前条の概算日雇拠出金の額は、当該年度の日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用の見込額から当該年度の日雇特例被保険者に関する保険料相当額の見込額を控除した額として厚生労働省令で定めるところにより算定する額に、当該日雇関係組合を設立する事業主から前年度に納付された日雇特例被保険者に関する保険料の総延べ納付日数を前年度に納付された日雇特例被保険者に関する保険料の総延べ納付日数で除して得た率を乗じて得た額とする。
要点健康保険法175条は、概算日雇拠出金の額を、日雇特例被保険者に係る事業費用の不足見込額に、前年度の総延べ納付日数の比率を乗じて算定すると定める。
Q · 健康保険組合に来る日雇拠出金の請求額は、どうやって決まっているんですか?
前年度の日雇保険料の延べ納付日数の比率で按分されます
健康保険法175条によれば、概算日雇拠出金の額は二段構えで決まります。まず当該年度の日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用の見込額から、同被保険者に関する保険料相当額の見込額を控除して不足見込額を算出します(算定方法は厚生労働省令に委任)。次にその額へ、当該日雇関係組合を設立する事業主から前年度に納付された日雇特例被保険者に関する保険料の総延べ納付日数を、全体の総延べ納付日数で除して得た率を乗じます。したがって今年度の請求額を決めているのは、前年度の現場の使用実績です。
一行の割り算が、健康保険組合の年間予算に数百万円単位の穴を開けることがある。175条が決めているのは、日雇特例被保険者制度の赤字を誰がいくら埋めるかという配分ルールだ。まず全体で、その年度の日雇特例被保険者に係る健康保険事業の費用見込みから、その人たちが納める保険料相当額の見込みを引く。残った不足分が、日雇労働者を使っている健康保険組合、いわゆる日雇関係組合に配られる。配分キーは前年度の実績、具体的には自組合の設立事業主が納付した日雇特例被保険者の保険料の総延べ納付日数を、全体の総延べ納付日数で割った比率である。つまりあなたの組合が昨年度どれだけ日雇を使ったかが、今年度の請求書の金額を書いている。しかもこれは概算であり、確定額との差は後で調整される。予算編成の段階でこの構造を握っていないと、期中に説明のつかない支出が立ち上がる。
健康保険法175条は、概算日雇拠出金の額の算定方法を定める規定である。当該年度の日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用の見込額から保険料相当額の見込額を控除した額に、当該日雇関係組合を設立する事業主が前年度に納付した保険料の総延べ納付日数の全体に対する比率を乗じて算定される。
日雇特例被保険者に係る健康保険事業費用の不足分を、日雇関係組合が見込み額で先に負担するお金です。健康保険法174条で納付が、175条でその額の算定方法が定められています。
日々雇い入れられる者や短期の期間を定めて使用される者など、健康保険法3条が定める要件に該当する被保険者です。就労が断続的なため、一般の被保険者とは別の適用・給付の仕組みが置かれています。
前年度に納付された日雇特例被保険者に関する保険料の納付日数を、被保険者ごとに積み上げた合計です。自組合の設立事業主分が分子、全体分が分母となり、その比率が拠出金の按分キーになります。
増加要因は三つに分解できます。不足見込額そのものの増加、自組合の延べ納付日数(分子)の増加、そして全体の総延べ納付日数(分母)の縮小です。自組合の使用が横ばいでも分母が縮めば負担は増えます。
日雇特例被保険者の保険料を納付するために、事業主が日雇特例被保険者手帳に貼付して消印する印紙です。この貼付実績が納付日数として積み上がり、翌年度の拠出金按分の基礎データになります。
本条が按分の対象としているのは日雇関係組合、すなわち設立事業主が日雇特例被保険者を使用している健康保険組合です。全国健康保険協会管掌分の費用構造は本条の按分とは別枠で整理されます。
健康保険法193条は、保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収する権利は2年で時効消滅すると定めています。拠出金への適用範囲と起算点は最新の改正状況をご確認ください。
制度は現行の健康保険法に存置されていますが、利用実績は長期的に大きく縮小しています。分母が縮むほど使用実績を残した少数の組合に比率が集中しやすく、制度の縮小が負担軽減を意味するとは限りません。
納付義務を負うのは日雇関係組合、つまり設立事業主が日雇特例被保険者を使用している組合である(健康保険法173条、174条)。使用実績がなければ本条の分子がゼロとなり対象外だ。業界裏話ヒント:判定は前年度の納付実績ベースなので、年度途中に日雇の使用を始めた組合は翌年度に初めて請求が立つ。初回年度に予算計上がなく補正を組む例が実務では珍しくない
概算日雇拠出金は見込み額を先に納めるものであり、確定した額との差は後の年度で調整される仕組みが置かれている(第174条以下)。返還か充当かの具体的処理は厚生労働省令の定めによる。業界裏話ヒント:差額が現金で戻る前提で資金繰りを組むと、充当処理だった場合に一時的な資金不足が出る。前年の処理実績を財務担当と共有しておくと、この読み違いは消える
健康保険法の委任先は健康保険法施行規則(厚生労働省令)である。本条は不足見込額の算定方法を省令に委ねており、条文だけを読んでも金額は出ない構造になっている。業界裏話ヒント:実務で効くのは規則の条文より、保険者側から示される算定の内訳だ。内訳の項目を年度ごとに保存しておくと、翌年度の増減要因を分子側か分母側かに自分で分解できるようになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 175条:概算日雇拠出金の「額」の算定方法 | — |
| 決まるもの | 不足見込額 × 前年度の総延べ納付日数比率 | — |
| 省令委任の有無 | 不足見込額の算定方法を厚生労働省令に委任 | — |
| 実務で効く場面 | 予算編成・増減要因の説明責任 | — |
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