要点労災保険法 23 条は、通勤災害による負傷・疾病が療養開始後一年六か月で治らず傷病等級に該当する場合、休業給付に代えて傷病年金を支給すると定める。
Q · 通勤事故で一年半経っても治らない。労災の給付は打ち切られるの?
打ち切られず傷病年金に切り替わる。療養給付も続く
労災保険法 23 条により、通勤災害の負傷・疾病が療養開始後一年六か月を経過しても(1)治っておらず、(2)障害の程度が傷病等級(第 1〜3 級)に該当するときは、休業給付が傷病年金へ自動的に切り替わります。これは原則として労働基準監督署長の職権で決まり、申請を待つ給付ではありません。治療費にあたる療養給付は治癒(症状固定)まで別途続くため、打ち切りではなく所得補償の形式が年金に変わるだけです。等級に届かない場合は休業給付が継続します。
通勤途中の事故で大怪我をした。最初の半年は休業給付で食いつないだ。だが一年半経っても治らない。多くの人がここで「給付がいつか打ち切られるのでは」と怯える。労災保険法 23 条は、まさにその不安に答える条文だ。通勤災害による負傷や疾病が、療養開始後一年六か月を経過した日に、(1)まだ治っていない、(2)障害の程度が厚生労働省令の定める傷病等級に該当する、この二つを同時に満たすと、休業給付が「傷病年金」へと自動的に切り替わる。あなたが知っておくべき核心は二つ。第一に、これは原則として労働基準監督署長の職権で決まり、あなたが申請書を出して審査を待つ給付ではない。第二に、これは業務災害の傷病補償年金(12 条の 8)の通勤版であり、補償の中身はほぼ同じだが「補償」の二文字が外れている。その二文字の有無が、後で意外な場面であなたの権利に響いてくる。
労災保険法 23 条の傷病年金は、通勤災害による負傷・疾病が療養開始後一年六か月を経過しても治癒せず、障害の程度が傷病等級に該当する場合に、休業給付に代えて支給される年金給付である。業務災害の傷病補償年金(12 条の 8)の通勤災害版にあたり、原則として労働基準監督署長の職権で支給決定される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
通勤災害で療養開始後一年六か月を経過しても治らず、傷病等級に該当する場合に、休業給付に代えて支給される年金です。労災保険法 23 条が根拠で、監督署長の職権で決まります。
給付基礎日額に傷病等級ごとの日数を掛けた額です。第 1 級は 313 日分、第 2 級は 277 日分、第 3 級は 245 日分が年額の目安です。別途特別支給金もあります。
傷病年金は『まだ治っていない(療養中)』が前提、障害(補償)年金は『治った(症状固定)が障害が残った』が前提です。今が療養中か症状固定後かで入口が変わります。
傷病等級第 1 級から第 3 級に該当する場合に支給されます。等級に届かない場合は傷病年金に移行せず、治癒まで休業給付が続きます。
同じ傷病で障害厚生年金・障害基礎年金も受ける場合は併給調整され、労災側の傷病年金が減額されます。年金事務所と労働局の双方に確認が必要です。
合理的な経路・方法での通勤が対象です。寄り道(逸脱・中断)後の事故は原則対象外ですが、日常生活上やむを得ない最小限の行為(買い物・子の送迎等)は例外的に通勤と認められます。
原則として申請は不要です。監督署長が職権で支給決定します。ただし『傷病の状態等に関する届』の提出を求められることがあります。
決定があったことを知った日の翌日から三か月以内に、労働者災害補償保険審査官へ審査請求できます(労災保険法 38 条)。期限を逃すと覆すのが極めて困難です。
中身の金額や等級表はほぼ同じですが、名前と一部の扱いが違います。仕事中は『傷病補償年金』(12 条の 8)、通勤中は『傷病年金』(23 条)で、後者は『補償』が付きません。業界裏話ヒント:この『補償』の有無は、労働基準法上の事業主補償義務に由来します。通勤災害は事業主の支配下の事故ではないという建前があるため、待期期間中の事業主負担などで差が出る。同じ怪我でも『通勤か業務か』の認定が、細部であなたの権利を左右する
原則として申請は不要です。傷病年金は監督署長が職権で支給決定する仕組みで、休業給付を受けている人については監督署が状態を把握しています(23 条が準用する関連規定)。ただし『傷病の状態等に関する届』の提出を求められることがあります。業界裏話ヒント:職権だからと完全に任せきりにすると、傷病等級の判定が実態より軽く出て、本来より低い年金になることがある。主治医の診断書の症状記載が判定の生命線なので、固定前に医師としっかり症状をすり合わせるかどうかで、年金額が変わる
いいえ、なりません。傷病年金は休業給付(働けない間の所得補償)に代わるもので、療養給付(治療費)は治癒(症状固定)まで別途続きます(労災保険法 22 条の関連給付)。つまり治療費はゼロのまま、所得補償が年金形式に変わるだけです。業界裏話ヒント:『治癒』は完治の意味ではなく、これ以上治療しても良くならない症状固定の状態を指す法律用語。症状固定と判断されると療養給付も傷病年金も終わり、今度は障害補償の世界に移る。この用語の意味を取り違えると、自分の給付がいつ切り替わるか読み違える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる災害 | 傷病年金(23 条):通勤災害 | — |
| 支給の前提 | 療養開始後一年六か月経過 + 未治癒 + 傷病等級該当 | — |
| 決定の仕組み | 原則として監督署長の職権で支給決定 | — |
| 名称の差と含意 | 『補償』が付かない=事業主補償義務の建前が及ばない | — |
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