要点情報公開法5条は、行政文書を原則開示とし、役所が隠せるのは6つの不開示情報に当たる場合だけと定める。その該当性の立証責任は行政側が負う。
Q · 役所に情報公開請求したら、全部黒塗りの『のり弁』で返ってきた。これって役所の勝ち?
原則は開示。役所が隠すには6つの不開示事由の証明が必要です
情報公開法5条は『開示が原則、不開示は例外』という構造です。役所が開示を拒めるのは、同条が限定列挙する6つの不開示情報(個人・法人・国の安全・公共の安全・審議検討・事務事業)に当たる場合だけで、当たることの説明責任は役所側にあります。しかも6条は『不開示部分を除いた残りの部分開示』を義務づけるため、一枚丸ごと全文黒塗りは原則として許されません。不服があれば、知った日の翌日から3か月以内に審査請求でき、審査会のインカメラ審理で現物が確認されます。
役所に「この文書を見せてください」と請求したのに、真っ黒に塗りつぶされた紙、いわゆる『のり弁』が返ってきた経験はないだろうか。多くの人はそこで「お役所が出さないなら仕方ない」と諦める。だが情報公開法5条が定める原則は真逆だ。行政文書は『開示しなければならない』が大原則。役所が隠せるのは、この条文が列挙する6つの不開示事由(個人情報、法人情報、国の安全、公共の安全、審議検討情報、事務事業情報)のどれかに当たる場合だけだ。しかも、その『当たる』ことを説明する責任を負うのは、あなたではなく役所側である。つまりゲームのルールは「市民が見せろと証明する」のではなく「役所が隠す理由を証明する」ように設計されている。あなたが知っておくべきは、6つの事由ごとに役所に与えられた裁量の幅が全く違うという点だ。国の安全と犯罪捜査の二つだけは『相当の理由があると行政機関の長が認める』という緩い基準で広い裁量が認められるが、残り四つは裁判所が客観的に当てはまりを審査する。どの事由で拒否されたかで、ひっくり返せる確率が桁違いに変わる。
情報公開法5条は、行政機関の長が開示請求に係る行政文書を原則として開示すべき義務を定める規定である。例外として6種の不開示情報(個人・法人・国の安全・公共の安全・審議検討・事務事業に関する情報)を限定列挙し、開示原則に対する限定的な除外事由として位置づける。該当性の判断は号ごとに行政の裁量幅が異なる。
行政文書が真っ黒に塗りつぶされて開示される状態の俗称です。情報公開法5条の不開示情報を除いた部分開示(6条)の結果ですが、一枚丸ごと全文黒塗りは部分開示義務違反の疑いがあります。
行政機関の窓口や電子申請で開示請求書を提出します。文書を特定できれば誰でも請求でき、本人である必要も、請求理由を書く必要もありません。
開示請求手数料と写しの作成・送付費用がかかります。国の行政機関では1件300円程度が一般的ですが、最新の金額は各機関でご確認ください。
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求ができます(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内が原則です。
文書に不開示情報が含まれていても、その部分を除いた残りを開示する制度です(情報公開法6条)。だから一枚丸ごとの全文黒塗りは原則として許されません。
文書が『あるともないとも答えない』拒否です(情報公開法8条)。存在を認めるだけで不開示情報を漏らす場合に使われますが、濫用は審査請求で争えます。
1号〜6号の6類型です。個人情報・法人情報・国の安全・公共の安全・審議検討情報・事務事業情報で、号ごとに役所に与えられた裁量の幅が異なります。
情報公開・個人情報保護審査会が黒塗り前の現物を実際に見て開示の当否を判断する手続です。裁判所は原則現物を見ないため、黒塗りを剥がす最大のチャンスになります。
本当に作成・取得していない場合もありますが、『あるともないとも答えない』拒否(存否応答拒否、いわゆるグローマー拒否、情報公開法8条)という制度もあり、これは存在を前提にしている可能性が高い。単なる不存在通知も審査請求で争えます。業界裏話ヒント:役所は文書の保存期間が過ぎた、あるいは『行政文書に当たらない個人メモ』だと整理して不存在にすることがある。請求時に文書の表現を一つに絞らず複数の言い方で特定しておくと、この『不存在』の逃げ道を塞ぎやすい
それなら開示される可能性が高い。5条1号が守るのは『特定の個人を識別できる』情報であって、氏名等を除いて統計化・匿名化すれば識別性は消えます。役所が氏名ごと文書全体を黒塗りにしているなら、部分開示義務(6条)違反の疑いがある。業界裏話ヒント:審査請求の段階で『識別部分を除いた開示で足りる』と具体的に主張すると、審査会は現物を見て『ここまでは出せる』と判断しやすい。最初から『名前は要らない、中身が欲しい』と請求趣旨を明示しておくのが効く
形式上は処分庁が再検討しますが、情報公開の審査請求では原則として独立した第三者機関『情報公開・個人情報保護審査会』への諮問が義務づけられ、ここが実質判断します(情報公開法18条以下)。業界裏話ヒント:この審査会の最大の武器がインカメラ審理。委員が黒塗り前の現物を直接見て開示の当否を判断できる。裁判所は原則として現物を見ずに審理するため、黒塗りを剥がす確率は審査会の方がしばしば高い。訴訟より先に審査会を通すのが定石です
他の事由より覆しにくいのは事実です。5条3号4号は『行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある』という基準で、裁判所は判断の合理性しか審査せず役所に広い裁量を与えています。業界裏話ヒント:それでも『相当の理由』の説明が抽象的すぎる、あるいは時間の経過で支障が消えている(古い捜査記録など)場合は争える。さらに3号4号を持ち出せるのは内容が本当にそれに該当する文書だけで、無関係な文書まで便乗で隠していないか、文書の性質ごとに切り分けて反論するのが有効です
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