民法 第751条(生存配偶者の復氏等)
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- 夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。
- 2.第七百六十九条の規定は、前項及び第七百二十八条第二項の場合について準用する。
この条文の基本情報
生存配偶者の復氏等とは何ですか?
定義生存配偶者の復氏等とは、民法第751条に定められた規定で、「夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民法第751条(生存配偶者の復氏等)は、日本の民法に含まれる条文です。
- 民法第751条の条文原文は「夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。」で始まります。
- 民法第751条は第二節に置かれています。
- 民法の公布日は明治29年4月27日です。
- 民法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民法第751条の前の条は民法第750条です。
- 民法第751条の次の条は民法第752条です。
- 民法第751条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民法(明治二十九年法律第八十九号)第751条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 - 本サイト収録
民法(明治二十九年法律第八十九号)第751条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/129AC0000000089/751
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民法751条は、夫婦の一方が死亡したとき、生存配偶者が婚姻前の氏に復することができると定める。死別では氏は自動で戻らず、復氏届の提出が必要となる。
Q · 夫が亡くなったら、私の苗字は自動的に旧姓に戻るの?
戻りません。旧姓に戻すには自分で復氏届を出す必要があります。
民法751条1項により、夫婦の一方が死亡したとき、生存配偶者は婚姻前の氏に復することができます。死別では離婚と違い氏は自動で戻らないため、旧姓に戻したいなら本籍地または住所地の市区町村に復氏届を出す必要があります(戸籍法77条の2)。期限はなく、何年経っても届出一枚で戻せます。2項は769条を準用し、仏壇や墓などの祭祀財産を誰が承継するかは当事者の協議で決めます。
解説
夫を亡くした翌週、義理の母から「うちの墓はあなたが守ってね」と言われ、あなたは黙ってうなずいた。だが法律はあなたに、もう一つの選択肢を握らせている。民法751条1項は、夫婦の一方が死亡したとき、生き残った側は婚姻前の氏(旧姓)に戻ることができると定める。離婚と違い、死別では戸籍上の氏は自動では変わらない。何もしなければ、あなたは亡き配偶者の氏のまま、その家の戸籍に残り続ける。旧姓に戻したいなら、市区町村に「復氏届」を出す必要がある。ここが多くの人の盲点だ。さらに2項が準用する769条は、復氏したときに先祖の系譜・祭具・墳墓(仏壇や墓)の所有権を誰が承継するかを当事者の協議で決めると定める。つまり「名前を戻すか」と「お墓・仏壇を背負い続けるか」は、あなたが能動的に動かせる二つのレバーだ。婚家の空気に流されてどちらも放置するのか、自分の意思で選ぶのか。751条は、その選択権があなたの側にあることを宣言している。
法的な位置づけ
民法751条は生存配偶者の復氏を定める規定であり、夫婦の一方が死亡したとき、生存配偶者が婚姻前の氏に復することを認める。死別では氏は当然には変わらず、復氏は本人の一方的な意思による届出で成立する。同条2項は769条を準用し、復氏した者に係る祭祀財産の承継先を協議に委ねる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.何を変えたいのかを切り分ける まず自分の目的を整理する。氏を旧姓に戻したいのか(復氏)、義理の家族と縁を切りたいのか(姻族関係終了)、子も旧姓にしたいのか、祭祀財産をどうするのか。手続きはそれぞれ独立しており、必要なものだけ選べる
- 2.復氏届を市区町村に提出する 旧姓に戻したい場合、本籍地または住所地の市区町村に復氏届を提出する。相手方や親族の同意・通知は不要で、期限もない(戸籍法77条の2)。提出により旧姓の新戸籍が編製される
- 3.必要なら姻族関係終了届も出す 義理の家族との姻族関係も終わらせたい場合は、別途「姻族関係終了届」を提出する(民法728条2項、いわゆる死後離婚)。これも相手の同意・通知なしで一方的にできる。復氏とは別の手続きなので片方だけでもよい
- 4.子も旧姓にするなら家庭裁判所へ 子を自分の旧姓に変えたい場合は、親の復氏には連動しないため、家庭裁判所に子の氏の変更許可を申し立てる(民法791条)。15歳以上の子は子自身が申立人となる。許可後に入籍届を提出する
- 5.祭祀財産の承継を協議する 仏壇・墓・系譜などの祭祀財産が絡む場合、誰が承継するかを親族と協議する(751条2項が準用する769条)。協議が整わなければ家庭裁判所が定める。復氏を理由に当然に負担を免れるわけではない点に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1復氏届とは何ですか?
復氏届は、配偶者の死亡後に生存配偶者が婚姻前の旧姓に戻るための届出です。本籍地または住所地の市区町村に提出します(戸籍法77条の2)。期限はなく、提出して初めて氏が変わります。
Q2死後離婚と復氏の違いは?
復氏(751条)は氏を旧姓に戻す手続き、死後離婚(姻族関係終了届・728条2項)は義理の家族との姻族関係を切る手続きで、法律上まったく別物です。片方だけでも両方でも選べます。
Q3夫の死後 旧姓に戻す手続きは?
本籍地または住所地の市区町村に復氏届を提出します。死亡の記載がある戸籍と本人確認書類が必要で、相手や親族の同意は不要です。提出すれば旧姓の新戸籍が編製されます。
Q4復氏届に期限はありますか?
ありません。離婚の復氏は離婚後3か月以内という縛りがありますが、死別による復氏(戸籍法77条の2)には期限がなく、死亡から何年経っても届出一枚で戻せます。
Q5復氏すると戸籍はどうなりますか?
復氏すると生存配偶者は亡き配偶者の戸籍から抜け、婚姻前の戸籍に戻るか新しい戸籍を編製します。子は連動せず元の戸籍に残るため、親子で別戸籍になる場合があります。
Q6復氏すると遺族年金はもらえなくなりますか?
影響しません。復氏は氏を変えるだけで、婚姻関係や受給資格を消すものではなく、遺族年金や相続で得た地位はそのまま維持されます。
Q7復氏したら相続権はなくなりますか?
なくなりません。復氏しても配偶者として相続した権利は失われず、氏の変更と相続はまったく別の問題です。すでに確定した相続分にも影響しません。
Q8祭祀財産は誰が承継しますか?
系譜・祭具・墳墓などの祭祀財産は通常の遺産分割とは別ルールで、承継者は当事者の協議で決め、整わなければ家庭裁判所が定めます(751条2項が準用する769条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1夫が亡くなったら、放っておいても旧姓に戻りますか?
戻りません。死別の場合、戸籍上の氏は亡くなった配偶者のまま変わらないのが原則で、旧姓に戻したいなら自分から復氏届を出す必要があります(民法751条1項、戸籍法77条の2)。届を出さなければ生涯その氏のままです。実務のポイント:離婚の復氏には離婚後3か月という縛りがありますが、死別の復氏には期限が一切ありません。だから慌てる必要はなく、気持ちが落ち着いてから何年後でも戻せます。逆に言えば、自動では何も起きないので、戻したい意思があるなら能動的に動かないと一生そのままになります
Q2義理の親との関係を切りたいんですが、旧姓に戻せばいいんですか?
それでは切れません。旧姓に戻す復氏(751条)と、義理の家族との姻族関係を終わらせる手続き(728条2項の姻族関係終了届、いわゆる死後離婚)は、法律上まったく別の手続きです。両方やりたいなら届を二通出します。実務のポイント:姻族関係終了届は相手の同意も承諾も不要で、役所に出すだけで完結し、義実家に通知も行きません。介護や法事の負担から静かに抜けたい人が近年増えており、年間数千件が届け出ています。氏は夫のままで関係だけ切る、という選択もできます
Q3私が旧姓に戻ると、子どもの苗字も一緒に変わりますか?
変わりません。子の氏は親の復氏に連動せず、子を自分の旧姓に変えるには家庭裁判所の許可を得て子の氏の変更を申し立てる必要があります(民法791条)。手続きをしないと親子で別姓・別戸籍になります。実務のポイント:15歳以上の子は子自身が申立人になります。子が幼い間に親の判断で変えるか、子が大きくなってから本人に選ばせるか、家庭の方針が分かれるところ。学校生活や進学のタイミングを考えて、いつ変えるかを戦略的に決める家庭が多いです
間違えやすい点 AI による整理
- 「死別したら自動的に旧姓に戻る」と思っている人が驚くほど多い。実際は逆で、死別では氏は変わらないのが原則。旧姓に戻したいなら自分から復氏届(戸籍法77条の2)を出さなければ、あなたは一生、亡き配偶者の氏のままだ。手続きをしないこと自体が一つの選択になっている
- 「旧姓に戻せば義理の親との関係も切れる」という前提でこの条文を読む人がいるが、その問いの立て方が誤っている。復氏(751条)は氏の問題、姻族関係の終了(728条2項)は親族関係の問題で、法律上まったく別の箱に入っている。名前を戻しても扶養や祭祀をめぐる姻族関係は残る。逆も同じだ
- 「親が復氏すれば子も自動的に同じ姓になる」と信じている人が多いが、子の氏は連動しない。子を自分の旧姓に変えるには、家庭裁判所の許可を得て氏の変更の申立て(民法791条)をする必要がある。親の戸籍だけ動かして子を置き去りにすると、親子で別姓・別戸籍という状態が生まれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発生原因 | 民法751条:配偶者の死亡(死別) | 民法767条:離婚 民法728条2項:配偶者の死亡後の姻族関係終了の意思表示 |
| 氏・関係への効果 | 生存配偶者が婚姻前の氏に復する(氏のみ) | 婚姻によって氏を改めた者が婚姻前の氏に復する(氏のみ) 義理の家族との姻族関係が終了(氏は変わらない) |
| 期限 | 期限なし(戸籍法77条の2) | 離婚の日から3か月以内なら婚氏続称も選択可(767条2項) 期限なし |
| 相手の同意 | 不要(一方的な届出で完結) | 不要(離婚の効果として) 不要(一方的な届出で完結) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は1998年改正以降、夫婦は各自の本姓を保持するのが原則で、冠姓は当事者の約定による。日本のような死別時の復氏という構成は採らない
ドイツは死別・離婚後、婚姻氏(Ehename)を保持しつつ、戸籍官署への宣言により出生氏(Geburtsname)に戻すことができ、日本の復氏に最も近い構造を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夫の死後、義実家との関係に疲れ果てた。もし旧姓に戻したら、義理の親や親戚との法律上の関係も切れるのだろうか? 答えはノー。復氏(751条)で変わるのはあなたの氏だけ。義理の家族との姻族関係を切るには別途「姻族関係終了届」(728条2項)が要る。二つは完全に別の手続きで、片方だけ、両方、どちらも選べる
- 夫を亡くして三年、ずっと夫の姓のままだった。今さら旧姓に戻せるのか不安になる。安心していい。死別による復氏には離婚のような期限がなく、何年経っても復氏届一枚で戻せる(戸籍法77条の2)
- 妻に先立たれた夫が旧姓に戻したいと考えた。だが2項が準用する769条により、先祖代々の仏壇や墓の所有権を誰が引き継ぐかは、妻の親族との協議事項になる。名前を戻す自由はあっても、祭祀財産の承継は一人では決められない
- あなたが亡き配偶者の親(義父母)の側だとしたら。嫁いできた配偶者が突然復氏し、姻族関係終了届まで出した。介護も法事も期待できなくなる。だが法律上それを止める権利はない。これらはすべて生存配偶者の一方的な意思でできる手続きだ
- 夫が亡くなり、相続放棄するかどうかの判断にあと一か月。同時に復氏や子の氏のことも考え始めるが、優先順位を誤ると取り返しがつかない。復氏に期限はないが、相続放棄は知った時から三か月(民法915条)。急ぐべきはどちらかを見極める
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分が何を変えたいのかを切り分ける。氏を旧姓に戻したいのか(復氏)、義理の家族と縁を切りたいのか(姻族関係終了)、その両方か2. 復氏したいなら本籍地または住所地の市区町村に「復氏届」を提出(戸籍法77条の2、期限なし) 3. 義理の家族との関係も終わらせたいなら別途「姻族関係終了届」を出す(728条2項) 4. 子も一緒に旧姓にしたい場合は、家庭裁判所に子の氏の変更許可を申し立てる(民法791条) 5. 仏壇・墓の承継が絡むなら、誰が祭祀財産を継ぐかを親族と協議(769条準用)、協議が整わなければ家庭裁判所が定める
訴えられた側:1. あなたが亡くなった方の親・親族側で、生存配偶者の復氏や姻族関係終了に直面した場合、これらは相手の一方的な権利であり、阻止する法的手段はないと理解する2. 争えるのは祭祀財産(仏壇・墓・系譜)の承継先だけ。誰が承継するかは協議で決まり(769条準用)、整わなければ家庭裁判所の審判による3. 介護・扶養の期待があったなら、姻族関係終了によって法律上の扶養義務(民法877条の特別な事情による負担)が消える点を踏まえ、別の手当てを検討する
時効(請求できる期限):復氏届および姻族関係終了届には期限がない(戸籍法77条の2、民法728条2項)。死亡から何年経っても届出可能。ただし関連する相続放棄は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月(民法915条)、子の氏の変更は家庭裁判所の許可が必要で審理に時間を要するため、相続全体の段取りの中で優先順位をつけること
学説
通説:751条1項の復氏は生存配偶者の一方的意思表示(届出)によって効力を生じ、相手方や親族の同意を要しない。氏の変更と姻族関係の終了(728条2項)、祭祀財産の承継(2項準用769条)はそれぞれ独立した別個の効果として整理される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 民法現代語化に伴う改正。親族編の片仮名文語体を平仮名口語体へ改め、「夫婦ノ一方カ死亡シタルトキ」を「夫婦の一方が死亡したときは」とするなど表記を現代化。実体的な要件・効果に変更はない
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:戦後の家制度廃止に伴う民法親族編の全面改正により、生存配偶者の復氏制度を整備。家への帰属ではなく個人の意思に氏の選択を委ねる構造とした
- 2.平成16年(2004年) 改正:民法現代語化に伴い、親族編の片仮名文語体を平仮名口語体へ改める表記の現代化。実体的な要件・効果に変更はない
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