要点労働者災害補償保険法22条の5は、労働者が通勤により死亡したとき、葬祭を行う者の請求に基づき葬祭給付を支給すると定める。給付額は同法17条を準用して算定される。
Q · 通勤途中の事故で家族が亡くなったら、葬式代は国からもらえるの?
葬式を出した人が請求でき、遺族に限られません
労働者災害補償保険法22条の5により、労働者が通勤により死亡したとき、葬祭を行う者の請求に基づいて葬祭給付が支給されます。受給者は「遺族」ではなく「葬祭を行う者」、つまり現実に葬儀を執り行った人です。給付額は同法17条を準用し、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額(それが60日分に満たないときは60日分)。ただし「通勤により」の要件を満たすことが前提で、合理的経路の逸脱や私的中断があると対象外になる場合があります。請求権は死亡日の翌日から2年で時効消滅します。
朝、いつもの電車で会社へ向かう途中、駅の階段から転落して亡くなった。この『通勤途中の死』に、国の労災保険が動く。労働者災害補償保険法22条の5は、労働者が通勤により死亡したとき、葬祭を行う者の請求に基づいて葬祭給付を支給すると定める。ここであなたが見落としがちな言葉が『葬祭を行う者』だ。遺族とは書いていない。実際に葬式を出した人、それが請求権者になる。身寄りのない同僚の葬儀をあなたが出したなら、あなたが請求できる。金額は第17条を準用し、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額(それが60日分に満たなければ60日分)。さらに決定的なのが『通勤により』の四文字だ。寄り道や私用での中断があると、通勤と認められず一円も出ないことがある。
労働者災害補償保険法22条の5は通勤災害における葬祭給付を定める規定であり、労働者が通勤により死亡した場合に、葬祭を行う者の請求に基づいて葬祭費用を填補する給付を支給する。給付額は業務災害の葬祭料を定める同法17条を準用し、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額(その額が60日分に満たないときは60日分)とされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署に、葬祭給付請求書(様式第16号)を提出します。会社に通勤と死亡の事実の証明を依頼するのが通常の流れです。
労働者が死亡した日の翌日から2年で時効消滅します(労災保険法42条)。葬儀や相続手続に追われて見落としやすいため、死亡直後に期限を控えておくことが大切です。
葬祭給付請求書(様式第16号)、死亡を証明する書類、通勤経路や勤務実態に関する会社の証明などです。葬儀社の領収書を自分名義で保管しておくと立証に役立ちます。
合理的な経路・方法による自転車通勤であれば対象です。通勤手段は徒歩・自転車・公共交通機関・自家用車を問わず、7条の通勤要件を満たすかどうかで判断されます。
会社の証明がなくても、労働者側で監督署に請求できます。保険料上昇を恐れて申請を妨げる行為は「労災隠し」として処罰対象です。監督署に直接相談しましょう。
もらえます。労災保険は雇用形態を問わず原則すべての労働者を対象とし、保険料は全額事業主負担です。パート・アルバイト・日雇いでも通勤災害の補償を受けられます。
通勤との因果関係(通勤起因性)が問われます。通勤が原因の事故なら対象ですが、私病による発作など通勤と無関係の死亡は通勤災害と認められないことがあります。
原則として減りません。葬祭給付は定額方式で算定され、受け取った香典や生前の互助会積立があっても給付額が削られることは原則ありません。
別にもらえます。葬祭給付(22条の5)は『葬祭を行う者』への葬儀費用の填補、遺族給付(22条の4)は生計を維持されていた遺族への補償で、制度も受給者要件も違います。受け取る人が別人でも構いません。業界裏話ヒント:実務では、葬式を出した人と遺族年金を受け取る人が同一だと思い込み、片方しか請求しない取りこぼしが頻発します。葬儀を出したのが遺族年金を受けない親族なら、その人が葬祭給付を別途請求できる。両制度の窓口は同じ監督署なので、提出時に『両方ある』と確認すること
請求できます。条文は受給者を『葬祭を行う者』と定めており、遺族に限定していません。身寄りのない人の葬儀を実際に執り行ったなら、あなたが請求権者です。業界裏話ヒント:複数人で費用を分担した場合、誰が請求権者かは『現実に葬祭を主宰した者』で判断されます。葬儀社の契約者・領収書の宛名を自分にしておくと立証が容易。逆に、もらった香典や生前の互助会積立があっても、それで給付額が削られることは原則ありません
短時間の日常的な買い物程度なら、中断後も通勤と認められます(7条3項但書の『日常生活上必要な行為でやむを得ない最小限度のもの』)。ただし長時間の私用や、合理的経路から大きく外れた逸脱の最中の事故は通勤災害になりません。業界裏話ヒント:飲み会や私的な寄り道の『最中』は完全に対象外ですが、それを終えて『本来の経路に戻った後』は通勤と認められる、という二段構えの判断がされます。寄り道の内容と時間、経路復帰の有無を具体的に記録しておくことが、給付の生死を分ける
第17条の準用により、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額です。ただしその額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、60日分が支給されます(高い方を採用)。給付基礎日額は原則として死亡前直近3か月の賃金から算定します。業界裏話ヒント:給付基礎日額が高い人ほど『60日分』の方が有利になり、定額部分が消えて日額計算一本になります。賃金の高かった人ほど計算方法に注意。算定の基礎賃金にボーナスは含まれないなど細部があるので、監督署での確認が確実です(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 給付の対象 | 22条の5:通勤災害の葬祭給付(葬祭を行う者へ) | — |
| 受給者 | 現実に葬祭を行った者(遺族に限らない) | — |
| 発生原因 | 通勤による死亡(7条の通勤要件を満たすこと) | — |
| 給付額 | 315,000円+給付基礎日額30日分(60日分に満たなければ60日分) | — |
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