要点労働者災害補償保険法 18 条は、療養開始後 1 年 6 か月を過ぎても傷病が治らず傷病等級に該当する場合に傷病補償年金を支給し、同一事由の休業補償給付を打ち切ると定める。
Q · 労災の傷病補償年金に切り替わると、何が変わるの?
休業補償が年金に切り替わり、解雇制限が外れる引き金にもなります
労災保険法 18 条により、療養開始後 1 年 6 か月を過ぎても傷病が治らず傷病等級(第 1〜3 級)に該当すると、労働基準監督署長の職権で傷病補償年金に切り替わり、同一事由の休業補償給付は打ち切られます(2 項)。額は別表第一に基づき年 313 日・277 日・245 日分です。注意すべきは、この年金受給と療養開始 3 年経過が揃うと、労災保険法 19 条を通じて労働基準法 19 条の解雇制限が外れる点です。
工場のプレス機に手を挟まれて一年半、まだ職場に戻れない。あなたは毎月の休業補償給付でかろうじて生活を支えてきた。ところがある日、労働基準監督署長から「傷病補償年金に切り替える」という通知が届く。多くの人はこれを「年金がもらえるなら、むしろ手厚くなったのだ」と受け取る。労災保険法18条はこう定める。傷病補償年金は厚生労働省令で定める傷病等級(重い順に第1級から第3級)に応じ、別表第一の額を支給する。そして2項、傷病補償年金を受ける者には休業補償給付は行わない。つまり日額ベースの休業補償から、年金へと給付の正体が入れ替わる。だがあなたが本当に知るべきはその先だ。この切り替えは、別の条文(労災保険法19条)と連動して、療養開始から3年が過ぎた瞬間、あなたを守っていた労働基準法の解雇制限を静かに無効化する引き金になる。18条は給付額の条文の顔をして、実はあなたの雇用の運命を左右するスイッチの一部である。
傷病補償年金は、労働者災害補償保険法 18 条が定める保険給付であり、業務上の傷病による療養開始後 1 年 6 か月を経過しても治癒せず、厚生労働省令の傷病等級(第 1 級から第 3 級)に該当する場合に、別表第一の額を年金として支給する制度をいう。支給開始により、同一事由の休業補償給付は行われない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
業務災害で療養が長期化し、傷病等級(第 1〜3 級)に該当する重い状態になったときに、休業補償に代えて支給される年金です。労災保険法 18 条が根拠です。
傷病等級は第 1 級から第 3 級まであり、別表第一により年金額が給付基礎日額の年 313 日分(第 1 級)、277 日分(第 2 級)、245 日分(第 3 級)と定められています。
できません。労災保険法 18 条 2 項により、傷病補償年金を受ける者には同一事由の休業補償給付は行われず、年金に一本化されます。
療養開始後 1 年 6 か月を経過した時点で治っておらず、傷病等級に該当する場合に、監督署長の判断で支給に切り替わります。
傷病補償年金とは別枠の一時金で、第 1 級 114 万円・第 2 級 107 万円・第 3 級 100 万円が社会復帰促進等事業から支給されます。保険給付ではありません。
労働者災害補償保険審査官に対し、決定を知った日の翌日から 3 か月以内に審査請求ができます(最新の期限はご確認ください)。
年金そのものは署長の職権決定で請求の時効はありませんが、各支払期月分を受ける権利は 5 年で時効消滅します(労災保険法 42 条)。
労災保険の保険給付は非課税です。所得税も住民税もかからず、差押えも原則禁止されています。
ケースによります。休業補償給付は給付基礎日額の6割(特別支給金を含め実質8割)を休業日数分、傷病補償年金は等級に応じ年313日分・277日分・245日分です(18条、別表第一)。さらに傷病補償年金には傷病特別支給金という一時金が別枠で付きます。業界裏話ヒント:弁護士が真っ先に確認するのは額ではなく、療養開始からの経過年数です。なぜなら年金受給と3年経過が揃った瞬間、解雇制限が外れるから。金額の損得だけ見ていると、足元の雇用リスクを見落とす
条件が揃えば本当です。療養開始から3年経った日に傷病補償年金を受けていれば、使用者は打切補償を支払ったとみなされ(労災保険法19条)、労働基準法19条の解雇制限が外れます。最高裁もこれを認めています(最判平成27年6月8日、専修大学事件)。業界裏話ヒント:会社の人事担当はこの3年ルールを知っていますが、療養中の従業員に親切に教えることはまずありません。自分で療養開始日を記録し、3年到達前に障害補償給付や損害賠償の道を整えておくかどうかで、その後の生活設計が大きく変わる
他の労災給付と違い、これは労働基準監督署長が職権で支給を決定する珍しい給付です(18条、12条の8)。療養開始後1年6か月を過ぎても治らず、傷病等級に該当する状態だと、署長が判断して切り替えます。業界裏話ヒント:職権だからといって受け身でいるのは危険です。等級認定は提出される医師の診断資料に強く影響され、等級が一つ違うだけで年金額が年数十日分変わる。主治医に症状を正確に書いてもらう働きかけは、本人にしかできない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 給付の正体 | 18 条:傷病補償年金(等級別の年金) | — |
| 支給開始の契機 | 療養 1 年 6 か月超 + 傷病等級該当 + 署長の職権決定 | — |
| 額の基準 | 別表第一:年 313 日・277 日・245 日分 | — |
| 雇用への影響 | 受給 + 療養 3 年で解雇制限解除の引き金になる | — |
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