民法 第752条(同居、協力及び扶助の義務)
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夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
この条文の基本情報
同居、協力及び扶助の義務とは何ですか?
定義同居、協力及び扶助の義務とは、民法第752条に定められた規定で、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民法第752条(同居、協力及び扶助の義務)は、日本の民法に含まれる条文です。
- 民法第752条の条文原文は「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」で始まります。
- 民法第752条は第二節に置かれています。
- 民法の公布日は明治29年4月27日です。
- 民法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民法第752条の前の条は民法第751条です。
- 民法第752条の次の条は民法第753〜754条です。
- 民法第752条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民法(明治二十九年法律第八十九号)第752条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 - 本サイト収録
民法(明治二十九年法律第八十九号)第752条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/129AC0000000089/752
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民法752条は夫婦に同居・協力・扶助を義務づける。同居は強制執行できないが、扶助義務は別居中の婚姻費用分担(760条)の根拠となり、拒否は離婚原因にもなる。
Q · 夫婦の同居義務って、出て行った相手を法律で連れ戻せるってこと?
連れ戻せません。でも別居中の生活費は請求できます。
民法752条は夫婦に同居・協力・扶助を義務づけますが、同居を命じる審判が出ても直接強制も間接強制もできず、出て行った配偶者を物理的に連れ戻す手段はありません。一方、扶助義務は『生活保持義務』として相手にあなたと同水準の生活を保障させるもので、別居中でも婚姻費用分担(760条)の根拠になります。正当な理由なく同居・扶助を拒めば悪意の遺棄(770条1項2号)として裁判離婚の原因にもなります。
解説
結婚して一緒に暮らし、互いに助け合うのは「愛情」や「気持ち」の問題だと思われている。だがそれは半分しか正しくない。民法752条は、夫婦に「同居」「協力」「扶助」の三つを法的義務として課している。気持ちが冷めても、義務は残る。ここからが多くの人の知らない領域だ。第一に、この同居義務は裁判所が「同居せよ」と命じることはできても、警察を使って連れ戻すような強制執行は一切できない(直接強制も間接強制も不可、大審院以来の確立した立場)。つまり家を出た配偶者を物理的に引き戻す手段はない。第二に、では752条は無力かというと、まったく逆だ。扶助義務は「生活保持義務」、つまり相手にあなた自身と同程度の生活水準を保障する義務であり、これが婚姻費用分担請求(760条)の土台になる。さらに正当な理由なく同居・扶助を拒めば「悪意の遺棄」として裁判離婚の原因(770条1項2号)になる。あなたが別居で揉めているなら、752条は連れ戻しの道具ではなく、生活費を取り、離婚で有利に立つための足場だ。
法的な位置づけ
民法752条は夫婦の同居・協力・扶助義務を定める規定である。同居義務は夫婦が共同生活を営むこと、協力義務は婚姻共同体の維持への協働、扶助義務は相互に同等の生活水準を保障する生活保持義務をそれぞれ内容とする。いずれも婚姻が継続する限り存続し、婚姻費用分担や裁判離婚原因の基礎となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.別居が決まったら婚姻費用分担の調停を即申立て 配偶者に家を出られ生活費を止められたら、家庭裁判所へ婚姻費用分担(760条)の調停を申し立てる。実務では申立て時点から計算されるため、別居が決まった瞬間に動くのが過去分を取り逃がさないコツ
- 2.別居に至った経緯の証拠を保全 相手の不貞・暴力・モラハラ・一方的離脱など、別居理由を裏付ける証拠(録音、メッセージ、日記、診断書)を保全する。後の離婚で『悪意の遺棄』を相手に主張する、または自分が責められた際の反証材料になる
- 3.算定表で相場を確認し相手の収入資料を集める 裁判所公表の婚姻費用算定表で、双方の年収と子の人数・年齢から相場を確認する。相手の年収資料(源泉徴収票、確定申告書)を集め、過大・過少請求を検証できるようにする
- 4.連れ戻しより生活費確保と離婚条件構築に注力 同居を命じる審判は強制力がなく実効性が薄い。資源は婚姻費用の確保と、悪意の遺棄など離婚原因を相手に積み上げる方向に集中させ、離婚協議で優位に立つ足場を作る
よくある質問 AI による整理
Q1夫婦の同居義務とは何ですか?
夫婦が共同生活を営む法的義務です(民法752条)。ただし同居を命じる審判は出ても、警察による連行や制裁金による強制はできず、実効的な強制手段はありません。
Q2別居は同居義務違反になりますか?
正当な理由のある別居(DV・モラハラ・相手の不貞・単身赴任など)は義務違反になりません。正当な理由なく一方的に出た場合に限り、悪意の遺棄が問題になります。
Q3婚姻費用はいつから請求できますか?
実務では調停を申し立てた時点から計算されるのが主流です。別居後に我慢してから請求すると過去分を取り逃がすため、別居が決まった時点で速やかに申し立てるのが鉄則です。
Q4悪意の遺棄とは何ですか?
正当な理由なく同居・協力・扶助義務を放棄することです。これにあたると相手から裁判離婚を請求される原因(民法770条1項2号)となり、慰謝料の対象にもなりえます。
Q5単身赴任は同居義務違反ですか?
違反になりません。仕事の都合などの正当な理由がある別居は、752条の同居義務に反しないと解されています。違反が問題になるのは正当な理由を欠く一方的な離脱の場合です。
Q6婚姻費用の金額はどう決まりますか?
義務者と権利者の収入、子の人数・年齢で決まり、裁判所が公表する婚姻費用算定表が目安になります。相手の年収資料を集めて適正額を確認することが重要です。
Q7夫婦の協力義務に違反したらどうなりますか?
協力義務違反そのものに直接の罰則はありませんが、程度が著しければ悪意の遺棄や婚姻を継続し難い重大な事由として、裁判離婚の判断材料になりえます。
Q8同居を命じる審判に実効性はありますか?
実効性は薄いです。審判が出ても直接強制も間接強制もできないため、弁護士は別居案件でまず婚姻費用分担の調停を勧めるのが一般的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1夫が出て行ったまま戻りません。裁判で無理やり連れ戻せますか?
連れ戻せません。同居を命じる審判自体は可能ですが、これを直接強制(警察が連行する等)も間接強制(従わなければ制裁金を課す等)もできないのが確立した立場です。752条の同居義務には実効的な強制手段がありません。実務のポイント:弁護士は同居審判の実益が薄いことを知っているので、別居案件ではまず婚姻費用分担(760条)の調停を勧めます。連れ戻しに執着するより、生活費の確保と離婚条件の構築に資源を回したほうが、結果的に得るものが大きい
Q2別居中でも、相手に生活費を請求できるんですか?
できます。752条の扶助義務は別居中も婚姻が続く限り消えず、これを根拠に婚姻費用分担(760条)を家庭裁判所に申し立てられます。金額は双方の収入と子の人数で決まり、裁判所公表の算定表が目安です。実務のポイント:婚姻費用は「申し立てた時点」から計算されるのが実務の主流。別居後しばらく我慢してから請求すると、その間の分は取り損ねる可能性が高い。別居が決まった瞬間に申立てを出すのが、取り逃がさないコツです
Q3勝手に家を出たら、離婚のとき不利になりますか?
出た理由次第です。正当な理由なく一方的に同居・扶助を拒むと「悪意の遺棄」(770条1項2号)として、相手から離婚を請求される原因になり、慰謝料の対象にもなりえます。逆にDV・モラハラ・相手の不貞など正当な理由があれば、別居は遺棄になりません。実務のポイント:家を出る前に「なぜ出るのか」の証拠(録音、メッセージ、診断書)を残せるかどうかが分水嶺。同じ別居でも、理由を立証できる側とできない側で、離婚協議の立場が正反対になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「同居義務があるから、出て行った配偶者を裁判で連れ戻せる」と思っている人がいる。実は同居を命じる審判は出ても、それを物理的に強制する手段は存在しない(直接強制も間接強制も不可)。条文に「同居しなければならない」と書いてあっても、強制力の中身は空っぽに近い。ここを誤解すると、無駄な手続に時間と費用を注ぎ込むことになる
- 752条の扶助義務を「困ったときに最低限助ける程度」と軽く考えている人が多い。実際は「生活保持義務」、つまり自分が食べるパンを半分に割ってでも相手に同じ生活水準を保障するレベルの義務だ。親が成人の子を助ける扶養(877条、生活扶助義務)よりはるかに重い。この重さを知らないと、婚姻費用の算定で自分の取り分を大幅に見誤る
- 「別居したら自分の生活費は自分で何とかするしかない」と思い込んで、配偶者に何も請求しない人がいる。だが扶助義務は別居中も婚姻が続く限り消えない。問いの立て方が間違っている。問うべきは『請求できるか』ではなく『いくら請求できるか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の性質 | 752条:夫婦間の同居・協力・扶助(扶助は生活保持義務) | 760条:扶助義務を具体化した婚姻費用の分担 877条:親族間の扶養(生活扶助義務) |
| 義務の重さ | 自分と同程度の生活水準を相手に保障する高度な義務 | 752条を金銭面で実現する分担請求の根拠 自分の生活に余力がある範囲で助ける、より軽い義務 |
| 強制・実現手段 | 同居は強制不可。扶助は760条の婚姻費用分担で実現 | 家庭裁判所への調停・審判で金額を確定し履行を求める 扶養義務者・順位・程度を協議または審判で定める |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も夫妻に同居義務を課すが、不能同居の正当事由があれば免れる。扶養義務は別条で規律し、構造は日本に近い。
韓国は同居・扶養・協助義務を一条にまとめて規定。同居義務の不執行という運用も日本と類似する。
ドイツも婚姻共同生活義務を定めるが、訴求は可能でも強制執行はできないとされ、日本の非強制構造と共通する。
米国は統一的な同居義務規定を持たず、生活必需品の供与義務などコモンロー・州法上の法理で部分的に類似機能を担う。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 配偶者が突然家を出て実家に帰り、生活費も止まった。あなたは752条で「戻ってこい」と直接強制はできないが、扶助義務を根拠に婚姻費用分担(760条)を家庭裁判所へ申し立てられる。別居していても、離婚が成立するまで生活費を請求できる。多くの人がこれを知らずに数か月分を取り逃がす
- あなたが配偶者の度重なるモラハラに耐えかね、子を連れて家を出たとする。相手が「同居義務違反だ、悪意の遺棄だ」と主張してくるかもしれない。だが別居に正当な理由(DV、モラハラ、相手の不貞)があれば遺棄にはならない。家を出る前に、なぜ出るのかの証拠(録音、日記、メッセージ)を残せるかが、後の離婚協議での立場を分ける
- 単身赴任で夫婦が別々に暮らしている。これは同居義務違反か。違う。正当な理由のある別居は義務違反にならない
- もし配偶者が一方的に出て行って音信不通になり、生活費も入らなくなったら、あなたに残された選択肢は何か。同居を命じる審判を求めることもできるが、実効性は薄い。むしろ婚姻費用分担の調停を急ぐべきだ。申立てが遅れるほど、過去分の生活費が取りにくくなる。動くなら早いほうがいい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 配偶者に一方的に家を出られ生活費を止められたら、まず家庭裁判所へ婚姻費用分担の調停(760条)を申し立てる。申立て時点から計算されるので一日でも早く2. 別居に至った経緯(相手の不貞、暴力、一方的離脱)の証拠を保全、後の離婚で「悪意の遺棄」主張の材料になる3. 同居審判は実効性が薄いので、連れ戻しより生活費確保と離婚条件の構築に注力4. 婚姻費用は算定表(裁判所公表)で相場を確認、相手の年収資料を集める
訴えられた側:1. 「同居義務違反だ」「悪意の遺棄だ」と責められても、別居に正当な理由(DV、モラハラ、相手の不貞、単身赴任)があれば義務違反にはならない。その理由を裏付ける証拠を確保2. 婚姻費用を請求された場合、算定表に基づく適正額かを検証、相手の収入や子の有無で大きく変わる3. 過大請求には収入資料の精査を求める4. 連れ戻しの強制はされないので冷静に、争点は生活費の額と離婚原因の有無に絞る
時効(請求できる期限):同居・協力・扶助義務そのものは婚姻が続く限り存続し、特定の時効はない。ただし扶助義務から生じる婚姻費用分担請求権は、過去分の遡及範囲に実務上争いがあり、申立て時点以降が認められやすい。早期申立てが鉄則(最新の運用をご確認ください)
学説
判例・通説:752条の同居義務は、同居を命じる審判は可能でも、その性質上、直接強制も間接強制も許されないとするのが大審院以来の確立した立場である。条文上は義務でも、実効的な強制手段を欠く点に特色がある。
通説:752条の扶助義務は『生活保持義務』であり、相手に自己と同程度の生活水準を保障する高度な義務と解される。親族間の扶養(877条・生活扶助義務)より重く、婚姻費用分担(760条)の実体的根拠となる。
改正沿革 AI による整理
- 昭和22年(1947年)戦後家族法改正 旧民法の戸主・家制度を廃し、憲法24条の両性の平等を受けて現行の夫婦同居・協力・扶助義務を定める条文として再構成された
- 平成16年(2004年) 民法現代語化に伴う改正。カタカナ文語体の条文をひらがな口語体に改めた。文言の現代化であり義務の内容に実質的変更はない
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 改正:戦後家族法改正。旧民法の戸主・家制度を廃し、憲法24条の両性の平等を受けて現行の夫婦同居・協力・扶助義務を定める条文として再構成された。
- 2.平成16年(2004年) 改正:民法現代語化に伴う改正。カタカナ文語体の条文をひらがな口語体に改めた。文言の現代化であり、義務の内容に実質的変更はない。
- 民法 第760条扶助義務を具体化する婚姻費用の分担
- 民法 第770条悪意の遺棄を裁判離婚原因とする(1項2号)
- 民法 第877条親族間の扶養(生活扶助義務)との重さの対比
- 民法 第762条夫婦別産制、協力義務と財産帰属の関係
- 民法 第754条夫婦間の契約取消権、婚姻の効力に関する隣接条文
- 家事事件手続法 第39条同居・協力・扶助の処分を家事審判事項とする根拠(別表第二)
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