介護保険法 第78条の9(勧告、命令等)
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- 市町村長は、指定地域密着型サービス事業者が、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、当該指定地域密着型サービス事業者に対し、期限を定めて、それぞれ当該各号に定める措置をとるべきことを勧告することができる。
- 一第七十八条の二第八項の規定により当該指定を行うに当たって付された条件に従わない場合当該条件に従うこと。
- 二当該指定に係る事業所の従業者の知識若しくは技能又は人員について第七十八条の四第一項の市町村の条例で定める基準若しくは同項の市町村の条例で定める員数又は同条第五項に規定する指定地域密着型サービスに従事する従業者に関する基準を満たしていない場合当該市町村の条例で定める基準若しくは当該市町村の条例で定める員数又は当該指定地域密着型サービスに従事する従業者に関する基準を満たすこと。
- 三第七十八条の四第二項又は第五項に規定する指定地域密着型サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定地域密着型サービスの事業の運営をしていない場合当該指定地域密着型サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定地域密着型サービスの事業の運営をすること。
- 四第七十八条の四第七項に規定する便宜の提供を適正に行っていない場合当該便宜の提供を適正に行うこと。
- 2.市町村長は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた指定地域密着型サービス事業者が同項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。
- 3.市町村長は、第一項の規定による勧告を受けた指定地域密着型サービス事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該指定地域密着型サービス事業者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
- 4.市町村長は、前項の規定による命令をした場合においては、その旨を公示しなければならない。
この条文の基本情報
勧告、命令等とは何ですか?
定義勧告、命令等とは、介護保険法第78条の9に定められた規定で、「市町村長は、指定地域密着型サービス事業者が、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、当該指定地域密着型サービス事業者に対し、期限を定めて、それぞれ当該各号…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第78条の9(勧告、命令等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第78条の9の条文原文は「市町村長は、指定地域密着型サービス事業者が、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、当該指定地域密着型サービス事業者に対し、期限を定めて、それぞれ当該各号…」で始まります。
- 介護保険法第78条の9は第三節 指定地域密着型サービス事業者に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第78条の9の前の条は介護保険法第78条の8です。
- 介護保険法第78条の9の次の条は介護保険法第78条の10です。
- 介護保険法第78条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第78条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第78条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/78_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法第78条の9は、基準違反等のある指定地域密着型サービス事業者に市町村長が期限付きで勧告し、不履行なら公表、正当な理由のない不履行なら命令・公示すると定める。
Q · 市町村から介護事業所に勧告が来たら、次に何が起きるの?
期限内に従わないと公表、正当な理由なく放置すれば命令です
介護保険法78条の9により、市町村長は基準違反等のある指定地域密着型サービス事業者に期限を定めて勧告できます(1項)。期限内に従わなければその旨を公表でき(2項)、正当な理由なく措置をとらなければ期限を定めて命令できます(3項)。命令をしたときは公示が義務です(4項)。命令にも従わなければ、78条の10による指定の取消し・効力停止へ進む可能性があります。
解説
地域密着型サービスの事業所を運営しているなら、行政からの接触には三つの段階があることを知っておくべきだ。市町村長はまず「勧告」を出す。期限を切って、基準を満たせと迫る。ここで従わなければ、その事実が「公表」される。それでも正当な理由なく放置すれば、今度は「命令」が来る。そして命令が出された時点で、市町村長は必ずそれを「公示」しなければならない。この四段階の階段は、一段上がるごとに法的な重みが変わる。勧告は行政指導(役所からのお願いで、それ自体に強制力はなく、原則として取消訴訟の対象にもならない)。だが命令は行政処分(役所があなたの権利義務を直接変える決定)であり、これに従わなければ指定の取消し・効力停止へ直結する。あなたが今どの段に立っているかで、打てる手は全く違う。勧告の段階で動けば公表を止められる。公表されてからでは、利用者もケアマネも既に離れ始めている。
法的な位置づけ
介護保険法第78条の9は、市町村長による指定地域密着型サービス事業者への勧告・公表・命令・公示を定める監督規定である。指定時に付された条件の違反、市町村条例で定める従業者の基準・員数、設備及び運営基準、便宜の提供の不適正を対象とし、勧告は行政指導、命令は行政処分の性質を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勧告書の期限と措置内容を特定する 勧告書に記載された「期限」と「とるべき措置」、根拠となる号(1項1号〜4号のどれか)を読み取り、期限日を事業所全体の最優先デッドラインとして共有する
- 2.改善計画書と工程表を作成する 違反項目ごとに原因、是正策、担当者、完了予定日を整理した改善計画書を作成する。人員基準なら採用計画、設備基準なら工事計画を具体的な日付で示す
- 3.期限内に実行の証跡を添えて提出する 雇用契約書、研修記録、工事契約書など、措置を実行済みまたは実行中であることを示す証跡を添えて期限内に市町村へ提出し、2項の公表要件を成立させない
- 4.期限内に完了できない場合は正当な理由を文書化する 求人票の掲載履歴、人材紹介会社とのやり取り、面接記録などを日付入りで整理し、遅れの理由と今後の工程を書面で市町村に示して3項の命令を防ぐ
- 5.命令が出たら教示欄に従い不服申立てを検討する 命令書末尾の教示欄で審査請求先と期間を確認する。審査請求は知った日の翌日から3か月、取消訴訟は6か月。弁護士に相談し、争うか履行するかを速やかに判断する
よくある質問 AI による整理
Q1地域密着型サービスとは何ですか?
住み慣れた市町村で暮らし続けられるよう、市町村が事業者を指定・監督する介護サービスです。グループホームや小規模多機能型居宅介護などが含まれます。
Q2介護事業所の勧告・公表はどこで確認できますか?
公表・公示は各市町村のウェブサイトや公報で行われるのが一般的です。事業所名で市町村サイトを検索するか、介護保険担当課に問い合わせます。
Q3運営指導で指摘されたら必ず勧告になりますか?
必ずではありません。指摘の多くは文書指導や口頭指導で終わり、改善されない場合や違反が重い場合に78条の9の勧告へ進むのが実務の流れです。
Q4勧告の期限は延長してもらえますか?
法律上の延長手続はありませんが、期限前に遅れの理由と工程表を示して協議することは可能です。その記録は3項の「正当な理由」の立証にも使えます。
Q5介護事業所への勧告に不服があれば争えますか?
勧告は行政指導のため取消訴訟は原則困難です。ただし法律に根拠のある是正指導なので、行政手続法36条の2の「行政指導の中止等の求め」を検討できます。
Q6介護事業所が命令に違反したらどうなりますか?
命令違反は78条の10による指定の取消し、または期間を定めた指定の全部・一部の効力停止の対象になり得ます。事業継続そのものが危うくなります。
Q7命令が出る前に言い分を聞いてもらえますか?
命令は不利益処分なので、行政手続法13条により原則として弁明の機会が与えられます。書面で改善状況と正当な理由を主張する最後の場です。
Q8介護事業所の公表は違法になりませんか?
本条2項が公表の法的根拠なので、要件を満たす限り適法です。期限内に措置をとっていたのに公表された場合は、要件を欠く公表として争う余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1勧告と命令って、結局なにが違うんですか?
勧告(1項)は行政指導で、それ自体に強制力はなく原則として取消訴訟の対象にもなりません。命令(3項)は行政処分で、あなたの義務を直接発生させ、従わなければ指定取消し・効力停止(78条の10)に直結します。実務のポイント:命令書が来たら末尾の「教示」欄を必ず読む。審査請求先と期限が書かれており、ここを読み飛ばして期限を逃す事業者が実際にいる
Q2公表されたら、改善しても消えないんですか?
2項の公表、4項の公示とも、改善したから自動的に撤回されるという規定は本条にありません。運用上は改善後にその旨を追記する市町村もありますが、記録としては残ります。実務のポイント:実務で本当に効くのは検索結果よりケアマネのネットワーク。公表された事業所には紹介が止まる。だから勝負は公表前、勧告の期限内です
Q3人が採れなくて基準を満たせないのも、やっぱり違反ですか?
人員基準(1項2号)を満たしていない状態は客観的に違反であり、勧告の対象になります。ただし3項の命令は「正当な理由がなくて」措置をとらなかった場合に限られるため、採用努力の記録が防波堤になります。実務のポイント:求人票の掲載履歴、人材紹介会社とのやり取り、面接の記録を日付入りで残しておく。口頭で「採用活動してます」と言うのと、書面の束を出すのとでは、担当者の判断が変わる
Q4同じ法人で隣の市にも事業所があるんですが、基準は同じですよね?
同じとは限りません。1項2号が明記するとおり、地域密着型サービスの人員・設備・運営基準は「市町村の条例」で定まります(78条の4)。市町村は国の基準を参酌して独自に上乗せできます。実務のポイント:多店舗展開の事業者が最も踏む地雷がここ。本社の運営マニュアルをそのまま横展開して、進出先の市の条例で勧告を受けるパターンが典型です
間違えやすい点 AI による整理
- 「勧告なんて行政指導だから法的拘束力はない」という理解は、半分だけ正しい。確かに勧告自体に強制力はない。だが見落とされているのは深刻度の方だ。2項の公表と3項の命令が、勧告を起点に自動的に連鎖する。勧告は独立した出来事ではなく、指定取消しまで続く一本のレールの入口である
- 「命令が出ても、従えば終わり」と考えている事業者は多いが、法律から見ると話が違う。4項は命令を出したら公示を「しなければならない」と定める。これは市町村長の裁量ではなく義務。従って改善しても、公示された事実は消えない。あなたから見れば「一時的なトラブル」でも、制度から見れば「記録に残る事業者」になっている
- 「基準違反があれば即座に指定取消し」と怯える経営者がいるが、立てている問いがずれている。問うべきは「取り消されるか」ではなく「勧告の段階で止められるか」だ。本条は取消しの前に三段の緩衝地帯を置いている。その緩衝地帯を使い切れるかどうかが実務の勝負であり、いきなり取消しに飛ぶ構造にはなっていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 監督主体 | 78条の9:市町村長(指定地域密着型サービス事業者) | 76条の2:都道府県知事等(指定居宅サービス事業者) 78条の10:市町村長(指定の取消し・効力停止) |
| 措置の内容 | 勧告→公表→命令→公示の段階的措置 | 居宅サービス事業者に対する同型の勧告・公表・命令・公示 指定の取消し、または期間を定めた全部・一部の効力停止 |
| 法的性質 | 勧告・公表は行政指導等、命令は行政処分 | 同様(勧告は行政指導、命令は行政処分) 不利益処分(取消しは原則聴聞が必要) |
| 基準の出所 | 市町村の条例(78条の4) | 都道府県等の条例 命令違反・基準違反など78条の10各号の事由 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は長照機構の違反に対し主管機関が限期改善を命じ、期限内に改善しなければ罰鍰を科し機構名称を公布する構造で、日本の勧告・公表・命令の段階構造と類似する。ただし台湾は罰鍰を早い段階で併用する点が異なる
韓国は長期療養機関に対し、地方自治体が是正・業務停止・指定取消しを行う体系を持ち、評価結果の公表制度も備える
ドイツは品質審査で欠陥が判明した場合、介護金庫州連合会が欠陥除去の措置を決定し、期限内に除去されなければ報酬減額や契約解除に進む。保険者主導である点が市町村主導の日本と異なる
米国は長期介護施設に対し、是正計画の提出、民事制裁金、新規入居者への支払停止、監督官の選任などの救済措置を連邦規則で体系化している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 人員基準を満たしていると思って運営していたが、市町村の実地指導で「夜勤配置が条例の員数に足りていない」と指摘された。勧告書が届き、期限は一か月。ここで改善計画を出して人を採れば公表は回避できる。放置すれば市町村のウェブサイトに事業所名が載る
- もし、勧告の期限内に人材確保が物理的に間に合わなかったらどうなる? 3項の命令に進むかどうかは「正当な理由がなくて」措置をとらなかった場合。求人票を出し続けた記録、紹介会社との契約書、採用面接の履歴、これらが「正当な理由」の立証材料になる。動いた証拠を残していない事業者だけが命令に進む
- あなたの事業所が指定を受けるとき、市町村長が78条の2第8項に基づいて条件を付けていた。例えば「開設後一年以内に運営推進会議を○回開催すること」。この条件違反も勧告の対象(1項1号)。指定を取った日の書類に何が書かれていたか、今それを確認できるか
- 命令の公示を見た地域のケアマネジャーが、利用者の紹介を止めた。公示は撤回されない。命令に従って改善しても、検索すれば記録は残り続ける。それが経営に効く期間は数年単位
- 介護保険課の担当者が「勧告を出すことになるかもしれません」と電話してきた。あと5日で弁明の機会。この段階はまだ勧告前の折衝であり、ここで改善計画と工程表を提示できれば、勧告そのものを回避できる余地がある
取るべき行動
被害を受けた側:利用者・家族の立場であれば、1. 市町村の介護保険担当課に事業所の運営状況を情報提供する(勧告の端緒は行政の把握から始まる) 2. 2項の公表・4項の公示は市町村のウェブサイトや公報で確認できるので、契約前に事業所名で検索する3. 実際に不適切なサービスで損害が出た場合は、行政手続とは別軌道で民事の損害賠償(民法709条、415条)を検討する。行政が命令を出したかどうかは、民事でも有力な証拠になる
訴えられた側:事業者側であれば、1. 勧告書の「期限」と「とるべき措置」の記載を正確に読み取り、期限日を最優先のデッドラインに設定2. 期限内に改善計画書と実行の証跡(雇用契約書、工事契約、研修記録)を市町村へ提出し、2項の公表要件を成立させない3. 期限内に完了できない場合は、遅れの理由と工程を文書で示して3項の「正当な理由」を構築4. 命令が出た場合は行政処分なので、審査請求(行政不服審査法)または取消訴訟(行政事件訴訟法)の対象になる。命令書の末尾にある教示欄を必ず読む
時効(請求できる期限):勧告・命令の期限は市町村長が個別に定めるため、届いた文書の記載が絶対的な期限となる。命令は行政処分であり、不服申立ては処分があったことを知った日の翌日から起算して審査請求3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟6か月(行政事件訴訟法14条)。勧告は原則として処分性がなく、これらの対象にならない点に注意
学説
通説(勧告の法的性質):本条1項の勧告は行政指導であり、それ自体は処分性を持たない。ただし公表・命令・指定取消しと連鎖する仕組みであることから、勧告段階での権利救済のあり方が論点となる
公表の二面性論:行政による公表には、利用者への情報提供という機能と、事業者に対する制裁的機能の二面がある。制裁的機能が強い公表については、法律上の根拠と手続保障が求められるとする見解が有力である
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:介護保険法改正により地域密着型サービスが創設され、市町村長が指定・監督する仕組みの一部として、指定地域密着型サービス事業者に対する勧告・命令等の規定が整備された(平成18年4月施行)
- 2.平成23年(2011年) 改正:地域主権改革一括法により、指定地域密着型サービスの人員・設備・運営基準が厚生労働省令から市町村の条例へ委任され、本条も「市町村の条例で定める基準」を引用する形となった
- 介護保険法 第78条の2指定の付款条件、1項1号の前提
- 介護保険法 第78条の4市町村条例による人員設備運営基準の根拠
- 介護保険法 第78条の7市町村長の報告徴収・立入検査権限
- 介護保険法 第78条の10命令違反時の指定取消し・効力停止
- 介護保険法 第76条居宅サービス事業者に対する同型の勧告命令
- 行政手続法 第32条行政指導の一般原則、勧告の限界画定
- 行政不服審査法 第18条命令に対する審査請求の期間制限
- 行政事件訴訟法 第14条命令の取消訴訟の出訴期間
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