりに他人に知らせ、または不当な目的に利用した者は、一年以下の拘禁刑もしくは五十万円以下の罰金に処され、両方が併科されることもあります。対象データは個人情報ではありませんが、介護保険法が独自に刑事罰を置いています。また118条の9に基づく厚生労働大臣の命令に従わない場合も、同じ法定刑で処罰されます。
解説
介護DBから匿名介護保険等関連情報の提供を受けた研究者、自治体の分析担当、介護ソフトの開発者、この三者はすでに刑罰法規の射程に入っている。205条の3が処罰するのは二つの行為である。一つは、118条の7に違反して、利用の過程で知り得た匿名介護保険等関連情報の内容をみだりに他人に知らせ、または不当な目的に利用すること。もう一つは、118条の9による厚生労働大臣の命令に従わないこと。どちらも一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金であり、しかも併科されうる。押さえておくべきは、対象データがすでに匿名化されていて、個人情報ですらないという点だ。個人情報保護法のチェックリストを完璧に通しても、この条文はそのリストに載っていない。データを受け取った瞬間から、あなたは個人情報保護法とは別系統のレッドラインの内側に立っている。
法的な位置づけ
介護保険法205条の3は、匿名介護保険等関連情報の利用者に対する罰則規定である。118条の7に違反して、利用に関して知り得た情報の内容をみだりに他人に知らせ、または不当な目的に利用する行為、および118条の9に基づく厚生労働大臣の命令に違反する行為を対象とし、一年以下の拘禁刑もしくは五十万円以下の罰金、またはその併科を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1匿名介護保険等関連情報とは何ですか?
介護保険の要介護認定やサービス利用の記録を、特定の個人を識別できないように加工した情報です。厚生労働大臣が研究者などに提供します。
Q2介護DB 罰則 何年以下?
介護保険法205条の3により、一年以下の拘禁刑もしくは五十万円以下の罰金です。両方が併科されることもあります。
Q3介護DBのデータを学会で口頭発表したら違法?
申出の範囲内で公表が予定された成果であれば通常は問題になりにくいです。ただし申出外の人へ具体的な内容をみだりに伝えれば、構成要件に触れえます。
Q4介護DBの目的外利用は処罰される?
不当な目的に利用したと評価されれば、205条の3の前段により処罰の対象になります。研究目的で取得したデータの営業転用が典型的なリスクです。
Q5118条の9の命令に違反するとどうなる?
命令違反そのものが独立の犯罪となり、205条の3後段により一年以下の拘禁刑もしくは五十万円以下の罰金、またはその併科の対象になります。
Q6介護DB 罰則 公訴時効はいつまで?
法定刑の上限が一年以下の拘禁刑のため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。犯罪行為が終わった時から起算します。
Q7匿名データの漏えいに個人情報保護法は適用される?
匿名介護保険等関連情報は個人情報ではないため、中心となるのは介護保険法の規律です。個人情報保護法の点検だけでは本条のリスクを見落とします。
Q8介護DB 拘禁刑 懲役 違い
刑法改正により懲役と禁錮が拘禁刑に一本化され、本条の表記も拘禁刑になっています。刑の上限である一年という点は同じです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1匿名データなのに、どうして人に話しただけで犯罪になるんですか?
匿名加工の水準が高くても、他の情報と突き合わせれば再識別の余地が残るためである。だから118条の7は照合や目的外利用だけでなく、内容をみだりに他人に知らせる行為自体を禁じ、205条の3が直罰で担保している。実務のポイント:現場で問題化するのは大規模流出ではなく、善意の共有である。学会発表前の数値の口頭共有、社内チャットへの貼付、この二つが最も報告に上がりやすい。
Q2厚生労働省から是正命令が来ました。従えば刑事罰は回避できますか?
後段については回避できる。処罰対象は118条の9の命令に違反したときであり、期限内に完全履行すれば構成要件を満たさない。ただし命令の前提となった前段の行為が別途成立していれば、そちらは残る。実務のポイント:命令書には履行期限と是正事項が個別に書かれている。一部だけ直して残りを保留する対応が最も危険で、未履行部分が違反として立つ。
Q3指示されて作業しただけの従業員でも罰せられますか?
本条は「その違反行為をした者」を処罰する構造であり、実際に情報を知らせ、または不当な目的で利用した者が行為者になる。指示した上長は共犯として問われうるが、実行者が自動的に免責されるわけではない。実務のポイント:起訴判断では、社内で異議を述べた記録があるかどうかが大きい。違和感を持った時点のメールやチャットが、後に立場を分ける唯一の材料になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「匿名化されているのだから個人情報保護法の問題はない」という問いの立て方そのものが誤っている。匿名介護保険等関連情報は確かに個人情報ではない。だからこそ介護保険法が独自に直罰を置いた。あなたのコンプライアンス確認リストに個人情報保護法しか載っていないなら、その時点で本条は視界の外にある
- 目的外利用が禁止されていることは多くの担当者が知っている。知られていないのは「みだりに他人に知らせ」の射程の広さだ。文書やファイルの送信だけではない。学会の懇親会で具体的な数値を口頭で述べる、社内の別部署のチャットに貼る、これらも構成要件に触れうる。禁止されているのは持ち出しではなく、内容を届かせる行為である
- あなたから見れば研究成果の共有であり、業界への還元であり、善意の情報提供である。法律から見れば、申出の範囲を超えて情報の内容を到達させた行為にすぎない。動機の良さは構成要件該当性を消さず、せいぜい起訴判断と量刑で考慮されるだけだ。この落差を知らないまま善意で動く人ほど危ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 205条の3:違反行為に刑事罰を科す罰則規定 | 118条の7:利用者の義務を定める行為規範 118条の9:厚生労働大臣の是正命令の根拠 |
| 名宛人 | 違反行為をした者(実際に知らせ・利用した者) | 匿名介護保険等関連情報の利用者 命令を受けた利用者 |
| 違反した場合の効果 | 一年以下の拘禁刑もしくは五十万円以下の罰金、または併科 | 205条の3前段の処罰対象となる 命令違反は205条の3後段の処罰対象となる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には介護データベースに特化した罰則は見当たらず、個人資料の違法な利用を一般的に処罰する個資法の規定が同種事項を担う。不法な利益や損害を与える意図を要件とする点で本条より限定的
韓国は仮名情報の再識別禁止を個人情報保護法の中に置き、刑事罰で担保する。日本は個人情報でない匿名データについて介護保険法が別系統で罰則を置く点が異なる
米国は識別可能な健康情報の不正開示を刑事罰で処罰する。非識別化されたデータは原則として規制の外にあり、日本の本条のように匿名データの利用者を直接処罰する構造とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学の研究室で介護DBの分析を進めていて、学会発表前に共同研究者へ中間データを共有した。その共同研究者は申出書の利用者欄に名前がない。研究上は自然な共有でも、条文の文言は「みだりに他人に知らせ」であり、申出の枠外の人間はここでいう他人になりうる。データを渡す前に見るべきは倫理審査書類ではなく申出書の利用者欄だ
- 介護ソフトのベンダーで分析を担当している。研究目的で申出をして得た集計結果が、いつの間にか営業部の提案資料に転記されていた。不当な目的に利用したと評価されれば、転記した本人も、指示した上長も行為者になる。三文で終わる話だが、刑事事件としては十分に成立する
- もし厚生労働省から118条の9に基づく是正命令の文書が届いたら、あなたはその日を何の日として記録するか。命令に従っている限り本条の後段は発動しない。だが期限を徒過して放置した瞬間、命令違反そのものが独立の犯罪になる。到達日から起算して残り日数は文書に書いてある
- 前職で介護DBのデータを扱っていた人が転職面接に来て、「前の職場でこういう数字を見ていました」と具体的な内容を話し始めた。採用側のあなたは、その場で話題を止めるべき立場にある。退職しても利用者であった者としての縛りが続く建て付けが通例であり、聞いた側が共犯関係を疑われる展開もありうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分や家族の介護データを含むデータベース由来の情報が外部に出ている疑いがあれば、流出先の画面・資料・日時を記録して証拠化する2. 提供元である厚生労働省の所管部局へ事実関係を通報する。118条の8に基づく報告徴収・立入検査の端緒になり、118条の9の命令につながる3. 刑事責任を問いたい場合は警察または検察へ告発を検討する(本条は親告罪とする明文が見当たらないため、告訴がなくても捜査は可能)4. 再識別されて具体的損害が生じた場合は、刑事とは別軌道で民法709条の損害賠償請求を組む
訴えられた側:1. 118条の9の命令が来た段階なら、期限内の完全履行が最優先。ここで従えば後段の罰則は発動しない2. 前段を問われている場合、争点は「みだりに」と「不当な目的」という規範的要件である。申出書、利用規程、共同研究者リスト、社内の共有ログを直ちに保全し、共有が申出の範囲内であったことを時系列で示す3. 業務命令で動いた従業者であれば、指示系統の記録が責任配分の材料になる4. 供述の前に弁護人を入れること。法人への罰金の可否は両罰規定の適用範囲によるため、会社と個人で弁護人を分ける必要があるかも初期に判断する(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):法定刑の上限が一年以下の拘禁刑であるため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項、長期五年未満の拘禁刑または罰金に当たる罪)。起算点は犯罪行為が終わった時(同法253条)であり、情報を知らせた日、または命令の履行期限を徒過した日が基準になる。118条の9の命令に定められた履行期限は、これとは別の、より早い実務上の締切である
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)改正(要検証) 匿名介護保険等関連情報の提供制度の創設に伴い、利用者の義務違反および是正命令違反を処罰する罰則として置かれたものと解されるが、新設時の条番号および施行日は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行(要検証) 刑法の懲役・禁錮統合に伴う整備により、法定刑の表記が「懲役」から「拘禁刑」へ改められたものと解される。条文本文は現に拘禁刑の表記であるが、改正法の番号と適用関係は要確認
- 介護保険法 第118条の7本条前段が担保する利用者の義務規定
- 介護保険法 第118条の9本条後段の前提となる是正命令の根拠
- 介護保険法 第118条の2介護保険等関連情報の調査分析の根拠(現行効力を要確認)
- 刑法 第134条職業上の秘密漏示に対する一般的処罰類型
- 個人情報の保護に関する法律 第179条データベース等不正提供罪との並行規律(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める