確定給付企業年金法 第76条(基金の合併)
クイックジャンプ
- 基金は、合併しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
- 2.前項の認可の申請は、代議員会における代議員の定数の四分の三以上の多数による議決を経て行わなければならない。
- 3.合併によって基金を設立するには、各基金がそれぞれ代議員会において役員又は代議員のうちから選任した設立委員が共同して規約を作り、その他設立に必要な行為をしなければならない。
- 4.合併により設立された基金又は合併後存続する基金は、合併により消滅した基金の権利義務を承継する。
この条文の基本情報
基金の合併とは何ですか?
定義基金の合併とは、確定給付企業年金法第76条に定められた規定で、「基金は、合併しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第76条(基金の合併)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第76条の条文原文は「基金は、合併しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。」で始まります。
- 確定給付企業年金法第76条は第八章 確定給付企業年金間の移行等に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第76条の前の条は確定給付企業年金法第75条です。
- 確定給付企業年金法第76条の次の条は確定給付企業年金法第77条です。
- 確定給付企業年金法第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第76条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/76
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法76条は、企業年金基金の合併に厚生労働大臣の認可を求め、その申請には代議員定数の四分の三以上の議決を要すると定める。権利義務は合併後の基金が承継する。
Q · 企業年金基金が合併するとき、会社だけの判断で決められるの?
できない。大臣の認可と代議員定数の4分の3以上の議決が必要
確定給付企業年金法76条により、基金の合併には厚生労働大臣の認可が必要です。その申請の前に、代議員会で代議員の「定数」の四分の三以上が賛成しなければなりません。基準は出席者数ではないため、欠席や棄権は実質的に反対と同じ効果を持ちます。合併後の基金は、消滅した基金の権利義務を包括的に承継します(同条4項)。
解説
給与明細には載らないが、あなたの老後資金の一部を預かっている組織がある。企業年金基金だ。その基金が別の基金と一つになるとき、法律は三つの関門を置いている。一つ目は厚生労働大臣の認可である。二つ目は代議員会で、代議員の定数の四分の三以上が賛成すること。三つ目は、新設合併の場合に、それぞれの基金が選んだ設立委員が共同で規約を作ることだ。見落とされやすいのは、基準が「出席者」ではなく「定数」の四分の三だという点である。欠席や棄権は、実質的に反対票と同じ効果を持つ。しかも基金の代議員は、半数が事業主の選定、半数が加入者の互選で選ばれる仕組みになっている。加入者側がまとまれば、事業主側の票だけでは合併を通せない。合併後の基金は、消滅した基金の権利義務をすべて引き継ぐ。そのため、あなたの受給権は原則として消えない。ただし、給付水準をどうするかは合併とは別の問題で、減額には別の同意手続が必要になる。この区別を知っているかどうかで、説明会でする質問が変わる。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法第76条は、企業年金基金の合併手続を定める規定である。合併には厚生労働大臣の認可を要し、その認可申請は代議員会における代議員定数の四分の三以上の多数による議決を経て行う。新設合併では、各基金が選任した設立委員が共同して規約を作成する。合併後の基金は、消滅した基金の権利義務を包括的に承継する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.合併の通知を受けたら資料を請求する 代議員会の招集通知を受け取ったら、合併後の規約案、給付算定式の新旧比較、両基金の積立状況と財政見通しを、基金事務局に書面で請求する
- 2.給付設計の変化を「過去分」と「将来分」に分けて確認する 新旧の給付算定式、予定利率、掛金負担を比べ、すでに積み上がった過去分と今後の将来分を分けて変化を洗い出す。減額があれば、別途必要な同意手続がとられているかも確認する
- 3.加入者互選の代議員に意見を伝える 自分の職場を代表する加入者互選の代議員を確認し、疑問点や条件を書面で伝える。定数の四分の一を超える代議員の足並みがそろえば、議決の成否を左右できる
- 4.代議員会で定数の四分の三以上の議決を確認する 議決では、出席者数ではなく定数を基準に賛成数を数える。議事録に賛成・反対・欠席の数が正しく記録されているかを確認する
- 5.厚生労働大臣への認可申請 基金は、議決を経たうえで厚生労働大臣に合併の認可を申請する。書類の不備は審査の長期化につながるため、所管の地方厚生局に事前相談しておく
よくある質問 AI による整理
Q1企業年金基金の合併とは?
企業年金基金という法人同士が一つになることです。確定給付企業年金法76条が手続を定めており、厚生労働大臣の認可と代議員会の特別多数議決が必要です。
Q2企業年金基金 合併 議決要件は?
代議員会で、代議員の定数の四分の三以上の賛成が必要です。基準は出席者数ではなく定数なので、欠席者が多いと可決できません。
Q3企業年金 合併 認可 どこに申請?
認可権者は厚生労働大臣です。実務では、所管の地方厚生局を通じて事前相談と申請書類の提出を行うのが一般的です。
Q4基金合併で企業年金は減額される?
合併だけを理由に給付が減るわけではありません。給付を減額するには、施行令・施行規則が定める規約変更と同意の手続が別に必要です。
Q5基金合併 加入者 反対 できる?
加入者個人の異議申立て手続は本条にありません。ただし代議員の半数は加入者の互選で選ばれるため、代議員会の議決で反対の意思を示すことができます。
Q6新設合併と吸収合併の違い(企業年金基金)は?
新設合併は新しい基金を設立する方式で、各基金が選任した設立委員が共同で規約を作ります(76条3項)。吸収合併では既存の基金が存続します。
Q7合併先の基金が積立不足だったらどうなる?
権利義務は包括承継されるため(76条4項)、相手の積立不足も合併後の基金の負債になります。穴埋めの掛金負担を議決前に確認すべきです。
Q8代議員が欠席したら合併の議決はどうなる?
定数の四分の三以上の賛成が必要なため、欠席は反対と同じ効果を持ちます。定数40名なら30名の賛成が必要で、11名欠席した時点で可決できません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1基金が合併したら、今までの加入期間ってリセットされるんですか?
原則としてリセットされない。第76条4項により、合併後の基金は消滅した基金の権利義務を承継するので、加入者期間や受給権は新しい基金に引き継がれる。ただし、合併後の規約で期間の通算方法や給付算定式が変わることはある。実務のポイント:説明資料にある「給付水準は維持」という一文は、すでに積み上がった過去分だけを指していることがある。「過去分」と「将来分」を分けて質問するのがコツだ
Q2代議員会で反対したのに合併が決まったら、もう打つ手はないんですか?
定数の四分の三以上の賛成と大臣の認可がそろえば合併は成立し、個人の反対だけで覆すのは難しい(第76条1項・2項)。ただし、給付の減額を伴う規約変更には、合併とは別に施行令・施行規則上の同意要件がある。実務のポイント:認可の審査は書類が中心になる。そのため同意手続の不備は、審査の場で問題にされうる。自分が受け取った説明資料と同意書の控えは、必ず保管しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「合併すれば年金が減らされる」と身構える人は多い。しかし、合併そのものが給付を削る権限を与えるわけではない。第4項が定めているのは権利義務の承継だけだ。給付の減額には、規約変更の手続と、確定給付企業年金法施行令・施行規則が定める受給権者等の同意などの要件が別に必要になる(最新の改正状況をご確認ください)
- 「合併に賛成か反対か」という問いの立て方自体が狭すぎる。本当に問うべきなのは、合併後の規約で給付算定式、予定利率、掛金負担がどう変わるかである。合併の議決と新しい規約案は、セットで提示されることが多い。賛成票を投じた代議員は、新しい規約の方向性にも同意したと受け取られかねない
- 事業主から見れば、合併は事務コストを減らすための経営判断にすぎない。しかし法律から見れば、加入者の財産を預かる別々の法人を統合する行為であり、だからこそ大臣の認可と特別多数の議決が必要になる。この見え方の差に気付かず「会社が決めたこと」と受け流すと、自分の発言権を自ら手放すことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 76条:基金の合併(新設合併・吸収合併) | 85条:基金の解散(現行効力を要確認) 施行令・施行規則:規約変更による給付の減額 |
| 代議員会の要件 | 代議員定数の四分の三以上の多数による議決 | 代議員定数の四分の三以上の多数による議決が求められる(要確認) 規約変更の議決に加え、受給権者等の同意など別要件 |
| 行政の関与 | 厚生労働大臣の認可 | 厚生労働大臣の認可 規約変更の認可・届出 |
| 加入者の権利への影響 | 権利義務は合併後の基金が包括承継 | 基金が消滅し、残余財産の分配・移換の問題となる 給付水準そのものが引き下げられうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は退職準備金と個人口座制の退職金が中心で、日本の企業年金基金の合併に直接対応する制度はない
韓国の確定給付型退職年金は金融機関との契約で運営され、基金法人同士の合併という枠組みは一般的でない
ドイツでは Pensionskasse などの統合に BaFin の監督が及ぶ。企業年金の受給権は BetrAVG で保護される
米国は制度合併の際、各参加者が合併直後に制度を終了した場合に受け取る給付が、合併前の額を下回らないことを求める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社から「来月の代議員会で基金合併を議決する」と通知が来た。議決まではあと3週間しかない。あなたが加入者互選の代議員なら、合併後の規約案、新旧の給付算定式の比較、積立状況の資料を、今すぐ事務局に請求すべきだ。資料を見ないまま賛成票を投じると、後から覆す手段はほとんど残らない
- 合併先の基金が積立不足を抱えていたら、あなたの年金はどうなるのか? 第4項により権利義務は包括的に承継されるので、相手の積立不足も新しい基金の負債になる。その穴を埋める掛金を、誰がどれだけ負担するのか。合併の議決前に確認しておく価値がある
- あなたは中堅メーカーの人事部長で、同業他社の基金との合併を任された。代議員の定数が40名なら、賛成は30名必要だ。11名が欠席した時点で、計画は止まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 合併の通知を受けたら、合併後の規約案、給付算定式の新旧比較、積立状況の資料を基金事務局に請求する2. 自分の職場を代表する加入者互選の代議員が誰かを確認し、疑問点を書面で伝える3. 給付の減額を伴う場合は、施行令・施行規則が定める同意手続や一時金の選択肢について、説明が行われているかを確認する(最新の改正状況をご確認ください) 4. 分からない点は、社会保険労務士か、年金問題に詳しい弁護士に相談する
訴えられた側:1. 議決要件は出席者ではなく定数が基準であることを前提に、早い段階から加入者側の代議員への説明を重ねる2. 合併後の規約案、財政見通し、掛金負担の変化を議決前に開示する3. 給付設計を変える場合は、合併の議決と減額の同意手続を切り分け、それぞれ別に手順を組む4. 認可申請の書類に不備があると審査が長引くため、所管の地方厚生局と事前に相談しておく
時効(請求できる期限):本条に特定の期限はない。合併の効力は厚生労働大臣の認可が前提となり、議決から効力発生日までの日程は各基金が管理する。給付を受ける権利については、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が問題になりうる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)の制定により新設された。基金型企業年金の合併について、大臣の認可と代議員定数の四分の三以上の議決という二重の要件を定めた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める