要点労働者災害補償保険法 22 条は、通勤中の負傷・疾病に対し、請求に基づいて療養給付を行うと定める。給付は 13 条の療養補償給付を準用し、自己負担は原則 200 円のみとなる。
Q · 通勤中にケガをしたら、病院で健康保険証を出していいの?
出してはいけない。通勤災害は労災の療養給付の対象です
労働者災害補償保険法 22 条により、通勤中の負傷・疾病は労災保険の療養給付の対象となります。健康保険ではなく労災で受診すべきで、給付内容は業務災害の療養補償給付(13 条)を準用します。労災指定医療機関なら窓口負担なしで治療でき、自己負担は通勤災害特有の一部負担金 200 円のみです(31 条)。ただし給付は『その請求に基づいて行う』ため、本人が労働基準監督署へ請求しなければ支給されません。
会社帰り、駅の階段で足を滑らせて骨折した。とっさに病院の窓口で健康保険証を出す人が大半だが、それは間違いだ。通勤途中のケガは「通勤災害」、労働者災害補償保険法22条の療養給付の対象になる。健康保険を使うと、あとで健保組合に立て替えた医療費を返還して労災に切り替える二度手間が発生し、窓口で払った3割負担を一時的に自分でかぶる期間も生まれる。労災なら治療費は原則かからず、自己負担は通勤災害だけにある一部負担金200円のみ(31条)。しかもこの給付は「その請求に基づいて行う」、つまりあなたが請求しなければ1円も出ない。会社が労災を渋っても、請求は労働者本人の権利として労働基準監督署に直接出せる。13条の業務災害療養補償と同じ内容の現物給付(治療そのもの)を、通勤というルートで受け取る入口がこの条文だ。
労働者災害補償保険法 22 条は通勤災害に対する療養給付を定める規定であり、労働者が通勤により負傷し又は所定の疾病にかかった場合に、その請求に基づいて治療そのものを現物給付する。給付内容は業務災害の療養補償給付(13 条)を準用するが、通勤災害には一部負担金が課される点で性格を異にする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
就業に関して住居と就業の場所の間などを合理的な経路・方法で移動する途中の負傷・疾病・障害・死亡をいいます。私的な逸脱・中断があるとその後は通勤になりません。
労災指定医療機関で受診し、療養給付請求書(様式第 16 号の 3)に事業主証明を受けて病院経由で提出します。指定外で受診した場合は費用請求の様式を使います。
原則 200 円です(労災法 31 条、日雇労働者は 100 円)。業務災害の療養補償給付は無料ですが、通勤災害には社会保険的性格からこの一部負担金が課されます。
2 年です(労災法 42 条)。療養を受けた日ごと、費用を支出した日ごとに翌日から進行し、先送りした分から順に請求権が消滅します。
窓口で治療費を立て替える必要がなく、現物給付として治療を受けられます。指定外の病院だといったん全額を支払い、後から費用請求する手間が生じます。
住居と就業場所の往復、複数就業先間の移動、単身赴任先と帰省先住居の移動が含まれます(労災法 7 条 1 項各号)。合理的な経路・方法であることが前提です。
労働基準監督署の窓口や厚生労働省・労災のサイトで入手できます。労災指定医療機関で受診する際の療養の給付請求書で、事業主証明欄に会社の押印を受けます。
あります。療養給付とは別に休業給付があり(労災法 23 条)、療養のため労働できず賃金を受けられない日について給付が行われます。療養給付と並行して請求できます。
日用品の購入など日常生活上必要な行為で、ささいな寄り道(逸脱・中断)であれば、通常の経路に戻った後は通勤として扱われ療養給付の対象になります(7条3項)。ただし居酒屋での長時間の飲酒など私的な逸脱は、その後の移動も通勤から外れます。業界裏話ヒント:この「日常生活上必要な行為」の範囲は、選挙の投票、病院での受診、親族の介護なども厚生労働省令で例示として認められています。寄り道イコール即アウトと思い込んで請求を諦める人が多いが、寄り道の中身次第で救われるケースは少なくない
諦める必要はありません。労災給付は会社の承認を要件とせず、事業主証明欄が空欄でも労働者本人が労働基準監督署へ直接請求できます。通勤災害かどうかを判断するのは会社ではなく監督署です。業界裏話ヒント:会社が証明を渋る本音は、労災保険料率(メリット制)への影響を気にしてのことが多いが、通勤災害はメリット制の算定に原則含まれません。つまり会社が損をしないのに渋っているケースが実は多い。証明拒否の理由を一度確認してみる価値がある
手遅れではありません。後から労災へ切り替えられます。健康保険を使った分は、いったん健保組合へ立て替えていた医療費(健保負担分)を返還し、改めて労災へ請求し直す流れになります。業界裏話ヒント:この切り替えは一時的に医療費を全額立て替える必要が生じ、資金繰りの負担が重い。だからこそ最初の受付で「労災で」と言うのが最も得をする。すでに払ってしまった場合でも、領収書を必ず保管しておくこと、それが切り替え請求の生命線になる
受けられます。労災保険は雇用形態を問わず、労働者であれば適用されます。アルバイト、パート、派遣、日雇いも対象で、加入手続きをしていなくても労働の実態があれば給付は受けられます。業界裏話ヒント:派遣社員の通勤災害は、請求の窓口が派遣元(雇用主)になる点に注意。派遣先と混同して手続きが止まることがある。日雇労働者は一部負担金が100円になるなど細かな差もあるので、雇用形態を正確に伝えること(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる災害 | 22 条:通勤災害(通勤による負傷・疾病) | — |
| 自己負担 | 一部負担金 200 円(31 条) | — |
| 給付の性格 | 治療そのものの現物給付(13 条を準用) | — |
| 責任の根拠 | 社会保険的保護(使用者の補償義務外) | — |
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