この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
要点労働者災害補償保険法 49 条の 5 は、厚生労働大臣の権限の一部を厚生労働省令により都道府県労働局長へ委任できると定める。委任後は労働局長が自己の名で労災給付を決定する。
Q · 労災を断られたら、文句を言う相手は東京の厚生労働大臣ですか?
違います。決めたのは委任を受けた地元の労働局・監督署長です。
労働者災害補償保険法 49 条の 5 により、厚生労働大臣の権限の一部は厚生労働省令で都道府県労働局長に委任されます。実際の労災の支給・不支給は、委任を受けた都道府県労働局長や労働基準監督署長が自らの名で決定します。そのため不服があるときの相手も大臣ではなく現場機関であり、まずは労働者災害補償保険審査官への審査請求から始めます。決定通知の差出人欄を確認することが、争う相手を取り違えない第一歩です。
労災を申請したとき、その支給決定や不支給決定を実際に下すのは、東京の厚生労働大臣ではない。あなたが住む地域の都道府県労働局長であり、その下の労働基準監督署長だ。なぜそうなるのか。その答えがこの条文にある。法律が厚生労働大臣に与えた権限の「一部」を、厚生労働省令の定めに従って都道府県労働局長に委任できる、と定めている。委任(上位者の権限を下位者に移し、移された側が自分の名で行使すること)が行われると、決定の名義人も、不服を申し立てる相手も、現場の役所へ移る。つまり、あなたが労災で争うとき、戦う相手は霞が関の大臣ではなく、地元の労働局だということだ。この一見地味な委任規定が、あなたの審査請求書を「誰宛てに」「どこへ」出すかを静かに決めている。
労働者災害補償保険法 49 条の 5 は、権限の委任を定める規定である。同法が厚生労働大臣に付与した権限について、厚生労働省令の定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することを認める。委任を受けた機関は、その権限を自己の名と責任において行使する点で、庁内の事務処理にとどまる専決・代決とは法的に区別される。
上位の行政庁が法律上の権限の一部を下位の行政庁に移し、移された側が自分の名と責任で行使することです。労災では厚生労働大臣の権限が都道府県労働局長に委任されます。
厚生労働省の地方支分部局である都道府県労働局の長で、管内の労働基準監督署を統括します。労災保険では委任を受け、給付の支給・不支給決定の名義人となります。
まず労働者災害補償保険審査官に審査請求をします。行政不服審査法の一般ルートではなく労災専門の特別ルートで、決定を知った日の翌日から 3 か月以内が原則です。
委任は権限そのものが下位機関に移り、受任者が自分の名で決定します。専決・代決は権限を元の機関に残したまま庁内で事務処理するだけで、決定の名義は元の機関のままです。
都道府県労働局に置かれる労働者災害補償保険審査官に対して行います。さらに不服があれば労働保険審査会に再審査請求でき、その後に取消訴訟という流れになります。
労働者災害補償保険法施行規則が、どの権限を都道府県労働局長や労働基準監督署長に委任するかを具体的に定めます。委任の範囲は省令改正で調整される仕組みです。
原則として被災時の勤務先を管轄する都道府県労働局・労働基準監督署が決定します。委任構造を知っていれば、書類の提出先で迷いません。
委任を受けた行政庁が所属する国が被告となります。処分をした行政庁の名義を確認することが、訴訟の相手を取り違えないために重要です。
違います。実際に決定したのは委任を受けた都道府県労働局長またはその下の労働基準監督署長です(本条による委任)。不服があるときは、まず労働者災害補償保険審査官に審査請求をします。業界裏話ヒント:労災の不服申立ては行政不服審査法の一般ルートではなく、労働者災害補償保険審査官という専門の審査官に出す特別ルートです。窓口で『大臣に異議を』と言っても通らない。正しい専門ルートを最初から知っているかで、貴重な不服申立て期間を無駄にせずに済む
権限の委任が行われると、委任を受けた都道府県労働局長が自分の名と責任で権限を行使します(本条)。庁内で事務だけを処理する専決や代決とは法的に別物です。業界裏話ヒント:処分の取消訴訟では『誰の処分か』で被告が決まります。委任なら、委任を受けた行政庁の所属する国が相手。決定通知の差出人欄を見落とすと、争う相手そのものを取り違えかねない
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