要点健康保険法7条の29は、全国健康保険協会の財務諸表等について監事の監査のほか会計監査人の監査を義務づける。会計監査人は厚生労働大臣が選任し、任期は最初の決算の大臣承認時までである。
Q · 協会けんぽの決算を監査する会計監査人は、誰が選んでいるの?
厚生労働大臣が選任します。加入者に選ぶ権利はありません
健康保険法7条の29第2項により、全国健康保険協会の会計監査人は厚生労働大臣が選任します。資格は公認会計士または監査法人に限られ(第3項)、公認会計士法上その財務諸表の監査ができない者は会計監査人になれません(第4項)。任期は選任の日以後最初に終了する事業年度の財務諸表についての大臣承認の時まで、実質一年で切れます(第5項)。解任も大臣の権限で、義務違反・怠慢、非行、心身の故障の三類型に限定されています(第6項)。加入者に人事の一票はありません。
給与明細の健康保険料の欄、その先にある全国健康保険協会(協会けんぽ)は、加入者およそ4,000万人、年間十兆円規模の収支(最新の数値は協会の公表資料をご確認ください)を動かす日本最大の医療保険者である。その決算書が正しいかを外から確かめる装置が、本条の会計監査人監査だ。押さえる点は三つ。第一に、監事の監査「のほか」に会計監査人の監査が要求される二重構造であり、どちらか一方では足りない。第二に、その会計監査人を選ぶのは加入者でも協会自身でもなく厚生労働大臣である(第2項)。株式会社なら株主総会が選ぶ(会社法329条)ところを、ここでは監督官庁が握る。第三に、任期は選任後最初の決算について大臣の承認が下りる時まで、つまり実質一年で切れる(第5項)。毎年、監査の担い手を選び直せる構造になっている。
健康保険法7条の29は、全国健康保険協会の会計監査人監査を定める規定である。協会の財務諸表、事業報告書のうち会計に関する部分および決算報告書は、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。会計監査人は厚生労働大臣が選任し、公認会計士または監査法人に限定され、任期は選任後最初に終了する事業年度の財務諸表についての大臣承認の時までである。
財務諸表の適正性について外部から意見を述べる職業的専門家で、公認会計士または監査法人に限られます。健康保険法7条の29第3項が資格を定めています。
厚生労働大臣です(健康保険法7条の29第2項)。協会自身でも加入者でもなく、監督官庁が選任権を持つ点が株式会社と大きく異なります。
選任の日以後最初に終了する事業年度の財務諸表について厚生労働大臣の承認があった時までです(第5項)。実質一年で切れ、毎年選び直す構造です。
監事は業務運営全般を内部から監査する役員、会計監査人は財務諸表の適正性に絞って外部の専門家が意見を出す仕組みです。第1項は両方を要求しています。
公認会計士法の規定によりその財務諸表の監査ができない者は、会計監査人になれません(第4項)。特別の利害関係がある場合が典型です。
職務上の義務違反または怠慢、会計監査人にふさわしくない非行、心身の故障による職務遂行の支障の三類型に限られ、解任できるのは厚生労働大臣です(第6項)。
財務諸表、事業報告書のうち会計に関する部分、決算報告書の三つです(第1項)。事業報告書は会計部分に限定されている点に注意が必要です。
本条は全国健康保険協会についての規定であり、健康保険組合には直接適用されません。組合の財務手続は別の規定によります。
見られる。財務諸表は厚生労働大臣の承認を受けたうえで公告され、事業報告書・決算報告書と、監事および会計監査人の意見を記載した書面が閲覧に供される(健康保険法7条の28)。本条の監査を通った書類が、その中身である。業界裏話ヒント:読む順番は数字からではなく、会計監査人の意見の結論部分から。「無限定適正意見」以外の文言が出ていれば、争点はそこに集中している。
選任権者が違う。株式会社では株主総会が会計監査人を選び(会社法329条)、解任も株主総会や監査役会が担う(同法340条)。本条では選任も解任も厚生労働大臣である(第2項、第6項)。資格が公認会計士または監査法人という点は共通する(第3項)。業界裏話ヒント:加入者に人事の一票はない。使える経路は公表された監査意見と保険料率をめぐる議論の場に限られると知っておくと、動き方が変わる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律している場面 | 7条の29:決算書類を監事と会計監査人が二重に監査する | — |
| 主体と権限 | 会計監査人(大臣が選任・解任)と監事 | — |
| タイミング | 大臣の承認前、決算書類の確定過程 | — |
| 加入者から見た距離 | 監査意見という形で数字の信頼性を間接的に検証 | — |
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