確定給付企業年金法 第58条(財政再計算)
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- 事業主等は、少なくとも五年ごとに前条の基準に従って掛金の額を再計算しなければならない。
- 2.事業主等は、前項の規定にかかわらず、加入者の数が著しく変動した場合その他の厚生労働省令で定める場合は、前条の基準に従って、速やかに、掛金の額を再計算しなければならない。
この条文の基本情報
財政再計算とは何ですか?
定義財政再計算とは、確定給付企業年金法第58条に定められた規定で、「事業主等は、少なくとも五年ごとに前条の基準に従って掛金の額を再計算しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第58条(財政再計算)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第58条の条文原文は「事業主等は、少なくとも五年ごとに前条の基準に従って掛金の額を再計算しなければならない。」で始まります。
- 確定給付企業年金法第58条は第五章 掛金に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第58条の前の条は確定給付企業年金法第57条です。
- 確定給付企業年金法第58条の次の条は確定給付企業年金法第59条です。
- 確定給付企業年金法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第58条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法58条は、事業主等に少なくとも五年ごとの掛金再計算を義務づける。加入者数が著しく変動した場合などは、五年を待たず速やかに再計算が必要となる。
Q · 企業年金の掛金って、どのくらいの頻度で見直されるの?
少なくとも五年ごと。加入者数の激変時などは臨時に速やかに行う
確定給付企業年金法58条1項により、事業主等(規約型なら事業主、基金型なら企業年金基金)は、少なくとも五年ごとに57条の基準に従って掛金の額を再計算しなければなりません。さらに同条2項により、加入者の数が著しく変動した場合その他厚生労働省令で定める場合は、五年の周期にかかわらず速やかに再計算する必要があります。再計算で積立不足が判明すると、特別掛金の増額や給付設計の見直しの検討につながります。
解説
退職金の「約束」は、五年に一度、値札を付け直される。確定給付企業年金(DB、会社が将来の給付額を先に約束する企業年金)では、会社は給付に必要なお金を掛金として積み立てる。ただし、掛金の計算には予定利率(運用で見込む利回り)、予定脱退率(途中で辞める人の割合)、予定死亡率などの前提が使われる。前提と現実がずれたまま放っておけば、約束だけが残り、積立金は足りなくなる。そこで58条は、事業主等(規約型なら会社、基金型なら企業年金基金)に、少なくとも五年ごとに57条の基準で掛金を計算し直すことを義務づけている。さらに、加入者数が大きく変わったときなど厚生労働省令で定める場合は、五年を待たずに「速やかに」計算し直さなければならない。加入者であるあなたが押さえるべきなのは、この再計算が結果を決める場だという点である。積立不足が見つかると、会社は特別掛金を増やすか、給付設計の見直しを検討する。給付減額には加入者の同意などの厳しい手続が要る。再計算の年がいつかを知っている人だけが、会社の説明会で的確な質問をできる。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法58条は、確定給付企業年金における掛金の財政再計算を定める規定である。事業主等は少なくとも五年ごとに、57条が定める財政均衡の基準に従って掛金の額を再計算する義務を負い、加入者数の著しい変動その他厚生労働省令で定める事由が生じた場合には、定期の周期にかかわらず速やかに再計算しなければならない。
手順
- 1.前回の計算基準日から次回期限を特定する 規約と直近の財政再計算報告書で計算基準日を確認し、五年後の期限を管理台帳に登録する。期限の一年前を協議開始日として設定する
- 2.臨時再計算事由の該当性を確認する 早期退職の募集、事業譲渡、会社分割、子会社売却などを計画した時点で、加入者数の著しい変動その他厚生労働省令で定める事由にあたるかを年金数理人と確認する
- 3.基礎率を見直し採用理由を記録する 予定利率・予定脱退率・予定死亡率などの基礎率を受託機関と協議し、57条の財政均衡の基準に適合する掛金額を算定する。採用した前提と根拠を議事録に残す
- 4.規約変更の手続と加入者への周知を行う 掛金の変更に伴う規約変更の承認申請や届出を期限内に行い、再計算の結果と積立状況を加入者に周知する。給付減額を伴う場合は加入者同意などの要件を別途満たす
よくある質問 AI による整理
Q1財政再計算とは何ですか?
確定給付企業年金の掛金が将来の給付に見合っているかを、予定利率などの前提を見直して計算し直す手続です。確定給付企業年金法58条が根拠です。
Q2企業年金の財政再計算は何年ごと?
少なくとも五年ごとです(確定給付企業年金法58条1項)。五年より短い周期で行うことは妨げられません。
Q3臨時の財政再計算が必要になるのはどんな場合?
加入者の数が著しく変動した場合その他厚生労働省令で定める場合です(同法58条2項)。早期退職の募集や事業譲渡・会社分割などが典型的な検討場面です。
Q4財政再計算は誰が行う?
法律上の義務者は事業主等(規約型は事業主、基金型は企業年金基金)です。実務では年金数理人や信託銀行・生命保険会社などの受託機関が計算を支えます。
Q5財政再計算で掛金が上がったら従業員の負担も増える?
掛金は原則として事業主が拠出します。規約で加入者拠出を定めることもできますが、加入者本人の同意が前提です(同法55条)。
Q6予定利率を引き下げるとどうなる?
運用で見込める収益が減る前提になるため、同じ給付を約束し続けるなら必要な掛金が増え、積立不足として特別掛金が必要になることがあります。
Q7財政再計算をしないと違法?
58条は「しなければならない」と定める義務規定です。怠れば厚生労働大臣による報告徴収や是正の指導・命令の対象となりえます。
Q8財政再計算の結果は加入者に知らされる?
事業主等には加入者へ業務の概況を周知する義務があります。財政状況の資料を確認し、不明点は書面で説明を求めるのが確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1財政再計算で積立不足って出たら、自分の年金は減らされるんですか?
自動的に減ることはありません。不足への対応は、まず特別掛金を増やして会社が埋めるのが基本です(確定給付企業年金法57条、58条)。給付減額には、規約変更と加入者の三分の二以上の同意などの厳しい手続が必要です。実務のポイント:会社が減額を持ち出すのは、特別掛金の額が経営にとって重すぎると判明した直後です。同意書にサインする前に、減額しなかった場合の特別掛金の額を出してもらうこと。交渉の土台がまったく変わります
Q2うちの会社、去年リストラで社員が三割減ったんですけど、年金に影響ありますか?
影響しうる事態です。58条2項は、加入者数が大きく変わった場合など厚生労働省令で定める場合に、五年を待たずに速やかに掛金を再計算するよう求めています。実務のポイント:人員削減で若い社員が多く抜けると、残った加入者の平均年齢が上がります。給付が近づく人の割合が増えるので、掛金の負担は重くなりがちです。人件費を削ったはずが年金の掛金は上がる、という逆転がありえます
Q3予定利率って、会社が勝手に決めていいんですか?
勝手には決められません。57条の基準と施行規則の枠組みに沿い、年金数理の専門家による検証を経て決めます。ただし、枠の中で楽観的な値を選ぶか保守的な値を選ぶかには裁量があります。実務のポイント:予定利率を高めにすると目先の掛金は下がりますが、実際の運用がそれを下回れば、差額はすべて将来の積立不足になります。高い予定利率は、負担を先送りしているのと同じです
間違えやすい点 AI による整理
- 「DB は給付額が約束されているから、会社の業績と関係なく満額もらえる」と思われている。約束は約束だが、固定されてはいない。財政再計算で不足が大きくなれば、会社は規約変更による給付減額を検討できる。ただし加入者の三分の二以上の同意などの要件を満たさなければ減額できない(確定給付企業年金法施行規則。最新の改正状況をご確認ください)。何もしなければ守られる、という話ではない
- 財政再計算を「年金数理人と信託銀行がやる事務作業」と見ている担当者は多い。実際には、どの基礎率を採用するかで、今後五年間の掛金の額が数千万円単位で変わることがある。予定利率を少し楽観的にすれば当面の掛金は下がるが、そのぶん積立不足を先送りしたことになる。経営判断を数表の中に埋め込む作業である
- 「掛金はいくらが正しいか」と問うのは的外れである。57条の基準は、将来にわたって財政の均衡を保てるかを問うている。問うべきは、今の前提が五年後にも通用するかどうかだ。この問いを立てないまま再計算の結果だけを見ると、数字の意味を見誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 58条:掛金を再計算する時期(定期・臨時) | 57条:掛金の額を計算する基準(財政の均衡) 59条:給付に充てる積立金の積立て |
| タイミング | 少なくとも五年ごと+省令事由発生時は速やかに | 掛金を設定・再計算するたびに適用 毎事業年度の末日 |
| 実務上の意味 | 前提(基礎率)を現実に合わせて引き直す定期点検 | 計算の物差しそのもの 毎年の積立状況の確認(不足時は追加拠出へ) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は旧制退職金について、雇用主が毎年度末に退職準備金の不足額を試算し、翌年度末までに一括提撥する年次点検型。日本の五年周期+臨時型より頻度が高い
米国の確定給付年金は毎年の数理評価と最低積立基準が課される。日本の定期再計算より短い周期で財政が点検される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社が早期退職を募集し、300人いた加入者が180人に減った。人事部は退職金の支払で手一杯だが、年金の担当者は別の問題を抱えている。加入者数が大きく変わったことで、五年周期を待たずに財政再計算が必要になる可能性があるのだ
- もし、次の財政再計算で予定利率を2.5% から1.5% に下げることになったら、どうなる? 同じ給付を約束し続けるなら、足りない分は特別掛金として会社が埋めることになる。経営が苦しい会社ほど、ここで給付設計の見直しを言い出す
- あなたは中堅メーカーの総務部長で、年金基金の理事も兼ねている。前回の財政再計算から、もうすぐ五年が経つ。受託機関(信託銀行や生命保険会社)との基礎率の見直し協議に、あと三か月で結論を出さなければならない
- 労働組合の執行委員会に、会社から「年金制度の見直しについて」という資料が届いた。表紙の次のページに「財政再計算の結果」とある。本当の議題はここから始まる
- 子会社を売却し、その従業員がまとめて別の会社の制度へ移った。年金財政上は加入者の大量減少であり、残った制度の掛金を計算し直す事由になりうる。M&A の契約書に年金の話が数行しかないと、後で揉める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 規約と直近の財政状況の資料を確認する。事業主等には、加入者へ業務の概況を知らせる義務がある(確定給付企業年金法73条)2. 前回の財政再計算の時期、予定利率、積立不足の有無を書面で質問する3. 給付減額の同意を求められたら、減額の理由と、減額しない場合の特別掛金の額を比べて説明するよう求める4. 労働組合や加入者の代表を通じてまとまって意見を出す。個人でばらばらに同意書へ署名しないこと
訴えられた側:1. 前回の財政再計算の計算基準日から五年の期限を管理台帳に載せ、年金数理人や受託機関と一年前には協議を始める2. 早期退職、事業の譲渡、会社分割を計画した時点で、臨時再計算の事由(施行規則)にあたるか確認する3. 基礎率の採用理由を記録に残す4. 掛金の変更に伴う規約変更の承認申請や届出を期限内に済ませる。遅れれば行政指導の対象になりうる
時効(請求できる期限):定期の再計算は少なくとも五年ごと(本条1項。周期の数え方は規約と実務慣行で確認する)。厚生労働省令で定める事由が生じた場合は「速やかに」(本条2項。具体的な日数は条文に書かれていない)。給付減額を争うための特別な時効はなく、未払の給付を請求する場合は一般の消滅時効(民法166条:知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が基本となる。ただし規約や個別法で別の定めがありうる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法の制定により新設。少なくとも五年ごとの定期再計算と、厚生労働省令で定める事由による臨時再計算の二段構えを定めた
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