第七条の三十七第一項(同条第二項及び第二十二条の二において準用する場合を含む。)の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
要点健康保険法 207 条の 2 は、保険者の役職員が業務上知った秘密を正当な理由なく漏らした場合に、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金を科す。退職者も対象であり、親告罪ではない。
Q · 健保組合の職員が私の病歴を会社に伝えたら、それは犯罪になるの?
正当な理由がなければ犯罪です。告訴なしでも起訴できます
健康保険法 207 条の 2 は、保険者の役員・職員またはその職にあった者が、業務上知った秘密を正当な理由なく漏らした場合に、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金を科します。医師等の秘密漏示罪(刑法 134 条)が 6 月以下の拘禁刑または 10 万円以下の罰金で、しかも親告罪(刑法 135 条)であるのに対し、本条には親告罪の制限も「不正な利益を図る目的」といった目的要件もありません。悪意がなくても成立し得る点が実務上の分岐点になります。
協会けんぽと健康保険組合の事務局は、あなたが去年どの科に何回通い、どんな薬を処方されたかを、レセプト(診療報酬明細書)で見ることができる立場にある。健康保険法 207 条の 2 は、その職員が業務上知った秘密を正当な理由なく漏らした瞬間、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金を用意している。押さえるべき点は三つ。まず名宛人は在職中の役員・職員だけではない。その職を退いた者も、準用によって健康保険組合の側の人間も、同じ罰条の射程に入る(同条 2 項、22 条の 2)。次に、医師の守秘義務違反である刑法 134 条が 6 月以下の拘禁刑または 10 万円以下の罰金で、しかも告訴がなければ起訴できない親告罪(刑法 135 条)であるのに対し、本条にはその制限が置かれていない。最後に、本条には目的要件がない。個人情報保護法の従業者処罰規定が「不正な利益を図る目的」を要求するのに対し、本条は動機を問わない。口が滑っただけでも成立しうる。
健康保険法 207 条の 2 は、保険者の秘密保持義務違反に対する罰則規定である。全国健康保険協会および健康保険組合の役員・職員またはこれらの職にあった者が、業務上知り得た被保険者等の秘密を正当な理由なく漏らした場合に、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金を科す。義務の本体は同法 7 条の 37 第 1 項にあり、本条はその制裁部分を担う直罰規定として機能する。
保険者の役職員が業務上知った秘密を正当な理由なく漏らした場合の罰則規定です。法定刑は 1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金で、義務の本体は同法 7 条の 37 第 1 項にあります。
あります。健康保険法 7 条の 37 第 1 項の守秘義務が、22 条の 2 により健康保険組合の役員・職員にも準用され、違反すれば 207 条の 2 の刑事罰の対象になります。
保険者(協会けんぽ・健康保険組合)の事務局のほか、審査支払機関や点検業務の委託先の担当者が閲覧します。閲覧できる立場の広さが、本条の刑事罰が置かれている理由です。
刑法改正により懲役と禁錮が拘禁刑に一本化され、2025 年 6 月 1 日から施行されました。本条も「一年以下の懲役」から「一年以下の拘禁刑」に表記が変わっています。罰金額に変更はありません。
まず保険者本体へ文書で閲覧ログの開示を求め、並行して弁護士に相談します。刑事は警察への告訴・告発、民事は損害賠償請求という別々のルートを同時に検討します。
本条の名宛人は 7 条の 37 第 1 項・22 条の 2 の準用が及ぶ範囲です。委託先の従業者に本条が直接及ぶかは委託形態により分かれ、及ばない場合でも個人情報保護法や契約上の責任が問題になります。
刑事の公訴時効は 3 年で、起算点は犯罪行為が終わった時です(刑事訴訟法 250 条 2 項、253 条)。民事の損害賠償は損害と加害者を知った時から 3 年、行為時から 20 年です(民法 724 条)。
医療機関等での資格確認と、保険者が保有するレセプト情報の閲覧は別の話です。保険者側の職員が業務上知った内容を正当な理由なく社内に伝えれば、本条の対象になります。
正当な理由なく漏らしたのであれば健康保険法 207 条の 2 の対象で、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金です。ただし「正当な理由」には幅があり、法令に基づく照会や本人の同意は含まれます。業界裏話ヒント:実務で最初に争点になるのは「漏らしたか」ではなく「事業主が正規に知り得た情報か」です。だから最初に取り寄せるべきは申請書の様式と事業主記入欄の写しになります
医師等の秘密漏示罪(刑法 134 条)は親告罪(刑法 135 条)で告訴が必須ですが、健康保険法にはその定めが置かれていません。理屈の上では告訴がなくても起訴できます。業界裏話ヒント:とはいえ被害届や告訴状がなければ捜査は事実上始まりません。実益は別のところにあり、親告罪なら告訴期間は犯人を知った日から 6 か月(刑事訴訟法 235 条)ですが、本条はその 6 か月の壁を受けません
別軌道で両方進みます。民法 709 条・710 条で本人に、さらに使用者責任(民法 715 条)で健保組合や協会本体にも請求できます。病歴や精神疾患のようなセンシティブ情報の漏示は、慰謝料が高めに認定される傾向があります。業界裏話ヒント:刑事が先に動くと、後の民事で記録を入手できる余地が広がります(刑事確定訴訟記録法、弁護士会照会)。順番を逆にすると、経路の立証で一気に苦しくなる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 名宛人 | 健康保険法 207 条の 2:保険者(協会けんぽ・健康保険組合)の役員・職員およびその職にあった者 | — |
| 法定刑 | 1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金 | — |
| 親告罪か | 親告罪の定めなし。告訴がなくても起訴できる | — |
| 目的要件 | なし。利益目的や加害目的を問わず、正当な理由なく漏らせば成立し得る | — |
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