要点労働者災害補償保険法 7 条は、労災給付を四種に分け、通勤を就業に関する合理的な経路・方法での移動と定義する。経路を逸脱・中断した間は通勤に当たらない。
Q · 退勤途中にスーパーへ寄り道して転んだら、もう労災にはならないの?
寄り道の間は対象外だが、経路に戻れば再び労災になる
労働者災害補償保険法 7 条により、労災保険の給付は業務災害・複数業務要因災害・通勤災害・二次健康診断等給付の四種に分かれます。通勤災害では、経路を逸脱・中断した『間』は通勤に当たりませんが、日用品の購入や通院など日常生活上必要な最小限の行為であれば、本来の経路に戻った後の移動は再び通勤として保護されます(同条 3 項ただし書、施行規則 8 条)。スーパーを出て帰り道に復帰した後の事故は、通勤災害として療養給付の対象になり得ます。
残業帰りのあなたがスーパーへ寄り、夕食の食材を買って店を出た直後、暗い歩道で転んで骨折した。これは労災か、それともただの自己責任か。多くの人は「寄り道した時点でもう通勤じゃない、全額自腹だ」と思い込む。だが労働者災害補償保険法 7 条を読むと話は逆転する。本条は労災保険が払う給付を四種類(業務災害、複数業務要因災害、通勤災害、二次健康診断等給付)に分け、さらに「通勤」とは何かを正面から定義する。鍵は逸脱・中断のルールだ。経路を外れて寄り道している「間」は通勤ではないが、その寄り道が日用品の購入や通院など日常生活上必要な最小限の行為なら、元の経路に戻った後の移動は再び通勤として保護される。つまりスーパーを出て本来の帰り道に復帰した瞬間からの事故は、労災になりうる。この一条を握っているかどうかで、治療費と休業補償が出るか、泣き寝入りして自腹を切るかが分かれる。
労働者災害補償保険法 7 条は、労災保険給付を業務災害・複数業務要因災害・通勤災害・二次健康診断等給付の四種に区分し、あわせて通勤の意義を定める規定である。通勤とは、就業に関し、住居と就業場所の間の往復、就業場所間の移動、単身赴任先と帰省先の住居間移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除く。
AI 輔助整理,以條文原文為準
労働者が就業に関し、合理的な経路及び方法で移動する途中で受けた負傷・疾病・障害・死亡をいいます。労働者災害補償保険法 7 条 2 項が定義し、療養給付などの対象になります。
二つ以上の会社で働く人が、複数の事業の業務を要因として発症した負傷・疾病等です。令和 2 年に新設され、両社の負荷を合算して評価されます(7 条 1 項 2 号)。
なり得ます。赴任先住居と家族の住む自宅との間の移動も、施行規則の要件を満たせば通勤に含まれます(7 条 2 項 3 号)。週末の帰省ルートでの事故が対象になる場合があります。
定期健康診断で脳・心臓疾患のリスク所見が出た労働者が、無料で二次健診と特定保健指導を受けられる給付です。労働者災害補償保険法 7 条 1 項 4 号に基づきます。
療養給付・休業給付・障害給付・遺族給付・葬祭給付・傷病年金・介護給付などがあります。業務災害とほぼ同じ内容で、療養給付の自己負担は原則ゼロです。
保育所への送迎は経路として認められる余地があり、合理的な経路の範囲内なら通勤として保護されます。共働き世帯の日常の通り道が対象になる場合があります。
療養給付・休業給付は 2 年、障害給付・遺族給付は 5 年で時効消滅します(労働者災害補償保険法 42 条)。短い 2 年の時効に特に注意が必要です。
業務災害は会社の指揮命令下の業務に起因するもの、通勤災害は就業に関する移動中のものです。通勤災害は会社のメリット制(保険料増減)に原則影響しません。
なります。日用品の購入は労働者災害補償保険法施行規則 8 条の『日常生活上必要な行為』に当たり、コンビニに立ち寄っている『間』は通勤外ですが、本来の経路に戻った後の移動は再び通勤として保護されます(同法 7 条 3 項ただし書)。業界裏話ヒント:トイレを借りる、店先で短時間立ち寄る程度の『ささいな行為』は、そもそも中断にすら当たらず通勤が途切れません。どこからが『中断』でどこまでが『ささいな行為』かが実務上の争点で、解釈が分かれる場面もあります。経路に戻ったタイミングを記録に残せるかが分水嶺です
原則として大きな迷惑はかかりません。通勤災害は業務災害と異なり、会社の労働保険料を上げ下げするメリット制に直接は影響しないのが原則です(業務災害ではないため、労働基準法 75 条以下の会社の災害補償責任とも切り離されます)。業界裏話ヒント:会社が『うちは関係ない』と申請を渋るケースがありますが、会社の証明は給付の絶対条件ではなく、労働者は労働基準監督署へ直接請求できます。遠慮して健康保険で済ませると、自己負担と休業補償の差で手取りが大きく目減りします
対象外になります。ジムでの運動や飲食店での飲み会は『日常生活上必要な行為』には当たらないため、立ち寄った時点で中断・逸脱となり、その後に経路へ戻っても通勤には復帰しません(労働者災害補償保険法 7 条 3 項)。業界裏話ヒント:同じ『寄り道』でも、通院・選挙の投票・要介護家族の介護・職業訓練などは規則 8 条で保護対象として列挙されており、経路復帰後は通勤に戻ります。何のために寄ったかで結論が正反対になるので、立ち寄りの目的を正確に説明することが重要です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 起因となる事由 | 通勤災害:就業に関する合理的な経路・方法での移動中の災害(7 条 2 項) | — |
| 経路逸脱・中断のルール | 逸脱・中断の間は対象外、日常生活上必要な行為なら経路復帰後は復活 | — |
| 会社のメリット制(保険料増減)への影響 | 原則として影響しない | — |
| 主な給付 | 療養給付・休業給付・障害給付等(21 条以下、自己負担原則ゼロ) | — |
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