要点手形法 39 条は、為替手形の所持人が一部支払を拒めないことを定める。支払人は一部支払の記載と受取証書を手形上に求めることができ、二重払いを防ぐ。
Q · 手形を呈示したら半分しか払ってくれないとき、受け取りを拒否できますか?
拒めません。一部支払も受け取る義務があります
手形法 39 条 2 項により、所持人は一部支払を拒むことができません。民法 493 条なら「本旨に従わない弁済」として拒めますが、手形では一部でも履行された分だけ振出人・裏書人ら遡求義務者全員の負担が縮むため、所持人個人の都合は後退します。拒めば受領遅滞となり、残額の遡求にも支障が出ます。受け取る際は、一部支払の記載と受取証書を手形上に確保し(3 項)、手形原本は残額遡求のため手元に保持します。
取引先から受け取った 100 万円の為替手形。満期に支払呈示したら、支払人が「今は 60 万円しか用意できない」と差し出してきた。民法の世界なら、あなたは「全額そろえてから来い」と突き返せる(民法 493 条、債務の本旨に従わない弁済は拒める)。ところが手形法 39 条 2 項は、あなたからその自由を奪う。「所持人ハ一部支払ヲ拒ムコトヲ得ズ」、一部でも差し出されたら受け取らねばならない。なぜか。手形には振出人や裏書人という、あなたに対して責任を負う者が鎖のように連なっている。60 万円を受け取っておけば、残り 40 万円だけを彼らに遡求すればよく、全員の負担が軽くなる。あなた個人の都合より、手形に関わる全員の利益が優先される世界なのだ。そして支払人は、払った証拠を手形そのものに書き込むよう要求できる(1 項・3 項)。これを怠れば、流通先での二重払いの罠が口を開ける。
手形法 39 条は、為替手形の支払に関する規律であり、支払人は受取の記載を求めうること、所持人は一部支払を拒めないこと、一部支払時には支払人が手形上の記載と受取証書の交付を請求しうることを定める。民法 493 条の弁済原則に対する手形法上の特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
額面の一部だけが支払われることです。手形法 39 条 2 項により所持人は一部支払を拒めず、残額は振出人・裏書人に遡求します。
拒まず受け取り、手形原本に支払額を記載させ、受取証書を求めます。手形は手元に残し、残額を遡求義務者に請求します(手形法 39 条・43 条)。
支払を証する書面で、手形法 39 条 1 項により支払人が交付を請求できます。払った証拠を残し、二重払いを防ぐためのものです。
記載を怠ると手形が流通した先で全額未払いとして再請求され、支払人が二重払いのリスクを負います。記載は二重払いを防ぐ防波堤です。
できません。手形法 39 条 2 項が明文で禁じています。拒むと受領遅滞となり、残額の遡求権の行使にも支障が生じます。
返りません。一部支払では所持人が手形を保持します。全額支払のときだけ手形原本の交付を受けられます。
民法 493 条は本旨に従わない一部弁済を拒めますが、手形法 39 条 2 項は逆に一部支払を拒めません。流通の安全を優先する特則です。
適用されます。手形法 77 条が約束手形に 39 条を準用しており、一部支払を拒めないルールは約束手形にも及びます。
突き返せません。手形法 39 条 2 項で、所持人は一部支払を拒めないと定められています。拒むと受領遅滞となり、残額の遡求にも支障が出ます。業界裏話ヒント:資金繰りの悪化した相手ほど、満期に全額は出せないもの。ここで「全額そろえてから来い」と意地を張ると、相手が倒産して銀行取引停止処分になった後は一円も取れなくなる。一部でも今のうちに握るのが回収の鉄則です
一部支払では手形はあなた(所持人)が持ち続けます。残額を振出人・裏書人に遡求する根拠になるからです。支払人には一部支払の記載と受取証書を渡します(手形法 39 条 3 項)。業界裏話ヒント:全額支払のときだけ手形原本を相手に交付する。一部なのに原本を返してしまうと、残額を遡求する武器を自ら手放すことになる。原本は絶対に手放さない
裏ではなく正当な権利です。手形法 39 条 1 項・3 項で、支払人は受取を証する記載と受取証書の交付を請求できます。手形は転々流通するので、払った証拠を残さないと別の所持人から二重に請求されかねないからです。業界裏話ヒント:払う側こそ証拠の記載を取りこぼすな。記載や証書なしで現金だけ渡すと、その手形が裏で他人に渡り「未払い」として再請求される。要求するのは当然の自衛策です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 一部弁済への対応 | 手形法 39 条 2 項:所持人は一部支払を拒めない | — |
| 趣旨 | 遡求義務者全員の負担最小化・流通の安全 | — |
| 支払後の処理 | 一部支払は記載 + 受取証書、手形は所持人が保持 | — |
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