確定給付企業年金法 第77条(基金の分割)
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- 基金は、分割しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
- 2.基金の分割は、実施事業所の一部について行うことはできない。
- 3.分割を行う場合においては、分割により設立される基金の加入者となるべき厚生年金保険の被保険者又は分割後存続する基金の加入者である厚生年金保険の被保険者の数が、第十二条第一項第四号(基金を共同して設立している場合にあっては、同項第五号)の政令で定める数以上であるか、又は当該数以上となることが見込まれなければならない。
- 4.分割によって基金を設立するには、分割により設立される基金の実施事業所となるべき厚生年金適用事業所の事業主が規約を作り、その他設立に必要な行為をしなければならない。
- 5.分割により設立された基金は、分割により消滅した基金又は分割後存続する基金の権利義務の一部を承継する。
- 6.前項の規定により承継する権利義務の限度は、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
- 7.前条第二項の規定は、第一項及び前項の認可の申請を行う場合について準用する。
この条文の基本情報
基金の分割とは何ですか?
定義基金の分割とは、確定給付企業年金法第77条に定められた規定で、「基金は、分割しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第77条(基金の分割)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第77条の条文原文は「基金は、分割しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。」で始まります。
- 確定給付企業年金法第77条は第八章 確定給付企業年金間の移行等に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第77条の前の条は確定給付企業年金法第76条です。
- 確定給付企業年金法第77条の次の条は確定給付企業年金法第78条です。
- 確定給付企業年金法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第77条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/77
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法77条は、基金の分割に厚生労働大臣の認可を求める。分割は実施事業所単位に限られ、分割後の両基金に加入者数要件が課される。
Q · 会社が分社化したら、企業年金基金も自由に二つに分けられるの?
大臣の認可が必要で、事業所単位でしか分けられない
確定給付企業年金法77条により、基金の分割には厚生労働大臣の認可が必要です(1項)。分割は実施事業所の単位でしか行えず、同じ事業所内の部署ごとに分けることはできません(2項)。さらに分割後に設立される基金と存続する基金の双方が、政令で定める加入者数を満たすか満たす見込みでなければなりません(3項)。新基金が引き継ぐ権利義務の範囲も大臣の認可を受けて確定します(6項)。
解説
会社が二つに分かれても、企業年金基金は勝手には分かれない。基金を分割するには厚生労働大臣の認可(役所が正式に「よし」と認める決定)が要る(1項)。しかも、切り分けは「実施事業所」(企業年金に加入している事業所の単位)ごとにしかできない(2項)。同じ工場の中で、この課は新会社、あの課は旧会社という切り方では、基金は分けられないのだ。さらに、分割後にできる新しい基金も、残る基金も、加入者数が政令で定める人数を満たすか、満たす見込みがなければならない(3項)。一番見落とされやすいのは5項と6項である。新しい基金は元の基金の権利義務の「一部」を引き継ぐが、どこまで引き継ぐかは大臣の認可を受けて決まる。積立金という財布をどう分けるかが、あなたの将来の年金額の裏付けを左右する。事業再編が発表された日に確認すべきなのは、雇用条件だけではない。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法77条は、企業年金基金の分割に関する規定である。基金の分割には厚生労働大臣の認可を要し、実施事業所の一部についての分割は認められない。分割により設立される基金と存続する基金の双方に政令所定の加入者数要件が課され、新基金が承継する権利義務の限度も大臣の認可を受ける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.分割の単位と実施事業所の対応を点検 切り出す事業が既存の実施事業所の単位と一致しているかを確認する。事業所の一部だけを切り出す計画なら、基金分割はできない(77条2項)ため、先に事業所の単位を整理する
- 2.分割後の両基金の加入者数を試算 新設基金と存続基金の双方が政令で定める人数を満たすか、満たす見込みがあるかを試算する(77条3項)。届かない場合は、元の基金への残留や規約型の新設など代替策を並行して検討する
- 3.所管庁への事前相談と積立金配分案の作成 地方厚生局への事前相談を早めに始め、新基金が承継する権利義務の範囲と積立金の配分割合を、数理計算の根拠とともに整理する(77条5項・6項)
- 4.新基金の規約作成と代議員会の議決 新基金の実施事業所となる事業主が規約を作成し(77条4項)、代議員会で分割と承継限度について議決する(7項による76条2項の準用)。加入者への説明は議決前に行う
- 5.厚生労働大臣への認可申請 分割の認可(1項)と承継する権利義務の限度の認可(6項)を申請する。会社分割の効力発生日から逆算し、加入者の制度に空白が生じない日程で進める
よくある質問 AI による整理
Q1企業年金基金の分割とは?
一つの企業年金基金を、実施事業所の単位で複数の基金に分けることです。確定給付企業年金法77条が根拠で、厚生労働大臣の認可が必要です。
Q2基金を分割するときの手続の流れは?
新基金の規約作成(4項)、代議員会の議決(7項による76条2項の準用)を経て、分割と承継限度について厚生労働大臣の認可を申請します(1項・6項)。
Q3基金を部署単位で分割できる?
できません。77条2項は実施事業所の一部についての分割を禁じており、同じ事業所の中で部署や課ごとに線を引くことは認められません。
Q4基金分割の人数要件とは?
分割で設立される基金と存続する基金の双方で、加入者となる厚生年金被保険者の数が政令で定める数以上であるか、そう見込まれることが必要です(77条3項)。
Q5分割でできた新しい基金の規約は誰が作る?
新基金の実施事業所となる厚生年金適用事業所の事業主が規約を作り、その他設立に必要な行為をします(77条4項)。
Q6基金分割の申請に代議員会の議決は必要?
必要です。77条7項が合併に関する76条2項を準用しており、分割の認可と承継限度の認可の申請は代議員会の議決を経て行います。
Q7会社分割と基金分割は同時に行う必要がある?
法律上は別の手続です。会社法上の会社分割が成立しても基金は自動では分かれないため、実務では効力発生日に間に合うよう認可手続を並行して進めます。
Q8基金が分割されると年金額は減る?
分割そのもので当然に減るわけではありません。ただし新基金が承継する積立金の範囲で財政状況が変わり得ます。給付の減額には分割とは別の手続と要件があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社分割で新会社に移ったら、これまで積み立てた企業年金はどうなるんですか?
新会社が、分割でできた新しい基金の実施事業所になれば、元の基金の権利義務の一部がその基金に引き継がれる(77条5項)。どこまで引き継ぐかは大臣の認可事項である(6項)。実務のポイント:実務で一番もめるのは積立不足の分け方だ。元の基金に不足があるとき、その不足を新旧どちらがどれだけ背負うかで、将来の掛金の負担が変わる。見るべきなのは認可申請前の配分案である
Q2人数が足りなくて基金を分けられないときは、どうするんですか?
3項の人数要件を満たさなければ、分割は認可されない。その場合は、新会社を元の基金の実施事業所として残す、規約型の確定給付企業年金を新たに作る、といった方法が検討される。実務のポイント:3項は「見込まれる」場合でもよいとしている。採用計画などで近いうちに基準の人数に届く根拠を示せれば、道が残る余地がある。認められるかどうかは、実務上、厚生局との事前相談で見通しが立つ
間違えやすい点 AI による整理
- 会社分割(会社法の手続)をすれば年金基金も一緒に分かれると思われがちだが、会社法の手続と本条の基金分割はまったく別の手続である。労働契約が新会社へ引き継がれても、企業年金の加入資格まで自動で付いてくるわけではない。新会社が基金の実施事業所になっていなければ、加入者資格はそこで途切れうる
- 「新しい基金と元の基金、どちらに行くほうが得か」と考える人がいるが、その問い自体が成り立たない。どちらに属するかは個人が選ぶものではなく、勤めている実施事業所がどちらの基金に入るかで決まる(2項)。本当に問うべきなのは、新しい基金に引き継がれる積立金と給付の水準が、認可申請の中でどう設計されているかである
- 人数要件(3項)はただの形式的な数字だと軽く見られがちだが、分割後の両方の基金に同時にかかる。新しい基金だけでなく、残る基金が人数を割り込んでも分割は通らない。小さな事業を切り出すと、切り出す側も残る側も身動きが取れなくなることがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 77条:一つの基金を実施事業所単位で分割 | 76条:複数の基金を一つに合併 12条:基金設立の要件(加入者数は政令に委任) |
| 大臣認可 | 分割そのもの(1項)と承継限度(6項)の二つに認可が必要 | 合併に認可が必要 人数要件は分割時にも77条3項を通じて参照される |
| 代議員会の議決 | 76条2項を準用して必要(7項) | 認可申請の前提として必要(2項) — |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には日本型の企業年金基金制度はなく、合併・分割の際は勞工退休準備金の移轉として処理される。基金単位の分割認可という仕組みは日本特有である
ドイツでは組織再編法に基づく分割の際、企業年金債務の帰属が再編契約の中で整理される
米国ではプランの合併・分離(spinoff)に際し、各参加者の給付が直前のプラン終了時の給付を下回らないよう求める規律がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親会社が事業部門を切り出して新会社を作ると発表した。あなたの年金は元の基金に残るのか、新しい基金に移るのか? 答えは、あなたの勤め先の事業所が「実施事業所」としてどちらの基金に入るかで決まる。部署やあなた個人の希望で決まるわけではない
- あなたは人事部の担当者で、会社分割の効力が生じる日まであと3か月しかない。新会社の従業員は約150人で、施行令が定める人数を下回るおそれがある。規約型への移行にするか、他の制度へ移すか、それとも新会社を元の基金に残すか。前条2項が準用されるため代議員会の議決が必要で、その日程を今週中に押さえないと間に合わない
- 新しい基金に移された積立金が、元の基金より薄く配分されていた。認可申請の資料を加入者側の誰も読んでいなかったら、そのツケは二十年後の給付額に表れる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再編が発表されたら、自分の勤め先がどの実施事業所に属するかを、基金の規約や加入者向けの資料で確認する2. 労働組合や代議員を通じて、分割計画に含まれる積立金の承継範囲と、給付設計の変更の有無を開示するよう求める3. 代議員会での議決(7項による前条2項の準用)より前に意見を伝える4. 給付の減額を伴う場合は、分割とは別に減額のための手続と同意の要件がある。それが守られているかを確認する
訴えられた側:1. 会社分割の効力発生日から逆算し、地方厚生局への事前相談を早めに始める2. 分割の単位が実施事業所の単位と一致しているかを点検し、一致しなければ先に事業所の単位を整理する3. 分割後の両方の基金が施行令の人数を満たすかを試算し、届かなければ規約型への移行や他の制度への移換を検討する4. 積立金の配分割合は数理計算の根拠を用意し、加入者に説明できる形で記録を残す
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。一般消滅時効(民法166条。債権は5年または10年)が適用される。ただし分割の効力は認可を受けて初めて生じるため、実務では会社分割の効力発生日に間に合わせることが実質的な期限になる(事前相談から認可までの期間は案件によって異なる。最新の運用をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法の制定に伴い、基金の合併・分割に関する規定の一つとして設けられた
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